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Hibari 探究プロジェクト - 雲雀丘学園中学校・高等学校
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探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕

探究ゼミ

探究ゼミ(法律を学ぶ第13回)「昔話法廷~アリとキリギリス」

今日、探究ゼミ「法律を学ぶ」第13回を開催し、中1~高2の10名が社会科教室に集まりました。

今日のテーマは、「昔話法廷『アリとキリギリス』」です。NHKのEテレで放送していた昔話を裁判したらどうなるかという番組を視聴したうえで、感想を書いてもらいました。

被告人はアリです。冬になり食べるものがなくなって、食糧を分けほしいと頼んできたキリギリスを見殺しにしました。アリは、保護責任者遺棄致死罪で有罪か?それとも無罪か?

兄弟同然の深い関係にあったにもかかわらず、キリギリスを見殺しにし、食料を分けてほしいと頼みにきたキリギリスに対して、アリは、無情にもその申し出を断り追い返した結果、翌日、キリギリスは、自宅で餓死しているところを発見された。アリの犯した罪は、刑法第219条の保護責任者遺棄致死罪にあたると検察官は陳述します。親友であるキリギリスに食料を分けなかったことは、アリも認めます。しかし、「仕方がなかった」と言います。弁護人も「事件当時の状況を考えると、アリにキリギリスを助ける義務はなかった。」と無罪を主張します。保護責任者遺棄致死罪。法律上、親や兄弟だけでなく、親友でも保護責任を問われることがありますが、アリの場合は、どうなのか。

視聴後、結論を聞くと、有罪派6対無罪派4でした。有罪派は「餓死前日に衰弱していれば、親友であるアリは家族同様に守るべき」「少しぐらい分け与えることはできるはず」、一方、無罪派は「キリギリスは服を売れば食糧は調達できたはず」「大家族のアリは分け与える余裕なし」「冬がつらいことは、キリギリスもわかっているはず」「キリギリスがバイオリンを弾いている間に、アリは働いて食糧を集めていた」などの意見がありました。

親による子への虐待、ネグレクトで、保護責任者遺棄致死罪は、今日問題になっています。プライバシーや民事不介入という反面、DVや児童虐待防止法で、近隣や教員など関係者は通報義務があります。誰が、どこまで介入し、しない場合は、どこまで犯罪となるか、難しい問題です。

生徒の感想として、「保護責任者に親友が含まれるのは驚いた」「裁判で出たいろいろな意見を頭の中でまとめるのが難しかったです。」などの意見がありました。

次回は11/9に社会科教室で開催します。多くの方の参加を期待しています。

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