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2013年07月31日

状況に即した対応を

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 気象庁の3ヶ月予報では、今年の夏はことのほか暑い夏になるとの予想です。本校制は高3生を筆頭に「高志・自律・努力」の校是通り暑さに負けず頑張っています。夏期講習は勿論のこと、学校に登校して自分でコツコツ勉強している姿も見られます。29日から始まったサントリー生物有機科学研究所での「研究者体験教室」も第1タームは後半に差し掛かっています。部活動ではギターマンドリン部が、全国大会が「フェスティバル」から「コンクール」に変更され厳しくなった中で、「優秀賞」を受賞しています。中学水泳部は中2生が近畿大会への出場を決めています。合宿でレベルアップをはかっているクラブもあります。
 中学や高校受験を控えている人は、当然この暑さに負けずに頑張っていることと思います。中学受験では午後入試が増えたり、高校入試では大阪府の学区撤廃など毎年のように入試の仕組みが変わり、対応が大変だと思います。しかし、情報は正確に把握しなければなりません。本校の入試もすでにお知らせしていますように中学、高校とも少し変更点があります。コースの位置づけや募集人数の内訳が少し変わります。中学は27年度より第三ステージに入り「一貫選抜」のみの募集になります。それに伴い来年度は「発展」の位置づけが従来とは変わり、高校入試では「選抜特進」が80名募集(昨年度)から15名増え95名に、その分「特進」が35名から20名と15名減の募集になります。このことにより「特進」の難易度に変化がでるのではないかと予想しています。これも、第三ステージは「一貫」と「選特」のみの募集になるという方向性を考えてのことです。これらを踏まえた対応をお願いしたいと思います。

2013年07月30日

高校OS・学校説明会へ

 8月25日に行われる高校オープンスクールの体験授業の申し込みが始まっています。既に定員に達し、申し込みを締め切っている教科もありますが、まだの教科もあります。中学で学習している教科と高校で学習する教科は同じ名前がついています。しかし、高校では教科の中に科目があり、内容がより専門的になり深くなります。当然学習のスタイルも変化してきます。第一希望の教科でなくとも、中学とは違う高校の授業をぜひ体験してもらいたいと思います。
 学習では、学んだことをシッカリ定着させるため復習に重点を置いた学び方から、復習で定着させた既知の知識を組み合わせ未知の課題に自分なりに取り組んでみるといった予習に重点を置いた学習スタイルへと変化させていく必要があります。学習に限らず何事にも、その段階に応じた学習の仕方や対応の仕方があります。それが上手く合っていないと、努力に見合った成果を得ることができないことになります。
 なお、体験授業は事前の申し込みが必要となっていますが、クラブ見学や学校説明会はその必要がなく当日に参加していただければ良いことになっています。この説明会では、学校改革が「本物の学び」を目指した新たな段階に入っていること、例えば現在の進学実績は第一ステージ(高校改革後のコース制)のものであり、現高3以降は第二ステージ(中学改革後のコース制)の生徒で質的に変化するということや来年度入試の変更点などを説明することになります。受験を考えている皆さんにとっては、夏休み終盤での説明会になります。それを待ってから頑張るというのではなく、今から更なるレベルアップを目指して夏休みを有効に使い、OS・クラブ見学や学校説明会を迎えて欲しいと思っています。

2013年07月29日

「個」のレベルアップの進捗状況は?

 夏休みに入って10日目を迎えます。様々な取り組みもスタートしています。一番最初に動き出したNZ研修も2週目に入っています。現地からホストファミリーや学校のことなど頑張っている様子をメールしてきています。中2の林間学舎も終わりました。強化勉強会も終わり夏期講習は次のクールに入っています。カナダ研修もハリファックスからいよいよプリンスエドワード島(PEI)へ向かいます。ホストファミリーとの対面に胸をドキドキさせている頃ではないでしょうか。
 部活動も各種大会や強化練習など、頑張っています。全国大会に出場する部もあります。全国高校囲碁選手権大会には女子団体が決勝リーグに出場しました。ギターマンドリン部も全国大会がきょうから始まっています。本校はあす出場することになっています。
 8月に入れば、「最先端科学実験教室」の「研究者体験」がスタートします。今年は3大学で実施するという広がりをみせている「サイエンスキャンプ」も始まります。これらの取り組みに参加することは、間違いなしに「個」のレベルアップを図ることになります。強化勉強会、夏期講習、海外研修や部活動も同様です。
 あとは、各自の「個のレベルアップ」を目指す取り組みや計画の進捗状況がどうなっているかです。順調に来ている人は更に高い目標に、そうでない人は今までの分を取り返す計画の練り直しなど、夏休み前半を振り返り中盤から後半にかけての計画の点検が必要な時です。

2013年07月28日

大学進学とは

 少子化の中で、最高の大学数と最高人数の大学生。しかも、四年生の私立大学の約四割が定員割れという状態です。卒業後の進路についても、今まで見てきたように厳しい状況です。もう「大学進学」が目標にならない時代です。
 中学受験を考えている人は六年先を、高校受験を考えている人は三年先を考えるだけで良いということにはなりません。「何をするために大学進学をするのか」という目標をシッカリ持つ必要があるということになります。また、進むべき方向が理系を考えている人は、大学卒業後の進学も考えなければいけないということになります。今でこそ、文系は卒業後すぐに就職ということですが、今後進学が増えていく傾向が出てくると考える必要があると思います。
 大学卒業後の進路として、大学院があります。大学卒業後、更に何を追求してして学ぶのか、修士課程から博士課程まで、期間にして2年〜5年と考えれば、高校卒業後約10年程学ぶことになります。地方の国立大学へ進学して、地元の大学院に帰ってくるという選択肢もでてきます。進路を考えるということは、これだけ長期的な展望を持って考えないといけないということになります。
 学びが大学進学の手段になってはいけません。学びが目的で大学進学が手段です。自分の生き方として、どういった分野で社会貢献できるか、そのためにどんな力が必要かそのために何を学ぶかです。こういったことがシッカリ持てていれば、学びが個人的な課題ではなくなり、取り組む姿勢も変化してくると思います。

2013年07月27日

カナダ研修出発


 中学2・3年生によるカナダ研修旅行団が今朝伊丹空港を出発しました。中学に海外研修を導入したいとして10数年前に検討を始め2002年からスタートしたものです。途中、SARSと新型インフルエンザ流行による2回の中止がありましたが、毎年多くの生徒が参加するプログラムになっています。今年は第10回になります。
 第1回は、米国で発生した航空機を使ったテロ事件、「9.11」の翌年でした。国際線のセキュリティチェックが非常に厳しかったのを思いだします。今は写真はデジカメで撮りますが、当時は使い捨てカメラがよく利用されました。その型をした爆弾があるというので、係員の前で一人ひとりシャッターを切らされたものでした。国際情勢を体感する場面でした。
 ネット環境も今とは比べ物になりません。現地の様子をホームページにアップするために、ノートPC、モデム、携帯電話と準備していったのは良かったのですが、肝心の携帯電話が私たちの行く地域では使用できない(カナダの他の地域では使用できる)ということで、ハリファックスでは急遽ホテルのPCをナイアガラでは生徒がお土産を買っている間にそのお店のPCを借りてアップしたものでした。また、慣れない地で、おまけに10数時間という飛行機の長旅で体調を壊す生徒がでた時の対応も考え養護教諭を含め4人の引率教員が参加しました。救急用品も沢山用意していきましたが、全行程を通して使ったのはバンドエイド一枚。生徒たちの順応性やたくましさに感心させられたものでした。
 きょうも沢山の保護者が見送りにこられていました。生徒たちの表情に比べ、心なしか保護者の方が心配顔が多いような気がするのは、私の思い過ごしでしょうか。

2013年07月26日

文系は就職、理系は進学?

 二人に一人が大学へ進学、卒業しても就職して正規の職員になる者が約6割、四人に一人が安定した仕事に就いていない、というのが大学卒業後のデータでした。もう一つ見逃しては行けないのが、大学卒業後に進学する人が約14%いるということです。学生が学ぶ学部を通して進路のことを考えてみると、また違った様子が見えてきます。
 日本の大学を設置者別でみると私立大学の数が圧倒的に多く、次いで国立大学、公立大学の順になっています。私立大学は国立大学の5倍以上の数になっています。学生数を学部別に見ると社会科学関係学部が一番多く、工学、人文、教育の順になっています。学部を工学・理学・医・薬などの理系と社会・人文などの文系という分け方でみると、文系の学生が多くなっています。ところが、国立大学では文系より理系の学生の方が多いのです。ということは、私立大学は圧倒的に文系の学生が多いということになります。
 ここで、大学卒業後に進学をしている学生に焦点をあててみると、理系の学生が多いことは予想できると思います。卒業生の率からいうと理系が圧倒的に多くなります。しかし、この中にも面白い特徴があります。国立大学の中でも、東大・京大・阪大などは就職する学生が僅かで、多くの学生が進学します。それが地方の国立大学になると進学の率が減ってきます。それでも、私立大学より進学の率は高いようです。文系は東大・京大・阪大などでも、就職の方が進学より高い率になっています。地方の国立大学や私立大学になると圧倒的に就職の方が高い率になります。乱暴な言い方をすると、大学卒業後、理系は進学、文系は就職、特に国立大学の理系は進学ということになりそうです。

2013年07月25日

データを通して進路を考える

 高校3年生の2人に1人が4年生の大学に進学する時代になりました。文科省の資料によりますと、第一次ベビーブーム、いわゆる団塊の世代の18歳人口は249万人となっています。それに対する進学率は11.8%といいますから、約29万人が大学生です。80年代後半から始まるバブル景気の頃で、200万人弱に対して約24%程です。それが、平成23年度のデータでみますと、120万人にたいして、51%の進学率になっています。61万人を越える大学生の数です。戦後最低の少子化なのに、最高の大学生の数です。これが今の特徴です。
 大学卒業後の進路はどうなっているかといいますと、文科省が昨年発表した資料によりますと、男子で正規の職員として就職した者が56.5%、安定した仕事に就いていない者が22%、そのうち就職も進学もしていない者が16.4%となっています。女子でみますと正規の職員は64.4%と男子より高くなっていますが、安定した仕事に就いていない者が24%、就職も進学もしていない者が14.4%となっています。大学生の約4人に1人が安定した仕事に就いていないことになります。昔のように「大学をでれば何とかなる」という時代ではなくなってきていることを表すデータです。
 就職した後はどうなっているでしょうか。厚労省の資料に、新卒の新入社員の離職率があります。それによりますと、3年以内に離職する者が3割を越えているとあります。定年までその会社に勤める終身雇用制が崩れてきている世の中ですが、若者の離職率は想像を越える高さになっています。

2013年07月24日

林間学舎終わる

 中学2年生が林間学舎から帰ってきました。中学の宿泊行事は各学年に設定されています。中学2年生ということは2回目になるのですが、中学1年生の自然学舎は入学してすぐに実施されますから、生徒たちの手で宿泊行事を企画・運営するのは初めての経験ということになります。同じ2泊3日といっても内容も趣も違ったものになっているはずです。サントリー奥大山の水工場での環境学習や植樹をとおして、自然のありがたさや環境を守ることの大切さを学んだはずです。昨日の大山登山も天候にも恵まれ、多くの生徒が登頂したようです。急な上り坂を登り8合目を過ぎた辺りからダイセンキャラボクを見ながら木道を歩いているときの達成感、下山して大山の姿を見上げた時「あそこまで登ったんだ」という満足感や充実感を味わったことでしょう。キャンプファイアーも委員の手で運営され盛り上がったと聞いています。集団を引っ張っていくリーダーが多く出てくるのもこの時期です。これら一つ一つが経験になり、2年生としての集団がより質の高いものに作り上げられていくことになります。
 出発に際して校庭に集合した時、林間に向けての心構えや集団生活について話をしました。わずか3日間ですが、帰校後の同じ校庭での集会で話していて感じたのは、少し変わったかなということでした。3日間、皆で同じ課題に取り組んだ連帯感や仲間意識がそうさせたのかもしれません。2年生にとってはこれからが、それぞれの課題に取り組む成長のための「夏休み」を迎えることになります。次は「個」の成長を目指して頑張りましょう。

2013年07月23日

「桐始結花(きり はじめて はなをむすぶ)」

       五七の桐
500%E5%86%86%E7%8E%89.jpg いよいよ一年で一番暑い頃といわれる「大暑」です。二十四節気の折り返し、12番目にあたります。これが終れば「立秋」です。七十二候も第34候、桐始結花(きり はじめて はなをむすぶ)になります。桐の実が生り始めるころ、季節は晩夏です。
 「桐の花、紫に咲きたるは、なほをかしきを、葉のひろごりざまうたてあれども、また、こと木どもとひとしう言ふべきにあらず」。清少納言の「枕の草子」第三十七段の一節です。紫色に咲いている桐の花は、やはり情趣のあるものだとか、唐の国では「ことごとしき名つきたる鳥(鳳凰)」が、選んでこの木に栖むといわれ格別な気持ちがするし、琴を作ったりもする非常にすばらしいものだ、と述べています。
 かつては女の子が産まれると庭に桐の木を植えたといわれていました。桐の木は成長が非常に早いので、女の子が嫁入りする時に、その木を切って箪笥や長持ちにして嫁入り道具として持たせてやるためだそうです。桐の木は軽くて丈夫なうえに、燃えにくいので、桐の箪笥は火事にあっても表面が焦げるだけで中の着物は大丈夫とか。水にも強く、湿気を含むと木が膨張して箪笥の引き出しなどが密閉され、中に湿気がいかないようにする優れものといわれています。下駄にも使われるなど生活に密着した良質の木材として重宝されてきました。しかし、年々安価な輸入材が多くなり、国内の桐生産者が立ち行かなくなり、手入れされずに放置され病気になったり枯れたりして国内材は減少しているそうです。手間隙をかけないと良いものが出来ないのは何事にも共通するようです。

2013年07月22日

林間学舎

012.jpg中学2年生はきょうから林間学舎です。大山登山を中心とした20年以上続く伝統的行事になっています。「出雲国風土記」の国引き神話に大山が登場するといわれています。ミコトが国を引っ張る綱をかける杭としたのが伯耆の国の火の神岳(ひのかみたけ)、現在の大山(だいせん)で、持って引っ張った綱が夜見の島(弓ヶ浜)になったというものです。天気が良ければ登山の途中に綺麗な弓形の浜を見ることができます。
 「大山」とだけ書けばほとんどの人は「おおやま」と読むのではないでしょうか。ところが、中国地方で一番高い「大山」と書けば「だいせん」と読みます。同じ「山」でも浅間山は「やま」、富士山は「さん」、大山は「せん」と読み方が変わってきます。「やま」は訓読み、「さん」は漢音、「せん」は呉音といわれる音読みです。呉音は仏教伝来と関係があるといわれ古く、その次に漢音が中国から伝わったといわれています。その呉音を使った「せん」という呼び名がついた「山」は、ほとんどが鳥取や島根、岡山県北部にあるそうです。この地方の歴史を感じます。
 宿泊地の近くには、約1,300年前(奈良時代)に開山された大山寺があります。比叡山延暦寺に匹敵する山岳信仰の霊場です。心身を清めただひたすら、仲間と力を合わせ登頂すれば、何か「開眼」するものが得られるかもしれません。「六根清浄、お山は晴天」。

2013年07月21日

OSや入試説明会の活用

 夏休みは「個」の成長を目指して様々なことに取り組む期間と言いました。入試の重要なカギを握る取り組みが要求される高校3年生から中学1年生まで、それぞれの要求される課題や取り組むべき内容に違いはありますが、どの学年にとっても大切な期間であることには間違いありません。
 また、本校へ入学を目指しておられる小学生や中学生にとっても、この夏休みは同様に大切な時期です。各自の課題に一生懸命取り組んでおられると思いますが、学習と同時にその学習を支えているモチベーションをどうアップさせるかということも大切な要素になります。そのモチベーションをアップさせる、言い換えると「その学校に行きたい」という思いを強くさせることになれば、学習に取り組む意気込みや課題をこなす意欲にも変化が表れます。ならば、どうすれば良いかということですが、一番いい方法はその学校をよく調べるということです。学校へ足を運ぶことは勿論、その学校に通う知り合いがいればその人の話を聞く、説明会や相談会があれば出かけてその学校の関係者から直接話を聞くなどが考えられます。自分の課題に対して具体的行動を起こせば、益々モチベーションが上がるということになります。このことは、本校生の進路指導にも活用していることです。
 夏休み中の本校独自の取り組みとしては、高校のオープンスクール(OS)と入試説明会を8月25日に実施します。間もなく申し込みの受付が始まります。また、県私学中高連主催の私学展が、8月4日はノボテル甲子園で、8月29・30日は神戸大丸で開催されます。ぜひ保護者とともに受験生の皆さんが本校教職員と話す機会として活用していただければと考えています。

2013年07月20日

個人懇談

 きょうから個人懇談が始まりました。4月から始まった一学期の学習面は勿論のこと、学校生活全般について振り返りを行い、到達点と課題を明確にすることになります。学校は多くの仲間と関わりを持ち、集団で生活しています。他者との関わり、他者へ与える影響等も確認することになります。
 1学期にはクラスとして取り組んだ行事に体育大会がありました。同様に、2学期には文化祭があります。これらの行事を通してクラスの仲間と共に力を合わせて一つのものを創り上げていく、その中で各自の果たす役割や責任を自覚した行動が出来ていくようになります。大きな行事だけではありません。日常の生活の中でこれらが出来るようになると自分のものに出来た、身に付いた、ということになります。
 このことは、学習面にもおおいに関係のあることになります。学習を自分個人だけの問題と捉えていると、困難に直面したり、大きな課題を抱えると、逃げ出したり力が出せなくなったりするものです。学習を他者との関わりの中で関連づけたり位置づけられるようになると、力を発揮することが出来るようになります。目の前の課題を遂行することと、自分の将来の生き方や進路を関連づけて考えると、簡単に放棄したり逃げ出したりできなくなるということです。
 夏休みの過ごし方や2学期以降の生活に大きくかかわってくる大切な懇談です。順調に来ている面や成果など到達点をシッカリ確認するとともに、課題こそ「伸び代」だと捉え夏休みの対策を立てましょう。

2013年07月19日

一学期終業式

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 1学期終業式を行いました。平成25年度は、第3ステージを展望した入試を行いスタートした年でした。中学は3学年とも5クラス体制ですが、1年生は初めて一貫選抜3、発展2クラスになりました。高校は全学年とも一貫2、選特2、特進3の7クラス体制になりました。私たちが第1ステージと位置づけている高校改革後に入学してきた生徒が卒業し、中学1年生から高校3年生までの全学年が中学改革後に入学してきた生徒たちになり、第2ステージのコース制になりました。
 それに伴い新しいステージに相応しい内容の「学び」を追求し、取り組みを進めてきました。育成すべき生徒像として、①「学び」を追及する生徒集団、②実践力旺盛な生徒集団、③自治力に富んだ生徒集団、を掲げ取り組んできました。まだ1学期終了時点ということで、成果が期待できるかどうかはこれからだと言えます。しかし、入学直後に行われた1年生の宿泊行事や体育大会など、この間の取り組みの中でも意欲的、積極的な姿勢がみられるところが多々ありますので、十分期待できると考えています。学力面でも、外部テストや模試において第1ステージとは質的に違う面がでています。
 あすから「夏休み」を迎えます。夏期講習や海外研修、サイエンスキャンプや研究者体験などが計画されていますが、この「休み」を、「個」の成長を果たす期間として各人が自分の課題を持ってそれに挑戦するものにしてくれると期待しています。

2013年07月18日

「個」の成長を目指す「夏休み」

 きょうで一学期最後の授業が終わりました。あすは終業式、そして夏休みとなります。夏休みは、いつも言っていることですが「休み」ではありません。各人がそれぞれ自分の課題を追求し、大きく成長させる準備をする期間です。授業とは位置づけが違いますが、夏期講習は全学年で実施されます。高校1・2年生の一貫・選特は強化勉強会があります。中学2年生は林間学舎で環境学習と大山登山を行います。学校生活とは違った形での仲間作り、学年の集団作りなどに取り組みます。
 有志の活動になりますが、高校1・2年生のNZ研修は3週間におよぶファームステイと語学研修を行います。また、中学2・3年生のカナダ研修は日程こそ11日間と少し短くなりますが、同様の活動を行います。いずれも、日本とは文化、風習の違うところで生活することになります。「自立」を大きなテーマに掲げています。家族のこと自分のことを見直す機会にもなると思います。昨年からスタートしたサイエンスキャンプは3大学で実施、と発展してきました。多くの参加希望者がありました。定員の関係で人数を絞らざるを得ませんでした。選ばれた生徒は、行けない生徒の分まで頑張ってきてくれることと期待しています。研究者体験も同様です。この企画は、たぶん全国のどの高校でも実施していない、というより出来ない素晴らしいものだと思います。
 これらの活動ができるのは、「休み」だからです。「休み」こそ、「個」を成長させるチャンスです。また、「個」の成長が2学期以降の「全体」の成長、レベルアップに繋がり、それが「個」に良い影響を及ぼすという好循環にもなります。ただ、漫然と過ごすのではなく「個」の成長を目指す課題を持って、「夏休み」に臨みましょう。

2013年07月17日

「鷹乃学習(たか すなわち わざをなす)」

 「立春」から始まる二十四節気も11番目「小暑」を、七十二候では33番目にあたる「鷹乃学習(たか すなわち わざをなす)」を迎えました。「小暑」の次は「大暑」になります。この頃を「暑気」ともいい、「暑気中り(しょきあたり)」、「暑気払い」と言う言葉にも使われています。熱中症など暑さに気をつけないといけない時期です。しかし、昼間が一番長い「夏至」は過ぎ、太陽の照る時間は短くなっています。この辺りでは夏至の頃より日の出が少し遅くなり、トータルで約16分ほど短くなっているはずです。これから少しずつ短くなるのが加速していき、2学期の始業式の頃には約1時間短くなる計算です。
 さて、「鷹乃学習」は、5月から6月にかけて孵化した鷹の雛が、この季節に飛び方を覚え、狩りを学び、独り立ちに備えた巣立ちの準備を始めるころという意味です。人間でいうところの「自立」へ向けての旅立ちの準備です。この時期は、学校では1学期の終わりの頃にあたります。さしずめ、新学期がスタートし新しい姿に生まれ変わった「雛」が成長し、それぞれの「自立」へ向けて準備を始める時期ということになるのでしょうか。夏休みがその大切な準備期間となります。どのような「飛び方」や「狩り」を学ぶのか、自分の特性を良く吟味し挑戦する時期です。時間もたっぷりあり、かなりまとまったことができるはずです。「どこまで飛べる」訓練をするのか、そのことによって「どんな世界を見る」ことができるようになるのかが決まってきます。

2013年07月16日

沖縄からのお客様

 きょう沖縄からのお客様がありました。といいますのは、中学3年生が11月に3泊4日の行程で沖縄研修旅行に出かけます。伊江島でのファームステイを中心に、平和学習、環境学習などが計画されています。その環境学習の内容についての打ち合わせに、沖縄から来られたのです。
 ファームステイの舞台となる伊江島は、沖縄本島北部、本部半島の北西海上にありますが、今年度環境学習を行う場所は、沖縄本島の南部に位置する大度海岸です。大度海岸は、ひめゆりの塔と平和祈念資料館との中間ぐらいに位置する海岸です。沖縄の海は紺碧の外海とエメラルドグリーンの浅い内海があります。この浅い内海を沖縄の言葉で「イノー」というそうですが、ここで亜熱帯の海に生息する生き物やサンゴ礁を観察し学習することになります。沖縄の海は透明度が高く、海底までよく見えます。これは、プランクトンが少ないからだそうです。プランクトンと言えば魚のえさですが、それが少ないのになぜ多くの生きものが生息しているのか不思議です。そこにサンゴの役割があるようです。
 何事もそうですが、ただ漫然と眺めているだけでは、表面の現象をみるだけで物事の本質に辿り着くことはできません。自然の不思議やそのダイナミックな仕組み、面白さや感動はその本質に辿り着くための学習を通してこそ実感できるものです。現地へ出かけるまでにはまだ時間があります。事前学習もありますが、「自分で調べてみる」、そのことによって環境学習のみならず沖縄の研修旅行が、思い出に残るかけがえないものとなるのではないでしょうか。

2013年07月15日

中学OS&説明会

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 きょうは中学オープンスクール(OS)と中学入試説明会です。小雨が降る生憎の天気にもかかわらず、朝早くから親子連れで多くの方が来校されました。
 OSは例年と少し趣をかえ、体験授業とクラブ見学の何れかに参加するという形態にしました。体験授業では小学校に無い教科もありますが、それ以外に小学校の授業との違いを、クラブ部見学では中学の部活動の様子や本校生の優しさを感じていただけたのではないかと思っています。
 OS終了後、講堂で第1回中学入試説明会を行いました。OSが定員オーバーで参加できなかった方も説明会に多数参加していただいた様子で、900席の講堂が一杯になりました。
 中学入試といえども、将来の進む方向や大学進学をどのように考えるのかなどを考えて選択する事が大切になります。大学を出ても約4人に1人が安定した仕事についていない、また、卒業後更に大学院などへ進学する者も多いという、文科省の調査結果の報告があります。特に理系は卒業後更に進学する方が多いという傾向があります。「大学をでれば何とかなる」という時代では無いことは周知の事実になっています。生徒にどのような力をつけさせ、将来の進むべき道や生き方を含めた指導をどのように行っているのかなどが重要な学校選択のポイントになること。また、中学校は平成27年度より第三ステージへと移行しますので、来年度の入試はその前年度にあたります。それに伴い、一貫3・発展1クラスの160名募集は今年度と変わらないのですが、コース制の位置づけを少し変化させることを考えています。その内容やねらいなどの説明をさせていただきました。

2013年07月14日

生物学オリンピックと化学グランプリ

 国際科学技術コンテストは科学技術振興機構(JST)が支援している全国の高校生以下対象 のコンテストで、教科・科目に対応した「科学オリンピック」と「課題系コンテスト」があります。それぞれの国内大会の優秀者には、 世界と競う国際大会への道が開かれています。
 この「科学オリンピック」の中でも参加者が多いと言われている日本生物学オリンピックにおいて、昨年、本校から初めて予選を通過し、本選に出場した生徒がでました。全国から約3,600名が参加者し、その中から80名が選出されるという厳しいものですが、それを見事に突破しました。同じく全国高校化学グランプリでも善戦した生徒がいたのですが、あと少しというところで本戦出場は叶いませんでした。しかし、これらに挑戦したことは、明らかに本校生に勇気と頑張れば自分たちにもできそうだという期待を与えてくれました。それは、後輩たちが、先輩に負けじと放課後に化学や生物教室で先生の指導を受けながら学習している姿に表れています。先生に教えてもらうだけでなく、高3生が高1生を教えるという場面もでてきています。生徒たちの手で、学びの場を構築していくという伝統に繋がってくれるのではないかと喜んでいます。また、夏のサイエンスキャンプに対する姿勢にも表れていましたが、高1生が非常に積極的・意欲的だと聞いています。頼もしくもあり、嬉しくもあり、というところです。
 きょうは生物学オリンピック、あすは化学グランプリとそれぞれの予選が行われます。今年はどんな「戦い」をしてくれるか楽しみにしています。

2013年07月13日

大学進学を考える

 文科省の学校基本調査によりますと、バブル期の90年度の大学進学率は24.6%だったものが、11年度には51%になっています。また、正規の職業に就いた者が60%、大学院進学者13.8%、臨床研修医1.8%、正規の職員でない者3.9%、一時的な仕事3.5%、進学も就職もしていない者15.5%、その他1.8%と、大学を出ても、安定した仕事についていない者が22.9%というデータもあります。これは、昨年度発表されたデータです。
 大学別、学部別に見ると様子が違います。国立大学の理系は就職する人より、進学する人の方が多い傾向にあります。東大・京大・阪大など旧帝大と言われる大学ほどその傾向は強く、工学部でみると、おおよそ就職1に対し進学8という割合になっています。これが、地方の国立大学になると1対1に近づいてきています。文系でみると逆転し、進学する人より就職する人の割合が高くなっています。旧帝大や文系の他の学部に比べ、法学部は進学率が高くなっていますが、それでも就職する人の方が多いことに変わりはありません。
 理系は大学だけではなく、その先の進学まで考えなければいけないということを示しています。地方の国立大学へ進学しても、大学院で地元に帰ってくるという選択肢もうなずけます。ますます、「何のために、何をするために大学へ行くのか」という大学進学の目標をシッカリ持つことが重要になってきています。大学進学が目的では通用しません。「大学を出れば何とかなる」という時代ではないからです。

2013年07月12日

学校訪問・学校見学

 1学期もあと少しで終業式を迎えようとしています。終業式が終わると、来年度の中学や高校入試に向けてオープンスクールや説明会などが、学校内外でたくさん行われるようになります。毎年1学期から学校見学や学校訪問はあるとはいうものの、小学生や中学生の入試に対する準備は年々早くなってきているような気がします。
 昨日は、関西私塾教育連盟の方々が学校訪問に来られました。連盟として毎年学校訪問を企画され、大学や中学・高校を訪問されているそうで、今年は本校を選んでいただきました。兵庫県の方は勿論おられますが、大阪市内や八尾市、東大阪市などの遠方からも参加されていました。校内見学の後、学校の説明をさせていただきました。
 きょうは、豊中市の公立中学校から生徒の代表6名が学校見学に来ました。訪問した感想やまとめたものをクラスや学年の仲間に報告することになるのでしょうが、先生に引率されて付いてくるのではなく、生徒だけで行っているところが立派だと思います。進路学習の一環として行っているようですが、応対した本校の入試広報部長はシッカリした生徒たちだったと誉めていました。
 これから、団体や個人を問わずこの様な学校訪問や学校見学が増えてきます。学校のナマの姿を知っていただく良い機会ですから、積極的に対応させていただくつもりです。今月の15日(月・祝日)には中学のオープンスクールと学校説明会を企画しています。オープンスクールはすでに締め切っていますが、説明会は申し込み不要になっています。是非、この企画も活用していただければと考えています。

2013年07月11日

夏本番


 「雷三日」に「梅雨明け十日」という言葉があります。子どもの頃、親から聞いたことを思い出します。どちらも、梅雨明けに関してのことです。「雷三日」は、雷が鳴るような不安定な天気は3日ほど続くという意味から、いよいよ梅雨前線が北上して梅雨が明けるということのようです。そして、梅雨が明けると、一週間から十日ほどは太平洋高気圧に覆われて、気温の高い夏らしい晴天が安定して続くことが多い、という昔の人との経験則のようです。
 「梅雨明け十日」の言葉通り、連日晴天が続き各地で猛暑日を記録しています。とりわけ、今年は梅雨明けが例年より早く、暑さに体が慣れていないうえに連日の猛暑日ですから、「熱中症」が心配されます。室内でも熱中症になる場合があります。部活動は特に注意が必要です。本校では、グランドのクラブハウスや体育館に熱中症対策として製氷機を用意しています。これらを活用しながら、こまめに水分を補給するなどの対策を心掛けて欲しいと思っています。先日、本校を会場として中体連剣道競技が行われましたが、この時に参加校へ製氷機の氷を配って喜ばれた、との報告も聞いています。
 期末考査が終了したといっても、模試があります。夏期講習もあります。とりわけ今年は厳しい夏になりそうです。夏本番に向け、心も体も慣らしていく必要があります。
 きょう偶然クマゼミの羽化を目の当たりにすることができました。「シャンシャン」と鳴くクマゼミの大合唱は暑さを助長しますが、羽化の様子を観ていると、地中生活が圧倒的に長く、地上での「短い夏」を過ごす「懸命さ」を感じました。いよいよ夏本番です。

2013年07月10日

学園小学校保護者対象説明会

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 きょうは、学園小学校保護者対象の入試説明会を行いました。学園小学校からは、ここ数年50〜60名の児童が入学しています。入試では、他の小学校の児童と同じように受験しますが、選考の基準は学園小学校の成績に基づく内申点を加味して行いますので同じではありません。ただ、中学入試は平成27年度入試より一貫選抜のみの募集になりますので、一貫・発展の両コースで募集するのは来年度が最後になります。当然、学園小学校の児童もこの制度が適用されますので、現6年生と5年生以下では入試制度が変わります。そこで、直面する6年生は勿論のこと、全学年を対象にしましたので、1年生までの保護者が説明会に参加されました。
 一貫・発展とも2クラスでスタートした中学のコース制も、今春の入試では一貫3クラス、発展2クラスになりました。一貫が1クラス増えたことにより、毎年4月に実施している学力推移調査の結果が例年より学年全体のレベルが上がっています。一貫が増えたので当然のことですが、それだけではなく、増えた一貫が例年より3ポイント程高くなっていますので、一貫のレベルが上がったことを表しているなど、「本物の学び」を軸に改革が順調に進んでいることを説明しました。
 学園小学校の児童の学園中学への入試は、他の小学校からの入試とは少し意味合いが違いますが、どのような人間に成長したいか、中学へ入学したら何をしたいかなどは同じだと思います。目標をシッカリ持って、入学されることを期待していることを訴え、説明会を終わりました。

2013年07月09日

芸術鑑賞

S1040018.jpg きょうは芸術鑑賞会です。全校生徒は1400名を越えますので、900人収容の学園講堂に入ることができません。そこで、午前中は高校生、午後からは中学生が鑑賞しました。お越しいただいたのは、アンサンブル・ベガのみなさんです。1998年、阪神淡路大震災からの心の復興を願い宝塚ベガ・ホールを本拠地に活動されています。きょうのテーマは「音楽・・・それは『いのちの味方こころの友だち』」です。ベートーヴェン、モーツァルトやチャイコフスキーなどのクラッシック音楽です。トルコ行進曲、交響曲第五番「運命」、バレエ音楽「白鳥の湖」、歌劇「トウーランドット」など有名なものばかりです。
 本校では、「本物の学び」の一環として芸術鑑賞会を位置づけ毎年実施しています。映像やCDなどに録音されたものではなく、生徒に「本物」をナマで聴いたり、鑑賞する事をねらいとして計画しています。そこには、息使いや表情が鑑賞するものに伝わり、それがまた演奏する人に反映して演奏に生かされるという相互作用が生まれます。この空間や雰囲気は、演奏者と生徒によってつくり出される、ただ一度だけのものです。今回の演奏はクラッシックでした。クラッシックには、「何世紀もの時の流れを越えて、それでもなお人々の心に届く名曲には、世の中が変わっても変わらない真実があります(音楽評論家ひびき としや)」。きょうの鑑賞会、生徒の心に何が届いたでしょうか。届いたものは人によって違うかもしれませんが、自分に届いたものを大切にしまっておいてくれることでしょう。アンサンブル・ベガのみなさん、素晴らしい演奏ありがとうございました。

2013年07月08日

効果的な学習は

 試合終了後に、納得できなかったプレーなどをもう一度確認する練習はよく行われます。特に、プロゴルファーはラウンド中に課題と感じたことは、パッティングであれ、ショットであれ、その日の内に納得できるまで練習、調整して次の日に備えるそうです。一般のアマチュアゴルファーで、そこまでする人はほとんどいないと思います。プロだから当然ということで済ませるのではなく、上達を望む者にとっては「このように出来るようになりたい」と体が痛切に感じているラウンド後、試合後の練習が効果的だといいわれています。これは、ゴルフだけではありません。スポーツ全般、否、学習についても言えることだと思います。
 期末考査が終わり、きょうから答案返却も始まっています。できたと思っていても返却された答案を見るとそうではなかったり、中には何でもいいからと書いた答えに◯がついていたという場合もあったりします。答案返却による答え合わせは、点数の確認が大切なのではありません。何が理解できていて、何ができていないかなど、課題と方向性を明確にすることが大切なのです。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」(松浦静山著『常静子剣談』)、というように間違いや負けた原因を分析することが大切になります。
 答案返却、そこから見えてくる自分の課題とそれに取り組む大切な期間が始まりました。この対策と方針が重要です。夏休みの過ごし方にも関係してきます。ラウンド後の課題克服の練習はプロゴルファーだけに求められているものではありません。自戒の念を込めて言います。「発展途上のアマチュア」にこそ効果的で必要なものなのだと。

2013年07月07日

七夕

%E4%B8%83%E5%A4%95.jpg 関東地方は例年より早く梅雨が明け、各地で猛暑日を記録する暑い一日でした。きょうは、「♪ささの葉 サラサラ・・・五色のたんざく わたしが 書いた・・・」と歌われる「七夕さま」です。
 有名な七夕伝説は、働き者だった織姫と彦星が、結婚してからは機織りと牛飼いの仕事を怠けるようになり、天帝の怒りを買って、年に一度、七夕の日(7月7日)しか会うことを許されなくなったという話です。また、短冊に歌や字を書き書道の上達を祈った七夕の行事に因み、「文披月(ふみひらづき)」が転じて、7月のことを「文月(ふみつき)」とするようになったともいわれています。古くから根付いている風習と言えます。
 都会ではすっかり天の川は見えなくなりました。町が照明で明るくなり過ぎたのと空気が淀んでいることが影響していると思われます。僅かしか星が見えない空を見上げながら、ここにこういうものがあるんだとというのも味気ない話です。イメージや空想、思いを馳せるということができにくくなっています。残念なことです。ただ、書道の上達を願って描いたとされる短冊も、今は願いを書くようになってきています。決意や目標、願いや夢は秘かに胸にしまっておくものではありません。口に出したり、物に描いて張り出したりすることによって「本物」になり実現もします。それは、公言することによって責任が付いて回るということもあるかもしれませんが、むしろ、口に出して言うことにより、自分自身のなかで物事が整理され体系づけて考えられるようになり、決意も醸成されてくるからだ、と私は考えています。
 さて、皆さんは短冊に何を書きますか。私は決まっています。

2013年07月06日

One Day College

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 本校では高校生のキャリア教育の大きな柱として「One Day College」を位置づけています。10年程になる伝統行事です。今年は、12の国公立大学、1つの公立専門学校、19の私立大学の計32大学・専門学校から33名の先生をお招きして実施しました。社会、人文、理工、医療系統から医学部、工学部、農学部、総合人間学部、法学部、経営学部、社会学部、外国語学部など多岐にわたっていますので、生徒の進む分野はほぼカバーされています。
 高1〜高3までの生徒を対象に実施しますので、高3になりますと3回体験することになります。この間に自分の進む方向を明確にしていく生徒が多くでてきます。なかには、「One Day College」の講義を受けた先生の学部や大学へ進学する生徒もでてきたりしています。やはり、身近で大学の先生に指導していただく講義は、生徒たちに大きなインパクトを与えています。本校が追求している「本物の学び」の一つの実践例でもあります。これは、大学へ入ることや大学選びだけを目的にした取り組みではありません。「何のために」、「何を学ぶためにその大学に行くのか」、「将来どういった分野で社会貢献をする人間になるのか」、を考えさせる取り組みと考えています。
 このご縁で、中学生や高校生が参加する「サイエンスキャンプ」へと発展したり、逆に「サイエンスキャンプ」の縁で「One Day College」に来ていただくことになったケースもでてきたりしています。ひとえに、今日お集りの先生方や大学のご支援、ご協力のお蔭と感謝しています。

2013年07月05日

蝉の初鳴き

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 試験最終日、静まりかえった校内の玄関前辺りから何かの鳴き声が…。紛れもなく蝉の鳴き声です。いくつかの蝉の抜け殻も発見しました。蝉が鳴き始めると梅雨が明けるという話を良く聞きます。そういえば、週末から天気が良くなり、気温も上がるとの予報がでています。ということは、梅雨明けも近い?
 蝉が鳴くのと梅雨明けは関係があるのかといえば微妙です。例年、蝉の鳴き始めは7月の中旬頃といわれています。これは、暦で言うところの時期ではなく、むしろ気温が関係しているようです。30度を超えるような暑い日がやってくると、鳴き出すということのようです。幼虫として3年〜17年も地中で過ごし、夏になると地中に出てくるというメカニズムはどうなっているのか不思議です。素数ゼミのように13年や17年と間違いなくその年に孵化するとなると、なおさらです。正確な時計と周りの環境の変化を敏感に察知する高性能のセンサーを持っていることになります。
 自然界に生存する生物は、現代の科学・技術で追いつかない素晴らしいメカニズムを持った物が一杯いるようです。細くて強い蜘蛛の糸、ネバネバしていないのに吸着力抜群のイモリの足、堅くて割れにくいアワビの貝殻など、生物模倣技術として研究されています。人間が研究課題としているものが、すでに自然界には存在しているということになります。
 学校生活は、梅雨明けや気温の上昇と関係なく進んでいきます。蝉の正確な時計や高性能センサーを見習いながらも、外的要因に流されない強さも持ちたいものです。

2013年07月04日

高3進路検討会

 期末考査もあと一日になりました。ゴールが見えてくると、また力が出てくるものです。悔いの残らないように、最後まで全力で当たりましょう。
 考査期間中は、午前中で考査は終わるものの、午後からは問題の最終チェックや採点、教科会議、学年会議や職員会議などが行われます。進路検討会もその中の一つです。進路指導部と高3の担任団で、高3生一人ひとりの進路を検討していくものです。その検討会が、昨日ときょうの2日間で行われました。
 模試や校内テストなど多くのデータと生徒の進路希望をもとに目標とする学部や大学を検討していきます。入試の種類も推薦・AO入試や一般入試など様々あります。何より、生徒の学力はまだこれから伸びていきます。その点を考慮して目標を検討します。目標の設定の仕方によって学力の伸長具合が変わったりするからです。だからといって、あまり自分の力とかけ離れたものでは目標になりません。そこのところを見極めていきます。
 また、一般入試入学者と推薦・AO入試入学者の学習時間が、高3の4月は平均が2.1時間と1.5時間、9月は2,4時間と1.7時間、12月は4.8時間と1.6時間(「高校データブック2013」Benesse)というように学習時間の差がだんだん開いてきているというデータがあります。これでは、大学入学時点での学力差は歴然としています。大学に入ることを目的にしているとこのような結果になったりします。入試の種類に関わらずシッカリ学力をつけ、その大学や学部で何をするのかといった目的を持って大学進学をするように指導していきます。
 このような検討会を何度と積み重ね「夢を叶える」進路指導を行っていきたいと考えています。

2013年07月03日

あと2日、最後の追い込みを

 期末考査も半分が過ぎました。あと2日間を残すのみとなりました。もうひと頑張り、というところでしょうか。
 期末考査が終了すれば、高校生は「One Day College」、中学生は中体連の各種大会への参加となります。一学期も残すところも僅かです。学期の変わり目には休暇がありますが、一学期と二学期の間の「夏休み」は約一ヶ月と長期になります。「夏休み」といっても、完全に「休み」ではないことはいうまでもありません。7月末までは各学年とも夏期講習や強化勉強会などがあります。ほぼ全員が対象という学年もあります。中2は林間学舎があり、大山登山に挑戦することになります。高3は何クールにも渡っての夏期講習があります。サイエンスキャンプが鳥取大学・徳島大学・名古屋大学の3大学で行われます。サントリー生物有機科学研究所での「研究者体験」も行われます。中学2・3年生のカナダ研修、高1・2年生のNZ研修に参加する生徒もいます。
 部活動では各種大会などの試合はもちろんですが、合宿も行われます。
 学年や部など所属する組織単位で行われるものもありますが、この一ヶ月間にわたる「長期休暇」を文字通り「長期休暇」で終わらせてしまうのか、「飛躍のための準備期間」として活用するのかは各個人の計画が重要になってきます。
 残り2日間の試験勉強に全力を傾けながら、休憩時間などの合間に、「夏休み」に何をするか、どんなことに挑戦するかといった計画に思いを巡らし気分をリフレッシュさせ、また試験勉強に打ち込んでみる、というのはいかがでしょうか。

2013年07月02日

半夏生

 「半夏生(はんげしょう)」は雑節の一つで、半夏という生薬になるサトイモ科のカラスビシャクが生える頃とか、ドクダミ科の多年草の半夏(別名カタシログサ)という草の葉が半分白くなって化粧しているようになる頃からきているといわれています。七十二候の第三十候「半夏生(はんげしょうず)」から作られた暦日で、かつては夏至から数えて十一日目、7月2日頃とされていました。
 農作業の大事な節目で、田植えは半夏生までに済ませるものでした。また、農作物がタコの足のようにシッカリ大地に根を張ることを祈願する意味を込めてタコを食べる習慣が関西にはあったようです。梅雨も終盤にさしかかる頃で、大雨になることも多くこの頃降る雨を「半夏雨(はんげあめ)」と呼んだそうです。半夏雨によって起こる洪水に「半夏水(はんげみず)」という名前まで付けられています。あすから天気が崩れ、雨との予報です。半夏雨はまだしも、半夏水は勘弁願いたいものです。
 この時期までにこれを済ませておかなければならないといった節目は、農作物の成長には外せないものです。水は必要だからといって、何時でも水をやれば良いというものでもありません。あえて水をやらない時期が必要なこともあります。肥料も同じことです。成長の段階、節目にあわせて種類や量を考えなければなりません。
 7月2日「半夏生」、この時期はいつも期末考査です。半夏生までに田植えならず、期末考査に向けての準備を済ませておかなければならない節目だと、心しておかなければならないということになります。

2013年07月01日

胸突き八丁

 「胸突き八丁(むなつきはっちょう)」とは、辞書によりますと「富士登山で頂上までの8丁(約872メートル)のけわしい道」とか、「物事を成し遂げる過程で、いちばん苦しい正念場」とあります。7月のスタートと同時に、きょうからの5日間が期末考査です。一学期の正念場、「胸突き八丁」といえるかもしれません。
 本校では、富士登山の行事はありませんが、中学2年生の林間学舎で伯耆富士と呼ばれる「大山」登山を行います。大山は標高こそ富士山の半分以下ですが、山頂へ向けての上り勾配が続く登山道は似たものがあります。8合目あたりは急坂がピークになります。体力的にも一番きついところで、「胸突き八丁」ともいえます。それを過ぎるとダイセンキャラボクや高山植物を足下に見ながら穏やかな木道が山頂まで続きます。ここまで来ると乱れていた呼吸や汗もひき、もうすぐ山頂ということもあり、「胸突き八丁」の辛かったことや疲れも不思議とどこかへ吹き飛んでしまいます。天候に恵まれると、宍道湖、神話で有名な弓ヶ浜や隠岐の島が見えることもあるのでなおさらです。
 期末考査という「胸突き八丁」は登山のような息をきらす体力的な辛さはありません。が、目の前にある課題や困難を一つひとつ乗り越えていくのは同じかも知れません。粘り強さが要求されるのも同じです。今の自分の課題は何なのか、それを遂行すればどのような可能性が開けるのかといった、この先にあるゴールのイメージを明確にして取り組むめば勇気づけられることも似ています。一人では登れない山も、皆で励まし合い集団でなら登れることもあります。気持ちを一つにして「胸突き八丁」の期末考査を乗り越えましょう。