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Hibari 探究プロジェクト - 雲雀丘学園中学校・高等学校
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探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕

探究ゼミ

探究ゼミ「法律を学ぶ」第11回大崎事件~再審抗告

今日の昼休み、探究ゼミ「法律を学ぶ」第11回を開催し、中1~高2の23名が60ホールに集まりました。

今日のテーマは、「大崎事件」です。1979年、鹿児島県の大隅半島にある大崎町で当時42歳の男性の遺体が発見されました。牛小屋のなかで、堆肥に埋められた状態で発見され、何者かによる「死体遺棄事件」ですが、警察は「近親者による殺人事件」という見立てで捜査をはじめました。兄弟が近所に住んでいて、その妻が、原口アヤ子さんでした。男性は酒癖が悪く、飲んだ先で迷惑をかけたり、酔いつぶれて道路に寝たりすることもあり、親族が彼を迎えに行き、連れて帰っていました。発見3日前も朝から酒に酔って荒れていて、午後焼酎を買い、夕方、自転車ごと道路の側溝に落ちているのを通行人が発見し、道路脇に引き上げます。連絡を受けて、近所の人が自宅へ送り届けました。その翌々日、四郎さんは遺体となって牛小屋で発見されたのです。

兄弟は殺害を自供して、逮捕されました。 このとき警察は、アヤ子さんが、被害者に生命保険を掛けていたことに着目し、「身内の者による保険金目的の殺人事件」とし、死体遺棄を手伝ったとして兄弟の息子も逮捕。最後に、事件の主犯格としてアヤ子さんを逮捕します。遺体を解剖した医師は、死因を窒息死と推定し、他殺ではないかと鑑定しました。そして兄弟は、首をタオルで絞めて殺したと自白しました。

アヤ子さんだけが一貫して事件への関与を否定していましたが、鹿児島地裁は、共犯者3人の自白と法医学鑑定などを根拠に、アヤ子さんに対し、殺人と死体遺棄の罪で懲役10年の有罪判決を言い渡しました。アヤ子さん以外は、それぞれ懲役刑が確定して服役しました。しかしその後、3人とも「本当は事件に関与していない」と言うようになります。さらに、死因を鑑定した医師が、自転車ごと側溝に転落した事実を聞かされずに鑑定をしたとして、「死因は窒息死」とする自らの鑑定は間違いだった、他殺か事故死かわからない、と証言します。

アヤ子さんは、服役してからも、そして出所してからも、自分はやっていないと訴え続けました。アヤ子さんの裁判のやり直し、再審請求をし、開始決定があると検察官が抗告(不服申立て)し取消が繰り返され、今回5回目の再審請求を行うという事件です。彼女は98歳になりました。

この記事を読んで、感想は「供述弱者の番組を見たのを思い出した」「再審しないのは良くない」「冤罪問題は複雑」「亡くなる前に再審してほしい」「疑わしきは被告人の利益に、という原則を守るべき」「根拠が消えかけているので、弁護側には不利」などありました。

98歳で、再審請求5回目のアヤ子さん、難しい問題です。

次回は10月28日に開催します。ご参加お待ちしています。

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