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2016年02月20日

受験、人事を尽くせ

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 先日、帰宅しようと正門の方に向かって歩いていると、正門の方から走ってくる女子生徒に出会いました。夕方の6時ごろのことです。少し暗くなっていたのとマスクをしていたので、顔はよくわかりませんでしたが真剣な様子はうかがえました。「どうしたの、忘れ物?」と尋ねると「合格しました。今、先生に報告に行きます」とようやく笑みがこぼれ、合格の大学名を教えてくれました。女子生徒は中央棟の2階の踊り場のスペースで受験勉強をしていたようです。ここは私もよく通るところで、生徒は冬は囲いをし、小さなストーブで暖を取りながら勉強します。その苦労が実りました。よくがんばった。

 指定校推薦や公募制、私立大学ですでに大学が決まった生徒がいます。その生徒諸君にぜひ伝えておきたいことがあります。それは大学入学日までの期間を無駄に過ごさないようにということです。いつも言っているように大学に入ることが目標ではありません。立派な人間になって世の中に貢献することです。受験の期間にあまり読めなかった本を読むとか、この期間に英語の勉強しておくことも大切でしょう。大学の方もしっかりと勉強をしてきた、あるいは勉強のできる生徒が欲しいと思っているのです。

 大学入試も中盤から後半に入ります。国公立はこれからがいよいよ本番です。これから受験する人は、月並みですが「最後まであきらめるな」ということです。まず私学に合格した生徒です。国公立が目標であったならその目標を捨てないでほしい。私立の合格疲れで「もうこれでいい」の妥協は本学の「やってみなはれ!」精神に反します。

 続けて不合格の生徒もいると思います。こんなこと何ぼでもあります。心配するな、最後まで全力を尽くしなさい。進路指導の先生に聞くとE判定の生徒でも合格することなど珍しくないそうです。本学園への受験でも、3度受験する生徒もいますが、成績には大きな波があり、むしろコンスタントにどの試験もというのは少ないです。いつかの朝礼で生徒の皆さんには話しました。いい意味にも悪い意味でも、人生には三つの坂があって「のぼり坂」「下り坂」そして「まさか」の「坂」。「良い坂」にするには、後悔しないように人事を尽くしておくこと、あとは天命を待つことだと思います。

2016年02月10日

高校入試が始まりました

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 少し曇っていた天候も午後にはすっかり晴れわたり、ほっとしています。学校としては天候が一番気になります。一生懸命勉強して受験に臨んだのに、雨が降り寒さが厳しいと生徒に申し訳なく思えてきます。しかし今日は大丈夫でした。試験開始の1時間以上も前から次々と受験生が登校してきました。私は正門に立って緊張の面持ちの生徒に「おはよう!」「しっかりがんばれ!」と笑顔で緊張をほぐすように声をかけました。そのあとの校舎へ続く道の両側には塾の先生方がずらっと並んで生徒を激励されます。

 今日、2月10日は兵庫県、大阪府の私立高校の入試日です。兵庫県の今年の出願状況は募集定員9583人に対し、3万6679人が出願しました。平均倍率は3.83倍、出願数・平均倍率ともに過去10年で最高となりました。私立の人気が高まっているようです。
 雲雀丘学園は出願者数が1072人と昨年より大きく増加、倍率も10.7倍となり受験生の皆さんには狭き門となりました。

 受験科目は英・数・国・理・社の5教科。5教科にしているのは、雲雀丘学園では幅広い能力の中から本人の可能性を引き出していこうということと、大学進学において国公立大学に重きを置いているためです。受験生は神戸市から大阪市まで広範囲から受験していただきます。今日午後からは社会、数学の試験、受験生には緊張のつづく、大変つかれる長い1日になりますが、日頃の成果を存分に発揮されることを願っております。(受験結果は2月12日に郵送にて発表いたします。)

2016年02月09日

雲雀っこが奇跡を起こした

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私には奇跡に思えました。本年度リーグ戦、過去2度戦って2敗、それも1セットも取れずの完敗です。バレーボール・V・プレミアリーグリーグ最終戦。雲雀丘学園が応援するサントリーサンバーズVS豊田合成トレフェルサの試合が一昨日の2月7日、大阪市中央体育館で開催されました。豊田合成は現在リーグトップの強豪、わがサンバーズは7位と低迷しています。

 雲雀丘学園の大応援団はバレーボール部、野球部、水泳部、放送部を中心に107名で構成、スタンドに大きく陣取っての声を嗄らしての必死の応援を展開しました。柳田、エバが次々と強力なスパイク、サーブを決め、ゲームは最初からサンバーズのペース、危なげなく第1セットを取りました。しかし今シーズンの戦いぶりを見ていると、いずれはやられるのではといった不安感もよぎります。それでも、第2セットはやや接戦となりましたが、ここを制すると、第3セットは雲雀丘の応援団を中心に館内はサンバーズの応援一色、まさに選手と一体となって敵を圧倒、あれよあれよというまま、難なく制してしまいました。

 サンバーズが勝つと思っていた人はほとんどいなかったと思います。サンバーズは過去何度もVリーグを制しています。昨年日本で開催されたワールドカップでも日本代表を4人も送り出しているにもかかわらず、今シーズンは出だしから調子が出ず、七不思議の一つさえ言われていました。事実、今日の勝利はありましたが、残念ながら下位リーグとの入れ替え戦に出場します。

 今日の勝利は毎年、サンバーズから直接指導を受けている雲雀丘学園バレーボールチームが中心となり応援を繰り広げましたが、その応援に眠っていた太陽鳥(サンバーズ)がめざめ、羽ばたいたものと私は確信しています。生徒には何事もあきらめてはいけないこと、予想できないことも起こるんだということも分かったと思います。

 なおこの試合の後、本校放送部がサンバーズのジルソン監督、栗山主将、金子副主将にインタビューを行いました。放送部のメンバーもいろいろ勉強になったと思います。

2016年02月06日

鳥取大学にお招きいただきました

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先週、2月3日、鳥取大学でお話をさせていただく機会をいただきました。鳥取大学「産学・地域連携機構」が企業での経験談を話してほしいとのことでした。私は昨年の4月から本校校長を務めていますが、その前はサントリーに40年余り勤務しておりました。もちろん大勢の大学の先生方を前に話すことなど初めての経験です。それも1時間半あまり話すことになりました。

 タイトルは「やってみなはれが世界をはばたく(私が40年の会社人生で得たもの)」でした。戦後のビールの歴史はビール4社が血みどろの戦いを繰り広げたといっても過言ではないと思います。ビールの販売競争は毎月、新聞紙上に4社の販売数量とシェアが掲載され、そのことが世間の注目をひき、それが一層の競争を煽るということになりました。戦後から今日に至るまで、大きく4社のシェアは変動しますが、その局面、局面で各社はどのように考えどのように対応したか、どんな新商品を出したか、どんな人間ドラマが展開されたかを話しました。

 企業は絶頂の時が一番危うい時と私は考えています。企業業績がピークにさしかかる前に危険な芽が生まれているものなのです。生き延びていくにはそれをどう感じ取るかだと思います。しかし現実はそのことになかなか気づこうとしません。私は自らの体験を踏まえ、このほかにも現場で得たことをいくつか話しました。最後まで興味を持ってお聞きいただけたのは大変うれしいことでした。

 さて鳥取大学には毎年、雲雀丘学園の高校生がアカデミックサマーに20名がお世話になっております。豊島学長自らが生徒をお迎えいただき、先生方から親身になってのご指導をいただいております。生徒はこの活動を通して自分の将来の目標を決め、目的をもって高校生活を送るようになります。まさに教育の本来の姿があるように思います。大学に向かう時の顔つきと、活動を終え、帰途に就くときのそれは一変するようです。

 鳥取大学は「乾燥地研究センター」や「菌類きのこ研究センター」「動物医療センター」など世界をリードする、他の大学にはない研究もされております。本校生徒もこのような研究に触れることで興味を持ち、世界に貢献してくれればありがたいと思っています。