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Hibari 探究プロジェクト - 雲雀丘学園中学校・高等学校
SDGs(エス・ディー・ジーズ)

グローバル教育〔 地球的規模で考える 〕

インドネシア研修

インドネシア研修⑪

研修を締めくくる最終プレゼンテーション

計画性、行動力、準備、分析、提案...

すべてが足りない状況で、生徒たちはもがき苦しみました。

気づけばもう朝です。

最終プレゼンはBendegaからメンバーを招いて行います。

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まず、Benegaとそのチームに対する温かい歓迎と多大な支援に深く感謝の意を伝えました。

特に、販売イベントを通じて「販売がいかに困難であるか」を痛感した経験は、生徒たちにとって大きな学びとなったようです。

市場調査で得られたインサイトとBenegaの課題

生徒たちは、実際の購買者へのインタビューや販売イベントから、製品が持つ魅力と、ブランドが抱える課題を深く掘り下げました。

<購入者が製品に惹かれた理由>

①シンプルな味と健康価値: 消費者は、味が自然でシンプル、そして健康的であることに魅力を感じています。

②信頼性: 製品の製造者や製造方法が、製造場所よりも重要であり、安全性と信頼性を重視していました。

③「売り手の情熱」の重要性: 製品の機能だけでなく、製品の背景にある感情やストーリーを共有することが、顧客を惹きつける鍵となることが判明しました。

④高価格の根拠: もし価格が高いのであれば、「なぜ高いのか」という明確な理由が顧客に伝わる必要があると分析しました。

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<販売イベントで発覚した製品の課題>

一方で、実際の販売を通じて、Benegaの製品が持つ課題も発見されました。

①味の一貫性の欠如: 「味が一定しない」「ある時は甘く、またある時は酸っぱい」という味のばらつきが、製品の認知度において大きな課題であるというフィードバックがありました。

②パッケージの情報不足: オーガニック製品であるにも関わらず、パッケージからその情報や中身の特性が十分に伝わらず、顧客が理解しにくい状況でした。

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新コンセプトと具体的な改善提案

これらの課題を受け、生徒チームはブランドの価値をさらに高めるための提案を行いました。

<新たな環境貢献のメッセージ>

Benegaの強みである「環境配慮」を、より具体的かつ顧客に訴えかける形にするため、新コンセプトを提案しました。

目的:顧客が製品を購入するたびに発生する具体的な環境負荷(例:CO2吸収量)を明確に測定・定量化し、顧客の行動に具体的な意味を提供します。

可視化:パッケージにQRコードを追加し、顧客が貢献したマングローブや二酸化炭素吸収量の結果を確認できるようにすることで、「個人的な影響」を実感させ、継続的な購買行動を促します。

差別化:この定量化された環境メッセージは、高価格の根拠を説明し、競合他社製品との明確な差別化を図る強力なコミュニケーションツールとなると提言しました。

<初回購入のハードルを下げる「ミニサイズ製品」>

顧客から「初めて買うには量が多すぎる」という意見があったことを受け、初回購入の障壁を下げるためにミニサイズパッケージの導入を提案しました。

狙い: 授業の合間や仕事中などのちょっとした休憩時間に試しやすいカジュアルな商品として新たな価値を創造します。

長期的視点: 包装コスト増の懸念に対し、生徒は「最初のハードルを乗り越え、試す人が増えれば、長期的にリピーターの数が増える」と反論。短期的なコストよりも、長期的な収益と顧客体験を重視すべきだと強調しました。

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質疑応答で深まった議論の焦点

まず、Bendegaの方からはプレゼンテーションの基本を指摘されました。

・話すときにスマホやタブレットを見過ぎ。オーディエンスに向けて話しをすること。

・スライドの文字が多く、イメージが湧きにくい。

この2点は、渡航前にも指摘されていたはず...。

改善点が見られらなかった点は大いに反省してほしいところです。

プレゼンテーション後の質疑応答では、提案の実現性や細部に関する議論が交わされ、生徒たちの分析力が試されました。

Benega側からの「『1製品=1マングローブ植樹』と『1製品=14kgのCO2吸収』のどちらが良いか」という質問に対し、生徒チームは「CO2吸収量(数字)」の方が分かりやすく、具体的な効果が伝わりやすいため良いと回答しました。

販売イベントで行ったような「試食を取り入れた店舗を毎月/繁忙期に展開する」アイデアの有効性について問われました。生徒たちは、マングローブが食べられることを知らない人々に試食を通じて伝えることは、外国人観光客や地元住民の関心を引く上で非常にユニークで効果的なアイデアであると確信を示しました。

昨日の販売イベントには、日本の企業会議参加者を含む約1000人もの人々が集まっており、この特殊な環境下で、試食による販促が功を奏したことが確認されました。

努力の集大成としての成果

生徒たちは、このプロジェクトを通じて、通常の2ヶ月分の売上に相当する61個という驚異的な販売数を達成しました。

Benegaからは拍手も起きました。

「皆さんのデータと情報は非常に有用であり、今後の事業に役立てたい」と感謝の言葉が述べられました。

最低限の貢献はできたのかもしれません。

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