« 2016年05月 | メイン | 2016年07月 »

2016年06月30日

集中力、全開

 来週から、期末考査です。
図書室の自習利用も、ピークに。今年はもともと高3生の自習利用が多い年(これは毎年ナミがあります) その上、試験前となると大盛況です。
 授業の終了時間も様々だし、夕方から講習のある学年もあります。前もって席を確保したり、座席に荷物を置いたまま長時間ぬけたりするのはマナー違反。
 限られたパブリック・スペースです。気持ちよく使いましょう。

            1kmtt02.jpg

             シーン。 皆、集中力、全開の模様。  

   * 考査中の開室時間は全日、10:00~17:00 となります。

2016年06月29日

ビートルズ来日50周年

 50年前の今日、英国からビートルズが日本初上陸。
日本のファンが待ちに待った初来日だったそうですが、これが最初で最後の日本公演。それから50年となる今年は様々な記念イベントが行われるようです。
 図書室でも、昨年も関連本のリクエストがあるなど、時代を超えてビートルズの人気は続いています。

 ビートルズ写真集/エミリオ・ラーリ(ヤマハミュージックメディア
 ビートルズ全詩集(シンコーミュージック) 日本語訳が併記
 ビートルズ/ハンター・デヴィス(草思社) ビートルズの伝記 
  
            bgds16.jpg

 ビートルズのアルバム「アビイ・ロード」の中の曲名をタイトルに使った作品も

  ゴールデンスランバー/伊坂幸太郎(新潮社)
 若くしてその地位に就き一躍時の人となった首相が、大勢の人が見守る中、何者かに暗殺されます。現場に居合わせた主人公・青柳は、どういうわけか犯人の濡れ衣を着せられることに。
 訳が分からないまま、その場は逃げ切ったものの、メディアは一斉に顔写真を公表し、警察は総力をあげて青柳を追いかけます。
 事件直前に、青柳が陥れられることを忠告し、命を落とした友人の「とにかく逃げて、生きろ」という言葉を胸に、見えない大きな力からの逃亡劇が始まります。
 逃げる手段も武器もない、「俺に残っている武器は、人を信頼することぐらいなんだ」という青柳。その言葉を裏付けるように、一人また一人、手をさしのべる人たちが現れて・・・。
 他にもビートルズの曲が登場。作品は映画化もされました。

2016年06月24日

 『ふぃーわぬしけー、どぅてーしち』 

 昨日6月23日は「沖縄慰霊の日」 今年、戦後71回目を迎えました。
追悼式では小学6年生の仲間里咲さんによる平和の詩の朗読がありました。
 大戦中、海軍に所属し被弾した経験を持つおじぃとの思い出と平和への思いを
つづった 『平和(ふぃーわ)ぬ世界(しけー)どぅ大切(てーしち)』
 毎夏、耳にする蝉の声は、戦没者の悲しみを代弁しているのでなく、平和を願い、その素晴らしさと尊さを知らせてくれている・・・。そんな仲間さんの詩は新聞各紙に掲載されています。 

世界を平和にするためのささやかな提案(14歳の世渡り術シリーズ)/河出書房新社

         oknwiri.jpg

 未来の平和のために今日から出来るアイデアを22名の著名人が提案します。

 平和というのは、子ども達が明日のことを心配せずに暮らせること。そのためには、自分の考えを素直に声に出し続ける事(黒柳徹子さん)

 5回に1回は、おこらないこと(島田裕己さん/宗教学者)

 平和というのは自然にしておけばそのうちやって来るものではありません。
ひとつの意見を見たり聞いたりした時、それをそのまま信じる前に反対の意見がないか調べてみること(香山リカさん/精神科医)

2016年06月18日

オビ、一新

 図書室前の掲示板に展示している新着図書のオビを新しく張り替えました。

昨日の放課後の図書委員に手伝ってもらい、小説、小説以外、新書の3つにジャンル分けしています。

scktskj2.jpg sckthkij1.jpg

 改めてオビの内容を読みながら張り替え作業をするのですが 「このメインコピーに魅かれて、かりる人いるやろうなあ」と思っていた本が、先程、貸出されました。
「もしかしてオビを見てこの本を選んだ?」と聞いたら、ニッコリうなずいています。やはり・・・・。
 ちなみにメインコピーは、『もどかしく、せつない文庫1冊の恋をする』 
オビに偽りなし、だったかなあ、返却された時に聞いてみましょう。

2016年06月15日

新元素、発見

 理化学研究所のチームが113番元素を発見しました。2003年に実験開始し存在の確証までに約10年。その研究の成果が先日、国際的に新元素として認定され、日本で初めて命名権も獲得しました。
 元素名案が「nihonium ニホニウム」元素記号案が「Nh」 おなじみの元素表にこの名称が掲載されるのはもうすぐです。

 この新元素は、亜鉛(Zn)を加速させビスマス(Bi)に衝突させて検出しました。と簡単に言いますが、もの凄い労力と時間がかかっていいます (なんと新元素の寿命は0.002秒! 生成できても瞬く間にほかの元素にかわってしまうのだそうです)
 詳しいことは、理化学研究所が『113番元素特設サイト』を立ち上げ、わかりやすく説明しています。興味のある人は見てみて下さい。

 では、元素はしかたなく暗記するだけ・・・という人、こんな本はどうでしょう。
 世界一美しい元素図鑑/オセドア・グレイ(創元社) 
 一つ一つの元素を、関連のあるものの写真と一緒に掲載した図鑑です。でも添えられた文章は、 例えば、Y(イットリウム)のページには「一部の人からスピリチュアルな力があると言われていますが、そんな力はないし、はっきりいえば結晶は人間を嫌っています」 など、読んでながめる美しい図鑑です。

 元素検定/桜井弘(化学同人) 
こちらは元素にまつわる4択問題をレベル1~5で掲載。
 おいしい水はどの元素を含んでいるでしょう?(レベル1) 室温では気体で低温に冷やして液体にすると磁石につくものは?(レベル3)などなど。

              sgns113.jpg

2016年06月10日

時の記念日です

 今日は6月10日、時の記念日です。
時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語 モモ/ミヒャエル・エンデ(岩波書店) を紹介します。
               jkndrbu1.jpg
   エンデ全集(左側)のモモには、エンデ自身が描いた“時間の花”を手にする
   モモの絵が掲載されています。
 

 むかしむかし、ある街の廃墟のような野外劇場に1人の女の子が住みつきました。ボサボサ頭でやせっぽっち、つぎはぎだらけのスカートに古ぼけただぶだぶの上着を着ています。大きく真っくろですばらしく美しい目と豊かな想像力と特別な力を持ったその少女が、主人公・モモです。

 ある時、街に人々の時間を盗み取るために時間貯蓄銀行の灰色の男たちが忍び寄ります。言葉巧みに人々に取り入って時間を倹約するようけしかけるのです。
 「友達とのおしゃべり、ペットのインコに餌をやっている時間、歌を歌ったり、本を読む時間etc・・・、日々、時間を節約して銀行に預けていただければ利子をつけてお返しします。そうすれば、あなたの時間は増える一方!」
 そうやって節約を始めた人たちは、一転せかせかした生活を送ることになります。だって、人生の楽しい時間を節約してしまったのですから。それに気づいたモモは皆を助けようとするのですが、灰色の男たちに狙われることに・・・。

 生きていく上で何が一番大切か、何を守るべきかを知っているモモと子どもたちの冒険の物語です。

2016年06月08日

新着図書紹介

 536 幸福な食堂車/一志治夫 (プレジデント社)
        
             kfnsds.jpg
 

 熊本、大分、鹿児島中央各駅舎、JR九州の新幹線「つばめ」、「ななつ星 in 九州」、「SL人吉」などの車両デザインを手がけたのが、インダストリアルデザイナーの水戸岡鋭治さんです。

 国鉄からJRになり分社化された時、普通に電車を走らせ通勤通学の人々を輸送するだけで安定した経営が出来る東日本、西日本、東海と比べて、経営が厳しくなるのはわかっていたJR九州。これまで以上に多くの人に車やバスではなく、積極的に鉄道を利用してもらう努力が必要でした。
 そこで取り入れられたのが、水戸岡さんの鉄道のデザインの改革です。
 「特急料金は時間だけでなく空間にも支払うもの」と考える水戸岡さんの仕事に欠かせないのが5つのS(エス) 『整理、整頓、清掃、清潔、しつけ』 世の中は、建物と景色、ヒト、コト、モノ、すべてが大混乱している。その混乱を正して、掃除をして、美しくわかりやすくすることこそ本当のデザイン力だという考えです。

 そうして改革が始まって30年余り。デザイン改革は利用する人たちだけでなく、働く環境の変化をもたらしたことで、職員のサービス改善にもつながったようです。そして、現在、九州は鉄道王国と言われるまでになりました。

 タイトルの食堂車は、水戸岡さんが強く思い入れのあったもの。食堂車は「1年間に1億円の赤字」が出ると言われてるそうです。でもお金がかかって「儲からないもの」も世の中にはあるべきだと考える水戸岡さんの仕事の流儀がつまった1冊です。

2016年06月02日

新着図書紹介

 304 社会をちょっと変えてみた/駒崎弘樹・秋山訓子 (岩波書店)

           skioctketmt.jpg

 日々、私達の周りでおこる様々な社会問題。直接自分に関わらなければ「どこか遠くで起こっている事」「誰かが何とかしてくれたらいいのに」と、思いがち。
 そして、社会を動かすなんて、しんどそうだし、成果が出るとは限らないし、そもそもどうやったらいいのかわからないし・・・大半の人がそう思っています。
 でも中にはそんな社会的不満や不都合を解決するために、自分で何かやってみようと動き出す『普通の人』がいます。

 元東大生のラッパー・和田さんは、仕事をするうえで、戦後間もなく施行された風営法に疑問を抱きます。70年以上前につくられたこの法律は、社会環境が変わってきている現在では曖昧で働きずらい。どうにかしたい。

 ただ自分達には重要な問題でも、他の人にはどうでもよかったり、迷惑だったりすることもあります(特に和田さんの仕事場であるクラブなど) そこで、クラブやダンス業界の人達だけでなく、地域社会や政治家に働きかけ巻き込んでいきます。自分達に出来る事で行動をおこし、データを集め実態を事実化します。
 クラブをもうちょっと居心地のいい場所にするため、クラブ好きの人が、そうでない人たちの事を考えながら法律を変えていったのです。

 他にも、保育所が足りないと立ち上がったお母さんや、性的マイノリティ(LGBT)の人達が生きやすい社会にしたいと思ったごく『普通の人』が政治を動かした7つの物語です。
 こんなふうに、身近に転がる様々な不都合を自分で解決する方法を、ロビイングといいます。後半では具体的な方法も紹介。