2007年02月27日

最後の期末試験

 来週からいよいよ期末試験が始まります。ほとんどの生徒達は学年最後となる試験に備えて勉強モードになってきましたが、中には勉強に集中できない人もいるようです。どうしてこのような差ができてしまうのでしょうか。
この最大の理由としては、試験が嫌だという思いが強すぎるということがあげられるようです。人間は好きなことは言われなくても自分の意思でやりますが、嫌いなことからは避けたいという気持が働きます。しかし、来週からの試験がなくなるわけではありませんし、試験から逃れたいと思っても逃れることはできません。そして、日時が経過するにつれてプレッシャーが強くなってくるのです。
〝困難は避けようと思えば二倍になって追いかけてくるが、困難に立ち向かっていけば半分になる。〟という言葉があります。これからの人生においては困難や嫌なことは次々に出てきます。これらから逃げようという姿勢ではなく積極的に立ち向かっていくということが大切です。常にこの姿勢を持ち続ければ充実した人生を送れるのは間違いありません。
気持を切り替えて、期末試験に全力に取り組んで欲しいものです。

2007年02月26日

水と食べ物

2月26日(月)、昨日の校長通信を見た友人から早速メールをいただきました。その中に、牛丼一杯を作るにはどれだけの水が要るかわかりますか?という質問がありました。
人間は古代より生活するために豊富な水を求めてきました。文明の発祥地が黄河、インダス川、チグリス・ユーフラテス川等大河の流域にあったことからもこのことが理解できます。現代では、こういった生活用水以外の分野でも大量に水を使っており、このうち約70%は農業用です。そして小麦を1kg生産するには約1t、米では4t、そして1kgの牛肉を作るには20tの水が要るそうです。従って一杯の牛丼には2t以上の水が使われているというのが正解とのことです。
戦後、日本人の食生活は穀物や野菜、魚を中心としたものから、急速に肉食のウェイトの高い欧米型に変化してきました。また、円高の影響で肉や小麦、野菜、果物などの輸入が増大した結果、食料自給率が減少の一途を辿り、今では40パーセントになってしまいました。穀物の自給率も28%で、砂漠の国であるサウジアラビアとあまり変わらない状況です。
仮に日本で作られる食べ物だけで生活するなら、一日のカロリーを約30%減らして2000kcal以下にし、肉やバター、油の輸入を止め、米とイモ類を増やすことが必要になるとのことです。これを一挙に実現することは難しいかもわかりませんが、我々の食生活について、今一度見直さなければならないのではないかと思っています。

2007年02月25日

21世紀は水の世紀

 20世紀は〝石油の世紀〟と言われるくらい石油をベースとした工業化が進展し、世界各地で石油をめぐる紛争が起きましたが、どうやら21世紀は〝水の世紀〟になりそうです。
地球は大量の水に覆われていますが、97.5%は海水で、真水は2.5%に過ぎません。このうち飲み水は0.01%しかありません。日本は水が豊富にあり、水については何の心配もないと思われがちですが、それは大きな間違いなのです。
何故なら、わが国の食料自給率は40%で残りは輸入に頼っていますし、材木も大量に輸入しているため、間接的に世界から水の供給を受けているのです。
ところが、世界人口の増加によって各地で水不足や水質汚濁、洪水等が深刻化していますし、病気の80%は水が原因であるとも言われています。このような状況を真摯に受け止め、水問題の重要性を認識すると共に相互に協力して取り組むことを目指して、世界水フォーラムが3年に一度開かれています。第一回(1997年)はモロッコ、第二回(2000年)はオランダ、第3回(2003年)は日本、第四回(2006年)はメキシコで開催されました。これに加えて、日本では『アジア太平洋水フォーラム』が結成されました。そして、このフォーラムの主催で、本年12月には別府で実に47カ国の政府首脳や水関係者の参加のもと「第一回のアジア太平洋水サミット」が開催される予定です。
この水の問題も地球の温暖化と密接な関係があるのです。一人ひとりが環境の大切さを認識し、身近なことから取り組んでいくことが大切であると思っています。
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<中高玄関前噴水(水は循環型)>      <食堂にあるRO水(飲料水)>

2007年02月24日

高校専願者オリエンテーションを終えて

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2月24日(土)、早朝より、保護者と一緒にそれぞれの中学の制服を身につけた生徒達が来校し、9時半から高校専願者オリエンテーションを開催しました。
中学校の卒業式が終わっていないこの時点で、オリエンテーションを実施する狙いは、1カ月後の入学までにしっかりと高校生活に向けての準備をしていただくことです。
最初に高校教頭から本校の創立の経緯や教育活動の基本方針を説明した後、教務、生徒指導の責任者から学習や学校生活についての留意点を伝えました。約1時間のオリエンテーションでしたが、全員が熱心に話しに耳を傾け、メモを取っていたようです。その後、制服や体操服の採寸、教科書の購入、通学定期券購入の申し込み等をしていただきました。教材の入った大きな包みを持って保護者の方と談笑しながら学校を後にする生徒達の姿を見ていると、高校生活に対する期待の大きさが感じられました。
 生徒達にとっては、今は受験も終わり進学する学校も決まり、精神的にも最もほっとしている状態になっていることでしょう。ともすれば気持が緩み、生活のリズムを乱しがちですが、きっちりと中学生活を締めくくり、これまで時間的な余裕がなくてできなかったことに挑戦して欲しいものです。
また、入学直後には実力テストを行なう予定ですので、中学の学習の中で不十分なところは必ず見直す等高校生活に対する準備をしっかりと行なっておいてください。
そして、4月8日の入学式には是非元気な顔を見せて欲しいと思っています。

2007年02月23日

JICA国際協力エッセイコンテスト2006

この度「JICA国際協力中学生高校生エッセイコンテスト2006」で入選を果たした中学2年生の住吉智子さんに表彰状を手交し、〝感動は努力の結晶〟という直筆の色紙をお渡ししました。
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JICAが実施する国際協力エッセイコンテストは,全国の中学生・高校生を対象に開発途上国の現状と国際協力の必要性について理解を深めてもらうとともに,これから国際社会の中で日本は何をすべきか, また,自分たちひとりひとりが何をできるかについて考えていくことを目的にしたものです。
本校では,社会科の授業を中心に国際協力について考え,自分の考えを作文に表し,このコンテストに参加しています。本年は,全国で中学28,123作品の応募があり,120作品が入賞,そのうち63作品が入選し、高校では15,962作品の応募がありました。
また、優秀作品を多数応募した学校に授与される「学校賞」に、5年連続で雲雀丘学園中学校と高校が同時受賞しました。この栄を受けたのは兵庫県では中学7校、高校4校ですが、昨年は高校1年生が国内機関長賞を受賞しています。
住吉さんは2月18日にJICA大阪での(茨木市)関西合同ブロック表彰式に参加し、中学生の受賞者を代表して受賞作である『一緒に走ろう』を朗読しました。その後の参加者交流会では,他校の受賞者やインド・バングラデシュ・フィリピン・ベナン・カンボジアなどの海外からの研修員の方と交流し,世界について考える有意義な時間を持ったとのことです。今後ますますグローバル化が進む中で、それぞれの国が〝共生〟という視点で国際協力をしていくことが必要になってきます。
日本が国際社会の中で指導的な役割を果たしていくためには、何が必要なのか、また一人ひとりが何をなすべきかをこれからも生徒達に伝えていきたいと思っています。

2007年02月22日

来年度に備える

本年度も残すところ一月余りになり、昨日の職員会議において、全教職員に来年度の方針と推進体制(組織と人事)の発表を行ないました。いよいよこれから来年度の計画づくりに入ることになりますが、この際に留意しておかなければならないことがあります。それは、本年度の取り組みの反省をしっかりと行なうということです。
年度初めには、それぞれの部署においても個人においても、色々な計画を立てていたと思います。しかし、この時点で達成状況を見ると、計画を大きく上回ったもの、ほぼ計画通りに出来たものがある反面、計画通りに行かなかったものも散見されます。勿論、諦めずこれから残りの1カ月間で追い込みをかけるということは大切ですが、1年近くかけて取り組んできたにもかかわらず、当初の計画が大幅に達成できていないというものに対してはその原因を徹底的に究明しておかなければなりません。
この作業をなおざりにしておくと、往々にしてまた同じ失敗をしてしまうことになりかねません。
従って来年度の計画策定の前提として、各部署において本年度の取り組みについての振り返りをしておきたいと考えています。
 仕事の基本はPLAN-DO-CHECK-ACTIONというサイクルを回していくことですが、うまくいっていない部署の共通点はこれが円滑に回転していないということです。
また、〝仕事は段どり八分〟といわれますが、「誰が」、「何を」「いつまでに」「どうする」ということが決まっていないと、完成度の高い仕事は望めません。
 管理サイクルを回し、段取りを整えるということは、組織だけのものではなく、個人にもあてはまります。自分の目標が単なる願望に終わってしまうことのないように、本年度の振り返りをしっかりとして、来年度に備えて欲しいと思っています。

2007年02月20日

第四十九回高校卒業式を終えて

変換 ~ 高校卒業式 007.jpg変換 ~ 高校卒業式 014.jpg 2月20日(火)、素晴らしい天候に恵まれ、第49回となる高等学校の卒業式を挙行しました。開式の辞の後、ピアノ伴奏による国歌斉唱に続いて、普通科と国際科249名の生徒全員に卒業証書を授与しました。その後、三年間、無遅刻、無欠席、無早退の生徒33名に皆勤賞を授与、更に中高あわせて六年間皆勤の生徒14名の紹介、全国高校総体のフィギュア競技に出場し好成績をあげた生徒への特別表彰を行ないました。
私は式辞の中で『高い志を持つ』『前向きにチャレンジする』『感謝の気持を持つ』という3つをとりあげ、これからの人生においてこれらをしっかりと実践していって欲しい旨の話をしました。
そして、来賓の祝辞、在校生送辞、卒業生答辞、卒業生から学校への記念品贈呈、在校生・職員による送別の歌(蛍の光)、卒業生による卒業の歌(仰げば尊し)と続き、最後に全員で学園歌を斉唱し厳粛のうちに式を終了しました。
変換 ~ 高校卒業式 002.jpg変換 ~ 高校卒業式 004.jpg 卒業証書を手に万雷の拍手で送り出され、クラス毎の記念撮影を済ませた生徒達が、春の暖かい陽ざしを浴びながら思い思いに友人や保護者と談笑している姿は実にほほえましいものでした。
49期生はそれぞれの思いを胸に秘めて、本日雲雀丘学園を巣立っていきます。これからの人生にはさまざまなことが待ち受けていると思いますが、自分の進路は自分で切り拓くという強い思いで生き抜いてくれることを心より祈っています。

2007年02月19日

卒業生に贈る~③感謝の気持を表す

 高校の卒業式も明日に迫りました。多くの高校3生の家庭では、学校生活の思い出や大学入試についての会話が交わされていることでしょう。
この高校時代の3年間、皆さんは随分色々な経験を通じて大きく成長したことと思います。皆さんはこれまで時には保護者に対して反発したり、心配をかけたり、悲しませたこともあったのではないかと思います。
しかし、保護者の物心両面における力添えがなければ、皆さんの今日はなかったのではないでしょうか。
本校の創立の精神の基本は〝親を大切にするという孝道〟です。
本学園の初代の理事長であった鳥井信治郎氏は常々「親孝行のできる人は何でもできる」ということを言っておられました。
皆さんが新しい門出を迎えるにあたって、最も喜んでおられるのは保護者の皆さんであるのは間違いありません。
卒業にあたって、皆さんから何らかの形で感謝の気持を表わすことが最大の親孝行になるのではないでしょうか。
そして、これからも孝道を心の中に刻み込み、折に触れて親孝行をして欲しいと思っています。

2007年02月18日

前向きに生き抜く

 二月、三月はまさに受験シーズンにあたり、日本のいたるところで、国公立、私立の大学、高校や私立中学の受験が実施されています。
 本校も中学、高校共それぞれ二回の入試を行ないましたが、2月16日(金)で本年度の入試業務は終了しました。受験者の中には本校のみを専願で受験した人と他校との併願受験をした人がいます。本校を第一志望で専願受験し合格した人は自分の希望が叶ったということで、入学後のことを色々と思いめぐらせていることと思います。しかし、併願受験者の中には他校への進学を望んでいたのにもかかわらず、その夢が果たせなかった人も出てきます。
 また、高校三年生も現在、大学の受験に挑戦していますが、うまくいった人もいる反面残念な結果に終わった人もいます。最終的に全員が希望通りの大学に合格できるとは限りませんが、その時点で全力を尽くして欲しいものです。
 生徒にとって受験というのは大きな試練であるのは間違いありませんが、これからの人生においては、受験だけではなく、さまざまな試練が待ち受けています。そして、なかなか自分の思い通りにはならないものです。
 この時に、大切なのは〝過去を引きずらない〟ということです。済んでしまったことをいくら嘆いてみたところでどうにもなりません。いつまでも過去を引きずっているとなかなか新たな挑戦をすることができません。
 気持を切り替えて、前向きに生き抜きたいものです。

2007年02月17日

社会科授業研究発表会を終えて

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 2月17日(土)、午後から社会科、地歴科、公民科の第八回授業研究発表会が開催されました。この発表会は、日々の社会科の授業で学んだことを生かして、生徒達が自主的に製作した作品、研究の成果を広く校内や保護者の皆さん、校外の皆様にご覧いただくことを目的としています。
 今回は、中学一年から高校二年までの生徒達が約二時間半にわたり、次のようなさまざまなテーマで発表してくれました。
世界と日本の比較文化、税金の作文、日本史や世界史の中のテーマ研究、歴史新聞、日本の都道府県調べ、JICA国際理解エッセイコンテスト、民族学博物館見学レポート、新聞記事スピーチ、身近な地域の研究等、実にバラエティーに富んでおり、興味深く聞かせていただきました。
私は最後の講評で次のような話をしました。
「今の日本は恵まれている。食べ物も豊富にあるし、着る物も住むところも用意されている。しかし、世界には食べ物や着る物に困っている人、住むところが確保されていない人、電気やガスの恩恵を受けていない人が数多くいる。また、勉強したくても学校に行けない人もいる。そして、日本の食料自給率は40%、エネルギーの需給率は17パーセントしかない。食料やエネルギーを大切にして欲しい。
また、地球の温暖化が進み、氷河や北極海の氷が解け、集中豪雨や砂漠化などの異常気象が生じてきている。この大きな原因は人口の急増であり、この100年間に人口は3倍以上になっている。2050年に世界人口が90億人になると温暖化は更に進み、海面が6m上昇し、水没する地域も出てくる。
日本は色々な技術を持っているので、是非皆さんもこれらを活用して環境保護に努めて欲しい。また、社会に出れば答えは用意されていないため、自分で色々なことを調べて、答えを見つけ出すことが大切である。」
 今回の経験を生かして、生徒達がこれから自主的に学習してくれることを期待しています。

2007年02月15日

卒業生に贈る~②前向きにチャレンジする

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本校は昭和25年、今から57年前に鳥井信治郎氏を中心とする地元の皆さんの〝雲雀丘の地に学校をつくりたい〟という熱い思いで創設されました。
初代理事長であった鳥井信治郎氏の口癖は〝やってみなはれ。やらなわかりまへんで〟というものでした。何でもやってみなければ、できるかどうかはわからないということです。
皆さんは、将来さまざまな分野で仕事をすることになりますが、社会における仕事は定型化された単純なものだけではありません。
これまで学校では解らないことがあれば、先生に質問をして答えを教えてもらっていたと思いますが、社会ではどのようにすればうまくいくのかを自分で考えていかなければなりません。また、正しい答えは一つだけではありませんし、あらかじめこれが問題であるということが示されないケースも多いのです。むしろ何が問題なのかを自分で見つけ出していかなければならないのです。
 高い学歴を有する人が陥りやすいのは まず頭の中で考えてしまうことです。ところが、頭の中で考えるとすぐに難しいことやできない理由が出てきます。そして、失敗した時にどうするかということを考えてしまい、なかなか行動しないということになりがちです。
しかし、成功には数多くの失敗がつきものです。言い換えると、今成功している人は最も数多くの失敗をしてきた人かも知れません。
是非、失敗を恐れず何事にも積極的にチャレンジしてください。

2007年02月14日

バレンタインデーの由来

 最近では、2月14日というと小さい子ども達までも〝バレンタインデー〟という答えが返ってくるようになってきました。そして、わが国ではこの日に女性から男性にチョコレートを贈るということになってきていますが、これは外国では必ずしもこのような習慣になっているわけではありません。
この日の由来については知らない人も多いようですので紹介します。
269年、ローマ帝国の皇帝であるクラウディウス2世は若い戦士達が戦争に出たがらないので困っていましたが、その理由は彼らが自分の家族や愛する者達から去りたくないからであると確信して、兵士達の結婚を禁止する『自由結婚禁止令』を出しました。しかし、キリスト教司祭であった聖バレンティノ(英語名:バレンタイン)はこれに背いて恋人達の結婚式を執り行ないました。当時のローマではキリスト教が迫害されており、皇帝はバレンティノに罪を認めさせてローマの宗教に改宗させようとしましたが、それを拒否したために捕らえられて2月14日に処刑されました。これが恋人達の日とされたのはバレンタインが処刑されて殉教者となった命日と、もともと2月14日と15日に行なわれたローマの恋人達の祭りとが意図的に合わせられて定められたと言われています。
 外国でも花やケーキやカードを恋人に贈る習慣はありますが、女性から男性へチョコレートを贈るとは限っていません。
 また、現在日本では年間に消費されるチョコレートの4分の1がこの時期に集中していますが、1958年(昭和33年)、メリーチョコレートという会社がバレンタインデーにチョコレートを贈るというイベントを最初に企画した当時の売上げは、たった板チョコ3枚だけで150円だったとのことです。
 このような習慣も50年の間にずいぶんと変わるものだと感じています。

2007年02月13日

卒業生に贈る~①高い志を持つ

 高校三年生の卒業式も一週間後に迫ってきました。昨年四月に本校に赴任した私にとっては、生徒達との学校生活はわずか一年ということになります。
率直に申し上げて、すべての生徒と親しく話し合ったとは言えませんし、一人ひとりの将来の進路についても、もっと個別指導をしてあげたかったと思っています。しかし、残念ながらそのための時間がありませんので、この校長通信を通じてお伝えします。
 卒業にあたって、まず皆さんにお願いしたいのは『高い志を持つ』ということです。私はこれまで多くの社会で活躍している人にお会いしてきましたが、これらの人には、共通点があります。それは自分なりの高い志を持っているということです。この高い志というのは単にお金を儲けるとか、名声を得るといったものではありません。自己を超越して世の中のためにいかに尽くすかという強い思いがベースになっているのです。
そして、目標達成に向けて常に自分自身を律しながら、たゆまぬ努力を継続し、更に日々素直に反省することによって自己研鑽をはかっています。変換 ~ 学園長 006.jpg
要約すると、まさに本校の校是である「高志」「自律」「努力」を実践していくということなのです。
 不思議なことに、常に利他の気持を持って行動している人には、磁石に引き寄せられるように、お金や人材、有益な情報が集まり、逆に自分の利益だけを考えて行動している人からは、これらのものが去っていきます。

これからの人生には山もあれば谷もあります。楽しいことばかりではなく、苦しみや悩むことも多々あることでしょう。そのような時には、是非本校の校是を思い出してください。そして気軽に母校に立寄って欲しいと思っています。

2007年02月12日

『不都合な真実』を観て

 先日、二人の友人から相次いで環境に関する情報が寄せられました。一人の方からは、“前アメリカ合衆国の副大統領であったアルバート・ゴア氏の『不都合な真実』という映画が上映されているので、是非見て欲しい”というものであり、もう一人の方からは『世界水フォーラム』に関する情報を送るので参考にして欲しいというものでした。お二人の意図は、何らかの形で生徒達に環境の大切さを訴えていただきたい、ということだろうと思います。
 前者についてはロードショウとの関係があるため、何とか時間をつくって観賞してきました。この作品は、地球温暖化をテーマにしたゴア氏の講演記録をベースに私達人類の緊急課題を提起したドキュメンタリー映画であり、アカデミー賞の有力候補にノミネートされているようです。
近年、我々が大量に輩出する二酸化炭素の影響で地球の温暖化は急速に進んできています。この結果、局所的な豪雨やカトリーヌに代表される超大型の台風の発生、世界各所における砂漠化の進行、またヒマラヤ、アルプス、ロッキー、キリマンジャロといった氷河の消滅、海水温の上昇による珊瑚礁の死滅とこれに伴う魚介類への影響、北極海の氷の融解、マラリアをはじめとする熱帯性伝染病の地域拡大等さまざまな現象が生じてきています。
これらのベースにあるのは、この100年間に3倍以上に増えた世界人口と急激な工業化です。そして我々が避けて通れない現実は、これからますます地球の人口が増加し2050年には90億人に達するということ、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)に代表される国々の工業化が急速に進展するということです。
この映画では、〝このままの状況を放置すれば、南極大陸の西部地区やグリーンランドの氷が解け出し、海面が実に6メートルも上昇することになる。そして地球上の多くの陸地が水没することになる〟というシミュレーションが提示されています。
 我々の住む地球は我々自身で守るということが大切です。さまざまな機会を通じて生徒達にも環境保護の大切さについて訴えていきたいと思いました。

2007年02月11日

建国記念の日の由来

 本日は建国記念の日で祝日になっていますが、この日の由来を紹介します。日本の起源を祝日にしようとする動きは明治時代に始まり、神武天皇即位の日を日本の歴史が始まる最初の日として2月11日を「紀元節」に制定しました。この結果、全国の神社では紀元節際という祭典が行なわれ、一般人の間でも建国祭が催されていました。
 しかし、戦後再び天皇を中心とする日本人の団結力が高まり、アメリカの脅威になるのではないかというGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の意向で、紀元節が廃止されました。その後の調査で、国民の80パーセント以上が建国を記念する日を望んでいるということがわかり、1967年から「建国記念の日」が制定され今日にいたっています。建国記念日という名称でないのは、神武天皇即位という歴史上の史実について多くの論議がなされ、明確な事実が立証されなかったからなのです。
 
参考までに世界の多くの国には、それぞれ建国記念日が制定されています。
アメリカ合衆国・・・1776年、イギリスからの独立宣言をした7月4日
インド    ・・・1747年、イギリスから独立した8月15日
イタリア   ・・・1946年、王制から共和制になった6月2日
中国     ・・・1949年、毛沢東が天安門で建国宣言した10月1日
韓国     ・・・1945年、太平洋戦争が終了した8月15日
北朝鮮    ・・・1948年、共和国建国が宣布された9月9日
オーストラリア・・・1788年、最初の移民が上陸した1 月26日
カナダ    ・・・1861年、イギリスから独立した7月1日  等

興味深いのは、イランの建国記念日はイスラム革命記念日の2月11日ということです。
建国記念の日に、日本の歴史を今一度振り返ってみたいものです。

2007年02月10日

本年度の高校入試の特徴

 昨日は、A日程の試験終了後、各教科に分かれて厳正に採点・集計を行ないました。本日は午前中にこれらの再点検と基本データの分析を実施すると共に教科毎に設問毎の正答率を確認し課題の抽出を行ないました。これと並行して選考案を作成した後、午後から教職員全員で入学者選考会議を開催し、コース別の合格者を決定しました。
 会議では、最初に各教科から出題の意図や結果についての報告をしていただきました。新たなコース制が導入されるため、すべての教科では例年以上に出題についての話し合いを重ねる等、随分工夫を凝らしたようです。このため、全員がどのような結果になるのかを注目していましたが、ほぼ当初の狙いどおりになったようです。昨年度と問題が異なるため、単純に比較することはできませんが、全般的に見て本年度はいくつかの注目すべき傾向が見られました。主なものをあげると受験者数が大幅に増加した、専願者の平均レベルが上がり併願者との差が縮まった、成績の高い層や男子受験者の比率が上がった、等があげられます。
これから公立高校の入試が始まるため、現時点においては併願合格者の内、何人の生徒が最終的に本校に入学するのかは判りません。しかし、入試を単に〝入学者選抜のための手段である〟ととらまえるのではなく、今回の結果をこれからの教育活動に反映していくことが必要です。また、入学者については、それぞれの指導点を明確にし、個別の育成計画に盛り込んでいきたいと考えています。
なお、合否の通知は明日(11日)速達便でお送りしますが、地区によっては到着が翌日になる可能性もありますのでご了承ください。  

2007年02月09日

高校A日程入試を終えて

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2月9日(金)、高校A日程の入試を実施しました。昨夜から降り続いていた雨も7時頃にはすっかり止み、当初の予定どおりの流れで受付、誘導を行なうことができました。受付業務は、既に大学への進学が内定している3年生が手伝ってくれました。明るい笑顔でてきぱきと資料を手渡し説明している姿を見ていると、この3年間の成長の跡を伺うことができ頼もしく感じました。
ほとんどの受験生が阪急電車を利用しているため、電車が到着する度に長蛇の列ができ、少し待っていただく方も出たようですが大きな混乱もなく、定刻には試験会場に全受験生が集合、点呼、諸注意の後午前中に国語、英語、数学、午後から社会、理科の試験を行いました。体調を崩し別室で受験をしていただいた人もいましたが、気温も極端に下がることもなく無事終了しました。
 その後、専願者についてはいくつかのグループに分かれて個別面接を行ないました。全員に本校を受験した理由を質問しましたが、19年度より導入される〝コース制〟をあげる人が多かったようです。また学校訪問した時の在校生の爽やかな姿を見て受験を決めたという答えも相当数ありました。学校に入ってから何をしたいかという質問に対しても、クラブ活動や学習面で明確な目標を持っている人も多かったようです。
 いずれにしても本日のA日程入試と来週のB日程入試の受験者の中から19年度の入学者が決まります。今回の合否の結果は明後日(11日)に速達でお送りすることになりますのでお含みおきください。
受験生の皆さん、本日はお疲れ様でした。どうか、ゆっくりと休養してください。

2007年02月08日

受験生の皆さんへ

 2月8日(木)、明日の高校入試を控えて試験会場となる各教室やトイレ等の最終点検を行ないました。本年度はこの4月から新しいコース制を導入するということもあって、受験者は昨年に比し約100名増加することになりました。この結果、選抜特進は8、3倍、特進Ⅱは9、6倍、特進Ⅰは3、2倍という競争率になりました。トータルでも合格者は6人に1人ということになっています。多くの受験生の皆さんは本校だけではなく、公立・私立を含め複数の高校受験をされるというようになっているようですが、狭い門になっているのは間違いありません。
今、日本では高校の進学率が100%近くになっており、高校の義務教育化が叫ばれるまでになってきました。しかし、小学校、中学校、高校と上級学校に進むにつれて、不登校ややる気のない生徒が増加するという傾向にあります。  
 世界には学校に行きたくても学校にいけない、勉強したくても勉強できない、それも高校ではなく小学校にも行けないといった子ども達が数多くいます。むしろ、高校教育を受けることができる子どもの方が少ないといっても良いかもしれません。日本では上級学校に進学することに重きが置かれていますが、高校に行くことが目的ではなく、将来社会で役立つ力を育てるためのさまざまな知識や人間力を養成することが何よりも大切なのです。
受験生の皆さん、是非本校に入学して多くのことを学習し、将来世の中に貢献できる人材になってください。
どうか明日はベストコンディションで受験に臨み、実力を遺憾なく発揮してくれることを心より願っています。

2007年02月07日

基礎・基本の大切さ

 2月7日(水)、全校朝礼で、昨日の校長通信に掲載した内容を中心に〝基礎・基本の大切さ〟を話しました。スポーツにおいてもお稽古事においても、学校の勉強においても基礎基本をおろそかにしていては決して上達することはできません。私は学生時代にバレーボールに取り組んできましたが、ジャンプ力・背筋力等の筋力や持久力といった基礎体力、パスやレシーブといった基本が出来ていなければ、いくら高度な戦術を組み立てても何の役にも立たないということを実感しました。スポーツの場合にはすぐに目に見える形で結果が明らかになります。しかし、学業については、基礎・基本の重要性についての考え方が明確になっていなかったように思われてなりません。
 先日、日本経済新聞の教育というコラムに〝教育再生の核心は基礎反復〟という記事が紹介されていました。これによると、1989年に自ら学び自ら考えるといった「新しい学力観」が提唱され出した頃から、伝統的な読み、書き、計算の反復練習が軽視されるようになり、これらが旧式の「詰め込み教育」「画一的教育」と見なされるようになった。この結果、小学校における読み・書き・計算の反復練習が廃れ、基礎的な計算力や言語能力が著しく低下し、「学力低下」「学校の荒廃」「生きる力の低下」につながった。ということです。ゆとり教育や新しい学力観が目指した〝自ら学び自ら考えることにより創造力を育む〟という方向性は間違っていないと思いますが、それは基礎学力の上に成り立つものです。詰め込み教育と基礎を反復徹底する教育とは決して同一ではありません。基礎・基本を大切にするという点ではスポーツと同じであると思っています。
本校においても今一度、基礎・基本の徹底をはかっていかなければならないと思っています。 

2007年02月06日

基礎体力をつくる

 本校には多くの運動クラブ、文化クラブがあり、約7割を超える生徒達がそれぞれのクラブで活動を行なっています。
 この時期、ほとんどの運動クラブはシーズンオフにあたっており、公式戦が開催されることはあまりないため、部活動は低調になっているのではないかと思われがちですが、決してそうではありません。
 本ホームページの『各クラブからのお知らせ』にも掲載していますが、剣道部や水泳部をはじめ、それぞれのクラブでは部員達が早朝や放課後に寒さの中、白い息を吐きながらトレーニングを行なっています。剣道部は本校を代表するクラブで、常に輝かしい成績を上げていますが、連日8時前から道場を掃除した後、運動場で大きな声をかけながらランニングをし、最後に竹刀で素振りをしています。
 また、水泳部はジャンプやスクワットの後、古い自転車のタイヤを使った筋力トレーニングを行なっています。これらのトレーニングはどちらかというと単調であり、決して楽しいものではありませんが、基礎体力をつけるという意味では非常に有効です。
 現在プロ野球のキャンプも始まっていますが、年間を通して活躍できるかどうかは、まさにこの時期にいかにトレーニングをし基礎をつくるかにかかっています。シーズン終了後に好成績を収めた選手からは決まって「キャンプで十分な走り込みをやり、身体を徹底的に苛め抜いたのが良かった。」という言葉が発せられます。手を抜かず地道に努力を続け、しっかりとした基礎をつくっておくことが、良い結果につながるのは間違いありません。これは何もスポーツに限ったことではなく、音楽、絵画、書道、茶華道、すべての学習等にも共通しています。
 また、長い目で見ると、中学や高校はまさに人生における基礎づくりの時期であると言えます。是非、将来社会で活躍するための基礎体力を養成して欲しいと思っています。

2007年02月04日

開かれた学校づくりを目指して

 本校では『開かれた学校づくり』を目指してさまざまな取り組みを行なってきています。その一環として、昨年より積極的に学校情報の発信を行なうこととし、ホームページの充実をはかってきました。
毎日、どれくらいの方に見ていただいているのかを把握するために、アクセス数を確認するようにしていますが、1月末では累計で105000件を超えました。私もこの校長通信を通じて情報を発信していますが、日々100名を超える方にご覧いただいているようです。
最近、これらの方からご意見やご提案をいただくことが多くなってきました。本日も個人のメールに荘川桜の記事についての感想が寄せられました。今年に入ってからも、京都の名物医師である早川一光さんのテープを送ってくださったり、ニューヨーク大菩薩禅堂金剛寺の住職である嶋野榮道さんの講演の案内をいただいたり、前アメリカ副大統領ゴア氏の講演記録で地球温暖化をテーマにした私達人類の緊急課題提言のドキュメンタリー映画を紹介いただいたり、ときめき塾を主催されている方からも定例会のお誘いをいただきました。また一昨日は日本青年会議所大阪ブロック協議会の「日本の力教育」実践検討委員会の方が来校され、意見交換させていただきました。昨日の植樹式にお越しいただいた篠原さんも本校のホームページをいつも見ておられるとのことでした。
いずれの方も日本の教育を何とかしていかなければならないという強い気持を有しておられます。
子どもの育成のためには学校、家庭、社会の連携が何よりも大切です。これからも多くの方の支援をいただいて、教育活動の充実をはかっていきたいと思っていますので、宜しくお願いします。  

2007年02月03日

荘川桜の植樹式

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 2月3日(土)、昨年の末に雲雀丘山手地区の緑化推進委員会の皆様から寄贈いただいた荘川桜の植樹式を行ないました。本日は節分、明日からは立春という節目の日にあたります。式には緑化推進委員会長の篠原悌三様、学園の関係者、生徒会の代表者等 名の皆さんに参加いただきました。
私は冒頭の挨拶で、1960年に岐阜県北部に御母衣ダムが建設されることになり、当時の電源開発株式会社の高碕達之助総裁が湖底に沈む運命にあった樹齢400年を超える桜の老木を何とか助けることが出来ないかと考えられた結果、桜博士といわれていた笹部新太郎氏に依頼され、幾多の困難を乗り越えて見事移植に成功されたというエピソードを紹介しました。そして、今回いただいた幼木は、この村の名前からとった荘川桜の実生から育てた二世桜であるため400年の命を受け継いでいる。この桜の命を大切に守っていきたい、という話をしました。
 続いて、篠原様より「現在、電源開発株式会社が全国的に二世桜の植樹事業を展開されているが、本日植樹された幼木(エドヒガン)が丁度100本目にあたる、御母衣ダムでつくられた電力はすべて関西電力が買い取って各家庭に供給している、ソメイヨシノの寿命はせいぜい60年であるが、エドヒガンは500年から700年である等の興味深いお話をいただきました。
その後、参加者全員で順次植樹を行ない、常務理事からのお礼の言葉、記念撮影、放送部によるインタビューで式は無事終了しました。
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本学園の創立の精神は『孝道』ですが、親孝行をするということは命を大切にするということに繋がるのではないかと思います。この桜が毎年年輪を増やし、雲雀丘学園の素晴らしい発展を見守ってくれることを願っています。
 雲雀丘山手地区緑化委員会の皆様、どうもありがとうございました。これからも、地域と連携した学校づくりを進めてまいりますので何卒宜しくお願いします。

2007年02月01日

2月を迎えて

 今日から2月に入りましたが、今年の冬は殊の外暖かかったようです。1年のうちで最も厳しい寒さと言われる大寒の時期も過ぎ、3日は節分、4日は立春となります。『冬来たりなば春遠からじ』という言葉がありますが、これからは多くの人にとって新たな生活のスタートを切る季節を迎えることになります。
どうか力強く第一歩を踏み出して欲しいものです。
 ところで、普段は余り疑問を感じずに2月を迎えている人が多いと思いますが、どうして2月には28日(閏年は29日)しかないのでしょうか。
 その答えは古代ローマにさかのぼらなければなりません。共和制のローマ末期にユリウス・カエサルがユリウス暦を採用するのと同時に7月の名称を自分の家門の名に変更しました。これが英語名のJulyの由来です。
 その後、紀元前8年にローマ帝国の初代皇帝であったアウグストゥス(オクタヴィアヌス)がユリウス暦の運用を修正すると共に8月の名称を自分の名前に変更し、同時に8月の日数を30日から31日に増やし、そのため不足した日を2月から差し引いたのです。
 Septemberは7番目、Octoberは8番目、Novemberは9番目、Decemberは10番目ということになっているのは、ローマ暦が3月起算になっていたからなのです。
日本では「如月」、まだ寒さが残っているため更に衣を着るから「絹更月」「衣更着」であるとか、陽気が更に来る月であるから「気更来」とも言われていますが、はっきりしたことは分からないようです。
いずれにしても、気持を切り替えて充実した生活を送っていきたいものです。