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日本の経済力の現状~国際競争力ランキング

  IMD(国際経営開発研究所)は毎年世界の国々を比較して『国際競争力ランキング』を発表しています。これによると2009年、日本は57国中17位(2008年は22位)と低迷しており、ここ数年中位から抜け出せない状況です。かつて1989年から1993年までの5年間が首位であったことを考えると、この大きな落ち込みは隔世の感があります。
  この調査のベースになるのは「インフラ」「政府の効率性」「経済状況」「ビジネスの効率性」の4分野の綜合順位ですが、インフラは5位、ビジネスの効率性は18位、経済状況は24位、政府の効率性は40位となっており、政府の効率性に大きな課題があることが解ります。
  それでは、わずか20年くらいで何故これほどまでにランクが低下したのでしょうか。一口で言えば、東西の冷戦終了後の〝グローバル化〟という大きなトレンドに乗り遅れたということですが、この原因は「国際化に必要な土台部分が欠落していた」からであり、残念なことに今も大きな改善は見られません。
  日本が極端に劣っている項目としては「法人税率が極めて高い」「政府が膨大な赤字を抱えている」「語学能力が低い」「海外からの直接投資が少ない」「管理職の国際経験が少ない」「起業家精神が弱い」「高齢化が進展している」「生計費支出が少ない」「年金制度の抜本的改革の遅れ」「文化閉鎖性が強い」等があげられています。そして、科学のインフラという点では世界第2位と充実しているものの、それが企業の競争力や生産性につながっていないと指摘されています。
  これからは税制改革や制度改革を進め、科学インフラを企業の生産性や競争力に結びつける努力が必要になってきます。そうしないと、ますます世界から取り残されてしまうことになりかねません。

  ちなみに国際競争力ランキングの20位までは次のとおりです。
1位 アメリカ、2位 香港、3位 シンガポール、4位 スイス,5位 デンマーク、6位 スウェーデン、7位 オーストラリア、8位 カナダ、9位 フィンランド、10位オランダ、11位 ノルウェー、12位 ルクセンブルグ、13位 ドイツ、14位 カタール、15位 ニュージーランド、16位 オーストリア、17位 日本、18位 マレーシア、19位 アイルランド、20位 中国、
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