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中学1年生 家庭科被服製作×英語(研究授業)

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 今年度、新たな試みとして中学1年生の家庭科の授業を英語で行いました。
本学園にてグローバルキッズスクール(GKS)が開校し、英会話の授業をサポートしておられるENGLISH ACCESSのアダム先生とテイラー先生と共に家庭科×英語のコラボレーションを試みました。英語はCLIL形式を取り入れました。CLILはContent and Language Integrated Learning(内容言語統合型学習)の略語で「クリル」と読みます。内容(社会や理科などの教科ないしは時事問題や異文化理解などのトピック)と言語(実質的には英語)の両方を学ぶ教育方法です。
 
 社会の急速なグローバル化の進展・産業構造の変化と共に求められる人材像が大きく変化している現在、単独の教科での学びだけではなく、様々な教科を融合させた学びが必要であると考えているからです。学校教育も社会と共に変化し続けなければならないと思います。

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今回の家庭科の授業で、吾妻袋を題材に英語と融合させた授業をしました。日本には、布の平面から和服という立体へと変化させる世界でも珍しい独自の文化があります。和服文化技術の基礎となる手ぬぐいを使って吾妻袋を作成します。実習による実体験がより深い理解をサポートします。

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吾妻袋を作成するにあたって、最初は日本語で基本の縫い方や用語を学んでから、英語の授業をスタートさせました。
まず最初の時間には、縫い方の基本用語を学びます。次に自分で吾妻袋を採点できるように基準を理解して、間違った縫い方などをペアで討論できるフレーズを覚えてもらいます。単語やフレーズをただ暗記するのではなく、ゲーム形式や音楽のリズムと共に何度もリピートさせました。
最後の研究授業では、20種類の吾妻袋をペアでチェックさせて間違っている部分やスコアをつけて英語で討論しました。どの生徒のペアも覚えたフレーズをお互い話し合えていました。


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 社会が変化する中で、指示された内容をいかに正しく再現できるかという能力から基礎的・基本的な知識・技能とそれらを活用して主体的に課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等を育成しなければならないと思います。そして様々なことに疑問や興味を抱き、自らの発問に対して学ぶ姿勢を身につける必要があります。
 今後、異文化理解や異文化コミュニケーションはますます重要になってきます。今回の授業で母国の文化を深く理解し、国際共通語である英語で日本文化を伝えるきっかけにることを期待しています。
  (中高等学校 家庭科教諭 和田 由起子)