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今日は古典の日

今日11月1日は「古典の日」です

 平安時代に書かれた「紫式部日記」の中の1008年11月1日に、初めて源氏物語に関する記述があることにちなみ制定されました。今夏には文学や音楽、美術などの古典作品に親しむ日と定めた「古典の日に関する法律」も公布・施行されています

 毎年、高1生が鑑賞する大阪発祥の伝統ある古典芸能・文楽を取り上げた本を紹介します。最近は大阪市の橋本市長の文楽協会への補助金凍結発言で、文楽存続の危機として大きなニュースにもなっていましたね

そんな文楽を趣味の範疇を越えているくらい好きという作家、三浦しをんさんの著書です

あやつられ文楽鑑賞 (ポプラ社)
 文楽の事を何も知らなかった三浦さんが、どんどん文楽にはまっていく様子を描いたエッセイのような1冊。演者さんのインタビューや、観劇の様子(作品を紹介してくれるのですが、名作にも容赦なく突っ込みを入れています・・・)
 文楽は、太夫、三味線、人形遣いの三業一体の芸。ひとつの人形を演じるためにはこの3人(師弟関係も含めて)のパートナーシップがとても大事なんだそうです

仏果を得ず (双葉社)
 こちらは小説。文楽に情熱を傾ける若手大夫・健は、ある日、人間国宝である師匠から変わり者と評判の三味線・兎一郎と組むよう言われます。各章のタイトルが名作と言われる有名な演目になっていて、登場人物たちの様子と演目内容をリンクしたようにしているので、初心者向けの解説にもなります
そして、駆け出しの健がそれぞれの演目を理解し演じることで、太夫としても、人間としても成長していく様子が描かれています
 奥深い古典芸能の世界が舞台ですが、そこは三浦さんの作品らしく個性豊かな人々が登場。まだ見たことがない人も「見てみたいなあ、文楽」と思えるかもしれないですよ

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新着図書では オトメの和歌/山下景子 、サムライの漢詩/長尾剛 (明治書院)なんていうのもあります