Hibari 探究プロジェクト - 雲雀丘学園中学校・高等学校

データサイエンス探究〈 データに基づく探究的な取組〉

データサイエンス探究基礎

2026/06/15

【DS探究基礎】データで仕掛けるストーリー!ゆるキャラの人気予想から学ぶ、仮説検証と生成AIの正しい活かし方

探究の醍醐味!「問い・仮説によるストーリー」とは?

今回の目標は、「問い・仮説によるストーリーの作り方を理解する」ことです。 これから生徒たちが実際にデータを集めて分析していくための前段階として、今回は「ゆるキャラの人気予想」という身近で楽しいテーマを通じて、データサイエンスの基本プロセスを体感しました

授業で提示されたストーリー作りの基本は、以下の3ステップです

第1回pic3.png
  1. 問い・仮説を立てる。

  2. データをとり、仮説が正しいか検証する。

  3. 結果をまとめて、考察する。

これらの一連の流れを、具体的なワークを通じて実践していきました

実践:「目の大きさと人気」にストーリーを仕掛ける

生徒たちはまず、ゆるキャラグランプリの実際のランキングデータを見る前に、自分なりの問いと仮説を組み立てました

例えば、あるグループが立てたストーリーはこのようなものです

  • 【問い】 ゆるキャラの人気とキャラクターの目の大きさは関係があるか?

  • 【仮説】 人気のあるゆるキャラは、目が大きいのではないか?

  • 【検証(データ)】 顔の面積に対する目の面積の割合を計算し、実際の得票数と相関があるか調べる

その後、実際のグランプリ結果と自分たちの予想を比較。上位には「たかたのゆめちゃん」や「つるゴン」といった目がパッチリとしたキャラクターが並ぶ一方、下位になってしまったキャラクターたちとのデータ的な違いに直面します

ここからがデータサイエンスの本番、「結果をまとめた上での考察」のスタートです

生成AI(Gemini)と協働し、仮説に基づいてキャラクターを「改良」する

「もし『目が大きいキャラが人気』という仮説が正しいとすれば、下位のキャラクターは何を変えれば人気が出るだろう?」

生徒たちは、グランプリで思うような結果が出なかった「なた豆マン」というキャラクターを対象に選び、「目を大きくすれば人気が出るはずだ!」というデータに基づく考察(改良の提案)を導き出しました

そして、その考察を視覚化するために、授業では生成AIの「Gemini」を活用しました。Geminiに実際のキャラクター画像を読み込ませ、「このキャラクターの目を大きくしたイラストを作って」とプロンプトを入力します

AIとの試行錯誤の結果、元のデザインの味を残しつつも、目がキラキラと大きくなり、一気に親しみやすさが増した「改良版なた豆マン」のイラストが完成しました。データから導いた考察をAIを使って瞬時にカタチにする体験に、教室は大いに盛り上がりました

技術を正しく使う:AI使用における禁止事項の学び

今回の授業では、便利な生成AIを自由な創作に活かすと同時に、「学校生活における生成AIの適切な利用ルール」についても深く学びました

本校では、AIの全面禁止ではなく「適切な活用」を推奨していますが、以下のような「自分で考え表現する力を損なう使い方」や「不適切な利用」は厳しく禁止しています

  • 提出物やテストでの不正利用(小テスト中にAIで解答を得る、プログラミング課題のコードを理解せず丸写しする等)

  • 自分で表現する課題での丸写し(読書感想文や志望理由書をAIの文章のまま提出する等)

  • 作品・創作活動での不適切な提出(AIで作ったポスターを自作として応募する等)

  • 誹謗中傷やなりすまし等の不適切利用

「AIを活用してアイデアを得ることは〇。しかし、AIで作成したものを自分が作った作品として出すことは✕。」

大切なのは、AIに丸投げすることではなく、AIをパートナーとして「自分の考える力や表現する力を磨いていくこと」です。今回のゆるキャラ改良のように、「データに基づいた自分の考察」を広げるために使うことこそが正しい付き合い方だと、生徒たちも深く納得した様子でした

まとめ:データをもとに社会を動かす一歩へ

今回の授業を通して、生徒たちはただの数値を集めるだけでなく、「問い・仮説・検証・考察」というストーリーを持たせることで、初めて説得力のある提案(キャラクターの改良など)ができることを学びました

自分たちの知恵を絞り、ルールを守って最新のテクノロジーを使いこなす。そんな生徒たちの頼もしい探究の旅は、まだまだ始まったばかりです