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2015年09月26日

校長室にうれしい訪問

 先日、校長室にうれしい訪問が二人続けてありました。一人は中学2年生のM君。校長室のドアが静かに開き、不安そうな顔でM君が顔を覗かせ、そして「どうぞ」の声で入ってきました。「百人一首、覚えました」。M君の訪問の用件はすぐにわかりました。

 夏休み明けの文化祭で、M君のご両親から私は声をかけられ、「『私の挑戦』で校長先生と約束した百人一首の暗記を達成しました」との報告を受けていたのでした。私は夏休みに入る直前、中高等学校の全生徒に、期間を区切ってどんなことでもいいから、挑戦することを決め、私に提出してもらいました。その中でM君は次の挑戦をしたのです。「夏休み明けまでに、百人一首をすべて覚えます」。私は次の返事を書きました。「約束です。休み明けには報告に来てください。挨拶もしっかりやること、親孝行も野球部も。がんばれ!」

 M君は正直に「3つほどはあやふやのものもあります」と。そんなことはどうでもよろしい。「私の挑戦」の約束を守ろうと一生懸命努力したことが立派なのです。そして始業前の時間に勇気をもって校長室に入ってきたことも偉いと誉めました。

 もう一人は高校1年生のO君。「私の挑戦」は「一生で全日本オラザク選手権の一次審査を通過すること」です。オラザク選手権は日本最大の模型のコンテストとの添え書きがありました。私は「1次審査の結果を教えてください。楽しみにしています。」と返事をしました。

 O君の校長室への訪問は放課後でした。残念ながら入賞は叶わなかったとの報告でした。一生をかけて挑戦するくらいのことなので簡単には達成できないことは当然です。はきはきときちっと受け答えができる生徒です。しかし、同種のコンテストが別にあり、近畿地区予選で最優秀賞を取ったとのことでした。その時の賞状と作品を持ってきてくれました。これから全国大会に進み、そこで優勝すると国際大会に出場できるとのことです。立派なものです。
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 上の二人の「私の挑戦」は挑戦の期限が夏休みが終わるまでにとのことだったのと、結果を教えてください、とたまたま返事の書いておいたので、報告に来てくれたのだと思います。M君は翌日、次の「私の挑戦」として、「英検準2級の問題集を1か月で一冊終わらせる」の目標を書いて校長室に持ってきました。

 現在1434名の「私の挑戦」が進行中です。うまくいっている人、いない人、中には早々と断念した人もいるかもしれません。大事なことは、挑戦しようとしたことを何としてもやり抜こうという心意気であり、努力の過程です。保護者の方には「私の挑戦」は進んでいるか生徒に聞いて、励ましていただきたいと思います。先生方には挑戦内容が達成できるようサポートをお願いしています。

2015年09月05日

文化祭を終えて

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 雲雀祭を終えて三日目の校庭は至って静か、台風18号が東海地区に上陸したため空はどんよりと曇っています。今年の雲雀祭は初日は朝から晴れ渡り、二日目は残念ながら終日の小雨となりました。激しい雨が予想されていましたが、雲雀っ子の雲雀祭にかける熱意が吹き飛ばしました。

 初日の合唱コンクールは高校1年2年生がクラスの名誉をかけて戦いました。私は審査員を頼まれましたが、さすがに優勝、準優勝のチームは他を圧倒していましたが、ほかは実力が伯仲、点数をつけるのに苦労しました。生徒の真剣な表情と統率のとれた合唱に思わず涙を流される保護者の方もおられました。素晴らしかったと思います。

 二日間のプログラムの掉尾(ちょうび)を飾る高2のクラス別の発表は、まさに最後の雲雀祭にかける高校2年生の若さと執念が爆発しました。こんなに踊れるのか、こんな生徒が雲雀丘にいるのかと思うくらいの見事な演技で、クラスごとにも良くまとまっており、ここまで練習を積み上げた生徒に心からの拍手を送りたいと思います。

 開会式で生徒の皆さんに、お見えになったお客様にしっかり挨拶をしよう、笑顔でお迎えしようといいました。よくできていたと思います。「明るく挨拶をしてくれて、ほんとにいい生徒さんばかりですね」の声を複数の方から頂きました。有難いことです。挨拶は一時のものではありません。今後もしっかりとやっていきましょう。


 さて雲雀祭前日に校庭で横たわっていた「謎の白い巨大な板」ですが判明しました。初日の朝には中学棟の校庭側の壁面に吊り上げられました。大きな「シンデレラ城」が出現したのです。縦7m、横12メートルの板に2.5㎝四方の紙切れがなんと126,000枚貼りつめられて「シンデレラ城」を描いているのです。雲雀祭のランドマークになりました。今年初めての企画ですが来年の雲雀祭でもぜひ実現してほしいと思います。

 雲雀祭は二日間でしたが生徒は長い間、一生懸命に準備してきました。この期間を通していろいろなことを学んだと思います。一つのことをやり遂げるには一人でできないことも分かったと思います。色々な方の協力があって初めて物事は成し遂げられるのです。そんなとき陰で頑張った人に気を配れる人であってほしいと思います。

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2015年09月04日

文化祭前日

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校内のあちこちからコーラスの声が聞こえてくる。とりわけ女性のソプラノの声が風に乗ってこだます。校長室から見る校庭はいつの間にか合唱コンクールに出場するクラスの塊がいくつもでき、真剣なまなざしと笑顔が交錯した。隣に眼をやると、一人で指揮の練習に励む生徒もいる。合唱コンクールでの指揮者の役割は大きい。校庭の西側は演劇の練習であろうか簡単な舞台装置が用意され、その中で簡単な衣装つけた生徒が行き来している。その隣の息の合ったダンスの練習も、若々しくうらやましい限りだ。

 トラックが校庭に到着すると大きな体の男子生徒が体育の先生に指示のもと、荷台から手際よく荷物をおろし、手際よくテントの屋根を9張作った。明朝、立ち上げるだけである。中学棟東館の前では巨大な白い板が横たわった。15メートル四方はあろう。なにができるのだろう。

 いよいよ明日は文化祭初日。生徒は最後の準備に懸命だ。きょうは空も久しぶりに晴れ渡り、えんじ色の学校旗も気持ちよさそうに東にたなびいている。校庭の天然芝も夏の間、のびていたが、きれいに刈りそろえられた。あすはここを舞台にどんな思い出が作られるのだろう。

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 昨日は雲雀丘学園小学校2年生の子供たちが「探検隊」と称し、文化祭準備中の中学高等学校を訪問してくれた。校長室にも「探検隊」25名は押し寄せ、校長を質問攻めにし、金庫の中を開示することを要求、さらには腰痛治療中の校長に何度も抱っこを強要し、その挙句、白板いっぱいに自分たちの名前を記し、「文化祭に来るから」と言い残し、台風一過のごとく立ち去った。私は5年後の大切なお客様と思って一人ひとりに握手し、丁重にお見送りした。昨日までのぐずついた天気が文化祭前日、晴れたのは「探検隊」のせいだろうか。