Hibari 探究プロジェクト - 雲雀丘学園中学校・高等学校

データサイエンス探究〈 データに基づく探究的な取組〉

データサイエンス探究基礎

2026/06/08

【DS探究基礎】データから未来を見通す「予想の解」。グラフを読み解き『仮説』を立てる力を育む

次のステップは、問いから予想した解=『仮説』を立てること

第1回の授業では「データを分析して回答できる『統計的な問い』」について学びましたが、今回の目標は「仮説とは何かを理解する」ことです

データサイエンスにおける「仮説」とは、単なる思いつきではありません。「統計的な問いから予想した解」のことを指します。 生徒たちは、過去の具体的な事例を見つめ直し、「問い」に対してどのような「仮説」が立てられ、それがどう検証されたのかを深く考えていきました

「要約」「比較」「関係」の視点から仮説を構築する

統計的な問いには「要約・比較・関係」の3つのアプローチがあります。生徒たちはそれぞれの問いに対して、次のような仮説のつながりを整理していきました

  • 要約(傾向を掴む)

    • 問い: 都道府県ごとの(デジタル教科書などの)整備率は低いのか?

    • 仮説: すべての都道府県で整備率が低い(予想した解)

  • 比較(違いを比べる)

    • 問い: 都市部と地方で、デジタル教育とその学習環境の整備に差があるか?

    • 仮説: 都市部の方が、整備が進んでいる

  • 関係(つながりを見る)

    • 問い: 一人当たりの県民所得と教育費には相関があるか?

    • 仮説: 県民所得と教育費には正の相関がある

一見すると当たり前に思える予想も、データを使って客観的に証明するための「仮説」として言語化することが、探究のスタートラインになります

発展ワーク:この可視化(グラフ)から、どんな仮説が立てられる?

授業の後半では、さらに高度な発展ワークに挑戦しました。 提示されたのは、「教育費(月間消費支出額)」と「高等学校卒業者のうち進学者数」のデータをプロットした散布図です

第1回pic2.png

生徒たちはこのグラフをじっくり観察し、グループで議論しながら問いと仮説をひねり出します

『関係』の視点: 教育費と進学者数の間に相関関係があるかを見る。グラフの右上がりの直線から、「教育費が高い地域ほど、進学者数も多くなるのではないか」という仮説が浮かびます

『比較』の視点: ドットを「都市部(オレンジの枠)」と「地方部(グリーンの枠)」に分けて位置を見てみる。すると、「都市部と地方部では、そもそも教育費のベースや進学者数の規模の集団そのものに大きな格差があるのではないか」という新たな仮説が見えてきます

ただ1つのグラフを見るだけでも、「関係」と「比較」の知恵を組み合わせることで、検証すべきユニークな仮説が次々と生まれてくる面白さを生徒たちは体感していました

疑問形で表す「統計的な問い」と、そこから予想する解である「仮説」。このセットを正しく組み立てるスキルは、これからのすべての探究活動の強力なエンジンとなります

自ら問いを立て、仮説を立て、データで検証していく生徒たちの主体的でクリエイティブな挑戦を、これからも全力でサポートしていきます!