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探究ゼミ「経済を学ぶ」第5回円ドル
探究ゼミ「経済を学ぶ」、今日は第5回を開催し、中1~高3の合計10名が60ホールに集まりました。
これから7月まで「ヒバリ円ドルダービー」と題して、7月末の東京外国為替市場の円・ドル相場を6月末に予想する取り組みを行います。最も近かった人と予想に独自の工夫がみられた人は表彰予定です。
3年前のこの時期は1ドル=141円80~90銭、2年前は150円台、1年前は143円、いまは144円です。
アメリカによるイラン核施設攻撃で,アメリカへの信頼が揺らぎ円高ドル安になると思ったらさにあらず、円安ドル高になりました。これは「有事のドル買い」という外国為替取引の格言で、例えば戦争等の有事に際し、為替相場がどのように変動していくか見通しがつきにくい時は、何があっても良いように流動性のあるアメリカの通貨であるドルを買っておけば安心であるという経験的法則です。
ところが24日の東京外国為替市場で、円相場は7営業日ぶりに大きく反発し、17時時点は前日の同時点に比べ2円4銭円高・ドル安の1ドル=145円28〜30銭で推移しました。トランプ米大統領がイスラエルとイランの暫定的な停戦合意を発表し、中東の緊張緩和への思惑が強まりました。基軸通貨で流動性の高いドルを買う動きがこれまで広がっていた反動で、持ち高整理の円買い・ドル売りが膨らみました。
トランプ米大統領は23日、自身のSNSで「イスラエルとイランは完全で全面的な停戦を行うことで合意した」と投稿し、中東地域の一段の緊張に対する警戒感が和らぎ、これまで積み上がった円売り・ドル買いの持ち高を解消する動きが強まり、円相場は一時144円99銭近辺まで上げ幅を広げました。
中東の地政学リスクが和らげば原油供給の停滞が回避できるとの見方から、24日の原油先物相場は大幅に下落しました。これまで原油価格が上昇すれば日本の貿易収支が悪化するとの見方から円売り・ドル買いが進んでいたため、円が買い戻された面もありました。
米利下げ観測の高まりも円相場を押し上げました。ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長は23日の講演で「インフレが抑制されたままであれば、政策金利を中立的な水準に近づけ、健全な労働市場を維持するために次回(7月)の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げすることを支持したい」と語りました。米金利の先高観が薄れるなか、今後の日米金利差縮小を意識した円買い・ドル売りも入りやすかった。
皆で予想した結果、円高8名・円安2名となりました。円高派は、「そろそろアメリカが危ないことに世間は気づくのでは」「絶対に円の方が安心」。一方、円安派は、「物価高の日本は不安」などを理由に挙げています。5/21は130円~160円、6月11日は135円~148円、今日は140円~147円と次第に小幅になっています。
感想として「中東は複雑怪奇」「万博でいろんなパビリオンへ行き勉強になった」「トランプはますます信じられない」などありました。大人でも難しい問題ですが、生徒なりに一生懸命考えている様子がうかがわれます。リアルタイムで変動し、円ドルの動きを見るのが楽しくなってきたようです。
高1~3まで3年間経済ゼミを受講した今春の卒業生が、神戸大法学部の合格体験記を「進路のサイト(こちらをクリック)」に掲載しています。ご一読をお勧めします。
次回は9月3日、60ホールで開催します。