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2016年03月24日

新学年の自覚で始業式を迎えよう

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DSCF3264.jpg今朝、正門の隣のソメイヨシノの巨木を見上げると、いくつかの蕾が花を開かせていました。昨日、大阪で開花宣言が出ましたが、今日は雲雀丘学園に春が訪れたわけです。1年がたつのは本当に早いものです。

 今日3/24(木)は中高等学校の修了式でした。私は式辞で生徒に来月からは進級するが、新しい学年の自覚と責任をしっかり持って始業式に臨むよう要望しました。そして4月には中入生、高入生が多く入学してきますが、皆さんがコアになって雲雀丘学園のいい伝統を広げてほしいとお願いしました。

 私は今年、校長1年目でした。先生方、職員の皆さん、生徒の皆さん、そして何よりも保護者の皆さんが未熟な校長をしっかりと支援していただきました。「挨拶」に懸命に取り組みましたが、警備員の方々や用務員の皆さんまで、生徒に挨拶され、明るく笑顔で生徒に接していただいたことは挨拶運動の大きな力となりました。お礼を申し上げます。お陰さまで挨拶がよくできるようになったと私も感じています。ただし挨拶はちょっと手を抜くと元に戻ってしまいます。挨拶は4月の最初が一番肝心です。ここを来年度はしっかりやっていきたいと思います。

 「私の挑戦」や「親孝行」については緒についたばかり、まだまだでした。私の力不足でした。次年度はさらに生徒が前向きに取り組めるよう工夫を凝らして臨みます。

 退任される教職員の発表がありましたが、生徒からはまず驚きの声があがり、そしてお別れの挨拶に、感謝とお別れの拍手が大きく長く続きました。「笑顔を忘れないで」「今の苦労が将来の役に立つ」など、生徒を思う先生や職員のあたたかな、かつ真剣な言葉に生徒は大きくうなずいていました。

 生徒指導部は今年最後の指導として全員いで起立、礼など基本動作の確認を行いました。私はこういう指導は極めて大切なことだと思います。こういうことがきちっとできて勉強ができるものです。また信頼される社会人にもなれるのです。司会の先生から今年の修了式は生徒がよく先生の話を聞いている、態度がいいとの感想を聞きました。春休みに入りますが教職員は来年度の方針づくりや準備、さらには春休み授業にと大忙しです。私たちは気を引き締めて次年度に臨みます。

2016年03月23日

ギターマンドリン部の未来に胸わくわく

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日曜日、学園記念講堂に大勢のお客様にお越しいただき、ギターマンドリン部創部50周年記念コンサートが開催された。全国ギターマンドリン音楽振興会会長の平岡様をはじめ、地元自治会、ロータリークラブの代表、川西能勢口駅駅長、学園PTA会長、中高PTA会長、同窓会長、ローズエコーの代表など大勢の方々のご出席をいただいた。

 演奏会は3部仕立てで最初は現役部員の演奏、そしてゲストの粂井さん・杉浦さんの演奏、最後は現役部員とOB・OGの合同演奏。粂井さんは学園OBのマンドリン奏者で、マンドリン部の誕生したころの部員、現在はプロとして活躍中である。演奏の合間に草創期の苦労を話された。圧巻は何と言っても現役とOB・OGの合同演奏。80人を超えるステージは、講堂一杯のお客様の心を揺り動かし、拍手も最高潮に達した。

 まさに雲雀丘学園ギターマンドリン部の底力を見たような気がした。創部50年の歴史と伝統がなしえたものだと思う。今でこそ80名の部員数を誇るが、創部当時からしばらくは20名にも満たず、楽器不足もあって演奏会もままならなかったと聞く。顧問の先生方の尽力、OB・OGの協力、保護者のご理解があって今日がある。誇るべきは全国大会の第一回目から今年度の45回まで連続出場、記録はを更新中である。こんな学校は全国にもない。一昨年は兵庫県から、県大会で5年連続の最優秀賞を獲得したことでマロニエ賞をいただいた。

 驚くことにギターマンドリン部に入部してくる生徒は経験者が一人もいないことである。雲雀丘学園で初めてマンドリンを手にする。そして卒業する時には立派に演奏できる。指導も基本的に先輩が後輩を教える。生徒たちが自主的にクラブ活動を運営するとのこと。私は教育的にも素晴らしいことだと思う。

 演奏会のあとご来賓の方々と現役部員、OB・OGとの食事会があった。部員たちは口々に50周年という記念すべき年に部員でいて、そして演奏会に出演できたことは幸せと話す。これからの歴史は君たちが築いていかねばならない。その責任があると思う。

 大先輩のOB・OGと話していてうれしい話をお聞きした。「ここまでギターマンドリン部が発展したことは先輩として嬉しい。生徒が自分の子供のように思う。OB・OGとして精いっぱい支援したい。そして自分たちができなかった夢を実現してほしい」と。有難い話である。これからギターマンドリン部はどのように成長していくのだろうか。想像するだけでもわくわくする。

2016年03月17日

生かされている

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 朝からみごとに晴れわたりました。正門の警備員さんが「最高の卒業式ですね」とニコニコしながら話しかけてくれました。3月17日、第61回中学校卒業式が挙行されました。
 私は過日の高校生の卒業式と同じく「私たちは生きているのではなく、生かされている」、このことをしっかりと心に刻んでほしいと訴えかけました。

 実は私には印象に残ることがあります。5年前、東日本大震災が発生した年の「センバツ高校野球」のことです。大震災の直後でもあり、大会を実行するかどうか色々と話し合われました。最後は、震災に負けないで、むしろ全国に元気をお届けしようということで開催されることになりました。そのセンバツの開会式の宣誓台に立ったのが岡山創志学園のキャプテン野山君でした。震災後12日目のことです。野山君は宣誓で「私たちは16年前、阪神淡路大震災の年に生まれました」で始め、最後に「生かされている命に感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います」と締めくくったのです。

 いつも宣誓は絶叫調型で行われますが、この時の宣誓は一語一語かみしめ、実に堂々としたものでした。野山君は宣誓に「生かされている」という言葉を使いました。東日本大震災の未曾有の被害の様子は何度も何度もテレビ画面で映し出されました。その悲惨な状況を目にし、阪神淡路大震災の年に生まれた野山君は、自分がセンバツに出場できる歓びと責任を「生かされている」と表現したのだと思います。この時、彼は高校2年生、16歳の少年が宣誓でこのように話したことに私には驚きで、感動的でした。私はこの4月から高校生になる卒業生にぜひこのことを伝えたいと思いました。因みにその創志学園は今年センバツに出場し、5日目(3/24)に登場します。

 卒業式には「卒業生のことば」がありますが、二人の卒業生が心に残る話をしてくれました。男子生徒は、クラブ活動で良き仲間に出会え、心身ともに成長できたこと、全員を引っ張って行くことはたやすくはなかったが、仲間と何度も話し合い、よい活動ができたこと。将来は保育士になりたい夢を話し、厳しい仕事であることは分かっているが、子供たちの笑顔を見るために頑張りたいこと。女子生徒は母親を7年前にがんで亡くしたが、夢は、がんを確実に根治させる方法を見つけ、がんで苦しむ人を一人でも少なくしたいこと。夢を見るだけで終わるのか、叶うかはその人の努力次第だと思う。今は遠いところにいる母に良い報告をして親孝行をしたい、とのことでした。

 嬉しかったのは二人とも何かのために役に立ちたいこと、そのためには厳しいことにも挑戦し、努力を厭わない真剣な姿勢でした。卒業生183名がこれから進む高校で、目標をしっかり掲げ、大きく成長してくれることを願ってやみません。 

2016年03月07日

期末考査中に思う

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 期末考査が始まった先週は、冬に戻ったように寒さが厳しく、一転して週末から今日は4月中旬の暖かさ、そしてこの週の半ばからは、また寒さがぶり返すという予想です。「三寒四温」というのはこのような天候を言うのでしょうか。

 先週、下校しようとしたとき、記念講堂の隣の白梅に鶯が2羽たわむれていました。近づいても逃げようとしないので、思わず下校途中の女子生徒を呼びとめました。私などは学園内に、こうした光景が見られることに驚きましたが、女子生徒にとっては、校長に呼び止められた驚きの方が大きかったかもしれません。結局、私の声に近寄ってきた警備員さんと事務局の職員が感動の面持ちで、鶯が飛び去るまで見ていました。

 明日で期末考査が終了します。生徒にとってはほっと一息つくところです。一方、校庭は期末考査の期間をうまく使って、冬から春にかけての芝の手入れが行われています。「施肥」(肥料やり)、「目土」(土の散布)、「エアレーション」(芝生に穴をあけ空気を入れて酸素を与える)の三つが同時に進行しています。この作業で春に芝生が鮮やかに蘇ります。

 のどかな学園のようですが実態は胃が痛むようなところがあります。前期国公立試験の合格発表が3月10日ごろまで続きます。併せて私学の合格発表も継続中です。高3担任の先生方は祈るような気持ちで各大学の合格発表を待ちます。先生方の顔を見ていると、そばにいるのが辛くなります。そんな時は「人事を尽くしたのだからあとは天命だ」と言いながら先生のそばを離れるようにしています。

 3月4日、大阪府教育委員会は府立高校の出願状況を発表しました。平均競争倍率は1.11倍。試験日は3月10日、合格発表は3月18日となっています。本校との併願者が多い府立豊中、茨木高校の出願者が大きく伸びていて1.5倍前後になっています。今年、大阪府は入試方法を大きく変えました。予測がつきにくいのが今年の入試の特徴のようです。兵庫も含む公立高校の合格発表(兵庫県は3月19日)を待って、本校の入学者の最終決定となりますが、高校受験生の気の休まらない毎日はしばらく続きます。

2016年03月01日

276名が巣立つ 第58回高等学校卒業式

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 58期生・276名の皆さん、卒業おめでとう! 心からお祝いを申し上げます。
 昨夜来の寒さで朝方には、屋根にうっすらと雪が積もっていました。学園の校庭も白いじゅうたんが敷かれたようでした。いつものように用務員さんが、今日は校庭まできれいに掃除をしてくださいました。

 昨日の予行練習では、生徒の動きに少しぎこちなかったり、揃わなかったりで少し心配をしていましたが、今日は立派にやり遂げてくれました。子供の姿に涙を浮かべておられる保護者の方もおられ、感慨ひとしおだったと思います。3年間、保護者の皆様には本当にご苦労さまでした。中学校からだと6年間になり、小学校からだと12年間、さらに幼稚園からだと15年間・学園に通っていただいたことになります。私は雲雀丘学園の常務理事も兼ねていますが、誠に有り難いことだと思っています。

 私は今日卒業を迎える生徒に、どうしても言っておきたいことがありました。それは、「人は生かされている」ということです。東日本大震災の被害にあわれた方を見舞ったときにお聞きした言葉です。かけがえのない命の大切さを体感したとき、自分を大切にすると同時に他人(ひと)も大切にできます。

 もう一つは挨拶の大切さです。挨拶はいちばん簡単ですが、一番難しいものです。あえて式辞の最後で取り上げました。それは私自身の社会人生活で経験したことで、これができる人は、人間的に成功をおさめ、立派な人が多いからです。ぜひ雲雀丘学園の卒業生として、挨拶は忘れずに今後も続けてください。また学園時代に十分にできなかったと思う人はぜひ今日から挨拶を実行してください。

 今日、卒業生の皆さんにお話ししたことは、新しいことは何もありません。ふだん朝礼などで皆さんに話していることです。卒業式の終了後、校庭で何人かの保護者から「素晴らしい学園で私も離れるのがさみしい」とのお言葉をいただきました。なんと23年間も複数のお子様を通わせていただいたそうです。この余りあるお言葉をしっかりと胸に刻んで、子供たちを育てることの責任の重大さをかみしめながら、より良い子供たちを育てる一念で、学園運営に当たりたいと思います。