2006年11月29日

校内研修会の開催

本校には研究部という分掌があり、教員研修や他校見学、相互授業参観、授業アンケートの実施等を通じて教職員の資質向上をはかっています。
今週月曜日から金曜日までは定期考査を行なっていますが、この期間を利用して28日(火)の午後、本年5回目となる校内研修会を開催しました。
今回のテーマは『ちょっと気になるあの生徒』です。本校では生徒のきめ細かい個別指導を行なうために、毎月の職員会議や学年団会議の場を通じて、学習面や生活面、人間関係面において配慮を要する生徒に対する情報の共有化をはかっていますが、これだけでは不十分です。そのためには全教員が個々の生徒に対して感じていることを率直に語り合う機会が必要です。
本日はそれぞれの先生が一番多く教えている学年のグループに入り、学年毎に意見交換を行ないました。私も高校二年の学年に入って先生方からの話を聞きましたが、欠席や遅刻が多いとか服装や頭髪の乱れといった顕著なものだけでなく、授業に対する集中度や顔の表情、言葉づかいといったものにも細心の注意を払っておくことが大切であると感じました。
 生徒一人ひとりの心の中を見ることはできませんが、気になる前兆は必ずあるはずです。全教職員が協力して複数の目で生徒を見守っていきたいものです。

2006年11月27日

ギター・マンドリンクラブが朝日新聞社賞を受賞

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 本校には数多くのクラブがありますが、その中でもギター・マンドリンクラブはこれまで全国大会への出場を果たす等輝かしい歴史を有しています。
 去る11月25日(土)~26日(日)の2日間、同クラブは神戸新聞松方ホールで行われた演奏会に出場しました。
 1日目の25日は、『第30回兵庫県高等学校総合文化祭の器楽管弦楽部門演奏会(兼第30回兵庫県高等学校ギター・マンドリンフェスティバル)』でした。この演奏会は来年の7月28日、29日に森ノ宮の「大阪府立青少年会館文化ホール」で開催される『第37回全国高等学校ギター・マンドリンフェスティバル』の予選も兼ねていましたが、見事【朝日新聞社賞】を受賞しました。部員達は、昨年に続いて最優秀賞を目指していたこともあり、多少残念な思いをしたようですが、来年のフェスティバルへの参加の推薦をいただくことができました。演奏曲は、川島博作曲「北設楽民謡 せしょ」でしたが、OB・森龍彦さんの指揮の下、この難曲を立派に演奏し聴衆を大いに魅了しました。
 2日目の26日は、9年ぶりに兵庫県で開催された『第26回近畿高等学校総合文化祭』に参加しました。本校ギター・マンドリンクラブは、昨年の【最優秀賞】受賞により推薦され、初めて参加することができました。演奏した曲はG.ラビトラーノ作曲「雪・ロマンツァとボレロ」で、指揮は高校1年生の尾田明香です。このような大きな大会で生徒が指揮をするのは今回が初めてで演奏も大変素晴らしいと講評の先生から賞賛の言葉をいただきました。
 今日から始まる後期中間テストの前々日、前日ということで、勉強と練習の両立が大変だったようですが、全員が充実した2日間を過ごすことができたようです。
気持を切り替えてテストにも全力でチャレンジして欲しいと思っています。

2006年11月25日

中学校PTA学級委員会の開催

 11月24日(金)、中学校の各クラスの保護者代表の皆さんに参集いただき、本年度2回目となる「PTA学級委員会」を開催しました。前回の開催は6月末であったため既に5か月が経過したことになります。この間コース制の変更、授業アンケートの実施、生徒指導・進路指導の見直し、ホームページの充実等さまざまな取り組みを実施してきました。しかしながら、すべてのことが当初の思惑通りに進んでいるわけではありません。また一人ひとりの生徒をとっても学業や部活動、生活習慣等それぞれの問題が生じてきています。このため本校においては個別の三者懇談をはじめ、定期的にクラス毎の学級懇談会や学年毎の懇談会を旧実施しています。
 今回の学級委員会は各委員の皆さんから先日開催された学級懇談会や学年懇談会の内容を報告していただき、情報の共有化をはかると共に教育活動に反映していこうという趣旨で開催させていただきました。各委員からは、将来の進路、学業とクラブの両立、家庭学習、授業中の態度、学校からの情報伝達、携帯の使用、親子の関係、今マスコミで話題になっているいじめ等の話題が提供されました。中学三年生の保護者の皆さんからは一様に「今回の沖縄への研修旅行(修学旅行)が子ども達にとって大きなインパクトになった。普段、家ではあまり話をしない子どもが実に楽しそうに体験談を話してくれた。心のふれあいの大切さを感じて人間的にずいぶん成長したように思う。」といった感想が述べられました。
 委員会が終了した後も引き続き一部の方と校長室でお話させていただきましたが、今後とも保護者の方から忌憚のないご意見をいただきながら家庭と連携して子ども達の育成をはかっていきたいと思っています。

2006年11月23日

勤労感謝の日にあたって

 世界各国にはそれぞれ暦がありますが、これらを調べていくとその国の歴史や文化を知ることができます。日本の暦の歴史は古墳時代の六世紀に百済からもたらされたのが最初で、その後飛鳥時代の604年(推古12年)に元嘉暦を用いたという記録があります。その後時代の変遷を経てさまざまな暦が使用されてきましたが、1873年(明治6年)から現在の太陽暦(グレゴリオ暦)に切り変わりました。現在日本の祝日は全部で15ありますが、1999年のハッピーマンデー法の制定によりいくつかの休日が月曜日に移行することになりました。
 本日11月23日は『勤労感謝の日』ですが、「勤労を尊び、生産を祝い、国民がたがいに感謝する日」ということで1948年に制定されました。
勤労感謝の日が制定される以前には『新嘗祭(にいなめさい)』が行なわれていました。この新嘗祭は古くからの重要な国家行事であり、農作物の恵みに感謝する重要な儀式でした。「新嘗」とはその年に収穫された新しい穀物のことです。勤労感謝の日を制定するにあたっては、日本は永い間米を中心とした農業にたずさわってきたこともあり「新嘗祭」として祝いたいという意見もあったようです。しかし、最終的には日々の労働によって「農作物」という形のあるものが目に見えて返ってくることが少なくなり、サービス産業等も含めた幅広い意味を持つようになってきたということで、現在の勤労感謝の日が定められたようです。
 働くとは〝傍を楽にする〟という意味がこめられています。単に生活のために労働するということではなく、世の中のために役立つという視点で勤労の目的を再認識していきたいものです。

2006年11月21日

集中力を高める

 本校は二期制を採用しているため、来週から後期の中間テストが始まります。
 そのため、今週は週末に試合のあるクラブを除いて、原則として部活動は中止しテストに集中してもらうことにします。学校としては万全の体勢でテストに臨んでもらうための配慮ですが、肝腎の生徒達にやる気がなければこれらの時間は全く無駄になってしまいます。今日も先生方に個別の質問をしに来る生徒や教室に残って自習している生徒の姿が数多く見られました。
 これからは勉強だけではなくスポーツや仕事において、ここ一番力を発揮しなければならない場面が幾度となく訪れてきます。人間にとって常に緊張感を持続することは難しいことですが、本番に強いという人は例外なく素晴らしい集中力を有しています。
 「頭の良し悪し」は生まれつきとか年齢のせいだと思っている人が多いようですが、「記憶力が悪くなってきた」とか「集中力が続かない」「頭が固い」というのは脳の中の神経回路が少なくなってきているからです。これは身体が運動不足でなまっているのと同じで、実は脳が鍛えられていないのです。最近人間の脳に関するさまざまな研究が進んできていますが、140億個ある脳細胞の中で使われているのはわずか3%で残りの97%は活用できていないということが解ってきました。まさに今回のテストは集中力を高めるトレーニングという点では絶好のチャンスです。
 今、『脳力』という言葉が話題になっていますが、これからも生徒達がしっかりと自分の脳を鍛えていって欲しいと思っています。

2006年11月19日

清々しい厚意

 先日、川西市在住の女性の方から校長宛のお手紙をいただきました。
 「前略ご免下さいませ 貴校の生徒さんの清々しいご厚意に感謝と嬉しい想いをお届け致したく一筆させていただきます・・・」という文章で始まるこの手紙の内容は、阪急電車の車内で偶然に立ち止まった前の座席に座っていた本校の生徒が礼儀正しく立ち上がって席を譲ってくれた。長く電車に乗っているがこのようなことは初めてで、高校生らしい清々しい態度に接し非常に好感を持ちましたというものでした。野球部員らしいということも書かれていましたので確認すると高校1年の生徒であるということが判りました。
 早速ホームルームで担任からこのことを紹介し、これからもこのような思いやりの輪を広げていって欲しいということをお願いしました。
 『人のよろこび まさにわがよろこびとは 先人の伝えし縁尋機妙のこころ』という言葉がありますが、お互いに自分のしてもらいたいことを他人にしてあげるという気持でいれば良い縁はどんどん広がってくるものです。
 本校の生徒達の行動に対しては今回のような好意的な内容だけではなく時として厳しいお叱りを受けることもありますが、それぞれの生徒が自主的に周りの人に対する配慮ができるようになって欲しいと願っています。

2006年11月18日

プラス思考で受験にのぞむ

 11月18日(土)、午前に高校の入試説明会、午後から中学の入試説明会を開催しました。高校については12月2日(土)にもう一度開催の予定ですが、中学については今回が最終の説明会ということになります。午前中2次限目には中学1年から高校2年までの授業を公開しましたが、お子様連れの保護者の方が多数お見えになり熱心に授業を参観しておられました。
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 今年は公立の学区再編をはじめ多くの学校での改革が進められており、保護者の方の関心も一際高いように感じています。本校の説明会にもこれまで例年を大幅に上回る保護者や生徒の皆さんが参加されています。説明会の終了後も個別の相談に応じましたが、保護者の子どもの教育にかける熱い思いがひしひしと伝わってきました。
 入学試験の日が近づいてくると、どうしても精神的に不安定になりがちです。
しかし、長い人生の中にはこれから何度も試練が訪れてきますし、これらの試練を乗り越えて人間は成長していくものです。このように考えると入試は人生における節づくりの絶好のチャンスであるのは間違いありません。
 また本番が近づいてくると〝もう何日しかない〟と思ってあせりがちですが、逆に〝まだ何日もある〟と考えて着実にやるべきことをやっていくことが大切です。
 本校の高校3年生も大学の受験を目前に控えて目下、必死の追い込みを行なっています。それぞれの中学、高校、大学を目指している受験生の皆さん。
どうか体調管理をしっかり行ない、プラス思考で入試にのぞんで欲しいと思っています。

2006年11月16日

国際人って何?

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11月16日(木)、学園PTA協議会の主催で、桂小米朝氏にお越しいただき『国際人って?』というテーマでお話いただきました。
 同氏は人間国宝である桂米朝氏を父に持ち、落語家でありながらミュージカルやクラシック音楽とも造詣が深く各地でオーケストラと競演されたり、オペラと上方落語の合体「らくごぺら」という新分野も確立されるなど多方面で活躍されておられます。

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会場には学園各校種の保護者と地域の皆さん合わせて約600名が来場されました。1時間半の講演は落語から子育て、歴史、日本経済、国際人といった幅広いジャンルにわたり、同氏の巧みな話術に場内は笑いと熱気に包まれました。印象に残った言葉を紹介すると
(1)どの世界にもそれぞれに先生がいる。学ぶ時期の3年間は一通りのことをきっちりやることが大切である。
(2)親が〝子育ては自分育てである〟という気持で、理屈ではなくしっかり躾けること。
(3)国際人とは日本のことを日本語でよいからしゃべれること。そのためには大きな歴史観を子ども達に持たせること。
(4)1985年のバブル崩壊後の20年、1970年からの30年間で日本の経済や食生活が大きく変化し、日本古来の伝統の良さがなくなってしまったが、これは日本としての長期的な視点が欠落していたのが原因である。
(5)先人の教えを感じて後輩に伝えていくことが大切である。等です。
 最近はあまりにも目先のことにとらわれて行動することが多いようです。我々が日本という国をもっと勉強し、良いところも悪いところも理解した上で日本の良さを子ども達に語り継いでいかなければならないと思っています。
 

2006年11月15日

稲作が育てた日本人の心

 11月15日(水)、全校朝礼で日本人の特徴である和の精神と優しさについての話をしました。日本人は農耕民族であり、永い間稲作を通じて独特の生活文化を形づくってきました。稲の生育のためには大量の水が必要となりますが、連作ができるので土地を移動する必要はなく集落が形成されました。水を安定的に確保したり田植えや刈りとりの作業を円滑に行なうためにはお互いに協力することが不可欠ですし、病虫害を発生させると他の人に迷惑をかけることになるため、常に相手のことを気遣わなければなりません。これが日本独特の和の精神や相手に対する思いやりや優しさを育ててきたと言えるのです。
 『優』という字は〝人に憂う〟と書きます。優しさというのは相手のことを気遣うことなのです。そして優れるという意味もあります。優れた人というのは優しい人であり、自分がして欲しいと思うことを他人にしてあげるという気持が何よりも大切だと思います。今、いじめということが問題になっていますが、自分がされたら嫌だと思うことを他人にするというのは論外です。
 生徒達が自分と同様他人を大切にすることを心がけていって欲しいと思っています。

2006年11月14日

蓮に包まれたサロン

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 11月14日(火)の夜、サローネ・デル・ロトという会合にゲストとして参加しました。SALONE  DEL’ LOTOとはイタリア語で〝蓮に包まれたサロン〟という意味ですが、年齢、性別、職業等一切の制約をつけず自由に参加できる会合で毎月開催されています。発足は平成14年の11月ですが、あらゆるジャンルから有名無名の方を招きマンツーマンの世界を通じて人生を語りあうと共に人生における幅広い横のつながりを持つことができる集いです。この前身は昭和43年真宗大谷派僧侶である清水洪師と彫刻家である日下部濱江女子を中心として誕生し、その後30年にわたり430回の例会を重ねてこられた「サロン・ラ・カーペ」です。
 参加者は30名弱でしたが、現在いじめ問題や教育基本法の改正等日本の教育に対する関心が高まる中、皆さんは熱心に耳を傾けていただきました。終了後、何人かの方々と教育に関するさまざまな意見交換をさせていただきましたが、学校だけではなく家庭や社会、企業が連携して将来の日本を背負って立つ人材を育成していかなければならないという思いを持っておられるように感じました。
 私も企業で人事や経営の仕事を通じて人材育成について注力してきた後、教育界の仕事を担当させていただくことになり間もなく5年になります。人を育てるということに関しては家庭でも学校でも企業でも多くの共通点があると思います。しかし、まだ人間としての根っ子が十分育っていない子ども達の育成のためには、指導する立場の人間があらゆる面での幅の広さを持っていなければなりません。そのためにはさまざまな分野の方とお会いして色々な意見をお聴きするのが最も役に立つように思っています。今は正直なところ時間がほとんどとれない状況ですが、少なくとも1ヵ月に1回は学校以外の方とお会いするようにしています。これからも引き続き人間の幅を広げる他分野の方々との交流を深めていきたいと考えています。
 http://www4.kcn.ne.jp/~p_kei02/

2006年11月12日

高橋 政代氏の講演をお聞きして

 大阪教育大学附属池田中学の記念式典において、高橋政代氏から『附属池田中学校で得たもの、今に生きるもの』と題する記念講演が行なわれました。
 同氏は京都大学医学部に現役合格した後、数々の仕事を担当され、現在は神戸理化学研究所 発生再生総合科学研究センターにおいて目の網膜再生の研究に取り組んでおられます。お話は「眼球」「再生医療研究」「研究(勉強・仕事)のコツ」「附属中学で得たもの」「中学の間にやって欲しいこと」でしたが、これまで心臓と共に再生できないと言われていた中枢神経のひとつである網膜再生という仕事に取り組んでおられるだけに非常に示唆に富んだ内容でした。
 以下、印象に残った言葉を紹介します。
 「誰の真似でもない新しいことを考えて仮説を立てる。その上でそれを証明する証拠を見つける。」「成功するためには自分の考えを信じること、疑いながらやっていても駄目だ。」「あこがれの人をつくる。」「目標がお金とか名誉といった自分の利益でないと協力者が現れるものだ。」「うまくいかない一番の障害は自分自身の思い込みだ。」「〝すべての責任は自分にある〟と思うこと、そうすれば他責にすることがなくなるため楽になれる。」等です。そして「自分の魅力を磨こう。笑顔の練習をしよう。心から願おう。」という言葉で締めくくられました。
 社会で活躍されている人には、こういった共通点がありますが、これらの言葉を集約するとまさに『高志』『自律』『努力』という本校の校是につながります。常に校是を意識して行動していくことが大切であると思っています。

2006年11月11日

自主・自律の精神

 11月11日(土)、池田市民文化会館において開催された大阪教育大学附属池田中学校創立60周年記念式典に出席しました。同校は本校とは以前からさまざまな面での交流が続いており、毎年何名かの生徒にも入学いただいています。
 開式の辞、国歌斉唱に続いて行なわれた学校概要の説明や学校長の式辞によると、同校は昭和22年4月25日に5名の教員と5学級231名の生徒からなる小規模校として池田城跡の城山に創立されたとの事ですが、卒業生数も今春で実に9057名になり各界で活躍されているようです。60年といえば人間では還暦にあたります。今春からさまざまな関連の事業が計画されていたようですが、特筆すべきは「ようこそ先輩」の授業に加えて『豊かな心・自律心を育む緑の学び舎に』ということで先輩や教育後援会から贈られた芝生です。去る6月末校庭に約800平方メートルにわたり芝生が敷き詰められ、たちまち素晴らしい緑のジュータンに変身したということです。
 来賓の皆様のお話の中にも随所に「自主・自律」という言葉が出てきましたが、自由な校風の中にもこの精神を培い、自ら求め学ぼうとする態度の育成についてはしっかりと指導がなされているように感じました。開式前にも生徒指導の先生から式典の意義を十分認識した上でしっかりとお話を聞くようにという話がありましたが、私語を発する者もなく厳粛な雰囲気のうちに2時間にわたる式典は終了しました。〝自律〟は本校の校是の一つでもあります。自律する気持を育てることの大切さを再認識した一日でした。

2006年11月10日

履修漏れへの対応

 現在、必修科目の履修漏れが大きな問題になっていますが、誠に残念なことに本校においても数年来保健と情報の授業がそれぞれ2単位必要なところ1単位の履修ということで教育活動を行なっていました。しかしこの2教科については今回の文部科学省の指示に従い、単位不足を解消すべく学校としての対応をはからなければなりません。
 この事態に対し、私は教職員に次のことを話し協力をお願いしました。
(1)実態を明らかにし公明正大に対応する
(2)大学入試を控えた生徒の立場に立って対応する。特にセンター入試を間近に控えた生徒の負担にならないように配慮する
(3)教科や学年の問題として特定の人に任せるということではなくなく全校あげて対応する
(4)極力年内に履修できるように迅速な対応をはかる
(5)学校で起こったことはすべて引き継いだ校長の責任であるという考え方で対応する
 この方針に基づき、保健については体育の先生を中心に時間割を設定、情報については本校の先生だけではなく非常勤の先生を5名確保の上、ほぼ毎日のように50を超える授業を開設し生徒に選択してもらうことにしました。また今年中に取得できない生徒に対しては来年3月にも授業を行ないます。
高校3年生に対しては、これまで3回にわたり今回の趣旨を説明し、既に昨日から補習をスタートさせました。私も授業を参観しましたが短期間にもかかわらず先生方がきっちりと準備してくれていたため大きな混乱もなく終了しほっとしています。
 保護者の方に対しては本日説明会を開催しました。
 いずれにしても入試を控えたこの時期にこのような事態が生じたことに対し、本当に申し訳なく心よりお詫び申し上げますと共に生徒の進路についてのきめ細かい指導を続けていきたいと思っています。

2006年11月08日

夢を創る

 11月8日(水)、本校の卒業生である尾方成信(おがたしげのぶ)氏をお迎えして、高校1・2年生を対象に『夢を創る』というテーマで講演をしていただきました。本校ではこの時期にキャリア教育を目指した総合学習の一環として、社会で活躍されている方にお越しいただき、「秋の講演会」を実施しています。尾方氏は雲雀丘学園中学校・高等学校を卒業後大阪大学工学部機械工学科に進まれ、同大学院を経て現在は工学研究科附属原子分子イオン制御理工学センター助教授として活躍されています。またこれまでにアメリカ・オーストラリア・中国の著名大学等の客員研究員を歴任され数多くの注目される論文を出されています。

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講演では最初に自分の中学・高校時代、大阪大学工学部の紹介があり、次いで研究とは夢を創造し実現していくことであり、宇宙まで続くエレベーターづくり、人造筋肉を使ったスーツの研究等の話をしていただきました。
最後に〝最先端で求められる人間像として次の点が大切であるということを述べられました。
(1) ひとつのことを徹底的に調べる
(2) 個性・・・○○といえばあの人というようになる
(3) 人間性・・勇気、やさしさ、リーダーシップ、包容力、柔軟性
(4) 夢を創りそれに向けてあくなき努力ができる
 これらは最先端だけではなくあらゆる分野においても必要なことではないでしょうか。特に尾方氏から雲雀丘学園で人間性を磨くことができたという言葉をお聞きして嬉しく思う共に人間としての根っ子を育てることの大切さを痛感しました。

2006年11月07日

沖縄への研修旅行

 11月7日(火)、中学三年生が沖縄への研修旅行に旅立ちました。
 この研修の位置づけはこれまで3年間に体験してきたことや学習してきたことの総仕上げとなっています。今回のスケジュールは伊江島において、各民家において本土では味わえない家業体験やマリンスポーツを通じて琉球文化や沖縄の自然を満喫した後、ひめゆりの塔を訪れ太平洋戦争末期、筆舌に尽くしがたい悲惨な経験をした沖縄戦線の状況を生徒達に知ってもらうことにしています。
 既に太平洋戦争後六十年が経過し、戦争体験をした人は次第に少なくなってきました。最愛の夫や子ども、兄弟等の肉親を亡くした悲しみや戦火によって焼け野が原になった大地を見つめ絶望感を味わいながらも懸命な努力で復興を遂げてきたことを今の子ども達は知りません。ほとんどの子ども達が豊かな時代に生を受け、恵まれた状況が当たり前であると感じているのではないでしょうか。
 日本は軍隊を持たない、兵器の輸出も行わない世界でも稀な国です。日本という国に誇りを持つと共に、今回の研修旅行を通じて平和の大切さ、平和を願う気持ちを育てて欲しいと願っています。

2006年11月05日

第二回中学校入学説明会の開催

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 11月5日(日)、本年第二回目となる中学校の入試説明会を開催しました。
 休日ということもあって、早朝より保護者と生徒が一緒に来場されるケースが多かったようです。最終的に参加いただいたのは253組、495名ということになりました。約一時間の説明会の後、学校の校舎と本日練習しているクラブ活動を見学していただきました。また、何人かの保護者の方からは個別の相談をお受けしました。親として自分の子どもが幸せな人生を送って欲しいと思うのは当然ですし、例外なく学校に対してしっかりとした教育を望んでおられます。
 中学に入学する生徒は12歳、本校で中学・高校生活を終えて卒業する時には18歳になります。人生の中で最も多感な思春期の6年間は一人ひとりの人間形成という点でも非常に重要なウェイトを占めるのは間違いありません。このように考えると、我々教育という仕事にたずさわる者の責務ははかり知れないものがあります。
 本校では教育方針として「人間教育の充実」と「学力の充実」の両立を掲げていますが、個々の生徒を家庭と連携して育てていくという「共育」の大切さを再認識した一日でした。
 今後とも個別の進学相談に応じていますのでお気軽にお越しください。

2006年11月04日

伝統を築く

 11月4日(土)、千里山キャンパスで開催された『関西大学創立120周年記念式典』に出席しました。会場のBIGホールには400インチの大スクリーンが設置され、開式までの時間を利用して同校の歴史が紹介されました。式典には池坊文部科学副大臣、冬柴国土交通大臣、安西日本私立大学連盟会長、太田大阪府知事等の来賓をはじめ約1000名が集い、厳粛にとり行われました。関西大学の前身である「関西法律学校」が12名の現役司法官によって設立されたのは、明治19年(1886年)、最初の卒業生17名を世に送り出したのは3年後の明治22年だったようです。その後、19世紀、20世紀という二つの世紀をわたり、これまで累計で実に35万人を輩出するまでに発展、卒業生は社会のあらゆる分野で活躍されており、毎年本校からも数多くの生徒が入学しています。
 更に現在は高校、幼稚園を併設する関西を代表する総合学園になっていますが、これまでになるには、学園関係者の筆舌尽くしがたいご努力があったと拝察します。まさに120年の伝統の力を実感した記念式典でした。
 本校も数年後に60周年を迎えますが、関係者全員が学園の発展のために尽力し素晴らしい伝統を築きあげていきたいと思っています。

2006年11月03日

母校での創立記念講演

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 11月2日(木)、奈良県立奈良高等学校で『企業が求める人材』というテーマで講演を行ないました。同校は私の母校ですが、毎年の創立記念日にあたって宝相華会(同窓会)の主催で、卒業生が講師となって後輩に話をすることが恒例行事になっています。
生徒数は各学年400名、全校で1200名、体育館は立錐の余地がないくらいで先生方は周囲に立って話を聞いておられました。
 私は講演の中で、まず世界や日本の現状と今後予想される社会の変化について述べ、これからが日本にとってまさに正念場になること、新しい技術革新の芽が続々と育ち始めていること、国土が狭く大した資源も持たない日本が世界の中で認められるためにはグローバルな視点を有した骨太のリーダーが必要であること、そのために一人ひとりがゆるぎない志と明確な目標を持って努力を継続して欲しいということを訴えました。
 私が高校を卒業したのは昭和39年で、東京オリンピックが開催に合わせて東海道新幹線が開通した年ですが、既に40年以上が経過しました。この間の日本は高度成長、二度にわたるオイルショック、急激な円高、バブル経済、バブル崩壊後の後遺症とめまぐるしい時代の変遷を遂げてきました。今、世界は大きく変化しようとしてきていますが、彼らが私の年齢になる40年後には日本がどのようになっているのかは全く想像がつきません。
 日本の将来は彼らにかかっているといっても過言ではありません。日本を背負って立つという気概を持って勉学に励んでくれることを願っています。
 また、本校においても色々な機会を通じて先輩からお話を聞く機会をつくっていきたいと感じました。