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2012年05月31日

食育のすすめ

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 昨日、中学と高校の1年生を対象に、食育と服育の講座を行いました。
 「食」は中学高校時代には、健康な体を造る非常に大切な問題です。ところが、この食の問題が疎かにされたりする傾向があります。弁当やファーストフードなどを含めた広義の外食産業市場規模は、平成21年度で約30兆円弱(外食産業総合研究センター調べ)といわれています。当時の国家予算が85兆円ですので、大変な規模になります。外食産業の市場規模が大きくなるということは、それだけ家での食事が少なくなっていることになります。その上に、日本の食料自給率(カロリーベース)は、外国に比べ格段に低く、年々低下して約4割になっています。自給率の低下により、フードマイレージやバーチャルウォーターなどの環境問題も出てきています。
 1970年代米国はマクレガンレポートとして日本の食生活をモデルにする米国の食事の目標を議会に提出しました。それにより、癌などによる死亡が減少したとされています。皮肉なことに、モデルとされた日本の食事は欧米化へと変化してきました。また、昔は主食のお米が多く、副食といわれるおかずが少なかったものが、今は逆転しています。その分、副食に使われる油脂の割合も増加し、肥満の原因にもなっているそうです。
 「健康とは健全な肉体に宿る健全な精神のことである」(ホメロス)と古くから言われています。成長が著しい中学高校時代に健康な体づくり、そのための食事にもっと関心を持ち注意を払う必要があります。
 第4回目になるエコ弁当づくりです。6月11日は中学生対象になています。旬の食物には、その時必要とされるエネルギーがいっぱい詰まっているといわれます。どんな立派な作品ができるか楽しみです。

2011年12月25日

メープルシロップと黒糖

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  12月25日(日)、年の瀬を迎え、年賀状の作成や仕事の振り返り、部屋の掃除、資料の整理等を行ないました。企業と違って、学校では遠隔地への出張はほとんどありませんが、今年はカナダへの語学研修旅行と沖縄への修学旅行に随行しました。その時に購入したメープルシロップと黒糖が今もわが家の食卓に載っており、毎日ヨーグルトに入れたりパンに塗っていただいています。
 メープルはサトウカエデと呼ばれており、カナダの国旗にも描かれており、この木の樹液を煮詰めたのがメープルシロップです。カナダが実に世界の生産高の80パーセントを占めており、カナダの特産品になっています。製造方法は雪解けの3月~4月に糖分の含まれている樹液を採取し、これを40分の1まで煮詰めて不純物を取り除きます。そのため、保存料や添加物を一切使用していない自然食品です。
 一方、黒糖はサトウキビの茎の絞り汁を加熱し、水分を蒸発させて濃縮したものを冷やし固めて作ります。サトウキビは沖縄の気候に適しており県内で一番多く栽培されている作物です。沖縄の方言では「ウージ」と呼ばれ、昔から農家の人達の暮らしを支えてきました。酸性を中和し、不純物を沈殿させやすくするために、絞り汁に石灰を混入して製造しますが、ビタミンB1、B2、ミネラルやカルシウムを豊富に含んでいます。
 サトウキビはイネ科の多年生草木で、ブラジルやインド等の熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されており、茎の高さは2m~3m、太さは2cm~4cmになります。原産地は赤道近くのパプアニューギニアで、1万7千年前から作物として栽培されており、琉球(りゅうきゅう)には、インドネシア、インドのガンジス川、中国を辿って伝わったと言われています。
  また、近年サトウキビは砂糖を作るだけでなく、葉や絞りカスを利用してバイオエタノールを製造したり、バイオマス発電の材料としての利用も進んできています。身の回りにある食物についても調べてみると、興味深い点が多々あるものだと感じています。

2011年12月08日

実りの秋~花梨と柿

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       《花梨(かりん)》                  《柿》
  暦の上では既に立冬を過ぎましたが、林檎やみかん、ブドウ、ナシ、クリ等が店頭に並び、季節の味を楽しんでおられる方も多いのではないかと思います。私の家でも先日、色づいた花梨(かりん)の実を収穫しました。花梨は林檎と同じバラ科の落葉樹ですが、残念ながら実は固くて食には適しません。そのため、折角実がなってもそのまま放置している家庭も多いようですが、焼酎に氷砂糖を加えて輪切りにした実を漬けて、半年くらいおくと「花梨酒」ができあがります。これは喉(のど)の痛みを和らげる効果があるため、毎年花梨酒を作り、風邪をひいた時などに重宝しています。
  また、本校の南門の横には柿の木があって、実が色づいてきたため、校務員さんが収穫してくれました。皮は少し固かったですが、むかずにそのままいただきました。この他、学校には銀杏の木があり、毎年多くのギンナンの実が生ります。強烈な匂いがするため敬遠されがちですが、手間をかければ十分食用にすることが可能です。
  日曜日の朝には「趣味の園芸」という番組(NHK教育)がありますが、最近草花だけではなく野菜や果樹栽培についても分かりやすく解説してくれています。私も当初、広い庭がないからという理由で諦めていましたが、これらは鉢やプランターでも十分栽培できることが分かってきました。自家自給率を高めるためにも、身近なところから是非行動を起こして欲しいものです。

2011年08月29日

キュウリとゴーヤのルーツ

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  8月も終わりになり、厳しい暑さの中にも朝晩は気温も下がり、秋の訪れを感じさせるようになってきました。これと共に毎日多くの実をつけていたキュウリの収穫は終わりつつありますが、ゴーヤはまだ盛んに花を咲かせており、肥料を切らさなければまだまだ実をつけそうな状況です。普段私達は多くの野菜や果物を食べていますが、これらのルーツについてはあまり知らないことが多いようです。以前トマトのルーツについて紹介したことがありましたが、今回はキュウリとゴーヤについて紹介します。
  キュウリは漢字で胡瓜と書くようにウリ科の植物で原産地はインド~ヒマラヤ山脈南部で、3千年も前から栽培されていたようです。中国には胡麻(ごま)や胡桃(くるみ)、胡椒(こしょう)などと一緒に伝来しました。ちなみに「胡」というのは、中国からみた西方民族のことであり、これらが外来のものであることがわかります。一説には漢の張騫(ちょうけん)がもたらしたとも言われています。日本には6世紀から10世紀頃中国から伝来しましたが、当時は今のように未完熟の青々しいものを食さず、完熟させて黄色いものを食用にしていたため『胡瓜』とは言わず『黄瓜(きうり)』と呼ばれていたようです。本格的に栽培されるようになったのは17世紀以降ですガ、現在果菜類の中では消費量がトップです。
  一方、ゴーヤの原産地は東インド、インドネシア、ボルネオなどの熱帯アジアで、日本には沖縄を経て慶長時代に伝わりました。和名の「ニガウリ」は、ウリ科に属し苦みがあることに由来しており、昔から夏場の健康野菜として重宝されてきました。中国と深いかかわりのあった沖縄には、薬と食事は同じとする医食同源という中国風の考え方があり、毎日の食事は単に飢えをしのぐものではなく、健康を維持するための薬として考えられています。ゴーヤに多く含まれるビタミンCは、皮膚の老化予防、風邪の予防、血液中のコレステロール値を下げ、鉄分の吸収を助けることから、ゴーヤもただの野菜としてではなく、夏バテ予防のために食べられてきたようです。そして、最近の健康志向を反映して、消費量が増加してきているのです。

2011年08月17日

トマトのルーツを知る

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  最近は手軽に野菜の苗が入手できるようになったため、家庭菜園で手作り野菜を栽培する人も増えてきています。また、今年は家庭でのエコ活動の一つとして、キュウリやゴーヤのグリーンカーテンに挑戦している人も数多くいるようですが、私も茄子、シシトウ、キュウリ、ゴーヤ、トマト等を栽培しています。しかし、これらの野菜のルーツについては知らないことが多いため調べてみました。
  家庭菜園での代表的なものと言えば、まずトマトがあげられます。トマトはナス科の植物で、世界には実に約8000種類以上ものトマトが存在するとのことですが、最初は南米アンデス地方のペルー、エクアドルで、アステカやインカの民によって栽培されていました。
  その後、ラテンアメリカに到達したスペイン人によって、16世紀にジャガイモ、とうもろこし、唐辛子、その他さまざまな植物の種がヨーロッパにもたらされ、栽培されるようになりました。しかし、当初は鮮やかな赤色がもてはやされた反面、毒があると信じられ観賞用植物だったのです。そして、このトマトが食用になったきっかけが16世紀におけるイタリアの飢餓で、それまでは有毒と思って口にしたこともなかったトマトを食べざるをえなかったのです。ところが、食べてみると案外美味しいということで、その後、野菜として栽培されると共に品種改良が進み、スペイン、ポルトガル、イタリアの地中海地域で好んで食されるようになりました。
  日本には17世紀に、ヨーロッパから中国を経て長崎へと持ち込まれ、貝原益軒の『大和本草』の中に、「唐柿」として記述されています。最初は薬や観賞用で、一般に食べられるようになったのは明治になってからです。また、日本では冬に枯死するため一年生植物になっていますが、熱帯地方などでは多年生であり適切な環境の下では長年月にわたって生育し続け、延々と開花と結実を続けることができるようです。
  最近のトマトは化学肥料を使用するため、独特の香りが失われてきましたが、有機栽培したものは昔の香りが再現できるようです。トマトのルーツを知りながら熟した実を味わうのもなかなか興味深いものがあると感じています。

2011年08月08日

梅干しの効用

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  これまで海外に出かける時に、常備薬と共に必ず携行しているのが、梅干です。今回の研修旅行にあたっても、滞在日数に合わせて自家製の梅干を持参しました。
  梅は約1500年前、遣隋使であった小野妹子によって日本にもたらされたと言われています。もともと中国では梅干ではなく梅の実を燻製させて作った「鳥梅(うばい)」というものが薬として珍重されていました。そのため、わが国においても当初は薬用として使用されていたという記録が残っています。その後、平安時代や鎌倉時代には高級食品として貴族の間で食されており、戦国時代には戦場に出かける際に腰に梅干を携帯していたようです。
  また、江戸時代に入ると日本人の手によって梅の品種改良が進み庶民の間にも梅の食用が広がりました。そして、梅干が医療や健康面で脚光を浴びるようになったのは、明治時代になってコレラや赤痢の予防、治療に幅広く用いられ、大きな効用のあることが証明されたからです。
  梅干は酸っぱいために酸性食品であると思われがちですが、実は強いアルカリ性食品です。また最近、梅干には強い殺菌作用だけではなく、毒素を体外に排出する働きや血液をサラサラにする等さまざまな効用があることが判ってきました。このように梅干は日本人の智恵が生かされた世界に誇れる健康食品なのです。
  現在、スーパー等には数々の商品が販売されていますが、最近は価格を抑えるために台湾や中国産の梅を使用したものが多くなっているようです。また、高血圧の予防のために減塩の梅干が増えてきています。但し、これらには防腐剤や食品添加剤が使用されていますので、一度自家製の無添加梅干づくりに挑戦してみてください。

2011年07月24日

自産自消の薦め

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  本校では、さまざまな環境活動に取り組んでいますが、その一つが、校内での野菜作りです。環境活動の基本の考え方は、一人ひとりが〝身近なできることから行動に移す〟ということで、校内でイチゴやトマト、サツマイモの栽培を行なっています。このうち、イチゴの収穫は終了しましたが、今は5月に植えたミニ・トマトが次々と真っ赤な実をつけています。これらの実は食堂の調理人の方にお願いし、生徒達に提供していただいています。既に、夏期休業に入っていますが、補習や部活動で登校している生徒も多いため、折角実ったトマトが無駄にならないよう収穫をお願いしています。
  現在、私も近くの貸し農園と自宅の庭で、野菜の栽培に取り組んでいますが、最近は日曜日にも何かと予定が入りなかなか時間が取れないという状態でした。しばらく放置したままにしていたため、久しぶりに農園に足を運ぶと、畑一面に驚くほど多くの雑草が生い茂っていました。しかし、雑草を取り除くとトマトやシシトウ、ナス、キュウリが逞しく成長しており、多くの実をつけていました。早速、すべて収穫し、これらの野菜を調理しました。中には大きくなり過ぎたキュウリも混じっていましたが、晩の食卓は新鮮な野菜で一杯になりました。
  最近、地産地消が推奨されていますが、究極は自分で作った野菜を食べるという〝自産自消〟ではないかと思います。生徒達の中にも家庭で野菜作りを行なっている人もいるようですが、是非、食の大切さを知り、自家自給率を上げるという活動を推進して欲しいものです。

2011年07月14日

学園栽培のトマトを使ったランチ

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  本校では、環境活動の一環として、さまざまな作物栽培を行なっています。現在、取り組んでいるのは、環境大使による校外での米と黒豆の栽培、技術家庭の授業でのグランド横の畑を利用したサツマイモの栽培と生徒有志によるトマトの栽培です。梅雨も明け、それぞれ夏の日差しが照りつける中で順調に育っているようです。
  このうち、5月の初旬にサントリー株式会社から送っていただき植えつけたミニ・トマトの苗が大きく成長し、実が赤く色づき収穫の時期を迎えています。丁度、このトマトは食堂の前の畑に植えているため、日々生育状況を確認することができます。そのため、調理人の方に収穫をお願いし、毎日の昼食メニューの食材として、生徒達に提供してもらっています。今のところ、量はそう多くありませんが、生徒達にはなかなか好評のようです。
  トマトはベランダ等でもプランターで手軽に栽培できることもあって、最近は多くの家庭で植えられているようです。生徒達の中にも野菜作りに興味を持つ人が増えてきており、家庭でも栽培したいという声も数多く寄せられていますので、来年度は苗の入手等も検討していきたいと思っています。

2011年07月11日

梅干の紫蘇(しそ)仕込み 

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  6月の末に漬け込んでいた梅干の容器を見ると、すっかり梅酢が上がり完全に梅の実が浸かる状態になってきました。そこで、先週末、家庭科の先生と生徒達と一緒に紫蘇(しそ)の葉の漬け込みを行ないました。全員が梅干を漬けるのは、初めての経験ということもあって、どのような手順で梅干が出来上がるのか興味を持っているようです。紫蘇の葉を茎から千切り取り、ゴミをざっと水で洗い流した後、塩を振りかけてアクを揉み出すと、紫色の液体が出てきます。この作業をもう一度繰り返して、梅酢を少し加えるとたちまち紅赤色に変わります。この変化を見て、生徒達は驚いた様子でした。一人でやると相当な時間が必要ですが、多くの生徒達が手伝ってくれたため、あっという間に作業は終了しました。このまま一週間ほど置いて、2~3日、天日干しを行なうと手づくりの梅干が完成します。家庭科の先生からも「案外、簡単にできるのですね。これなら来年も漬けてみたいです。」という感想が寄せられました。
  昔は、梅干やラッキョウ、漬物、味噌等は多くの家庭で作っていたようですが、今は、何でもお金さえ出せば買えるようになってきました。そのため、手間隙をかけて作るということが少なくなってきています。しかし、自家製の食品は添加物も少なく安全性も高いのは間違いありません。このような機会をとらまえて、食に対する関心を高め、自家製食品に挑戦して欲しいものです。

2011年06月30日

梅干の漬け込みとトマトの実

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  先日、家庭科の先生と日本の伝統的な健康食品である「梅干」の話をしていたところ、一度学校でも漬けてみたいということになり、先週の日曜日に月ヶ瀬から採取した梅の実を宅急便で学校に送りました。そして、早速月曜日に塩やホワイトリカーを準備し、家庭科の調理教室で漬け込みました。塩分を少なくするため塩は10%ということにしましたが、翌日から梅酢が増え始め、今日はすっかり梅の実が隠れるまでになっています。生徒達も梅干を実際に漬けた経験がないようで、毎日放課後には調理教室に来て、興味深く経過を観察しているようです。このまま一週間ほど漬け込み、次は紫蘇(しそ)の葉を加えていくことになります。生徒達も白黄色の梅酢が鮮やかな赤色に染まるのを見ると、驚くのではないかと思います。
  また、食堂前の菜園に植えているトマトは花が咲いた後、たくさんの実をつけています。そして、最初は緑色であった実が次第に赤く色づき始めました。間もなく収穫できそうですが、昨年と同様、食堂の調理人の方にお願いして生徒達に新鮮なトマトを提供していただくことにしています。いずれも量はそう多くありませんが、生徒達がこのような体験を通じて〝食〟に対して関心を持ってくれることを期待しています。

2011年06月28日

スロー・フードの薦め

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  戦後、米と魚と野菜が中心になっていた日本人の食生活は大きく変化しました。朝食は主に白米に味噌汁、漬物、納豆、梅干であり、夕食はこれに魚と野菜が加わるといったものが一般的でしたが、最近は手軽であるということもあって、朝はパン食の人も増えてきているようです。そして、夜は畜産物と油脂を大量に使った食事に変わってきました。また、多くの外食チェーン店が誕生してきた結果、外で食事をする機会も多くなってきました。そして、ハンバーガーやフライド・チキン、フライド・ポテト、ピザ、スパゲッティー、サンドウィッチ、菓子パン、スナック菓子、インスタント・スープ・カップ麺等のファースト・フードが手軽に入手できるようになりました。このため、子ども達も間食として口にすることが増えてきていますが、これらは概して高脂肪で塩分も多く、健康に良い食べ物だとは言えません。また、柔らかくてあまり噛む必要もないので、どうしても過食になりがちです。また、この結果、少ない食品で食事を済ませてしまうということになってしまいます。
  しかし、毎日の〝食〟は〝睡眠〟と共に極めて重要であり、長期間にわたる乱れた食生活のつけは、徐々に身体を蝕むことになります。今、社会的にも問題になっているのは、年々若年化してくる肥満や生活習慣病への対策ですが、単にカロリーを減らすという単純な考えでは十分な効果をあげることはできません。これらを防ぐためには、品目を増やし栄養のバランスのとれた食事を摂るということが大切です。
  健康のための理想的な食事は〝1日に30品目以上の食材を摂ること〟であると言われています。料理を作る時間があまりないという声も聞きますが、保存食をまとめて作る等の工夫により、できるだけスロー・フードの食事を摂るようにしたいものです。

2011年06月27日

食の重要性についての認識を高める

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  人間が生きていくための基本である食の重要性について理解しておかなくてならないことは数多くありますが、個人、国、世界レベルでの課題を三つあげたいと思います。
  一つ目は「個人レベルでの健康」に関する問題点です。本校においては〝将来社会で役立つ人材の育成〟を教育方針に掲げていますが、社会で活躍するためには「健康である」ということが大前提です。しかし、案外この当たり前のことが解っていないと思われるケースが散見されます。多少無理をしても若い時には何とか乗り切ることができます。また、日常生活に支障をきたしていない場合には、ついつい健康や食物に対しても無頓着になっているケースが散見されます。そして、病気になって初めて健康の有難さに気づくのです。私もこれまで民間企業での勤務を通じて、優れた能力を有しながら健康を害して十分な活躍ができなかったという人を何人も見てきました。健康管理のポイントは〝睡眠〟〝食事〟〝運動〟であると言われていますが、とりわけ1日3回の食事に気をつけている人とおろそかにしている人とでは、長い間には健康面で随分大きな差になってくると思います。
  二つ目は「国レベルでの医療費」に関する問題点です。2010年11月に厚生労働省が発表した医療費の総額は過去最高の34兆8084億円で、国民一人当たり27万円2600円という数字になりました。これは、1か月に直すと一人2万円強という金額になります。そして、高齢化に伴い、この医療費は年々増加してきており、国家財政を圧迫するという深刻な事態を招きつつあります。
  三つ目は「地球レベルでの環境」に関する問題点です。日本の食料自給率は40%しかなく、海外から大量の食料を輸入していますが、これに伴う船や飛行機のエネルギー消費量や輸送費は膨大な金額になっています。また、これにより生産国において大量の水や肥料を使い、二酸化炭素を発生させているのです。
  このような問題を解消し、健康を維持し、医療費を下げ、地球環境を守るということが大切です。最近、「食の西洋化」が急速に進み、若い人を中心にパンや牛乳が主体になっているようですが、これは三つの問題点を解決する方向に逆行しているのです。食育月間にあたって、今一度、日常の食生活を見直していくことが必要であると思っています。

食の重要性についての認識を高める

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  人間が生きていくための基本である食の重要性について理解しておかなくてならないことは数多くありますが、個人、国、世界レベルでの課題を三つあげたいと思います。
  一つ目は「個人レベルでの健康」に関する問題点です。本校においては〝将来社会で役立つ人材の育成〟を教育方針に掲げていますが、社会で活躍するためには「健康である」ということが大前提です。しかし、案外この当たり前のことが解っていないと思われるケースが散見されます。多少無理をしても若い時には何とか乗り切ることができます。また、日常生活に支障をきたしていない場合には、ついつい健康や食物に対しても無頓着になっているケースが散見されます。そして、病気になって初めて健康の有難さに気づくのです。私もこれまで民間企業での勤務を通じて、優れた能力を有しながら健康を害して十分な活躍ができなかったという人を何人も見てきました。健康管理のポイントは〝睡眠〟〝食事〟〝運動〟であると言われていますが、とりわけ1日3回の食事に気をつけている人とおろそかにしている人とでは、長い間には健康面で随分大きな差になってくると思います。
  二つ目は「国レベルでの医療費」に関する問題点です。2010年11月に厚生労働省が発表した医療費の総額は過去最高の34兆8084億円で、国民一人当たり27万円2600円という数字になりました。これは、1か月に直すと一人2万円強という金額になります。そして、高齢化に伴い、この医療費は年々増加してきており、国家財政を圧迫するという深刻な事態を招きつつあります。
  三つ目は「地球レベルでの環境」に関する問題点です。日本の食料自給率は40%しかなく、海外から大量の食料を輸入していますが、これに伴う船や飛行機のエネルギー消費量や輸送費は膨大な金額になっています。また、これにより生産国において大量の水や肥料を使い、二酸化炭素を発生させているのです。
  このような問題を解消し、健康を維持し、医療費を下げ、地球環境を守るということが大切です。最近、「食の西洋化」が急速に進み、若い人を中心にパンや牛乳が主体になっているようですが、これは三つの問題点を解決する方向に逆行しているのです。食育月間にあたって、今一度、日常の食生活を見直していくことが必要であると思っています。

2011年06月26日

わが家の恒例行事

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  6月26日(日)、奈良の月ヶ瀬で梅の実を採取してきました。梅の名所と言えば和歌山県南部市が有名ですが、月ヶ瀬にも多くの梅林があり、開花の季節には多くの観光客が訪れています。また、近年、温泉が発見されたということで、ゆっくりとお湯につかり、帰りには新鮮な野菜を購入するという人も増えてきているようです。この月ヶ瀬では観光協会が窓口になって「梅の木のオーナー制度」を行なっており、近畿各地の多くの方が加入されています。
  わが家でも、この制度を利用して既に20年近く、梅を使った保存食づくりを行なっていますが、このきっかけは海外での生活において、梅干が胃腸を整えるために大いに役立ったという経験があったからです。代表的なものは梅酒と梅干ですが、この他にも梅味噌、梅酢、梅醤油、梅シロップ等があります。
  本日は,丸一日がかりで、これらを作りました。わが家の梅干は10%の減塩にしていますが、塩は精製塩ではなく天然塩を使うことにしています。そして、塩分が少ない分、ホワイトリカーを使って、カビを防ぐようにしています。また、梅酒はホワイトリカー、ブランデー、日本酒と3種類のものを作っています。皆さんにお奨めしたいのは梅味噌です。味噌の中に、梅と氷砂糖(1:1:1)を入れておくだけですが、一月くらいでドレッシング等として美味しくいただけるようになります。
  この時期にはスーパーでも青梅が販売されており、梅酒を作られる家庭は多いようですが、梅干はカビがはえるからとか、面倒だからという理由で敬遠されているようです。しかし、梅干は日本人の智恵が生かされた世界に誇れる健康食品なのです。市販されている梅干には、ほとんど例外なく食品添加剤が使用されています。一度自家製の無添加梅干づくりに挑戦してみてください。

2011年06月23日

食育月間の目的

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  6月は「環境月間」と共に「食育月間」になっており、内閣府、文部科学省、厚生労働省、農林水産省等の関係府省が協力しつつ、地方公共団体等に対しても参加を呼びかけ、全国的な食育推進運動を展開しています。この狙いは国民の食生活における様々な課題に対応し、国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成をはかるというものです。大きく次の4つのテーマが取り上げられていますが、この内容については あまり知られていないようなので紹介します。
  一つ目は〝食を通じてコミュニケーションをはかる〟。食を楽しみながら食事の作法・マナー、食文化を含む望ましい食習慣や知識を習得することが大切です。このためには、家で家族が一緒に食卓につき、食を通じたコミュニケーションを促進することが最も有効ですが、バラバラに食事をしているケースが多いようです。特に子どもの「個食」や「孤食」は極力避けて欲しいものです。
  二つ目は〝バランスの取れた食事を摂る〟。日本では戦後、急速に食の西洋化が進んできました。また、手軽さという点で、さまざまなファーストフードが普及してきました。その結果、生活習慣病が増加し、ひいては医療費の増加にも繋がってきています。栄養バランスの優れた「日本型食生活」を見直すことが大切になってきています。
  三つ目は〝望ましい生活リズムを身につける〟。特に、「早寝」「早起き」「朝ごはん」の実践により、幼少の頃からの基本的な生活習慣の習得が必要です。
  四つ目は〝食を大切にする気持ちを養う〟。現在、本校においても機会ある毎に訴え続けていますが、食前食後の挨拶の習慣化、環境への配慮、我が国の食料問題等に関する理解、自然の恩恵や食に関わる人々の様々な活動への感謝の念と理解を深めることが大切です。
  
  動物は生きていくために餌をとりますが、人間の食事というのは単に命を維持するだけではありません。食育に関しては、ご家庭の協力が不可欠ですが、本校では、ほとんどの生徒が朝食をしっかりと摂り、愛情のこもったお弁当を持参してきているようです。この食育月間を通じて、食というものの大切さについて、深く考えていきたいと思っています。

≪参考≫食育月間について
  平成17年6月に成立した食育基本法を踏まえて、平成18年3月31日に政府の食育推進会議において『食育推進基本計画』が決定されました。そして、食育推進運動を重点的かつ効果的に実施し、食育の国民への浸透を図るため、毎年6月が「食育月間」と定められています。

2011年06月16日

日本における肉食の歴史

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  北海道では大繁殖したエゾジカを駆除し、この肉を食用にするという『エゾシカ肉戦略商品開発支援事業』を推進しています。この事業は一口で言えば「環境保護」と「エゾシカ肉の販売」という一石二鳥を目指したものです。
  現在、わが国においては、通常スーパーやデパートで販売されているのは牛肉や豚肉、鶏肉であり、鹿肉にはあまり馴染みがないため、違和感を持つ人が多いと思いますが、鹿肉は実に魅力的な食材であると言われています。豚に比べてカロリーは3分の1、脂肪は10分の1と低く、その上高タンパクで鉄分やアミノ酸やミネラルも豊富で、フランス料理では〝ジビエ(狩猟による鳥獣肉)〟の代表格になっています。
  かつて、日本人がどのようなものを食べていたのかを調べると、興味深いことが分かります。縄文時代には狩猟採集の生活で猪や鹿、ハマグリ、牡蠣、胡桃、栃、どんぐり等が食されており、弥生時代になって農耕が始まってからも猪や鹿は犬と共に食べられていました。その後、飛鳥時代になって仏教の伝来に伴い肉食が廃れ、朝廷は殺生を固く禁じるようになり、天武天皇の時代には「肉食禁止令」が出されましたが、この中に猪や鹿は含まれていませんでした。また、戦国時代以降においては牛や馬は農家にとって重要な働き手であったため、食用にされることはあまりなかったようです。そして明治維新以降、牛鍋の流行につれて牛肉の消費が増加し始めたようです。
  世界に目を開くと、宗教上の理由でイスラム教徒は豚を食べませんし、ヒンズー教徒は牛を食べません。私も猪や鹿の肉を食べてみましたが、それぞれの料理に工夫が凝らされており、美味しくいただきました。現在、日本においてはアメリカやオーストラリアから大量に牛肉を輸入してきていますが、もう少し鹿や猪に目を向けても良いのではないかと思っています。

2011年06月06日

エコ弁当作りの日にあたって

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          Myエコ弁当               図書室でもお弁当の本を紹介
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                    生徒達のエコ弁当

  本日、6月6日(月)は『エコ弁当作りの日』です。随分前から家庭科や担任の先生を通じて、連絡していたこともあって、生徒達はそれぞれ工夫を凝らして、自分なりの弁当を作ってきました。そして、それぞれのクラスにおいてもエコ弁当のことが色々と話題に上ったようです。何人かの生徒達に質問すると「今日は朝早くから〝肉じゃが〟を作りました」「お母さんに手伝ってもらって卵焼きを作りました」「家で育てているタマネギを使いました」「冷蔵庫にある食材を活用しました」「昨日は安い国産の肉を求めて、スーパーを回りました」「国産の品物を探すのに苦労しました」等さまざまな返事が返ってきました。食堂の責任者に聞くと、本日の販売はカレーライスやうどんの限定メニューの約20食だったとのことで、ほとんどの生徒が弁当を持ってきたようです。
  私も昨日準備した食材を使ったエコ弁当を持参しました。小豆入りの玄米ご飯、自家製梅干、ミツバのおしたし、ふきとシイタケの佃煮、山ウド・さやえんどう・タマネギのかき揚げ、ミニ・トマト、貝柱のてんぷら、高野豆腐、鯖の焼き物と、すべて自家栽培したものや国産の食材です。手間がかかるようですが、休日にまとめて作っておくと、案外簡単に詰め合わせることができます。
  この6月は環境月間であると同時に「食育推進基本計画」により定められた『食育月間』でもあります。また、内閣府においては毎月19日を『食育の日』に制定し、環境が大きく変化する中にあって、子どもたちが健全な心と身体を培い、すべての国民が心身の健康を確保し、生涯にわたって生き生きと暮らせるようにすることを提唱しています。
  何と言っても〝食〟は人間が生きていく上での基本です。これからは、家庭においても学校においても、食に対する関心を高めていきたいと思っています。

2011年06月05日

環境活動の実践~エコ弁当作り

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  明日、6月6日は『エコ弁当作りの日』になっています。この趣旨は、できるだけ地元で作られた食材を使った食事をしようという〝地産地消(Local Production for Local Consumption)〟の推進です。
  毎年、この日は自分自身でお弁当を作ってくる生徒も多いようですが、私もエコ弁当に挑戦するため、本日はしっかりと食材の確保に努めました。まず、自宅の庭に自生している三つ葉を採取し、次に自家栽培のサヤエンドウ、ねぎ、アスパラガス、タマネギ、山ウドを収穫しました。ご飯は知り合いの農家から分けていただいている玄米に国産小豆を加えたもの、これに同じく親戚からいただいたシイタケと庭で採れたフキで作った佃煮と自家製の梅干です。そして、三つ葉は胡麻和えに、山ウドは天ぷらに、サヤエンドウとタマネギとアスパラはかき揚げにしました。これで、明日のエコ弁当のおかずはほとんど揃いました。
  現在、トマト、茄子、シシトウ、ゴーヤ、ミョウガが次第に大きくなりはじめています。このまま順調に育ってくれれば、今年の夏はかなりの食材が確保できそうです。また、少し手を加えれば梅干やラッキョウも簡単に作ることができます。是非、皆さんも挑戦してみてください。
  昔のように農産物や食品の輸送手段や保存技術が発達していなかった頃には、生産物をその地域で食べ、消費するのは当たり前のことだったように思います。しかし、食生活の西欧化や経済成長、都市化、海外からの食材輸入の増大等、社会情勢や構造の変化に伴い、今は他の地域で生産されたものを消費するということが当たり前になってきました。地産地消は環境負荷の軽減や食の安全性、食料自給率の向上といったさまざまなメリットがあります。エコ弁当作りを通じて、食への関心を高めていきたいものです。

2010年08月27日

日本の食について~大豆100粒運動

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  皆さんは「大豆100粒運動」というのをご存知ですか。この運動の中心になって活動されているのが、料理研究家の辰巳 芳子氏です。同氏は母親である家庭料理、家事差配の名手として有名な辰巳浜子氏の傍にあって、料理とその姿勢を学び、広い視野と深い洞察に基づいて、新聞、雑誌、テレビ等で日本の食に提言し続けておられます。
  〝日本の食品は何かおかしいし、その道理に合っていない。安全で良質の食材を次の世代に伝えよう〟という思いで、『日本の食材を守る会』を作ったところ、素晴らしく多くの食の情報を持つメンバーが集まりました。しかしながらこの国の食の実態はまったく変わらない。そこで2004年から〝学童に手のひら一杯の豆(それがだいたい100粒)を蒔いてもらう〟という大豆100粒運動を始めることにしました。
  この運動は単に蒔くだけでなく、子ども達に観察させ、記録させることにしていますが、これによって、自ら考える力が飛躍的に伸びると共に100粒の大豆から3キロの大豆がとれ、6キロの味噌ができます。大豆は、古くから日本人の食生活に欠かせない食品として身近に栽培され、愛されてきましたが、自分の手で大豆を蒔き、育て、観察し、加工し、食べる・・・ そのことによって子ども達は「食の大切さ」「地域とのかかわり」など、たくさんのことを学んでゆきます。ところが、現在の大豆自給率はわずか5%しかありません。この運動には「食」を取り巻く環境が過去に例を見ないほど厳しくなっている昨今、100粒の大豆から日本の食文化を見直し、立て直していこうという願いが込められています。
  現在、この活動の輪は子ども、学童に蒔いて貰うことにより、学校から学校へ広がり、大人で実際にたくさん大豆を作ってくれる人や応援する企業、無農薬の地大豆を使う豆腐屋さん等に広がってきています。国民一人ひとりがこのような遺伝子組み換えの輸入大豆に頼らない国産大豆作りの運動について関心を持っていきたいものです。

2010年06月08日

環境に配慮した食生活のすすめ

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  環境月間にあたって是非見直さなければならないのは生活習慣であると言われています。経済の発展と共に私達の生活は以前とは比較にならないほど便利で贅沢なものになってきました。しかし、昔から〝過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し〟という言葉があるように、何事にも行過ぎは避けなければなりません。
  生活の基本は「衣・食・住」ですが、まず最近の食生活について考えてみたいと思います。先日の中学の全校朝礼でも食べ残しの話をしましたが、これほど無駄なことはありません。最近、世界では食料の輸入量と輸入相手国との距離を乗じた数字である『フードマイレージ』という言葉が注目され始めています。そして、この数字が大きくなるのは、輸入する食料の量が多く、しかも遠く離れた国からのものが多い場合です。問題なのは日本のフードマイレージが年間9000億トン・キロメートルと世界で最も高いということです。
  地球の温暖化が国際的な問題となる中で、日本はクールビズ等の努力を始めていますが、クールビズ2日分のCO2削減量は輸入小麦で作られる食パン一斤に過ぎないのです。最近は、手軽で調理に手間がかからないということで、朝はパン食という家庭が増えてきています。そして、米離れが進み、米が余るという理由で減反政策をとっているのです。他の国から見ると日本の農業政策は奇異に感じられるのではないでしょうか。
  近年、世界ではヘルシーということで日本食がブームになっており、魚の需要も急拡大しています。一方で、世界規模で食料の争奪戦が起こってきており、今後益々激化するのは間違いありません。環境月間にあたって、日本食の良さを再認識し、食生活を見直していきたいものです。

2010年04月28日

食育・服育・インターネット・薬物に関する講習会

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  4月28日(水)、体力測定と健康診断、「食育」「服育」「インターネット」「薬物」についての講習を行ないました。
本校においては、生徒達の健康や安全を守るため、例年、大型連休前のこの時期に「食育」「服育」に関する講習を実施していますが、本年はこれに加えて「インターネット」と「薬物」についての講習をあわせて実施しました。
  これらは、いずれも生活していく上で、しっかりと身につけておかなければならないものですが、最近これらの乱れは目を覆うばかりの状況になっています。〝食事は人間の健康にどのような影響を与えるのか〟〝服装は他人にどのような影響を与えるのか〟〝インターネットの利用にあたっては、どのような点に留意しなければならないのか〟〝薬物の甘い誘いに乗らないためにはどうすればよいのか〟といったことをしっかりと理解しておくことは実に大切なことです。特に、薬物については芸能界やスポーツ界の有名人の使用が相次いでおり、大学生をはじめ中高生にまで汚染が拡大してきています。そして、〝知らなかった〟とか〝軽い気持ちでやった〟ということが、気がつけば取り返しのつかないことになっているケースが多いのです。
  今、生徒達の周りには危険が一杯です。世の中で起こっていることを自分達には関係のない〝対岸の火事〟と考えては駄目だと思います。必ず危険は身近に迫っていると考え、常にそれなりの心の準備をしておくことが必要です。中学・高校時代に生活する上での基本を身につけることが、将来社会で役立つ力に繋がるのは間違いありません。各家庭においても、これらの事柄について関心を持っていただき、是非お子様と話し合う機会を持っていただきたいと思っています。

2010年02月23日

西谷地区直送野菜の定食メニュー

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2/17 豚肉のあんかけ            2/19 皿うどん


  本校の環境教育の基本的な考え方は「学び・考え・行動する」ということですが、単に環境についての知識を得るだけではなく、自分自身で行動を起こしていくことが大切です。
  環境の切り口としては、食料、水、エネルギー、ゴミ等様々なものがありますが、この度、生徒会では『地産地消』をテーマに本校の食堂に地元の野菜を使うことを提案しました。そして、調理人の方とも打ち合わせをし、西谷地区から直送された新鮮野菜をふんだんに使った『野菜と豚肉のあんかけ』と『皿うどん』を先週2日間に分けて、食堂の定食メニューとして提供していただくことになりました。
  地産地消とは、読んで字のごとく〝地域で生産されたものをその地域で消費する〟ことですが、国の基本計画では、これにとどまらず、この活動を通じて、農業者と消費者を結び付ける取り組みをしています。そして、消費者が、生産者と『顔が見え、話ができる』関係で地域の農産物・食品を購入することによって、地域の農業の活性化をはかることを目指しています。
  私達が口にする食材が、生産者は誰で、どのように作られ、流通し、調理されたかなどが把握でき、安心して野菜を食べることができます。また、何よりも輸送コストが低く鮮度が高いというメリットもあります。更に、調理は手間でしょうが、企画サイズからはずれた野菜も混じっており、生産地で廃棄されることなく、無駄が出ません。このように消費者には安心安全で、生産者には無駄のない良循環型のサイクルとなります。

  なお、野菜を提供していただいた西谷地区と雲雀丘学園とは深い関係があります。実は、1949年4月15日、西谷村立西谷小学校雲雀丘分教場として開校されたのが雲雀丘学園の始まりなのです。今回は試験的な取り組みでしたが、これからも定期的にこのような地産地消の活動を進めていきたいと思っています。

2009年08月14日

自家製の梅干し

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  今年は梅雨明け宣言後も相次いで台風が到来する等ぐずついた天気が続いており、恒例になっている梅の天日干しの機会がないままお盆を迎えることになりました。本日はようやく天気が回復し、本格的な夏の日差しが戻ってきたため、朝から梅の天日干しを行ないました。わが家では〝無農薬で添加物の一切使わない10%の減塩梅干〟を10年以上にわたって漬けており、毎年何人かの方にお送りしています。
  梅干の効用については以前にも紹介しましたが、梅干は素晴らしい先人の知恵の所産であると思います。梅は梅雨時に多くの実を付けますが、そのままでは食べることはできません。しかし、青い梅を塩にまぶして焼酎をふりかけ、重石を載せて数日置くと梅酢が出てきます。この後、赤紫蘇(しそ)の葉を塩もみして〝あく〟を抜き、梅酢に加えると鮮やかな赤色に変わり、一ヶ月ほど置くと梅の実も赤く染まってきます。この状態になると青梅の毒性が完全になくなり、健康食品に生まれ変わるのです。
  梅干というのは日本以外の国にはあまりないようですが、世界に誇れる食品の一つかも知れません。梅干は酸っぱいため酸性食品と思われがちですが、実はアルカリ性の食品であり、殺菌力もあるため食中毒を防ぐと共に血液をさらさらにする効用があるようです。このままでも十分食べることができますが、三日三晩強い日光の下でカラカラに乾かし夜露にあてると、梅肉が種から外れやすくなります。それと同時にカビの防止にもなります。また、二年前から保存する際にガラスの容器ではなく瀬戸物の壷に変えたところ、いつまでも鮮やかな赤色を保つことができるようになりました。明日も良い天気のようなので、引き続き天日干しをしたいと思っています。

2009年06月19日

食べて保全

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  現在、北海道においては40万頭に増えたエゾシカによる環境問題に対応するために、さまざまな試みがなされていますが、その中の一つが『エゾシカ肉戦略商品開発支援事業』です。この事業は一口で言えばエゾシカの肉を〝食べて環境保全〟しようというものです。
  日本ではあまり馴染みがありませんが、鹿肉は実に魅力的な食材であり、フランス料理では〝ジビエ(狩猟による鳥獣肉)〟の代表格になっています。豚に比べてカロリーは三分の一、脂肪は十分の一と低く、その上高タンパクで鉄分やアミノサンやミネラルも豊富です。通常、スーパーやデパートで販売されているのは牛肉や豚肉、鶏肉であるため、鹿肉については違和感を持つ人が多いと思いますが、猪肉と並んで代表的なものだったのです。
  縄文時代には狩猟採集の生活で猪や鹿、ハマグリ、牡蠣、胡桃、栃、どんぐり等を食べていました。弥生時代になって農耕が始まってからも猪や鹿は犬と共に食べられていました。その後、仏教の伝来に伴い肉食が廃れ、天武天皇の時代には「肉食禁止令」が出されました。また、戦国時代以降においては牛や馬は農家にとって重要な働き手であったため、食べられることはあまりなかったようです。そして明治維新以降、牛鍋の流行につれて牛肉の消費が増加し始めたようです。また、今では犬や猿やウサギなどを食べることはありませんが、かつてはこれらの肉を食していたのです。
  今月は環境月間であると同時に食育月間でもあります。先進諸国の中でも極端に低い食料自給率を改善するためにも、新たな取り組みをスタートさせることが大切であると思っています。

2009年06月04日

歯の衛生週間にあたって

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□■H21年度歯の衛生週間ポスター■□

  6月4日は6と4という数字の語呂あわせで1928年から1938年までの10年間は『虫歯予防デー』になっていました。その後、1958年からは6月4日からの一週間を『歯の衛生週間』と定め、歯の衛生に関する正しい知識を国民に対して啓蒙することになっています。
  食事をするためには必ず噛むという行為が伴うにもかかわらず、我々はともすると虫歯や歯槽膿漏を放置しどうしようもない状態になって歯科医院に飛び込むということが多いようです。歯の維持管理のためには普段から〝食事の直後に歯を磨く〟〝歯垢を残さない〟等しっかりとした手入れをしておくことが必要です。参考までに専門家の説によると、噛むという行為は次のような効用があるようです。
  ①大脳が発達する。(とりわけ記憶をつかさどる器官との関連が強いことが判明してきている。)
  ②あごの骨が発達し、歯並びがよくなる。
  ③唾液の分泌が盛んになり、消化・吸収を高める。
  ④歯や歯肉の病気を予防し口の中を清潔に保つ。
  ⑤血液の循環が良くなり、運動能力が高まる。
  ⑥食べ物の味がよくわかり、味覚が発達する。
  最近、人間の顎(あご)が小さくなってきたと言われています。火を使って調理するようになったため、文明が進めば進むほど食べ物は柔らかくなる傾向にあります。この結果、顎の骨は発達せずに小さくなってくるのは避けられませんが、ファーストフードをはじめとする食べ物の影響も大きいように思います。しかし、人体の器官の中でも歯は最も完成された部位であり、髪や爪のように再生できません。そして、歯の形状や大きさについては昔からほとんど変わっていないようです。
  成人の歯は32本ありますが、今80歳で20本の歯を残そうという『8020運動』が推奨されています。歯の本数と健康は密接な関係があることが医学的に証明されていますが、歯の衛生週間を機に歯の大切さについての認識を深めていきたいものです。

2009年05月08日

わが国における食育~服部幸應氏のエピソード②

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  食育基本法が施行されたのは平成17年ですが、これに先立って厚生労働省による『21世紀の栄養・食生活のあり方研究会』が開催されました。
  この研究会では「21世紀はどんな食の時代になるか」という論議がなされましたが、メンバーとして出席されていた服部氏が「知育・徳育・体育プラス食育の時代になる」ということを提唱されたのです。
  当時の厚労相は小泉氏であり、ついに法案が成立しましたが、この過程においては食の生産・流通を担う農林水産省と健康増進をはかる厚生労働省と教育を担う文部科学省がそれぞれの省の壁を取り払って、一体となって法案づくりを進めたのです。そして「食育推進基本計画」も策定され、平成18年から22年まで5年間かけて食育を推進するための目標値が設けられることになったのです。
  一口に食育と言っても非常に幅広い領域にまたがっていますが、服部氏は「選食力を養うこと」「食事作法を身につけること」「地球の食を考えること」を三本柱として掲げておられます。これらについては、また別の機会に取り上げたいと思っています。

2009年05月07日

わが国における食育~服部幸應氏のエピソード①

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  4月30日に中学と高校の新入生を対象に家庭科の先生から『食育』について話をしてもらいましたが、生きていく上で最も基本となる「食」に関しては子ども達だけではなく、家庭において家族全員で考えていかなければならない問題です。従って、これからこの校長通信においても食に関する課題について取上げていきたいと思います。
  最初に、学校法人服部学園の理事長である服部幸應氏のエピソードを紹介します。同氏は食育の大切さについて、機会ある毎に訴えておられますが、そのきっかけは服部栄養専門学校に入学してきた学生に、毎日三食何を食べているか一週間の食事日記を提出させたところ、ジャンクフードを食べている者、朝食を抜いている者が多かったそうです。これを見て、服部氏は栄養士や調理師になろうというのだから、しっかりと勉強して欲しいと言い聞かせて、2年後の卒業時に再度食事日記を提出させたところ、たったの6%しか改善されていなかったそうです。これらの学生も頭では理解していて試験では及第点を取っていたようですが、〝18歳以上になるとなかなか生活習慣を変えることができない〟〝もっと小さい頃から親が正しい食生活を指導していないと後から理論を教えても遅い〟ということを気づかれたそうです。そして、何歳までに親が家庭において生活習慣を整えなければならないかを医学的な見地から調査した結果、子どもの成長は0歳~3歳、3歳~8歳がポイントになることが分かったようです。
  この話を聞くと既に手遅れではないかと思われるかも知れませんが、諦める必要はありません。親と共に暮らしている中学・高校時代は食育を含めた生活習慣を改善する最後のチャンスであるという認識に立って行動に移すことが大切なのではないかと思っています。  《続く》

2009年03月28日

チョコレートについての豆知識

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  今週は終了式や理事・評議委員会も終了し、やっと一息つきました。
  先日、バレンタインデーやホワイトデーなどの話題を取り上げた際、生徒達からチョコレートについての質問がありました。普段口にしているにも関わらず知らないことが多かったため、調べてみると興味深い内容が多いことが解りましたので、本日紹介します。
  日本で使われている「チョコレート」は英語ですが、これはスペイン語の「チョコラテ」が語源になっています。そのルーツはメキシコインディオで「苦い水」という意味のChocolatre(ショコラトール)です。我々はチョコレートと言えば固形をイメージしますが、元々は中南米のアステカにおいて唐辛子やバニラ、薬草を入れて病気の治療薬や精力剤として用いられた大変高価な飲み物でした。その後、16世紀にアステカがコルテスにより征服されスペインの植民地となり、これがヨーロッパにもたらされると瞬く間に王族や貴族の間に広まり、カカオ豆をお湯で溶かして砂糖や蜂蜜、バニラ、ミルクを加えて健康飲料として飲まれるようになりました。お湯に溶けやすくするために脂肪分を減らしたのがココアです。その後、飲み物であったチョコレートはヨーロッパ各地で固形化され、さまざまな工夫が加えられ現在に至っています。そして、フランスでは「ショコラ」、ドイツでは「ショコラーデ」、オランダでは「ショコラート」と呼ばれています。
  現在、一人当たりのチョコレートの消費量が世界で最も多いのはドイツで実に年間10kgを超えています。次いでスイス、オーストリア、ベルギー、イギリスと続きます。これに比べると日本はまだ2Kg少しということになっています。
  また、チョコレートの材料はカカオ豆であり、高温多湿の熱帯でしか生息していないため、カカオの木を見た人は少ないのではないかと思います。参考までに生産高のトップはコートジボアール(象牙海岸)、次いでガーナ、インドネシア、ナイジェリア、ブラジル、カメルーンと続いており、圧倒的にアフリカ諸国が多いのです。そして、輸入量はオランダ、アメリカ、ドイツ、マレーシア、フランスの順になっています。世界地図でそれぞれの国の場所を確認しておくのも理解を深めることに繋がると思います。
  なお、日本で本格的にチョコレートの生産を始めたのは森永商店(現在の森永製菓)の森永太一郎氏でした。1899年(明治33年)ですから丁度110年ということになります。このような機会を通じて色々な食べ物の歴史を調べてみるのも良いかも知れません。

2008年12月18日

これからの食生活をどうするか~安部司氏の講演より

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  安部司氏は食品添加物の光と影について次のように述べておられます。
  「食品添加剤には多くのディメリット(影の部分)がありますが、メリット(光の部分)があることも忘れてはいけません。戦後、これだけ食生活が豊かになり、いつでもどこでも食べたいものが手に入るという〝便利さ〟を享受できるようになったのはまさにこの食品添加物のお発達のおかげです。」
また、日本では昔から豆腐を作るための「にがり」、紅白饅頭の「食紅」等代表的な添加物がありました。従って、食品添加物が全て悪であるということではなく、上手に付き合うことが大切です。
  安部氏が講演に出向くと「食品の表示を見て買えと言われても添加物の知識がないし、カタカナの難解な物質ばかりで何がなんだか解らない」ということを質問されることが多いようです。これに対しては「あまり難しく考えずに、『台所にないもの=食品添加物』という図式のもと、裏を見てなるべく台所にないものが入っていない食品を選ぶだけで、ずいぶん添加物の少ない食品を選ぶことができる」と答えているとのことです。
  また、食品添加物と上手に付き合うポイントとして次の5つをあげておられます。
   ①商品の「裏」の表示をよく見て買うこと
   ②加工度の低いものを選ぶこと~手間をとるか、添加物をとるかを心に留めておく
   ③どんな添加物が入っているか知って食べること~一週間というスパンで考える
   ④安いものだけに飛びつかないこと~安いものには理由がある
   ⑤素朴な疑問を持つこと~何故きれいなのか、何故安いのか、何故しなびないのか等
  そして、食の乱れは食卓の乱れ、食卓の乱れは家庭の乱れ、家庭の乱れは社会の乱れ、社会の乱れは国の乱れに繋がる、つまり〝食が乱れると国が乱れる〟というのが安部氏の持論です。
  食べるという行為は〝命をいただく〟ということですが、それぞれの家庭において食の大切さや感謝の気持ちを育てるようにしていきたいものです。

2008年12月15日

安部司氏の講演より~添加物が日本の食文化を壊す

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  世界では日本食がヘルシーであるという理由で、大変な人気を博しており、アメリカの日本食店は1990年代の3000店からほぼ3倍になっていると言われています。また、醤油の消費量は1996年からの8年間で30パーセント以上増え、緑茶は倍増しています。更にユズ、エダマメ、ワサビなどの日本語はそのまま通じるようです。
  しかし、日本では日本食離れが急速に進んできており、これと共に食料自給率も低下の一途を辿ってきています。そして、従来はあまり問題にされなかった欧米型の生活習慣病も年々増加してきています。この原因のひとつが、子ども達の味覚を壊す食品添加物にあると言われています。つまり、子ども達は塩分、糖分、油分が美味しさに変わるという錯覚に陥ってしまっているのです。今、食品業界では「これを入れないと売れない」という調味料のゴールデントリオと呼ばれるものがあるようです。これらは食塩(精製塩)、化学調味料(グルタミン酸ナトリウム),たんぱく加水分解物です。これに増量剤としてブドウ糖、乳糖、砂糖が加えられるのです。
  例えばインスタントラーメンは国民食と呼ばれるほど我々の生活に溶け込んでいますが、この作り方は「塩」に「化学調味料」を加え、とんこつエキス、チキンエキスなどの「たんぱく加水分解物」を入れ、ホワイトペッパーなどの香辛料を配合し、さっぱりした後味にするために酸味料、とろみをつけるために増粘多糖類を入れて出来上がります。同じ要領でスナック菓子や昆布だしの素、お吸い物の素になります。そして、この3点セットはあらゆる加工食品に使用されているため、子ども達の舌が壊れるだけでなく、食事がいとも簡単に出来上がると思ってしまうことになります。
  昔はどの家庭にも〝おふくろの味〟というものがありましたが、今の子ども達にとって、これが自分の家の料理であると自慢できるものはどれだけあるのかは疑問です。今一度、手づくりの味のすばらしさを見直していくべきではないかと思っています。

2008年12月14日

「食」の現状を知る~安部司氏の講演より

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  安部司氏は大きなキャリーバッグを持参されましたが、この中には数多くの食品添加剤のビンがぎっしりと詰め込まれていました。講演にあたってはこれらをテーブルの上に並べて実際にスーパーに並んでいるジュースや漬物を目の前で作っていただきました。
  日本で使用されている食品添加剤は1500種類もあるようです。食品の裏には原材料として酸化防止剤、着色料、PH調整剤、脂肪酸、乳化剤等多くのものが記載されていますが、これらが何のために使用されているのかを知っている人は少ないようです。それではどうしてここまで食品添加剤が蔓延したのでしょうか。添加剤が使われているのは売る側だけではなく消費者の姿勢にも原因があるのです。売る側の立場に立つと、自然食品を生産、販売しているとすぐに食品が腐り、色あせするためどうしても価格が高くなってしまいます。その結果、全く儲からず廃業に追い込まれるケースが多いようです。一方、消費者は「安い」「簡単」「便利さ」「美しさ」「味がよい」ということを求めます。そして、この5つを実現するために食品添加剤が使われるのです。
  毎日の新聞に挟み込まれているスーパーの広告チラシには、特売品が掲載されており、食品売り場には実に多彩な食品が陳列されています。また、コンビニエンス・ストアには数多くの食品添加物が含まれた食品が散見されます。
  しかし、これらの食品添加剤が体にとって悪影響を与えるのは間違いありません。特に長期間にわたる摂取により体内に蓄積されるとさまざまな健康障害が起こってきます。食についての関心を高めていかなければならないと感じました。

2008年12月12日

本当の食の安全~安部司氏の講演より

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  12月12日(金)、日本の著名な食品添加物評論家で「食品の裏側」の著書で知られる安部司氏に『本当の食の安全とは』というテーマで約1時間半にわたり講演していただきました。
  本学園では「家庭と学校の連携、共育・共学」を教育方針として掲げていますが、今回はこの取り組みの一環として中学・高校のPTAが環境問題の中核となる「食育」を取り上げ、保護者の皆様を対象に開催することになりました。
  安部氏は山口大学文理学部化学科を卒業後、食品添加物の専門商社にセールスマンとして勤務され多くの業績を残されました。しかし自らが売る食品添加物が自分の子どもには絶対に食べさせたくないものだったと気づき退職され、その後食品業界の裏側を告発する「食品の裏側―みんなが大好きな食品添加物」を出版されました。
本日は実際の体験に裏打ちされたお話であり、しかもずらりとテーブルの上に並べられた数多くの食品添加物を実際に使いながら目に見える形で説明されたため、時間の経過と共に参加者は徐々に話に引き込まれ、日頃何気なく購入している食品の安全性についての認識が深まっていくように感じました。
  なお、今回の講演には中学校や幼稚園の保護者の他に地域の方にも多数参加していただきましたが、これからもこのような催しには多くの皆様にも参加していただけるようにしていきたいと考えています。
  お話の内容は大きく「食の現状を知る」「添加物が日本の食の文化を壊していく」「これからの食生活をどうするか」という3つに分かれていましたが、いずれも興味深い内容であったため、これから何回かに分けて紹介していきたいと思っています。

2008年12月03日

紀州からのみかんのプレゼント

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  12月3日(水)、和歌山県の日高郡日高川町在住の玉置俊久さんからみかんが送られてきました。玉置さんは元、松下電器四国支店時代の同僚ですが、会社を早期退職し自ら〝みかん百姓〟と称し家業のみかん作りを継承しておられます。
  近年は堰を切ったような肥料や農薬、農業資材の高騰や猪の被害といった逆風が吹き荒れていますが、これらと戦いながら安心安全を目指して肥料の有機化や減農薬へのチャレンジを行なっておられます。また、日高川町観光協会の会長に就任され、和歌山県の天台宗最古の寺である道成寺に京都の妙満寺から実に420年ぶりに釣鐘を里帰りさせたり、手づくりログハウス倶楽部を立ち上げたり、備長炭の産地を売り込むため「日本一長い焼き鳥」に挑戦する等斬新なアイデアで活性化に取り組み『魅力ある日高づくり』を推進されており、まさに〝町おこしのプロデューサー〟です。更に今年4月からは和歌山大学の非常勤講師として「観光と地域」というテーマで週一回の講義をしておられるようです。
  今回届けていただいたみかんは、これから大学受験の本番を迎える高校3年生と教職員に配らせていただきました。大小取り混ぜた規格外のみかんということですが、新鮮で甘さが口の中に広がりました。
  最近、柑橘類についてもオレンジやネーブル、グレープフルーツ等の輸入品が増加しつつありますが、ポスト・ハーベスト(収穫後の農薬)の心配のない国産のみかんを見直していかなければならないと感じました。玉置さんのご好意に心よりお礼を申し上げます。

2008年11月29日

安部 司氏による講演会の開催

食品の裏側
安部 司 著(東洋経済新報社)
  12月12日(金)の11時~12時30分、中学・高等学校PTAの主催で日本の食品添加物の評論家で、『食品の裏側―知れば怖くて食べられない』の著者である安部 司氏にお越しいただき講演していただくことになりました。現在、安部氏は自然海塩「最進の塩」を販売する株式会社「最進」の研究技術部長を務めながら食品添加物に関する啓蒙活動を行なっておられます。テーマは『本当の食の安全とは』ですが、食の現状を知る、添加物が日本の食文化を壊していく、これからの食生活をどうするかという興味深い内容のお話になるようです。なおこの校長通信においても〝家庭での食育〟というテーマで25回(2008年2月7日~3月31日)にわたって掲載しましたが、この中の7回目(2月17日)に安部氏の食品の裏側を紹介させていただいています。
  本校では生徒だけではなく保護者も教員も全員が学ぶという〝共学〟を教育方針に掲げており、本年度からスタートした環境教育についても「共に学び、考え、行動する」ことを基本にしています。環境問題の切り口としては、地球の温暖化、食料、水、資源、ゴミ等がありますが、とりわけ食糧問題についてはわれわれの日常生活と密接な関係にあるため、環境教育の大きな柱にしていくことが大切です。 食の安全や自給率向上が叫ばれる昨今、今回の講演は食について見つめ直す良い機会になると思いますので、是非出席していただきたいと思っています。
  この講演は、学園の小学校、幼稚園の保護者をはじめ本校への受験を考えておられる保護者や近隣の皆さんにも参加いただけるようになっていますので、お誘い合わせの上学園講堂までお越しください。