2006年06月30日

学年懇談会の開催

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 本校ではできるだけ保護者の皆さんに学校の状況を知っていただくという趣旨で、授業参観や学年懇談会を実施しています。
 今週は6月26日(月)に中学1年生・2年生、28日(水)には中学3年生の学年懇談会を実施し、それぞれ110名を超える保護者の方にご出席いただきました。昨今、入学式と卒業式しか出ないという保護者が大半という学校もあるようですが、本校については出席率が高く保護者の教育に対する関心の深さをうかがい知ることができ、心強く感じています。
 既に新学期がスタートして3ヶ月になりますが、生徒達にとっては学校や新しい友人との人間関係にも慣れ、それぞれの生活のペースがつかめるようになってきています。しかし一方で、環境の変化にうまくなじめず、未だに規則正しい生活や学習の習慣が身に付いていないという生徒が出はじめる時期でもあります。
私は最初に『雲雀丘学園の中学・高校は変わります』というテーマで、“将来社会で役立つ力を育てる”ために現在学校で取り組んでいること、また来年度に向けて、きめ細かい進路実現をはかるために検討している「コース」や「授業時間」の変更等についてお話ししました。そして家庭と学校が連携して子ども達を育てていくという共育の大切さを訴えました。
人間力や学力の向上は、一朝一夕に達成できるものではありません。日々の積み重ねが何よりも大切であり、そのためには習慣化することが不可欠です。何事も当たり前のことを繰り返し行うことによって、真の力が備わってくるのは間違いありません。
これからも本校を卒業した生徒達が社会に出た時に、「雲雀丘学園で学んで良かった」と言えるような学校づくりを進めていきたいと思っています。

2006年06月29日

避難訓練の実施

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6月28日(水)、「厨房から火災が発生した」という想定のもと、「校舎外に出なさい」という校内放送により、各教室から校庭への避難訓練を行ないました。全クラスが校庭に集合するまでの避難時間は 6分19秒 ということで、昨年よりはわずかですが短縮できたようです。
私は、講評の中で二つのことを話しました。一つ目は〝災害が発生した時には迅速かつ的確に行動することが大切である。今日は訓練ということであるからスムーズに避難できているが、実際に災害が発生した場合には、往々にしてパニックに陥ってしまい、二次災害が発生することになる。これを防ぐためには、先生からの指示や放送内容をしっかりと聞き、落ち着いて行動しなければならない。〟
二つ目は〝日頃から不測の事態に備えて危機管理の徹底をはかっておくことが大切である。特に通路や扉付近に物をおくことを避け、常に整理整頓を心がけておかなければならない。〟
昨今の状況を見ると、いたるところで実にさまざまな災害が起こっているにもかかわらず、「恐らく自分達の所は大丈夫だろう」と安易に考えてしまい何らの対策も打たないということになりがちです。しかし、これらは決して〝対岸の火事〟ではありません。いつ自分達のところで起こってもおかしくないのではないかと考えておく必要があります。
また、地震国である日本ではこれまでマグニチュード7以上の地震が10年に一度の割合で発生しています。既に阪神淡路大震災から11年が、関東大震災(Ⅰ923年)からは83年が経過していますが、『備えあれば憂いなし』、この機会にもう一度防災についての意識を高めていきたいと思っています。

2006年06月28日

カナダ研修説明会

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 6月27日(水)、国際部の主催で『第4回カナダ東部夏季研修旅行』の最終説明会が行われました。本校では、夏休みを活用して中学生を対象にカナダ研修を実施していますが、これまで様々な改良を加えることで年々内容が充実してきており、本年度の参加者は30名になります。この説明会には生徒と保護者の皆さんが出席されていましたが、私は冒頭の挨拶で、日本を中心として描かれた日本地図ではなく、日本が上下逆に描かれている、南半球の地図で描かれている日本地図を示し、「日本の常識は世界の非常識、世界の常識は日本の非常識」という話をしました。これからますますグローバル化が進展することになり、世界中のさまざまな国の方々と“共生”していくことが必要になってきます。このためには、相手のことを理解し受け入れていく姿勢が何よりも大切ですが、日本で生活し常に日本人と接している中からは、国際的な視野に立った考え方や行動は生まれてこないように思います。これからグローバル社会の中で活躍していくためには、自分を中心とした物の見方を変えていかなければなりません。そのためには、異質な人々との積極的な交流をはかり、お互いの「違い」に気づいていこうとする気持ちが必要です。
今回のカナダ研修では、日本を中心とした見方をしている自分にまずは気づく、そして、世界のそれぞれの地域での物の見方や考え方が異なるということを現地の方々との交流を通じて学んできて欲しいと考えています。言い換えると、自らの生活圏である日本という国を離れて、日本という国を外から客観的に見るということです。
また、これまでこの研修を通じて学んだ人の中には、高校に入ってリーダーとなっている人も数多くいます。雲雀丘学園のみならず、日本の中学生を代表しているという自覚と誇りを持って行動してくれることを期待しています。
 最後に、この研修を実施することができるのは、カナダで生徒達を受け入れてくださるご家庭をはじめ様々な方々のご支援やご協力の賜であると思っています。関係の皆さんに心から感謝を申し上げます。

2006年06月27日

文楽の鑑賞

6月22日(木)、日本橋にある国立文楽劇場において、高校1、2年生が日本の古典芸能である文楽を鑑賞しました。文楽は初めてという生徒がほとんどでしたが、文楽の成り立ちや人形の動かし方の説明、実際に人形に触れる機会等も設けていただき、最後まで興味深く鑑賞しました。文楽は我が国の伝統的な人形劇であり、世界に誇りうる高度な舞台芸術ですが、この名前の由来はもともとこの人形劇を上演する劇場の名前だったものがいつの間にか芸能そのものを指すようになり、明治の終わり頃以降からは正式名称として使われるようになったようです。以前は“人形浄瑠璃”と呼ばれ浄瑠璃に合わせて演じて操るという人形芝居という意味であり、浄瑠璃と一体の人形を三人がかりで動かす“三人遣い”という独特の様式です。世界にはマリオネット、ギニョール、影絵人形など数多くの人形劇がありますが、これらのほとんどは人形を操作する人の姿を観客から隠すための手法が考案されているのに対し、文楽では人形遣いが堂々と観客の前に登場するという特徴があります。
 また,人形劇とともに文楽の舞台をささえるもう一つの柱である”浄瑠璃”義太夫節(ぎだゆうぶし)は、本来感情のない木でできた人形に生命を吹き込むという使命を有しています。そして登場人物のすべてのセリフだけではなく、その場の情景や物語の背景の説明まで太夫一人でやってのけるというまさに人情の機微を語り生かしています。さらに義太夫節の三味線も他の音楽の伴奏とは異なり、“心を弾く”ことを大切にしています。聞くところによると、文楽はお年寄りの楽しみと思われがちですが、最近では学生をはじめとする若い人の姿が目立つようになってきており、その素晴らしさに惹かれて入門する人も増えてきているようです。
 これまで私も外国の方から日本の歴史や文化についての色々な質問を受けたものの、十分説明できないということが何回もありました。わが国には文楽以外にも能や歌舞伎等世界に誇れるものが数多くあります。今後ますますあらゆる面でのグローバル化が進展しますが、日本の良き伝統や文化を理解し、後世に引き継いでいくことが大切であると思っています。

2006年06月23日

卒業生に学ぶ

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6月21日(水)、 高校1年生を対象に進路学習の一環として“卒業生(先輩)に学ぶ”というテーマで現在実習中の皆さんからお話をいただきました。
 この日のために事前に14名の実習生から、大学で学習している内容を中心にプロフィールを提出していただき、この一覧に基づき生徒が希望する講座を選択するということにしました。
 講師の実習生についてはそれぞれ大学も異なり学部・学科も多岐にわたっています。そのため、生徒にはできるだけ複数の講義を受講してもらうという狙いで、同じ内容を2回説明していただくという設定となりました。私もかけ足で各教室を巡回させていただきましたが、限られた時間の中で実習生達はそれぞれにプリントを用意したり、パソコンやプロジェクターを活用する等工夫を凝らして説明を行っていました。
 話の中心は、現在大学で学んでいることですが、この他に“自分がどうして今の道を選んだのか”、“希望の大学に入るまでにどのような努力をしたのか”、“現在どういう大学生活を送っているのか”、“将来何を目指しているのか”、といった内容が随所に盛り込まれており、生徒達は興味深く熱心に聞き入っていました。
 授業の後、生徒全員から感想を書いてもらいましたが、あまり年の違わない先輩から直接話を聞くことにより自分の将来について色々なことを考える良い機会になったのではないかと思っています。
 一人の人間として大切なのは、まず人生における夢や目標をしっかりと持つ、次にその目標の達成に向けて何時までに何をすべきか、という計画をつくるということです。そうすれば、どのような学習が必要であるかが見えてきます。何のために学習するのかということがしっかりと整理されないまま机に向かっているような受身の姿勢では、大きな成長は期待できません。夢や目標は人から与えられるものではなく自分で見つけ出すものです。
 今後共、生徒達が自らの進路について考えていく機会を数多く設けていきたいと思っています。

2006年06月22日

水の大切さ

6月21日(水) 全校朝礼で放送部と柔道部の表彰を行い、実習生の紹介をした後、インドネシアというテーマで話しました。
 約25年前になりますが初めてインドネシアに行くにあたって、くれぐれも飲水に注意するようにと言われていたのにもかかわらず、注文したジュースの中に入っていた氷が原因で激しい腹痛に悩まされたこと、日本と異なるトイレのため困ったこと、日本では安い代表のように言われている水がインドネシアでは非常に貴重なものであること、また松下電器では水道哲学というものがあり、“水道の水のように大量に安価な商品を世の中に提供する”ということであったが、インドネシアでは全くこの話が通じないため、この考え方を理解してもらうために一年ですぐに実がつくバナナの木を例に挙げて説明したことなどの経験談を語りました。
 今、世界では既に水不足が深刻になってきている地域が増えてきています。また、昨今日本でもいたるところでミネラルウォーターが販売されるようになってきていますが、今後世界の人口の急増により飲水をはじめとした生活用水だけではなく、農業や工業にかかわる用水が不足するという事態が予想されます。
 四方を海に囲まれ梅雨や台風による大量の降雨のため日本は大丈夫であると考えるかもしれませんが、これは大きな間違いです。日本は食料をはじめ多くの物を海外から輸入していますが、これらの物を作るためには大量の水が必要なのです。今後も引き続いて、水の大切さや日本が持つ高い水処理技術についても取り上げていきたいと思っています。
 次回は90%のインドネシア人が信仰している“イスラム教”というテーマで話す予定です。

2006年06月21日

第2回 慶應大学 連携講座の開講

6月17日(土) 総合政策学部の井庭 崇(いば たかし)専任講師にお越しいただき、第2回慶應大学連携講座を実施しました。今回の講義のタイトルは「未来社会をデザインする」という90分の2コマの授業で、大学で行われている授業とほぼ同じ内容です。
出席者は高校1年生1名、高校2年生3名、3年生20名の計24名でした。
 この講座の受講にあたっては“考えられる目覚まし時計を10以上持ってくること”という課題が与えられており、各人が思い思いのアイデアを持ち寄りました。最初に井庭講師からパソコンの父と言われているアラン・ケイの「未来を予測する方法は未来をつくってしまうことである」という言葉の紹介があり、その後4名毎のグループに分かれてそれぞれのアイデアの紹介と、そのアイデアのしり馬に乗って新しいアイデアを出すというブレーンストーミングによる討議が行われました。この手法は民間企業においては新製品の開発や、販売の増加をはかるために頻繁に使われています。その後、各グループから討議内容についての報告がなされました。
 具体的な例を示すと
  「起きるまでしゃべり続ける」「メニューが選べる」
  「スイッチが切れるとオーブントースターとコーヒー沸かしのスイッチが入る」
  「毎日異なる音の出る」「臭いと風の出る」「ユニセフ募金アラーム」「エコ」
「空気が抜けるベッド」
  「マウスピース」「骨伝導」等 さまざまな目覚ましが紹介されました。
『アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない』(アルバート・ハーシュマン)という言葉がありますが、アイデアをわかりやすく図示したものもあり、実に興味深く聞かせていただきました。
 井庭講師からはジャック・ホスターが『アイデアのヒント』の中で述べている、「どんな部署に配属されようとアイデアを知る方法は知っておくべきだ。・・・・・中略・・・・・つまるところ今ほどアイデアが求められ、アイデアが生きる時代は歴史上なかったのである。」という言葉が紹介されました。また受講生達(高2・3生)の報告の数々にも指導助言や解説がつけられる等、ワークショップ形式の授業の楽しさを感じた講義でした。講義の終了後にはレポート提出課題も呈示され、更に次回講座内容も紹介されました。この講義には受講生のみならず本校の教員も参加し、充実した3時間を過ごさせていただきました。今回講義いただいた井庭講師に対し心よりお礼を申し上げます。次回は7月22日(土)、熊坂賢次教授にお願いする予定です。

2006年06月19日

大阪府立大学授業公開講座

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 6月15日(木)、大阪府立大学授業公開講座「関西経済論XⅡ」において『社会で役立つ力』というテーマで講演を行ないました。
この講座は4月から6月の各木曜日に計11回開催され、各業界から講師を招いて90分の授業を行なうというものですが、学生だけではなく大阪府民の方が受講できるというのが大きな特徴です。これまでは大阪府副知事の三輪和夫氏、日本経済新聞大阪本社副代表の岡崎守恭氏、志縁塾代表取締役の大谷由里子氏、カナダ総領事のデビッド・マクレラン氏、毎日放送社長の山本雅弘氏、近畿経済産業局長の福水健文氏、プロップ・ステーション理事長の竹中ナミ氏、近畿財務局長の森本学氏が8回にわたり講演されており、今回が9回目となります。
生憎の天候にもかかわらず1,000名を超える方が参加されました。学生以外の府民の皆さんは既に第一線を退かれている方が多かったようですが、熱心にメモを取られている姿を見ていると若い学生以上に学習に対する意欲が高いのではないかと感じました。今、日本では団塊の世代の大量退職に伴う労働人口の減少とこれらの人達が持つ技能やノウハウの伝承という大きな課題を抱えています。また、現在の社会システムは人生65歳かせいぜい70歳くらいを前提に設計されているため、寿命が延びたことによってさまざまなひずみが出てきています。これからの日本の活性化のためには雇用や年金、医療等の制度の見直しを進めると共に高齢者の活用を積極的にはかっていくことが不可欠なのではないでしょうか。そして、このことがきっと本人のやりがいや充実した人生に繋がると思います。
今回の講演では、志の大切さということを訴えましたが、学生諸君も自己中心的な考え方ではなく“将来社会に貢献する”という強い思いを持って、自分なりのしっかりとした目標を設定し、日々の努力を続けて欲しいと感じました。

2006年06月17日

ホームページをリニューアル

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 本校に赴任以来2ヶ月半が経過しようとしていますが、既に100名を超える方とお会いし、直接お話をお伺いしたり数多くの手紙やメールをいただきました。
 その中には「幼稚園から高校まであるのですね。」「生徒数は2600名もいるのですか。」「随分色々な取り組みをされているのですね。」「男女共学だったのですね。女子校というイメージが強かったです。」「随分長い歴史(56年)があるのですね。」「落ちついた学校なのですね。」といった感想や意見が多くありました。本校は創意をこらした特色のある教育活動を展開していますが、残念ながらこれまで積極的な情報発信があまりなされていないため、良い意味でのPRが出来ていなかったようです。手軽でタイムリーな情報提供を行うためにはホームページの活用が有効ですが、これまで十分なメンテナンスが出来ていないことがわかりました。
 そこで新たに「校長通信」という形で情報の提供をはかる一方で、ホームページのリニューアル化という作業に取り組んできました。そして、この度教職員の努力でやっと新しいホームページへの切り替えが終了しました。すべて手作りのためまだまだ内容的には改善すべき点が数多くありますが、これから学年や分掌、クラブ活動、行事等分担を決めることにより、教職員の力が結集された『全員参加型のホームページ』をつくっていきたいと考えています。本校は〝開かれた学校〟を目指しでいますが、この実現のためにはさまざまな情報提供をはかることによって、逆に多くの方からご意見やご提案をいただき、これらを教育活動に反映させていくことが大切です。
今回はとりあえず中・高からスタートさせましたが、今後学園全体のホームページのあり方についても事務局レベルで検討していただくようお願いしています。
是非、皆様から忌憚ないご感想やご要望をお聞かせ下さい。 

2006年06月16日

心肺蘇生法とAED

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近年、ようやく日本でもAED(自動体外式除細動器)の使用が一般にも認められ今後の普及が期待されるようになってきましたが、まだまだAEDの認知度は低く、駅・病院・企業・店舗・学校など人の集まる場所での設置が望まれています。
 このような中にあって本校でもAEDの設置を決定しましたが、実際にAED講習を受講しなければ、いざという時に使えないということになります。そこで6月13日(火)、前期中間考査期間の午後を利用して宝塚消防署から5名の方にお越しいただき、“心肺蘇生法とAEDの使用法”というテーマで講習を受けました。
 最初に消防署の方から宝塚市の現状についてお話いただきましたが、救急車は市内に5台しかないこと、通報があって現場にかけつけるまでには5~10分はかかるということ、倒れた人の手当を開始する時間が1分遅れれば10%回復率が下がるということ、そのため脳に一刻も早く血液(酸素)を送り込むという迅速な対応が必要であるとの説明を受けました。
 次に実際に等身大の人形を使った人工呼吸法と、心臓マッサージの実演を見せていただいた後、37名の参加者が3グループに分かれ、順次心肺蘇生の体験を行いました。その後引き続き、AEDを使って次のような実施手順を教わりました。
 1.意識・呼吸・脈拍がないことを確認する。
 2.電源を入れる。
 3.電極パットを胸にはる。
 4、AEDの指示(音声)に従って行動する。
留意しなければならないのは、除細動を行う際には患者に触れると感電するため、必ず周囲にいる人達に対して患者から離れるように指示することだそうです。
 先生方は熱心に心肺蘇生法とAEDの使い方についての訓練をこなし、多くの質問を講師の方に投げかけていました。一回の講習で完全にマスターできたかどうかは疑問ですが、実際に体験することでかなりの自信につながったのではないかと思っています。この講習も今回受講出来なかった先生を対象に秋にもう一度実施する予定です。
 学校においては予想できないさまざまな出来事が発生しますが、これからも危機管理体制の充実に努めていきたいと考えています。
 お忙しい中にあって、ご指導いただいた宝塚消防署の皆さんに心から感謝申し上げます。

2006年06月15日

教育実習生を迎えて

 6月12日(月)、15名の大学生が緊張の面持ちで職員朝礼に参加、教育実習が本格的にスタートしました。例年、本校ではこの時期に卒業生を中心に教育実習生を受け入れていますが、本年度はすでに4週間の実習に入っている2名、本日より3週間の実習に入る13名、更に来週から2週間の実習を予定している5名、計20名が7月1日(土)まで教育実習を行うことになっています。
 教科は英語・国語・社会・音楽・美術・技術・情報・養護等さまざまですが、それぞれあらかじめ決められたクラス担当から指導を受け、最後の1週間は実際に授業を行うことになっています。
 職員朝礼終了後、私から全員に実習にあたっての心構えをお話ししました。最初に挨拶ということについて質問しましたが、漢字を書けない人も何名かいたようです。挨拶は“心を開いて相手に迫る”という意味であり、コミュニケーションの第一歩である。大きな声でしっかりと挨拶して欲しい。次に、「日本の将来は暗い」と思っている人が多いようだが、年の差のあまりない生徒達は皆さんの後姿を見ている。皆さん一人ひとりの言動が生徒達に大きな影響を与えることになる、生徒達が将来を明るいと感じ、希望を持てるようにふるまって欲しい。更に、社会で活躍している人は自らの目標を持ってその実現に努力している。この期間に自ら求めて積極的に色々なことを学んで欲しい。そして、少し前より書き始めた「健康管理に留意する」「先輩の良いところを盗む」「毎日5分間の反省をする」という校長メモを配布しました。これから引き続き何回か校長メモを渡していこうと思っています。
 今回の実習生の中の何人かは、将来実際に教職につき生徒達に教えることになるでしょう。是非、この実習を通じて教育の重要性を再認識すると共に、教えることの楽しさや難しさを身をもって味わって欲しいものです。
 そして、これを契機として自らの教育にかける夢を育て、自己研鑽を積み重ねていって欲しいと願っています。

2006年06月14日

「校長メモ」の作成

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一般企業と学校の大きな違いの一つは、“人材育成”についての取り組みです。
 企業の場合には、組織で仕事を進めていくため組織責任者である上司とその構成員である部下との関係、言い換えると責任・権限が明確になっています。そして、上司の役割としては「担当業務の遂行」と「人材の育成」という2つのことがあげられます。かつて勤務していた松下電器においては、「電気器具をつくる前に人をつくる」という有名な言葉に代表されるように、上司は「己を超える部下づくり」ということに注力しています。
 私も会社での生活を通じて、上司や先輩、また関係先の皆さんから多くのことを教えていただきました。しかし、学校においては“なべ蓋社会”と言われるように、上司や先輩、校外の方からの指導を受けるということは少ないように感じます。また、日頃接しているのは自分より若い生徒達が大半ということもあり、絶えずどん欲に色々なことを吸収していかないとどうしても幅が狭くなってしまいます。本校に赴任して2ヶ月半が経過しようとしていますが、先生方の勤務状況を見ているとなかなか自分のための時間がとれないのではないかと感じています。
 そこで、この機会に若い先生方が自己啓発をはかる上で参考にしていただきたい事柄を「校長メモ」という形にまとめて、希望者にお渡ししていくことにしました。私自身、人にお教えできるようなものはあまり持ち合わせていませんが、これまでさまざまな分野の方からお教えいただいたことを少しでもお返しできればと思っています。
 このメモはあくまで押しつけるのではなく、希望する方に読んでいただこうとするものです。吉川英治さんの言葉に、『我以外皆我師』がありますが、私自身も先生方とのコミュニケーションを通じ、多くのことを教えていただきたいと考えています。

2006年06月13日

高校2年生・北海道修学旅行

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 6月11日(日)、7時45分、高校2年生が大阪伊丹空港の団体待合所に集合。9時発のANA771便で北海道・新千歳空港に向けて出発しました。  本校では平成11年より北海道への修学旅行を続けていますが、今回もサホロでの大自然を舞台としたそれぞれの希望に応じたアクティビティー、富良野でファームやペンションにステイし、そこに“ひばりスペシャル・大地の学校(新たな自分を求めて)”を開校し、日常生活では味わうことのできない生産の喜びや苦労、食の大切さ、農家の人達との心の交流がはかれる等の企画が盛り込まれています。 最終日には札幌を訪問することになっていますが、札幌農学校(現北海道大学)開校で有名なクラーク博士は次のように話しています。「この新設された農学校は、将来の北海道ひいては日本を支える大きな意義を持っており、ここで学ぶ生徒諸君は、その重大な義務を自覚し、そこに厚い信頼を築き上げ、そのことに名誉あることを心しなければならない。そのためには、常に健康に留意し、食欲を慎み、勤勉の習慣を付け、真剣に努力すべきである。この向上心をもって充実した日々を過ごすべきである。」また「多くのことは必要ない、ただ一つ紳士であれ」とも説いています。この紳士の意味は、定められた規則は厳として守るとともに、自分の良心に従って行動すべきであるというものです。その後、この学校には高い志や自律、努力をベースとした校風が醸成されてきたようです。これはまさに本校が目指すべき姿そのものです。
 雄大な大地と自然に包まれた魅力一杯の北海道での修学旅行を通じて、生徒達は通常の授業では学ぶことの出来ないさまざまな経験をすることでしょう。“経験が人をつくる”という言葉がありますが、今回の貴重な経験を今後の人生の中で生かしていって欲しいと思っています。

2006年06月12日

中学校テニス部 関西地区予選に進出

6月10日(土)9時から、平成18年兵庫県中学校春季テニス団体戦が雲雀丘学園テニスコートで行なわれました。この試合は兵庫県中学総体テニス団体戦の予選を兼ねており、第33回全国中学生テニス選手権大会につながる大会です。

本学園は園田学園に次ぐ第2シード校のため1回戦はシード、2回戦から出場しました。対戦相手は、1回戦で中山五月台中学校を3勝2敗で破った神戸海星中学校でしたが、5勝0敗で完勝しました。
中学のテニス団体戦は、シングルス3本、ダブルス2本の5試合で行い、3勝すれば勝ちになります。3回戦は、2回戦で百合学院を5勝0敗で破った強豪武庫川女子大付属中学校との対戦でしたが、シングルス1本を4-6で落としたもののその他はすべて勝ち、4勝1敗で準決勝に進むことになりました。

今年は準決勝に進出すれば、全中の関西地区予選への出場権が獲得できるということになっていたため、今回の勝利で地区予選に出場できることが決定しました。
次の準決勝は7月27日(木)に王子公園内にある神戸ローンテニスクラブで開催されますが、準決勝に勝てば兵庫県代表として8月9日(水)に滋賀県の長浜ドームで行われる近畿大会への出場権も獲得できます。

中間考査直前の中、生徒達が明確な目標を持ち、高い意識のもと、一人ひとりがそれぞれの役割をしっかりと果たしてくれたことは賞賛に価します。また、顧問の先生から「会場には多くの保護者の皆様が応援に駆けつけていただきましたが、試合後、生徒達が自主的に自分の両親にお礼を言っている姿に接し心から感動した。」との報告を受けました。

本校は『人間教育の充実』と『学力の向上』の両立を目指し、教育活動に取り組んでいます。気持ちを切り替えて次はテストに集中し、その後はクラブ活動に注力していくことでしょう。
生徒達が学校生活を通じて素晴らしい人間に成長してくれることを願っています。


2006年06月09日

全国中学生テニス選手権大会(全中)

本校には数多くの運動クラブがありますが、この中の一つである中学校の女子硬式テニス部は現在3年間連続で全国大会出場という輝かしい実績を有しており、今年も6月10日(土)の全国中学校の予選大会に備えて連日激しい練習に励んでいます。  この大会に備えて、兵庫県内外の中学校との練習試合も積極的に実施しており、5月21日(日)には本学園で香川県三木町立三木中学校の男女と練習試合を行ないました。女子は3年前の全中から偶然にも連続で香川県代表と対戦しています。3年前は岐阜の長良川の大会で三木中と、一昨年は香川県の高松での大会で地元の高松北中と、更に昨年の愛知県東山での大会のコンソレーションでは再び高松北と対戦しました。そういった縁もあり今回ははるばる香川県から遠征にきてくれることになり充実した一日を過ごすことができました。 また6月4日(日)には一日かけて甲南女子(県第五シード)との練習試合を行ないましたが、全員が順調に仕上ってきており、万全の状態で今週末の全国中学の団体の県予選を迎えることができそうです。
しかし、2001年に、自分達の力を過信し関西予選で負けた苦い経験があるので、クラブの顧問からは「本番に向けて気持ちを引き締めていくことが大切である。4年連続5回目の全国を目指そう。」と繰り返し訴えているようです。

これに先立って6月3日(土)、夙川学院中学校で、平成18年度の全国中学校テニス選手権大会の個人ダブルスの県予選が開かれました。この大会の結果、県1位は全国大会に出場でき、2位~6位は他の近畿地区(2つのわかれてます)の2位~6位とリーグ戦を行なった後、代表を決める関西代表決定戦に出場できます。
本戦では勝ちあがれませんでしたが、敗者戦(コンソレーション)では、1回戦で葺合中のペアと対戦、見事6-4で勝ちを収め5、6位戦に進出しました。残念ながら5、6位戦は緑が丘中ペアに4-6で負け、最終的に6位になりましたが関西代表戦へ出場することになりました。

関西代表戦は6月24日(土)に大阪府岸和田にある蜻蛉池公園で行われますが、
全力で今回獲得したチャンスをいかして欲しいと思っています。

2006年06月05日

教員研修会

 例年のこの時期に開催されている教員研修において、“新しい視点に立った学校づくり~高志・自律・努力~”というテーマで約1時間お話ししました。
 丁度、雲雀丘学園に赴任して2ヶ月になりますが、この間内外問わず実に数多くの方にお会いし、忌憚のないご意見をいただきました。そこから、ようやく全体の輪郭と課題が明確になりつつありますが、正直申し上げて細部についてはまだ十分に把握できていないのが実情です。この段階で、具体的な取り組み計画を発表するには現実とはかなりのギャップが生じる恐れもあるため、今回は学校経営に対する基本的な考え方を説明いたしました。
 具体的には
①これからの社会がどうかわっていくのか 
②社会で役立つためには何が必要なのか
③教育界をとりまく環境はどうなっているのか
④新しい学校づくりをどう進めていくのか
⑤家庭と地域との連携の必要性
について、パワーポイントを使って説明しました。少し盛りだくさんの内容になりましたが、中心となるのは勿論これからどのような学校をつくっていくのかということです。
 これまで学校は単年度で運営していくというやり方が多かったようですが、人・物・金・情報・時間といった資源を有効に活用することにより、“生徒をいかに育てていくか”言い換えると社会に役立つ力をどれだけ伸ばすことができるか、という「学校経営」視点が不可欠です。
 そのためには経営の枠組みをしっかりと構築していかなければなりません。
1.どういう学校にするのかというビジョン
2.将来のあるべき姿  
3.現状とのギャップを埋める戦略
4.中期スパンでの計画
5.誰が何をいつまでにどうするといった具体的な行動プログラム
といったものが必要です。その上でP-D-C-Aのサイクルをまわしていかなければなりません。本校のビジョンは“人間教育の充実”と“学力の向上”を両立させた関西を代表する学園です。目下、将来あるべき姿に向けた戦略づくりに取り組んでおり、近日中に骨子を固めていく予定です。
 学校づくりが成功するかどうかは、全員のベクトルが一致するかどうかにかかっています。今後ともこのような研修会の実施やコミュニケーションをはかり、教職員が一枚岩になって新しい学校づくりを目指していきたいと思っています。

2006年06月04日

増え続ける世界の人口

 元気な挨拶の後、合同朝礼で先週予告していた世界の人口というテーマで話をしました。
 今地球上では政治・経済・領土・防衛・宗教・環境等さまざまな問題が起こっていますが、これらのベースにあるのは人口問題なのです。
 私はこれまで色々なところで話をする機会がありましたが、驚くべきことに「世界の人口がどれくらいか」という質問に対し的確な答えが返ってこないというのが実情です。また、今後世界の人口が増えるのか減るのかという質問に対しても「減る」という答えが相当数返ってきます。今回も同じ質問をしてみましたが、生徒の中にも世界の人口が減ると思っていた人が非常に多いということがわかりました。
 現在世界の人口は65億人ですが、推計ではBC0年(約2000年前)にはわずか2億人、それから1000年後には約3億人だったと考えられています。ところが1800年には10億人、1900年には20億人、そして2000年には60億人というように急増してきているのです。しかも,この100年間では実に3倍になっています。今後更に毎年7~8000万人の人口増が見込まれますので,10年後には72~73億人になり、20年後には80億人に達すると予想されています。
 20世紀は工業化が飛躍的に進展しましたが、その反面,酸性雨や地球の温暖化、オゾン層の破壊・異常気象といった自然環境の破壊や食料、水、エネルギー不足といった問題が生じてきています。生徒達が社会に出る時には、これらがますます深刻な状況になっているのは間違いありません。しかし、これらをすべて悲観的に考えるのではなくプラス思考で捕まえるなら、世の中に世界規模で貢献できる仕事は無数にある筈です。幸いなことに、今日本でこのような課題に真正面から取り組んでいこうという動きが活発化してきました。そして、多くの分野でさまざまな芽が育ち始めているのです。このように考えていくと、世界の未来は明るいのではないかと思います。
 合同朝礼は原則として毎週(雨天を除く)開かれることになっていますが、生徒達には“校長の10分間の授業”と伝えています。次回は、以前勤務していた“インドネシアと水”というテーマで話をする予定です。

2006年06月02日

ビーンズツリー研修会に参加して

 大阪府立高校の現職・退職校長と教頭が中心となって開催しているビーンズツリー研修会に参加しました。この会は2ヶ月に1回のペースで教育界の動向を勉強したり、情報交換することを目的として開催されています。通常は校長会と教頭会が別々に運営されていますが、今回は本年度初めてということで合同で実施されました。
 できるだけ視野を広げるために外部の方のお話を聞くことにしていますが、今回は九州大学大学院の八尾坂修教授に“今後の学校改善と学校評価のあり方”というテーマで講演いただきました。
 八尾坂教授は前任の奈良教育大学時代に、現在大阪府で施行されている“評価育成システム”の骨子づくりにあたって中心的な立場でご指導いただいた方であり、これまで個人的にも何回か学校経営について意見交換させていただいています。
 昨今、学校の自己点検や自己評価を各小・中・高・幼稚園が実施し、その結果を公表するような動きが出はじめていますが、恐らく近い将来制度化されることになるのではないかと思っています。しかしこれらを実施するのにあたって大切なことは、“指示されたからやる”とか“やらされているという気持ち”ではなく、“学校を良くするために何をすべきか”という視点が必要です。
 学校がその機能をどの程度果たしているのかを総合的・客観的に評価し、その結果が好ましいと判断できる事項については継続させ、改善すべきと判断される事項については全教員が一丸となって方策を講じていくという考え方が大切です。
 アラ探しをするような気持ちが評価する側にあったり、被害者意識が評価される側にあるようでは到底学校評価はうまく機能しないでしょう。学校を良くし、生徒を育てるという一点に両者の気持ちが結集しなければなりません。
 本校も目下新しい学校づくりを目指してさまざまな検討を重ねていますが、自らが実践してきたことを客観的に評価し、建設的な取り組みに反映させていくという仕組みを作り上げていきたいと思っています。

2006年06月01日

慶應義塾大学SFC連携講座の開催

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 慶應義塾大学総合政策学部ならびに環境情報学部との第一回連携講座を開催しました。本校では2004年度から本講座を開設していますが、毎回学部長をはじめ大学の教授が直接講義を担当していただき本校の生徒に大学学部で学ぶ「学問の概要」と「学ぶことの意義」を伝え、学問に対する関心や探求心の高揚に資することを目指しています。今回は総合政策学部の小島学部長様と河添教授様にお越しいただき、「両学部の概要・理念および入試について」というテーマでお話しいただきました。

 両学部と高大連携を行っている学校は全国(附属高校は除く)でも本校のみで、公開講座を開講している高等学校は他にはありません。また両学部は全国で初めてA・O入試を導入したことでも知られていますが、この高大連携講座は両学部が行う一般AO入試に候補者を推薦する「推薦AO入試」も兼ねています。因みに昨年までに4名の生徒がこの講座を受講して入学しました。


 冒頭、小島学部長のお話で「同大学は2008年に創立150周年を迎える長い歴史と伝統を有している。毎年の卒業式には卒業後25年経た方を、入学式には卒業後50年の方を招待しているが、時間の許す方はほとんどご出席いただいている。このように愛校心を持ち全国的に社会で活躍されている素晴らしい方が数多くおられる。」ということを紹介されました。


 河添教授からは学部の詳しい内容や学生達の取り組みについての説明がなされましたが、その中で“社会においては課題を発見しその解決のために情報を集め企画する。そしてその企画について相手を説得していくというプレゼンテーション能力が極めて大切である。皆さんはこういった力を是非育てて欲しい。”ということをお話していただきました。生徒38名・保護者29名の出席者全員がお二人のお話しに引き込まれ、1時間半はあっという間に過ぎてしまいました。お話の後には生徒達から活発な質問が出されましたが、通常の学校の授業では得られない貴重な経験をしたのではないかと思っています。これから7月まで更に2回本講座が開かれることになっていますが、“自らの進路は自ら切り拓く”という思いで積極的に取り組んで欲しいと思っています。


 ご多忙中にもかかわらず、本連携講座のために遠路お越しいただきました小島学部長様、河添教授様に心より感謝申し上げます。