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わが国における食育~服部幸應氏のエピソード①

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  4月30日に中学と高校の新入生を対象に家庭科の先生から『食育』について話をしてもらいましたが、生きていく上で最も基本となる「食」に関しては子ども達だけではなく、家庭において家族全員で考えていかなければならない問題です。従って、これからこの校長通信においても食に関する課題について取上げていきたいと思います。
  最初に、学校法人服部学園の理事長である服部幸應氏のエピソードを紹介します。同氏は食育の大切さについて、機会ある毎に訴えておられますが、そのきっかけは服部栄養専門学校に入学してきた学生に、毎日三食何を食べているか一週間の食事日記を提出させたところ、ジャンクフードを食べている者、朝食を抜いている者が多かったそうです。これを見て、服部氏は栄養士や調理師になろうというのだから、しっかりと勉強して欲しいと言い聞かせて、2年後の卒業時に再度食事日記を提出させたところ、たったの6%しか改善されていなかったそうです。これらの学生も頭では理解していて試験では及第点を取っていたようですが、〝18歳以上になるとなかなか生活習慣を変えることができない〟〝もっと小さい頃から親が正しい食生活を指導していないと後から理論を教えても遅い〟ということを気づかれたそうです。そして、何歳までに親が家庭において生活習慣を整えなければならないかを医学的な見地から調査した結果、子どもの成長は0歳~3歳、3歳~8歳がポイントになることが分かったようです。
  この話を聞くと既に手遅れではないかと思われるかも知れませんが、諦める必要はありません。親と共に暮らしている中学・高校時代は食育を含めた生活習慣を改善する最後のチャンスであるという認識に立って行動に移すことが大切なのではないかと思っています。  《続く》