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探究ゼミ「法律を学ぶ」第15回昔話法廷「アリとキリギリス」
今日、探究ゼミ「法律を学ぶ」第15回を開催し、中1~高1の13名が60ホールに集まりました。
今日のテーマは、「昔話法廷『アリとキリギリス』」です。NHKのEテレで放送していた昔話を裁判したらどうなるかという番組を視聴したうえで、感想を書いてもらいました。
被告人はアリです。冬になり食べるものがなくなって、食糧を分けほしいと頼んできたキリギリスを見殺しにしました。アリは、保護責任者遺棄致死罪で有罪か?それとも無罪か?
兄弟同然の深い関係にあったにもかかわらず、キリギリスを見殺しにし、食料を分けてほしいと頼みにきたキリギリスに対して、アリは、無情にもその申し出を断り追い返した結果、翌日、キリギリスは、自宅で餓死しているところを発見されたました。アリの犯した罪は、刑法第219条の保護責任者遺棄致死罪にあたると検察官は陳述します。親友であるキリギリスに食料を分けなかったことは、アリも認めます。しかし、「仕方がなかった」と言います。弁護人も「事件当時の状況を考えると、アリにキリギリスを助ける義務はなかった。」と無罪を主張します。保護責任者遺棄致死罪。法律上、親や兄弟だけでなく、親友でも保護責任を問われることがありますが、アリの場合は、どうなのか。「保護責任者」の構成要件に該当するかが論点となります。
視聴後、結論を聞くと、有罪派1名対無罪派12名でした。無罪派の根拠は「キリギリスは自業自得」「アリが家族を優先しキリギリスに食べ物を与えなかったのは当然」「キリギリスはアリみたいに働いていたらよかった」など、有罪派は「少しなら分け与えることができた。キリギリスはコンサートを冬に開いて食料を得ようとしていたので自業自得ではない」の意見がありました。
親による子への虐待、ネグレクトで、保護責任者遺棄致死罪は、今日問題になっています。プライバシーや民事不介入という反面、DVや児童虐待防止法で、近隣や教員など関係者は通報義務があります。誰が、どこまで介入し、しない場合は、どこまで犯罪となるか、難しい問題です。
生徒の感想として、「どこまでが保護責任者にあたるか難しかった」「『何もしない』罪は難しい」などの意見がありました。
日本では、起訴された場合、有罪率は99.8%で、ドラマでも放送されました。無罪判決は珍しいものですが、裁判員の場合、市民感覚で判断できるため、無罪判決も増えるかもしれません。
次回は12/2に60ホールで開催します。多くの方の参加を期待しています。