グローバル教育〔 地球的規模で考える 〕
インドネシア研修
インドネシア研修「Mog」事前トレーニング5回目
実践的な問題解決能力と起業家精神を育む「インドネシア研修Mog」の様子をご報告します。生徒たちは、教室での学びを飛び出し、実際の社会で通用するアイデアとロジックを追求しています。
現状分析から始まる、実践的な思考プロセス
私たちの研修は、まず 「マーケティングの現状分析」 からスタートします。
「現状分析から始まる」というビジネスの基本原則に基づき、生徒たちは机上の知識だけでなく、現実世界で情報を収集・整理する力を磨いています。これまでの活動では、ターゲット顧客像(ペルソナ)の設定、全員が当事者意識を持つ リーダー型のチーム のあり方、そしてビジネスの基本フレームワークである 4Cや5P の概念を深く学んできました。
問題解決:理想と現実をつなぐロジック
問題解決フェーズでは、「現状整理 ・目標設定・問題定義」 という流れを徹底します。
生徒たちには、ワクワクする目標(定性目標)と 具体的な数値目標(定量目標)をセットで設定することを求めています。目標は、簡単すぎず、非現実的でもない、「少し考える余地がある範囲内」での設定を重視。さらに、問題の真因を捉えるための 「なぜ分析」 には、MECE(ミーシー:Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive/モレなく、ダブリなく) の原則を用いて、多角的な視点から分析を進める訓練をしています。
このプロセスは、問題解決が一方向ではなく、何度も立ち戻り、繰り返し改善していく ことが重要であるという深い理解につながります。
インドネシア研修に向けた熱狂と学び
現在、生徒たちはインドネシア研修を控えており、その準備は最高潮に達しています。
現地では、事前調査の何倍もの 「生の情報」 が生徒たちに飛び込んできます。この大量の情報と向き合い、研修前に設定した 「仮説」 を検証し、ブラッシュアップすることが最大のミッションです。
評価システムの導入:真のビジネススキルを試す
本プロジェクトのユニークな点は、外部のプロフェッショナルによる評価システム を導入していることです。
・評価委員会: 現役で活躍する経営者、コンサルタント、そして本校の理事が務めます。彼らは、途上国の企業家と深く関わってきた経験に基づき、「高校生の枠を超えて、事業家に価値を残せるか」という厳格な視点で生徒の成果を評価します。
・日々のレポート提出: 生徒は毎日、その日のアウトプット(プレゼン資料)を「報告書」として提出。
・フィードバック: 翌朝には、評価委員会からコイン(1〜5枚)と具体的なフィードバックが届きます。最高評価(コイン5枚) は、「事業経営者の価値につながるアクションと結果」を出したアイデアに与えられます。
これは、通常の学習では得られない、「机上の空論ではなく、社会で戦う力」 を試す貴重な挑戦です。実際に、過去には生徒のアイデアが現地で商品化されたり、営業活動につながったりといった 事業価値を残した実績 も多数生まれています。
成功の鍵は「インサイト」の発見
研修の質を飛躍的に高めるキーワード、それが 「インサイト」 です。
インサイトとは?
顧客が「心の奥底で求めていること」 です。
表面的に「これが欲しい」と言われているニーズを解決するだけでは、すでに世の中に溢れています。生徒たちに求めているのは、顧客を深く掘り下げ、「なぜ、このペルソナにこのアイデアが響くのか」 という論理的な繋がりを見つけることです。
スターバックスのフラペチーノの例で言えば、ただの「女子高生」をターゲットにするのではなく、「最新のトレンドをSNSに上げたいが、友達グループから取り残されたくない女子高生」のように、顧客を具体的に絞り込む ことで、アイデアは一気に 独自性 と 実現性 を帯びます。
彼らは今、この深いインサイトを発見し、評価の高いプレゼン資料(コイン4〜5枚)と評価の低い資料(コイン2枚)を比較検討しながら、論理的な展開力とアイデアの質を高めるためのブラッシュアップに熱中しています。
保護者の皆様、そして地域の皆様。生徒たちが取り組んでいるのは、未来の社会で求められる 「価値を生み出す力」 そのものです。彼らの挑戦を温かく見守り、応援していただければ幸いです。





