Hibari 探究プロジェクト - 雲雀丘学園中学校・高等学校

データサイエンス探究〈 データに基づく探究的な取組〉

データサイエンス探究基礎

2026/06/22

【DS探究基礎】全体の数字だけでは見えない「ファンの正体」を突き止めろ!クロス集計と期待度数で挑むデータ分析

全体の数字だけで満足していませんか?データ分析の新たな壁

いよいよ集めたデータを本格的に整理・分析するフェーズに突入しました

今回は「データを整理し、Excelを使って集計できるようになること」が目標です

生徒たちはまず、Excelの「COUNTIF関数」を使い、投票理由(顔・表情が良い、形・シルエットが良いなど)の数をグループごとにカウントしていきました。しかし、ここでデータサイエンスにおける大きな限界にぶつかります

「全体の投票数だけを見ると、『顔・表情を理由に選んでいる人が多い』という単純な結論だけで終わってしまう」

投票した人たちの性別、コース、所属している部活(運動部・文化部)によって、ゆるキャラに求める魅力は本当に同じでしょうか?全体の数字を眺めるだけでは、データの裏に隠された真のニーズや偏りを見落としてしまいます

そこで登場するのが、グループごとの違いを浮き彫りにする「クロス集計」という手法です

クロス集計の鍵を握る「2つの変数」

クロス集計を正しく理解するために、授業ではまずデータ分析における「変数」の種類について学びました。変数は大きく分けて次の2つに分類されます

第4回pic1.png
  • 量的変数: 数で表され、「大きさ」や「量」を比べられる変数(例:点数、得票数、年齢など)

  • 質的変数: 数ではなく、「種類」や「分類」を表す変数(例:性別、血液型、クラス、部活の種類など)

クロス集計とは、2つのデータがともに「質的変数(分類するデータ)」である場合に使用する手法です。生徒たちはExcelの「COUNTIFS関数」を駆使して、複数の条件(例:「形・シルエットが良い」かつ「男性」)に一致する数をカウントし、グループごとの違いをまとめた「クロス集計表」を作成していきました

「この数字は本当に多いの?」客観的に判断するためのものさし

性別や部活別でクロス集計を行うと、確かにグループごとの数字の違いが見えてきます。しかし、ここで生徒たちは次なる問いに直面します

『この数字は、本当に多いと言えるのだろうか?』

グループによって全体の回答者数が異なるため、単純にクロス集計表の数字を比べるだけでは、本当にそのグループに特徴的な傾向(偏り)があるのかを客観的に判断できません

そこで必要になるものさしが「期待度数」です。 期待度数とは、「もしデータに偏りが全くない(均等である)としたら、理論上何票入るか」を全体の合計値から計算した数値のことです

生徒たちはExcelで以下の数式を入力し、各セルの期待度数を計算しました

$$\text{期待度数} = \frac{\text{(その属性の合計値)} \times \text{(その理由の合計値)}}{\text{(全体の合計値)}}$$

実際のクロス集計表の数値と、この「偏りがないはずの理論値(期待度数)」を比べることで、初めて「このグループはインパクトを重視する傾向が本当に強い(多い)」と客観的に判断できるようになります

ワーク:ファンの正体を突き止めよう!

集計の手法をマスターした生徒たちは、「どんな特徴のゆるキャラに、どんなファンが集まっているのか?」という、まさにファンの正体を突き止める分析に挑戦しました

「インパクトのあるゆるキャラは、男性ファンが多いのではないか?」 「日頃のライフスタイル(寝る時間など)で投票者を分類してみたら、意外なクロス集計結果が出るかも!」

など、グループ内で熱心なアイデア出しが行われました。データを適切に分類し、クロス集計を行い、期待度数と比較する。この一連のプロセスを経験することで、生徒たちのデータ分析スキルはまた一段と強固なものになりました

データを単なる数字の塊のままにせず、グループに分けて「意味のある事実」をあぶり出す。こうした実践的なデータサイエンスの力を、これからも日々の探究活動を通じて磨いていきます