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Hibari 探究プロジェクト - 雲雀丘学園中学校・高等学校
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探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕

探究ゼミ

探究ゼミ「法律を学ぶ」第5回株主代表訴訟

今日の昼休み、探究ゼミ「法律を学ぶ」第5回を開催し、中1~高2の26名が60ホールに集まりました。今日のテーマは、「福島第 1 原発事故をめぐる東京電力・株主代表訴訟」です。

2011 年 3 月の東京電力福島第 1 原発事故を巡り、旧経営陣が津波対策を怠って東京電力に損害を与えたとして、株主が旧経営陣ら 5 人に賠償を求めた株主代表訴訟で、株主側が 20 日、賠償請求を退けた二審東京高裁判決を不服として最高裁に上告しました。原告の株主は「あれだけの事故を起こして誰も責任を取らないのは許されない」と強調し、高裁判決のままでは、また事故が起きる」と訴えました。

訴訟は、旧経営陣らが巨大津波を予見し得たか、対策によって事故を回避できたかが争点です。東電内部では 2008 年、最大 15.7 メートルの津波が来ると試算し、その根拠となった政府の地震調査研究推進本部の「長期評価」(2002 年公表)の科学的な信頼性が争われました。
2022 年 7 月の一審東京地裁判決は、長期評価に「相応の科学的信頼性がある」として旧経営陣の過失を認定。元社長らに計 13 兆 3210 億円の支払いを命じました。
一方、今月 6 日の二審判決は、長期評価は大津波の対策を経営陣に義務付ける根拠として十分でないと判断し、大津波は予見できなかったと結論づけ、一審判決を取り消しました。

これまでは、企業の経営は取締役に委ね、株主は株価にのみ関心をもつ「資本と経営の分離」が一般的でしたが、最近は、株主が経営にも参画する「コーポレートガバナンス」が進み、その一環が株主代表訴訟です。会社に意見を述べる一つの方法であるわけです。

ゼミ生が最高裁判所裁判官として、原告の訴えを認めるか、意見交換しました。

結論は、「認める」16名・「認めない」1名・「わからない」9名でした。

意見として、「地震の多い日本では津波の事故は予見可能」「いつ来るかわからない災害だから予見不可能」「最善を尽くしていたとはいえない」「勇気を出して訴えた人は凄い」「どちらの意見も納得できる」などありました。

予測可能性は難しい問題でありますが、これだけ大きな被害を出した事故です。どう評価すべきでしょうか。

高1~3まで3年間法律ゼミを受講した今春の卒業生が、神戸大法学部の合格体験記を「進路のサイト(こちらをクリック)」に掲載しています。ご一読をお勧めします。

次回は9/2昼休みに60ホールで開催します。

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