2008年02月29日

PTA総会の開催と役員の新体制

総会全体 校長挨拶

  2月29日(金)、恒例のPTA総会において来年度の役員体制が決定されました。本校ではさまざまなPTA活動を行っていますが、今回は会長をはじめ多くの方が引き続いて役員に就任していただくことになり心強く感じています。
  総会は、会長の挨拶の後、私から保護者の皆さんに学校の近況について次のような話をしました。

〝平素、保護者の皆さんには学校の教育活動に対し、ご支援、ご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
この2月から新年度の初めである4月までは、高校・中学の卒業式、入学試験、大学受験、新年度の組織・人事体制、入学式と年間を通じて、最も慌しい時期にあたっています。先日の20日には、記念すべき第50回目となる高校の卒業式を行ない、221名の生徒達をお送りしました。また、3月19日には中学の卒業式を実施することになっています。
  さて、本校においては、現在、新しい学校づくりを目指してさまざまな取り組みを実施してきていますが、基本的な考え方は二つです。
  一つ目は「創設の精神に立ち戻る」、言い換えると「将来社会で活躍するリーダーの育成」です。二つ目は、これまで取り組んできた「中学・高校の学校改革の集大成」ということです。
つまり、6年前に中学3年に「応用」と「標準」コースを、高校進学時に「応用Ⅰ類」「Ⅰ類」を設置しました。その最初の学年が先日卒業した50期生ということになります。学校づくりにあたっては、「入口」「出口」「校内」を固めていくことが大切であると思っています。
  「入口」を固めるというのは、入学者の質・量の確保ですが、お蔭様で中学の志願者は583名、高校の志願者は760名と過去最高になりました。
  次に、「出口」を固めるということは、進路の実現をはかることです。後ほど、進路指導部長から報告させていただきますが、大学入試の合格者についてはこれから発表される国公立の結果待ちという状況ですが、何とかよい結果を出してくれるものと期待しています。
最後の「校内」を固めるということについては、高校と中学におけるコース制の充実をはかると共に、授業の質的向上をはかっていきたいと考えています。新しい教職員もお迎えし、新たな気持ちで取り組んでいきたいと思っています。
  本校は「人間教育の充実」と「学力の向上」を基本テーマに掲げていますが、子ども達の育成のためには、学校の取り組みだけでは不十分です。そのためには家庭との連携である≪共育≫、また、子どもと保護者、我々教職員が共に学習するという≪共学≫の姿勢が何よりも大切です。
  最後になりますが、19年度の役員の皆様には、暖かいご支援をいただき有難うございました。また20年度の役員の皆様にはこれからご苦労をおかけしますが、宜しくお願いします。〟

2008年02月28日

家庭での食育~⑫脳を活性化するDHA

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   DHAが多く含まれているサンマ

  最近、よくDHAという言葉を聞かれているのではないかと思います。DHAと言うのはドコサヘキサエン酸の略で、高度不飽和脂肪酸のひとつです。
  1989年、イギリスの脳栄養化学研究者であるマイケルクロフォード教授が『原動力』という著書の中で、〝日本の子ども達の知能指数が、欧米の子ども達に比べて高いのは、魚を食べているのが一つの理由である〟と述べたことから、DHAが一挙に注目を集めることになりました。そして、いたるところで、DHAに関する研究が進み、DHA入りの清涼飲料水、クッキー、味噌等の食品が相次いで発表されることになりました。
  このDHAの身体の部位における含有率は目、脳、心筋、胎盤の順になっていますが、脳細胞においては記憶学習機能をつかさどる「海馬」という部分に多く含まれています。DHAの効用について、体重1500グラムの未熟児300人を対象にした注目すべき研究結果が発表されています。これによると、「母乳で育てたグループ」と「粉ミルクで育てたグループ」の8年後の知能指数は103.0と92.8と実に大きな開きが見られました。母乳にあって、粉ミルクにはない、しかも脳に関係している成分はDHAだけということから、いかにDHAが脳にとって大切なのかが証明されたのです。
  DHAを摂取することによって、神経細胞の情報伝達をスムーズにする脳細胞が活発化し、記憶力、判断力、集中力が高まります。また、視力の向上やアトピー性皮膚炎の改善にも効果のあることも解ってきていますが、このDHAは魚、特に青味の魚に多く含まれています。
  最近、とみに子ども達の魚ばなれの傾向が強くなってきていますが、それぞれの家庭において、魚の良さを再認識して欲しいものです。

2008年02月27日

家庭での食育~⑪まごわやさしい~

  最近脳の研究が進むにつれて、外的要因や食物と脳との関係が次第に明らかになってきました。集中力に関してはこめかみの上あたりの脳が強くかかわってきていることや、脳を働かせるには「セトロニン」や「ド-パミン」という脳内物質が必要であることが解ってきています。朝日を見たり浴びたりすることは、セロトニンの分泌を高め、脳を活性化させ、逆にセロトニンが不足するとマイナス思考やうつ病になりやすいようです。実際に北欧などでは、日照時間が短くなる冬季にうつ病が増えるということも確認されています。
  また、ドーパミンが不足すると、やる気や欲求が低下し、楽しさや幸せを感じなくなるようです。
そして、何よりも注目したいのは、脳の働きには食事が強く影響していることが解ってきたのです。つまり、食べ物が脳を作り、脳を働かせるということです。脳はその大きさに似合わないほど多くのブドウ糖をエネルギーとして消費しています。そして脳を育て、脳を働かせるには、バランスよく多くの食品を摂取し、脳に十分な栄養を供給することが大切です。

  昔から脳に良い食べ物の頭文字を取った「まごわやさしい」という言葉がありますので紹介します。
    ま:豆類(豆腐、味噌、納豆)・・・たんぱく質やミネラル
    ご:ゴマ類(木の実など)・・・脂質やミネラル
    わ:わかめなど海藻・・・ミネラル
    や:野菜・・・ビタミンやカロチン
    さ:魚・・・たんぱく質やDHAなど
    し:しいたけ(きのこ類)・・・ビタミンDや食物繊維など
    い:いも類・・・炭水化物や食物繊維
  日本においては古来より、これらの食物が日常の食事の中心でした。ところが、現在これらの食物は家庭の食卓から徐々に姿を消しつつあり、また、子ども達にとっても苦手なものが多いようです。
  かつて、日本の子どもの頭が良いのは魚を食べるからだ、と言われていましが、魚にはDHA(ドコサヘキサエン酸)という、脳細胞を活性化させる栄養素が多く含まれているのです。
  近年、崩壊しつつある素晴らしい日本の食文化を、各家庭において、今一度見直すべきではないでしょうか。

2008年02月26日

家庭での食育~⑩旬の野菜を食べる

ホウレン草

  今我々が食べている野菜は、外見は同じでも一昔前の野菜とは異なります。
40年前と比べるとホウレン草に含まれるカルシウムは1/2、ビタミンは1/3、大根に至ってはカルシウム・ビタミンとも1/8にまで減っています。
  これは、土の中のミネラルバランスが崩れたのが大きな原因と言われています。古来より田畑には人間や家畜の排泄物や稲わらなどが撒かれ、そうすることで元素が循環し、肥沃な土壌を作り上げてきました。それが化学肥料を多用するようになってから、土壌の質が変化してしまいました。化学肥料に多く含まれる窒素やリン酸、カリは過剰摂取になる反面、微量なミネラルは欠乏する状態です。それはそのまま作物が吸収することになり、最終的には我々が摂取することになります。
  また近年、年間を通して野菜や果物が販売店の店頭に並べられ、季節感が失われることになってしまいました。しかし、これらは旬の時期に摂取することが特に大切なのです。
「旬」というのは、単にその時期に多く採れるという意味だけではなく、すべての食物は旬の時に最も生命活動が盛んになるため、多くのものは味も良くなり、栄養価も格段に上がります。例えば、冬どりホウレン草には、夏どりのものに比べ3倍ものビタミンCが含まれています。
  イチゴ、トマト、リンゴ、ミカンをはじめ多くの野菜や果物などは温室栽培や季節が逆である南半球からの輸入によって、ある季節にしか無いはずのものが一年中食べることが出来ますが、健康的にはあまりすすめられることではありません。〝食卓の都合で自然を合わせるのではなく、自然の都合に食卓を合わせる〟といった姿勢が大切であると思います。

2008年02月25日

家庭での食育~⑨安全な食材を選ぶ(Ⅱ)

アメリカ産オレンジ

  食品添加剤と共に留意しなければならないのが、残留農薬です。人間の体も同じですが、病気にかかりやすいというのは、抵抗力が落ちてきているからなのです。農作物もこれと同じで、土壌が弱ると病虫害の被害を受けやすいため、これを防ぐために頻繁に農薬使用しているのです。農家の人は農薬が健康に良くないということを知っていて、自分達が食べる農作物には、ほとんど農薬を使わないのに、商品にするものには使っているケースが多いということも聞きます。
  また、最近、その安全性が問われだしたのは、輸入された野菜や果物です。例えば、アメリカ産と国産のレモンを同じように冷蔵庫に入れておくと、国産物は日数が経つとカビが生えたり、腐ってくるのに対して、輸入物は一ヶ月経っても何の変化もありません。オレンジやグレープフルーツ、サクランボ等も同じです。この理由は、「ポスト・ハーベスト」と言って、農作物の収穫後、害虫や酸化、腐敗、カビの発生を防ぐために農薬を使用しているからです。日本では、収穫後の農薬の使用は禁じられていますが、輸送や貯蔵に多大の時間を要する輸入食材については、品質を維持し、価格の高騰を防ぐために大量の農薬が使われているのです。しかし、ポスト・ハーベストに使用される農薬は、生育中に使用される農薬と異なり、残留の割合が極めて高いのです。
  また、加工されている場所が国内であっても、材料が輸入品の場合には、どのような経路を辿っているのかが問題となります。要は多少高くても、できる限り国産品を選ぶ方が安全であるということになります。しっかりと安全な食材を選んで欲しいと思っています。

2008年02月24日

卒業生に贈る~正しいものの考え方

生き方
稲盛和夫著(サンマーク出版)

  高校の卒業式では、来賓の方々から祝辞をいただきましたが、いずれも卒業生のこれからの人生にとって有意義な内容であり、紹介したいと思います。
  社会が最も必要としているのは、能力があってやる気のある人間ですが、反対に最も嫌がられるのは、能力があってやる気のない人間です。能力がない人間は概して謙虚で必死になって取り組もうとしますが、能力があるにもかかわらず、いつも物事を斜めから見て批判するばかりで行動に移さない人がいます。
  このような人は、チームで仕事をする際にも建設的な意見を出さないため、チームワークを乱すことになり、「評論家」と呼ばれて全く評価されません。
実社会では単に批判するだけではなく、代替案を出すということが必要なのです。しかし、これ以上に大切なのは、『正しいものの考え方』です。能力とやる気があっても考え方が間違っていれば、すべての行動は反社会的なものになり、世の中のためになるということはありません。
  京セラやKDDIの創業者であり、「盛和塾」の塾長として人材の育成に心血を注いでおられる稲盛和夫氏も、人生や仕事の結果について次のように語っておられます。
   〇人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力。
   〇能力とは才能や知能といった「先天的な資質」
   〇熱意とは情熱や努力といった「後天的な資質」
   〇考え方とは哲学や思想、倫理観といった生きる姿勢、
    それらをすべて包含した「人格」
  そして、能力と熱意は〝0点から100点まで〟の点数であるが、考え方については〝マイナス100点から100点まで〟が存在する。
  これから、卒業生の皆さんは、正しいものの考え方をしっかりと身につけて是非、世のため、人のため、未来のために貢献して欲しいと思っています。

2008年02月23日

卒業生に贈る~やってみなはれ

初代理事長

  三つ目に贈る言葉は、本学園の初代理事長である鳥井信治郎氏の〝やってみなはれ。やらなわかりまへんで〟です。
  皆さんは、将来さまざまな分野で仕事をすることになりますが、社会における仕事は定型化された単純なものだけではありませんし、あらかじめ正しい答えが準備されていることはありません。つまり、学校の勉強のように正答は一つではありませんし、いくら考えても答えの出ないものも多いのです。にもかかわらず、高い学歴を有する人は、まず頭の中で考えて答えを導き出そうとしがちです。そうすると、すぐに難しいことやできない理由が出てきます。そして、失敗しないかどうか、失敗した時にどうするかということを考えてしまいます。このため、いつになっても失敗を恐れて行動に移すことができず、折角の機会を失ってしまうことになります。
  しかし、何事も一度で成功することはまずありませんし、ましてや、成功し続けることなど考えられません。成功の裏には数多くの失敗がつきものです。言い換えると、今成功している人は最も数多くの失敗をしてきた人であると言っても良いのではないでしょうか。
  度重なる失敗にもかかわらず、それを乗り越えて成功した時の達成感や感動が自信に繋がり、人間的に一回りも二回も大きく成長することになるのです。
  皆さんは、これからも失敗を恐れず、是非何事にも積極的にチャレンジしてください。

2008年02月22日

卒業生に贈る~春風と秋霜

春風秋霜

  二つ目に贈りたい言葉は『春風を以って人に接し、秋霜を以って自ら慎む』です。
  これは江戸時代末期の儒学者であり、朱子学や陽明学の大家である佐藤一斎の言葉ですが、〝春の風のように暖かい心で他人に接し、秋の霜のように厳しい気持ちで自らを律する〟という意味です。
  しかし、最近の風潮を見ると、残念なことに、〝人に厳しく自分に甘いというケースがあまりにも目に付きます。権利は主張するが、義務は果たさない。何とか自分だけが楽をすることを考える。相手の迷惑を考えず、人を騙してでもお金儲けをしたい。相手の立場に立って考え行動しない。〟といったことです。
  こういう姿勢では、たとえ一時的にはうまくいったとしても、多くの人の協力を得られないのは当然です。私もこれまで、社会で活躍している人を何人も見てきましたが、自分を厳しく律している人は他人には春風の態度で接しておられたように感じました。是非、この言葉を胸に刻み込んでいただきたいと思います。
  佐藤一斎は「言志録」「言志後録」「言志晩録」「言志耋(てつ)録」の全四巻の中で、1133条に及ぶ修養処世の心得を述べています。この門下生として学び、あるいは語録によって影響を受けた人々の中には、佐久間象山、勝海舟、坂本龍馬、吉田松陰、木戸孝允、伊藤博文、山形有朋、西郷南州等明治の先駆者がいます。明治以降の人間としてあるべき道の教えは、この語録に負うところが多いと言えます。
  機会があれば、これらを紐解いて見てください。

2008年02月21日

卒業生に贈る~高い志が道を拓く

  卒業式にあたって、私は三つの言葉を贈りましたが、第一は『高い志が道を拓く』です。
高い志というのは、本校の校是の最初に掲げられていますが、今の日本や日本人にとって、最も大切なものではないかと思います。本校では、〝将来社会で活躍するリーダーの育成〟を目指して教育活動に取り組んでいますが、リーダーにとって不可欠な要件は、〝自己を超越して世の中のためにいかに尽くすかというゆるぎない信念を持ち、人の何倍も努力をする〟ということではないかと思います。
  この志とは単にお金を儲けるとか、名誉、名声を得るといった野心や野望といったものではありません。野心や野望を持つことは一概に悪いとは言えませんが、この姿勢を持ち続けている限り、多くの人の協力は得られないと思います。
  私はこれまで多くの社会で活躍している人にお会いしてきましたが、これらの人は、例外なく高い志を持っておられます。そして、志を有する人のまわりには磁石に引き寄せられるように、お金や人材、有益な情報が集まり、逆に自分の利益だけを考えて行動している人からは、これらのものが去っていきます。
  皆さんが、高い志を持ち、目標達成に向けて常に自分自身を律しながら、たゆまぬ努力を継続していけば、必ず道は拓けていくと思います。これはまさに本校の校是である「高志」「自律」「努力」を実践していくことなのです。
  これからの人生には山もあれば谷もあります。楽しいことばかりではなく、苦しみや悩むことも多々あることでしょう。どのような時にも、是非本校の校是を思い出して欲しいと思っています。

2008年02月20日

第五十回高等学校卒業式を終えて

卒業証書授与 学校長式辞

  2月20日(水)、寒さも和らぎ、素晴らしい天候の下、記念すべき第五十回の高等学校卒業式を挙行しました。開式の辞の後、ピアノ伴奏による国歌斉唱に続いて、普通科と国際科221名の生徒全員に卒業証書を授与し、続いて3年間、無遅刻、無欠席、無早退の生徒20名に皆勤賞を授与、更に中高あわせて6年間皆勤の生徒6名の紹介を行ないました。

送別の歌 卒業の歌

  式辞の要旨は次のとおりです。「五十期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。この門出にあたって、三つの言葉をお送りします。まず一つ目は『高い志が道を拓く』という言葉です。これから皆さんが、活躍できる場はどんどん広がってきます。皆さんは、単にお金や利己的な満足を追い求めるのではなく、〝社会に貢献する〝という高い志を持って取り組んでください。二つ目は江戸時代の儒学者である佐藤一斎の『春風を以って人に接し、秋霜を以って自ら慎む』という言葉です。常に、他人に対する暖かい心と自己に対する厳しい姿勢を貫いてください。三つ目は鳥井信治郎氏の〝やってみなはれ。やらなわかりまへんで〟という言葉です。社会には正答がありませんし、成功の裏には数多くの失敗がつきものです。失敗を恐れず何事にも積極的にチャレンジしてください。この三つの言葉を胸に刻み、充実した人生を送られることを心より願っています。」

式後の保護者

 卒業式の終了後は、保護者の皆さんと共に記念撮影を行ないました。生徒達はそれぞれに写真を撮り合ったり、高校生活を振り返っていつまでも談笑していました。
 どうか、卒業生の皆さん、新しい生活に向かって力強くスタートしてください。

2008年02月19日

卒業生に送る~これからの世の中

校是

  いよいよ高等学校の卒業式も明日に迫りました。式辞の中でも述べようと思いますが、これからの世の中について考えてみたいと思います。
  今、世の中は大きく変化しています。特にグローバル化の進展に伴い、地球規模で物事を考え行動していかなければならない時代になってきました。
  この100年間で地球の人口は3倍になり、これからも増え続けます。これに伴って、食料や水の不足、エネルギーの枯渇、地球の温暖化や大気汚染をはじめとする環境問題、エイズやサーズなどの新たなウィルス対策、金融問題等さまざまな課題がますます増大することが予想されます。
  また、これらに加えて、わが国特有の問題である少子高齢化や過疎化対策、40%を切る食糧自給率の改善、台頭してくる中国をはじめとするBRICs諸国との競争、国や地方における財政の再建、教育再生といったことも早急に解決していかなければなりません。
  このような数多くの課題がある一方で、バイオ、情報、ナノ、エコ、人工知能、超伝導といった新しい技術や素材が続々と生まれてきています。また、これらの新技術を使った新しいビジネスの仕組みやシステムも創り出されてきています。
  CO2を出さない自動車、皮膚から作られる万能細胞、太陽光やバイオマスの活用による新しいエネルギー、海水の淡水化等は実用化のスピードが、ますます加速されてくるでしょう。
  このように、考えると将来皆さんが、活躍できる場はどんどん広がってくるのは間違いありませんし、世の中に貢献できる仕事は数限りなく生まれてきます。どうか、上級学校で、将来自分のやりたい仕事をしっかりと見つけて欲しいと思っています。

2008年02月18日

家庭での食育~⑧安全な食材を選ぶ(Ⅰ)

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    スーパーの広告

  休日の新聞に挟み込まれているスーパーの広告チラシには、特売品が掲載されており、食品売り場には、実に多彩な食品が陳列されています。
まず、食について大切なのは安全な食材の入手です。このために特に注意しなければいけないのは、人体に悪影響を与える「食品添加剤」と「残留農薬」を避けるということですが、今回は食品添加剤について、お話しします。
  日本人が一人当たり一年間にどれくらい消費しているかを試算すると、実に4.5kgとのことです。現在、日本で許可されている食品添加剤の種類は、360以上あり、アメリカの実に2倍、英仏の20倍以上です。
なぜ食品添加剤が体に良くないかというと、有力な活性酸素の発生源になるのと同時に、大量の摂取を続けると老化を早めることになるのです。特に、トランス脂肪酸と呼ばれる分子構造の狂った脂肪酸については、オランダやデンマーク等では使用が禁止されているにもかかわらず、日本ではマーガリン、揚げ油、マヨネーズ、フレッシュ、スナック菓子、アイスクリームといった多くの食品の中に含まれています。
  また、人体に対する許容量は、それぞれの添加剤毎に決められていますが、トータルでの規制はありません。このため、一般的なかまぼこ等の練り物、コンビニでのサンドイッチ一つをとっても20種類前後の添加物が含まれているのです。また、味噌、醤油、酒,みりん、酢といった調味料についても、伝統的な製法以外のものには、数々の食品添加剤が使われています。醤油を例にとると、5倍もの価格差があります。同じ商品が特売品として販売されることは稀であり、価格が安いということは、それなりの理由があるのです。
  価格だけを優先して食品を選ぶのではなく、内容をよく吟味して購入して欲しいと思います。

2008年02月17日

家庭での食育~⑦食品の裏側

食品の裏側
安部 司 著(東洋経済新報社)

  昨今、中国製の餃子、食肉やお菓子をはじめとする色々な食品の材料や産地、賞味期限の偽装、ずさんな衛生管理等食品をめぐるさまざまな問題が、次々と発生しています。
このため、食品の安全性に対する関心が高まってきていますが、我々が日々口にしている食品が、どのようにして作られ、店頭に並ぶようになっているのかを知っている人は少ないようです。多くの食品は、何らかの手が加えられた加工品ですが、調べてみると驚くべき事実が浮かんできます。
  以前、ある人から「是非食育のために活用して欲しい」ということで紹介された『食品の裏側』(安部司氏の著書)には、食品添加物の使用に関する実態が詳細に示されています。私自身、これを読んで大きな衝撃を受けました。
  例をあげると、普段コーヒーに入れているフレッシュが、ミルクではなく水とサラダ油と添加物だけでできていること。健康のために良いからということで、食べている「パックサラダ」が「殺菌剤」のプールで何度も消毒されていること。ミートボールが大量の添加物を使って再生されたクズ肉であること。明太子、漬物、練り物、ハム・ソーセージには大量の添加物が使われていること。等です。
  その他、醤油、みりん、塩、酢、味噌等の調味料、コンビニのお弁当やサンドイッチ、カップ麺、おにぎり、梅干等にも数多くの食品添加物が使われているのです。
  阿部さんは、食品の購入にあたっては、まず素朴な疑問を持って、商品の裏側にある「原材料表示」をよく見ることが大切であると述べておられます。
次回は安全な食材の選び方について、考えてみたいと思います。
 皆さんも機会があれば、一度この書物に目を通していただきたいものです。

2008年02月16日

家庭での食育~⑥増え続けるアレルギー疾患

  最近、アレルギーという言葉を聞いても全く驚くことはなくなり、アレルギーは随分身近な病気になってしまいました。花粉症をはじめ、過敏性の皮膚炎、喘息、鼻炎、目の炎症等に悩まされている人は年々増加してきています。また、子どもだけではなく、大人になってから発症する人も増加してきています。
  人間の体には、外部から体内に侵入してくるからだの成分とは異なる外敵に対して、これを退治しようとする免疫の仕組みがあります。しかし、同じ異物が何度も侵入し、攻撃を繰り返している間に無害である異物に対して過剰に働くことになるのです。
この原因としては、幼児期における土に触れない都市型の生活、低体温、スギ花粉、ストレスによる自律神経の乱れ、ダニやハウスダスト等の住環境、大気汚染等があげられますが、大きいのは偏食・外食・インスタント食といった食生活です。高タンパクや高脂肪の肉類、スナック菓子、食品添加剤の使われている食品等の氾濫で身体が酸化状態になり、栄養のバランスが崩れ、腸内環境が悪くなっているのです。
  女性によく見られる便秘、冷え性、肌荒れもほとんど同じ原因です。アレルギー症は文明のガンと言われていますが、多くの食べ物が関係しているのは間違いがありません。食を見直すことで、これらを防ぎ、大幅に軽減することができるのです。
  次回以降、食品添加剤や季節はずれの野菜の弊害について取り上げたいと思っています。

2008年02月15日

家庭での食育~⑤自らの食を見直す

お弁当
          私のお弁当

  健康管理の基本は、睡眠、食事、運動と言われますが、現在の自分自身の生活を振り返えると、とても人にお話できるような状態ではありません。特に、睡眠と運動については「何度もこのままではいけない。何とかしなければ」と思いながらも、残念ながら一向に改善できず、慢性的な不足の状況に陥っています。最近では、睡眠と運動についてはある程度割り切ることにし、やれることからやろうという軽い気持ちで、食の見直しに取り組んでいます。
  先日の校長通信で、お弁当の写真を掲載したところ、何人かの方から「あれが先生のお弁当ですか?」というメールが届きましたが、実は私のものではありません。現在、「家庭での食育」というテーマを取り上げていますが、これらの内容については、ほとんどが私の家庭で実践しているものです。
  朝食は、人参とりんごの生ジュース、バナナ入りヨーグルト、昼の弁当の内容は、小豆入りの玄米、梅干、切り干し大根、高野豆腐、ブロッコリー、野菜の煮物、魚といったものです。夕食は、日によって異なりますが、玄米か五穀米、みそ汁、魚、野菜の煮物やおひたし、納豆、豆腐、ぬか漬けです。玄米は親戚の農家から購入し、休日にまとめて炊飯し冷凍保存しています。また、きな粉・ゴマ・昆布・いりこを材料にしたフリカケや梅干、ラッキョウ漬け、ぬか漬け等もすべて自家製です。
  大変だと思われるかも知れませんが、工夫をすればそれほど時間をかけなくても、ある程度の食の改善はできるように感じています。
  現時点では、効果が上がっているかどうかは分かりませんが、これからも是非色々なことに取り組んでいきたいと思っています。皆さんの中にも、食生活の改善に取り組んでおられる方も多いと思います。是非、食に対するご意見やアドバイスがあればお知らせください。

2008年02月14日

家庭での食育~④カルシウムの摂取

カルシウム不足


  最近の子ども達を見ていて気になるのは、あまりにも骨折が多いということです。「骨」という言葉を聞くと、すぐにカルシウム不足ということが思い浮かびますが、カルシウムが身体の中でどのように動いているのかという仕組みは実に興味深いものがあります。国立健康・栄養研究所の江指隆年氏によると、人とカルシウムの関係は次のようになっているとのことです。

 〝人の首の辺りには、甲状腺と副甲状腺があるが、血液中のカルシウムが少しでも足りなくなると、副甲状腺ホルモンが骨に働きかけてカルシウムを引き出し血液中のカルシウム濃度を元に戻す。逆に血液中のカルシウムが多くなったら、甲状腺ホルモンが働いてカルシウムを骨に戻す。更に血液中のカルシウムは腎臓を通って、尿の中に排泄されるが、急速にカルシウムが不足しないように、腎臓はいったん濾過(ろか)したカルシウムを、もう一度血液中に呼び戻す働きをしている。
  そして、血液中のカルシウム濃度のバランスが崩れると病気になるし、骨の中のカルシウムが少なくなると骨粗しょう症になる。そのため、お母さん方はこぞって子ども達にカルシウム食品を与えようとするが、これだけでは不十分である。何故なら腸からカルシウムを吸収するためには、「活性型ビタミンD」(魚の脂身やシイタケ)が必要である。
  また、リンが過剰になるとカルシウムは腎臓への沈着を始め、マグネシウムが不足すると血管や心臓に沈着を始める。ちなみにリンはインスタント食品に多く含まれており、マグネシウムは海草、緑色野菜に多く含まれている。 つまり、カルシウム不足を補うには、栄養のトータルバランスがとれた食事が大切ということである。〝

  インスタント食品中心の食事をする一方で、カルシウム薬剤を常用するような間違ったやり方は厳に謹んでいただきたいものです。

2008年02月13日

チョコレートとバレンタインデー

バレンタインとチョコレート

  明日(14日)はバレンタインデーで、最近では、この日に女性から男性にチョコレートを贈るということが習慣化してきましたが、この日の由来については知らない人も多いようです。
  昨年も紹介しましたが、269年、ローマ帝国の皇帝であったクラウディウスⅡ世が出した「自由結婚禁止令」に背いて処刑されたキリスト教の司祭であった聖バレンティノ(英語名:バレンタイン)の命日ということで、この日が「恋人達の日」とされたのです。
外国では、このバレンタインデーに花やケーキやカードを贈る習慣はありますが、チョコレートを贈るとは限っていません。
  現在、わが国では、この日に関連して売れるチョコレートの量は、年間の12~15パーセントと言われていますが、高級品を扱っている店では、実に30%を超えるようです。バレンタインデーにチョコレートを贈るというイベントは、1958年(昭和33年)、メリーチョコレートの営業主任であった原邦生氏(後に社長に就任)がヨーロッパにいる知人から聖バレンタインの話を聞き、新宿の伊勢丹デパートでキャンペーンセールを行なったのが最初です。ところが、3日間で売れたのは、わずか30円の板チョコ5枚と4円のカード5枚の計170円でした。それでも諦めずに、翌年からはハート型のチョコレートを売り出す等の新たな試みを行ない、昭和50年代になって、やっとイベントとして定着したのです。
  今年は最初のキャンペーンセールから数えて50年目にあたります。まさに、半世紀にわたるお菓子メーカーの人達の挑戦の歴史と言えるのではないでしょうか。

  参考までに、チョコレートは、アステカ文明の人々がカカオやショコラという呼び名で、強壮剤として飲んでいたものをスペイン人が持ち帰ったもので、日本に伝来したのは18世紀末です。そして、最初に固形のチョコレートを製造したのは、1899年(明治33年)、森永商店(現:森永製菓)の森永太一郎氏です。また、世界のカカオ生産量の約半分を占めているのは、西アフリカにあるコートジボアールです。

2008年02月12日

家庭での食育~③スローフードの奨め

ファーストフード
      ファーストフードの例

  これまで、社会で活躍するためには、しっかりとした生活習慣が必要であることを、繰り返し話してきましたが、この中でも〝睡眠〟と共に〝食〟は極めて重要です。長期間にわたる乱れた食生活のつけは、徐々に身体を蝕むことになり、必ず将来自らの身に降りかかってきます。今、社会的にも問題になっているのは、年々若年化してくる肥満や生活習慣病への対策ですが、単にカロリーを減らすという単純な考えでは十分な効果をあげることはできません。
  最近はファースト・フードやレトルト食品が溢れており、子ども達はハンバーガーやフライド・チキン、フライド・ポテト、ピザ、スパゲッティー、サンドウィッチ、菓子パン、スナック菓子、インスタント・スープ・カップ麺等が手軽に入手できるようになりました。そして、お腹がふくれれば良いということで、安易に食することが多くなってきているようです。しかし、これらの食品は得てして、高脂肪で柔らかく塩分も多く、身体にとっては良い食べ物だとは言えません。また、柔らかくてあまり噛む必要もないので、どうしても過食になりがちですし、少ない食品で食事を済ませてしまうということになってしまいます。肥満や生活習慣病を防ぐためには、品目を増やし栄養のバランスのとれた食事を摂るということが大切なのです。
  健康のための理想的な食事は〝一日に30品目以上の食材を摂ること〟であると言われています。現在は有職主婦が増えたため、料理を作る時間があまり取れないという声も聞きますが、冷蔵庫や電子レンジの活用を前提に、保存食をまとめて作る等の工夫により、スローフードの食事を子ども達に提供していただきたいと思っています。

2008年02月11日

前期A日程高校入試を終えて

校舎の様子

  今回の前期A日程の入試には、過去最高となる715名の方に受験していただきました。
より慎重を期すために、試験当日は、国語・英語・数学・社会・理科の各教科に分かれて厳正に採点・集計を実施、翌日(10日)は午前中にこれらの再点検と基本データの分析、夕方からは選考案を作成、そして本日(11日)全教員が出席し、入学者選考会議を実施しました。
  会議では、最初に各教科から出題の意図や結果についての報告をしていただきました。今回は新たなコース制の下での二回目の入試ということになりましたが、志望コース別の成績については、ほぼ各教科の想定通りの結果になったようです。昨年度と問題が異なるため、単純に比較することはできませんが、「選抜特進」や「特進Ⅱ」の受験者数が大幅に増加したことにより、全体のレベルは上がった、特に専願者の平均レベルが上がり併願者との差が縮まった、成績の高い層の比率が増えた、大阪府からの受験者が増えた等があげられます。
  但し、専願以外の併願での合格者については、公立高校の入試結果待ちということになっているため、現時点においては最終的に来年度の入学者が何人になるのかは判りません。なお、本校では授業料等学費面での優遇措置を設けていますので、進路選択にあたっては是非ご検討ください。
  なお、合否の通知は明日(12日)速達便でお送りしますが、地区によっては到着が翌日になる可能性もありますのでご了承ください。

2008年02月10日

家庭での食育~②20年後の自分を見据える

お弁当

  〝食を考えるということは20年後の自分を見据えることである〟という言葉があるのをご存知ですか。20年後には、今の子ども達は立派な社会人として仕事をしていると思いますが、問題は健康状態がどうなっているかということです。
  現在の日本はまさに〝飽食の時代〟であり、欧米式の食生活によって、高カロリー、高たんぱくの食事が当たり前になってきました。この結果、子ども達の背は伸び、一見立派な体つきになりましたが、栄養過多による肥満が引き起こす「小児成人病」と呼ばれる病気が増大してきているのです。そして、これまでは、中年以降の専売特許だった糖尿病、高血圧症、動脈硬化による脳卒中や心筋梗塞が子どもや若者の間に広がり、小中学生の二人に一人が小児成人病に侵され始めているとの報告もあるのです。
これでは、世界一の長寿国の地位も失ってしまうのは時間の問題ではないかと思います。
  現に日本一の長寿を誇っていた沖縄県において、食生活の欧米化によって、戦後生まれの人達の平均余命に変化が見られるようになってきています。せっかく優れた学力や技能を兼ね備えていても、生命がなくなればどうしようもありません。社会で活躍するためには、〝健康で長生きする〟ということが前提条件になるのは当然です。
  今、皮肉なことに世界ではヘルシーということで「日本食」の良さが理解され、いたるところで日本食ブームが起こってきています。日本食の特長は〝米を中心とした多様な副食〟にあります。
各家庭において、今一度、日本食の素晴らしさを見直し復活させて欲しいものです。

2008年02月09日

前期高校入試始まる

高校入試受付

  2月9日(土)、近畿地区の私立高校の入試が一斉にスタートしました。降雪の可能性があるため、私も万一に備えて宝塚のホテルに宿泊しましたが、阪急電鉄の宝塚駅はそれぞれの学校に向かう受験生で溢れていました。本校を受験する生徒達も早い人は7時過ぎから次々と到着しました。本日は学園の小・中・高が休みになっており、阪急「雲雀丘花屋敷」駅からの専用通路を開放したため、受付へはスムーズに誘導することができ良かったと思っています。
  生憎、途中で雪が降り始めましたが、大きな混乱もなく715名の受験生全員が指定された22の試験会場に分かれて、午前中は国語、英語、数学、午後からは社会、理科の試験に取り組みました。中には体調を崩し別室で受験していただいた人もおり、心配していましたが、定刻どおりに無事終了することができました。
  科目試験終了後は、専願者についていくつかのグループに分かれて個別面接を行ない、全員に本校を受験した理由や入学後の目標をお聞きしましたが、自分なりの抱負を持っているようで頼もしく感じました。今回の合否の結果は厳正な採点、選考会議を経て、12日に速達でお送りします。
  受験生の皆さんは、さぞかしお疲れになったことと思います。今日はどうか、ゆっくりと休養してください。

2008年02月08日

高校入試を明日に控えて

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 「雲雀丘花屋敷」駅の生徒専用改札口

  2月8日(金)放課後、明日の高校入試(A日程)を控えて試験会場となる各教室やトイレ等の最終点検を行ないました。
  今回は新しいコース制での2回目の入試ということになります。昨年度は初年度ということもあって、一部には改革の趣旨を十分徹底できなかったということもあったようです。この反省に立って、本年度は従来以上に入試説明会や事前相談を行なう等、趣旨の徹底につとめてきました。この結果、受験者は715名と過去最高になり、募集定員に対する倍率は「選抜特進コース」11.3倍、「特進Ⅱコース」8.8倍、「特進Ⅰコース」2.0倍という競争率になりました。トータルでも合格者は約7人に1人ということになりましたが、多くの生徒は本校だけではなく、公立・私立を含め複数の高校受験をされるようです。
  高校は中学とは異なり、義務教育ではありませんが、最近ではほぼ全員が高校に進学するようになってきました。この結果、更に上級学校を目指して勉強しようとする生徒がいる反面、不登校ややる気のない生徒が増加するという二極分化の傾向が見られるようになってきています。

  本校では、将来社会で役立つリーダーの育成を目指して、教育活動を行なっています。 受験生の皆さん、是非本校に入学し、「自分の進路は自らが切り拓く」という気持で充実した高校生活を送ってください。明日は寒くなりそうですが、ベストコンディションで受験に臨み、普段の実力を遺憾なく発揮してくれることを心より願っています。

2008年02月07日

家庭での食育~①食を取り巻く問題点

朝食の欠食率

      平成14年国民栄養調査より

  人間が生きていくためには〝食〟は欠かせません。食はまさに命の源であり、生命を維持するためには不可欠であることから、人間は自らに最も適した食について、豊かな知識や経験によって食文化を築き生きる力を育んできました。
  しかし、わが国においては急速な経済発展に伴い生活水準が向上し、「食の外部化」と「食の多様化」が進んだ結果、食の大切さに対する意識が希薄になり、健全な食生活が失われてきています。
そして、いまや、わが国の食をめぐる現状は危機的な状況に陥っているのです。
現代の食を取り巻く問題点としては次のようなものがありまます。
脂質の過剰摂取、野菜の摂取不足、朝食の欠食、調理済み食品による栄養の偏り、食生活の乱れによる肥満や生活習慣病の増加、痩せたい願望による過度の痩身、食品添加物や残留農薬の危険性、食品の偽装、深刻な食物アレルギーの増加、不規則なおやつの時間等、枚挙に遑(いとま)がありません。この他にも食事マナーの乱れや家族揃っての食事機会の減少といったこともあげられます。まさに、家庭における食生活の改善をはかっていくことが急務なのです。
  また、環境問題への対応や食料自給率の向上、日本型食文化の伝承といった問題についても各家庭で考え、身近なことから取り組んでいくことが大切であると思っています。

2008年02月06日

社会で役立つ力とは~学校と家庭との連携

学級懇談会
      保護者との懇談会の様子

  これから将来の日本を背負って立つ子ども達を育てるためには、国民の総力を結集していかなければなりません。そのためには、国や企業、大学、高校、中学、小学校、幼稚園、家庭、地域社会でそれぞれ取り組まなければならない課題がありますが、それぞれが他の批判をしていても前には進みません。
  よく講演会の冒頭、教育関係者や保護者、一般の方を対象に「学校教育に満足しているか?」「家庭教育は十分できているか?」「地域が一体となって子どもを育てているか?」という質問をしますが、残念ながら肯定的な回答はほとんどありません。この状況を打破するためには、具体的にどのような取り組みをしていくのかを決め、推進していかなければなりません。
  地域社会との連携も大切ですが、子ども達の育成のためには、何と言っても家庭と学校での教育が中心になるのは当然のことです。
  本学園では、家庭と学校とが連携して子ども達を育成するという「共育」を大きな柱として位置づけていますが、家庭の果たす役割は極めて大きいものがあります。
  これまで何度も申し上げているとおり、基本的な生活習慣や躾、思いやりや優しさ、感謝といった人間としての根っ子の部分は、是非とも家庭で身につけていただきたいものです。
  これから家庭で取り組んでいただきたいことを、順次お願いしていく予定ですが、まず「家庭での食育」について何回かに分けて取り上げていきたいと思っています。

2008年02月05日

つもりちがい10カ条

  『実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな』という詠み人知らずの俳句がありますが、人は何歳になっても常に素直に学ぶ姿勢が必要です。私自身を振り返って見ても、人間力をはじめマネジメント力、専門知識、教養等どれを取ってもまだまだ未熟な面が多く、いたずらに馬齢を重ねてきているように感じています。
  以前に、佐藤一斎の『少にして学べば則ち壮にして為すことあり、壮にして学べば則ち老いて衰えず、老いて学べば則ち死して朽ちず』と言う言葉を紹介しましたが、人間は究極のところ死ぬまで勉強し続けることが大切であると思っています。
  ある方から、「つもりちがい10カ条」というものを入手しました。自分自身に当てはめてみると反省すべき点が多いので、自宅の壁に貼って毎日読み返しています。
   高いつもりで低いのが 教養
   低いつもりで高いのが 気位
   深いつもりで浅いのが 知識
   浅いつもりで深いのが 欲望
   厚いつもりで薄いのが 人情
   薄いつもりで厚いのが 面皮
   強いつもりで弱いのが 根性
   弱いつもりで強いのが 自我
   多いつもりで少いのが 分別
   少いつもりで多いのが 無駄
  皆さんそれぞれに、感じることがあると思いますが、これからも印象に残る言葉があれば順次紹介していきますので、参考にしていただければと思っています。

2008年02月04日

社会で役立つ力とは~日常の健康管理

  社会で活躍するためには、健康であるということが前提ですが、この当たり前のことが案外解っていないというケースが散見されます。そして、病気になって初めて健康の有り難さに気づくのです。皆さんの中には、日常生活において随分無理をしている人が多いのではないでしょうか。私自身も若い時には食事について深く考えなかったり、徹夜をしたりすることも多かったように思いますが、何とか乗り切ってきました。しかし、不摂生のつけは必ず自らの身に降りかかってくるものです。
  昔から健康のバロメーターとして、「快眠」「快食」「快便」と言われていますが、こういった基本的な生活習慣が極めて大切なのです。〝場所が変わっても熟睡できる。好き嫌いなく何でも食べることができる。〟というようなことは、これから国際的に活躍する人にとっては大きな武器になると思います。
  特に、日々の食事は生命を支える最も基本的な営みですが、最近の子どもや若者達の食生活を見ると、早急に改善しなければならないことが多々あるようです。
  政府も食育に関しての課題を提起していますが、家庭と学校においても真剣に取り組んでいく必要を感じています。これから機会を見つけて、このテーマについて紹介していきたいと思います。

2008年02月03日

日本の伝統と文化~節分の由来~

節分には豆まき

  2月3日は節分です。皆さんの中には節分というと年1回と思っている人もいると思いますが、本来節分というのは〝季節の移り変わる時〟という意味であり、立春・立夏・立秋・立冬の前日を指していました。
  ところが、春が一年の初めと考えられていたことから次第に「節分」といえば春の節分を指すことになったのです。立春から新年が始まると考えると、節分は大晦日に当たります。従って、その年の邪気を祓うということで、さまざまな行事が行なわれています。これらの代表的なものが豆まきです。
  豆まきは平安時代に中国から伝わりました。一般的には年男や一家の主人が炒った豆をまき、家族は自分の年に1を加えた数の豆を食べると無病息災で過ごせると言われています。
それでは何故豆をまくのでしょうか。ここにも十干十二支の考え方がかかわっているのです。鬼門というのは鬼が出入りする北東の方角ですが、十二支では丑と寅の方角(うしとら)にあたります。だから鬼は牛の角を持ち虎皮のパンツをはいているのです。このように、悪魔のような鬼の目(魔目・まめ)をめがけて豆を投げると魔滅(まめ)になる、そして鬼門の邪気をはらうことにより、春が無事に迎えられると考えられていました。
  豆まきのほかにも鬼が嫌う柊(ひいらぎ)の枝に鰯の頭を刺したものを戸口に立てるといった行事もあります。
  また、最近は「恵方巻のまるかぶり」が行なわれるようになってきました。太い巻き寿司を恵方に向かってしゃべらずにまるごといただくというものです。これには七福神にちなんで七種類の具が入っており、「福を巻き込み」「縁を切らない」ために、あえて包丁を入れていないのです。恵方はその年の干支に基づいてめでたいと定められた方向ですが、今年は南南東になっています。一度、試してみてください。

2008年02月02日

中学新入生オリエンテーション

入学予定者の集会

  2月2日(土)、中学校に合格した生徒を対象にしたオリエンテーションを実施しました。
 午後から生徒と保護者の皆さんが講堂に参集され、約1時間20分にわたり、入学までに準備することや入学式、中学生活におけるカリキュラムや部活動、宿泊行事の健康調査、服装・頭髪、校則等について説明させていただきました。その後、順次制服や体操服の採寸、シューズ、靴、鞄の購入、通学定期の手続き等をしていただき、入学の準備が整いました。
  中学生になると小学校時代とは異なり、学習の仕方や内容はもとより、学校生活も大きく変わってきます。これから3月までは小学校での生活が残っていますが、スムーズに中学生活をスタートするためには、これからの2カ月が極めて大切です。
  本日、教頭から「中学生になるにあたって」というテーマで色々とお願いしましたが、その内容を今一度確認しておきたいと思います。

≪本人に対して≫
①学習習慣を身につける。1日2時間、自学自習の時間を作る。②読書の習慣をつける。③家族の一員として自分の役割を明確にし、やりきる。

≪保護者に対して≫
①家風をしっかりとまもる。②同じクラスの親や先生との大人のネットワークを構築する。③しっかりと子育てのための勉強をする。
  
  有意義な学校生活を送るためには、規則正しい生活習慣を身につけることは勿論、集団生活の中でのルールをしっかり守るということが大切です。
親がいつまでもかまい過ぎるということでは自主性が育ちませんし、逆に放任するということも避けなければなりません。これからは、うまく子離れ、親離れすることが必要となりますが、そのためにも家庭と学校が連携して子ども達を育てていきたいものです。

2008年02月01日

社会で役立つ力とは~体力と健康~

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    本校の体育大会の様子

  通常、社会に出て最初に任せられる仕事は単純なものが多いようですが、時間が経つにつれて仕事の質が上がり量も増えてきます。単純な仕事の場合には、仮に病気で休むようなことがあっても、別の人がその穴を埋めることは可能です。しかし、重要でその人しかできないという仕事を任せられているにもかかわらず、休まなければならないということになると大きな支障が生じることになります。
また、相手のある仕事の場合には、その人の貴重な時間までも無駄にしてしまうことになります。
セールスマンが約束していた時間にお得意先に行けないということがあれば、当然のことながら商売はできなくなりますし、個人経営の場合には、たちまち支障をきたすことになりかねません。
  そして、このようなことが度重なるとその人の信用がなくなってしまい、重要な仕事は任せられないということになってしまいます。「休まず、急がず、働かず」という姿勢は困りますが、自分の勤務を守り、きっちり仕事をするということは社会人としての最低条件です。
  「健康管理も能力のうち」という言葉がありますが、普段から自分の身体のコンディションを整え、健康に留意しておくということが大切です。
  一般の人にとっての体力の定義は「過度の疲労を伴うことなく、中等度ないし激しいレベルの運動を行う能力とそれを生涯にわたって維持する能力」となっていますが、何らかの疾病の引き金になる体力要素としては、「心肺持久力」「筋力・筋持久力」「身体組成」「柔軟性」の4つがあげられます。
これらを鍛え、スタミナをつけ、活動的な生活を送るということが、社会で活躍するための前提であると思っています。