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2008年02月29日

不本意の春(1)

 今回は未だ進路が決定していない諸君に向けて書きます。

 進路未決定の諸君でまだ受験機会が残っている人は最後まで頑張り抜くことです。まだ3月入試が残っています。その中に自分の希望する大学があれば、しつこく食い下がって頑張ってください。合否の判定をするのは大学側です。君たちではありません。君たちがやるべきことは向こうが根負けするまで頑張るだけです。

 それでもうまくいかず、浪人を余儀なくされることになるかもしれません。しかし、長い人生の中で浪人することがそれほど不利益になるとは思いません。蹉跌のない人生が必ずしも豊かな人生とはいえません。挫折が人間を鍛え上げ、幅のある人格に仕立て上げることはよくあることです。

 浪人生活は孤独で不安がつきまといます。受験に失敗したことに伴う自信喪失、一人だけ取り残されたような、自分だけ置いて行かれたような孤立感、現役の時のようにクラスメートに囲まれているわけでもなく、まして、多くのクラスメートが進学を果たしているのをみると、うらやましくもあり、感じるのは焦燥感ばかり・・・毎日がほとんど同じ日常生活・・・体育大会があったり、文化祭があるわけではありません。

 しかし、孤独を回避しないようにしてください。不安と寂しさのあまり大学生のクラスメートの誰彼となく電話をかけまくったり、果ては一緒になって遊び呆けたり・・・というような愚行は厳に謹んで下さい。つまり、自分自身との戦いの部分が現役の時に比べるとはるかに大きな部分を占めるようになることを肝に銘じてください。受験が神経戦の要素があることは今まで何度も書きましたが、一番当てはまるのが浪人の受験生です。

 浪人生活の特徴は拘束されることが非常に少ないことです。予備校に通う場合でも基本的には出席は任意でしょう。まして、自宅で勉強する人にとっては、すべてが任意といえます。すべて自分の意のままの生活ができます。従って、自分が自分に対して暴君にならないためには、自分以外の尺度によって自分を律することが必要になってきます。どんな人間にとっても、時間の流れはどうにもならない客観的尺度です。時間に支配されないためにも時間に従って行動してください。つまり、気分で行動するのではなく、意志を堅固にもって、規則正しく生活を律してください。起床、就寝の時刻、食事の時刻、とりわけ学習の時刻、散歩などの運動の時刻等々を決めてそれに従ってください。そして、その時刻になれば、気分が向こうが向くまいが机に向かってください。そうしていれば自然に気分が乗ってくるものです。ただ気分が乗りっぱなしで暴走すると明日が台無しになることも考えに入れて置いてください。
 人間の体内時計は25時間だそうですから、体内時計のままに寝起きしていると、1日に1時間ずつずれる勘定になり、大変なことになります。浪人生が特に気をつけなければならないのはこの点です。どうしても生活が夜型になってしまいがちです。ひどい場合は、夜が明けてきたからそろそろ寝ようかなどという惨状を呈することになります。こうなるともう心身のリズムがすっかり狂ってしまい、元に戻すのに大変苦労することになります。試験というものは昼間に行われるものだということを念頭に置いて生活することが特に浪人生には必要なのです。
      
文責: 山本正彦

2008年02月27日

入学前の諸君へ

 前期日程を受験した諸君は首尾のほどはどうでしたか。吉報を待っています。

 今回は入学試験に合格して、進学先を決定した諸君に対し少しお話ししようと思います。

 諸君は卒業式を無事に終えた今となっては、入学手続きを済ませれば、あとは入学式を待つばかりとなったわけです。それまでの間、まだ1ヶ月以上の猶予期間があります。その時間を利用して以下のようなことをしてはどうでしょうか。

 後輩のための受験報告、体験報告について:
 推薦入試、AO入試に関しては大学により方式が様々で、しかもそれに関する情報は意外に少ないものです。受験体験は記憶の生々しいうちに受験報告、受験体験記として残しておいてください。受験校の面接の方式、質問内容、小論文などの出題内容、出題傾向をはじめ、さまざまな情報は後輩へのアドバイスとして貴重なものです。どんな形でも構いません、是非記録に残してあげてください。

 進学先の学校に関する情報について:
 もちろん受験前からあらましは大学の発行しているパンフレットなどで充分承知のことと思いますが、これから何年間か自分の生活を託するわけですから、学校側の発信した情報だけではなく、実際に自分の目でいろいろ確かめてみてください。まさに「百聞は一見に如かず」です。カメラを通してみた場合とは違った生の風景、生の空気、生の雰囲気が伝わってこます。春のオープンキャンパスに受験生に便乗して参加してみるのも一法です。勿論これから学ぼうとする学部・学科の内容や、学ぶ内容自体に関しては予め調べてみることは必要です。これも大学側の発信するシラバスや教授陣に関する情報だけではなく、外部からの客観的情報もインターネットなどで調べることができます。学問の概要などは新書版などで知ることができます。また快適な大学生活のために、学校周辺を地図で調べたり、または実際に出向いて学校の周囲の環境をよく調べて見ると良いでしょう。書店、古本屋、飲食店、コンビニエンスストア、ショッピングセンター、図書館、博物館、美術館、映画館等々、学生生活を円滑かつ充実して送るために必要な施設等をチェックしておくとよいでしょう。特に、大学周辺にある古本屋には大学の先輩たちが残していった参考書や教材などが並んでいて、辞書や参考書などが格安に手に入る場合があり結構便利なものです。普通は汚された本を買うのは厭なものですが、ときには、教材として使われた参考書の中に、授業中の書き込みが残っていたりして、かえって重宝な場合があります。

 読書について
 受験勉強の真最中に無性に本が読みたくなって困ったというような経験はありませんか。受験勉強のため自分の好きな本も読めなかった不自由な思いをしたでしょうが、今や時間はふんだんにあります。こんなに何ものにも束縛されない期間というものは生涯でもそう頻繁にあることではありません。こんな時期にはまとまった読書ができるので、大きなもの、たとえば大長編を読むこともできます。惰性的にだらだらと無為に過ごすのはやめて、今まであまり本を読まなかった人も是非読書の習慣をつけるように勧めます。これから学ぶ専門分野に関した本も良いし、ジャンルを問わず、興味のままに手当たり次第に読むのも良いでしょう。実際、功利的な目的なしに本が読めるのはこの時期と大学時代ぐらいなものです。そして功利的な目的なしに読んだときの方が大きな発見があったり、突然展望が一挙に開けたりするものです。これは衣食に不自由しない17・18世紀の貴族たちが科学上の大発見をしたのは、何ものにも囚われずに自然という書物を読んだからでしょう。
 話が少し大袈裟になりましたがこの時期に読書の習慣をつけておくことは大学に進学して専門課程に進めば多くの文献を読まなければならず、当然速い読書スピードが要求されることになりますから、このとき培った読書力が大いにものをいうことにもなるかもしれません。

 文責: 山本正彦

2008年02月24日

明日の国公立2次試験に備えて

 前回の当番のときはちょうどセンター試験の時で、まだ高三の諸君は登校中でしたが、現在は卒業式も済み、校内から1学年減ったわけですから、諸君の姿を見かけることもまれになり、閑散とした感じは否めません。
 卒業した高三の(元高三と云うべきでしょうが)諸君の現在の情況は様々でしょう。既に去年のうちに望み通りの大学に合格して、進路を決定した諸君は、正月はまさに我が世の春を満喫していたことでしょう。また、2月初旬からの私立大学に合格を果たしホッとしている人もいることでしょう。しかし、まだ望み通りの大学への切符を手に入れてない人、国公立の二次試験を控えている人もかなりの数になるものと思います。

 何といっても今日話題とすべきは、明日の2月25日は、国公立大の前期日程の第一日だということでしょう。そこで、いつもは月曜日から始めるこの進路便りを明日書いたのでは意味があまりなくなるので、今日、まとめて二、三日分書こうと思います。

 さて、いよいよ本番といった感じです。いよいよ正念場です。もうジタバタしても始まりません。腹を括るしかないでしょう。前回の当番のときに受験心得といったものを、箇条書き風に書いてみましたが、今回はその中から、明日に受験を控えた受験生の直前の受験心得といったものを、繰り返しになるかもしれませんが、拾い上げてみようと思います。

 前回の受験心得で知力・気力・体力ということを言いました。知力すなわち学力については明日に受験を控えた身にしてみれば、この期に及んで、これから何かを開拓する時間はありませんから、いままで身につけた学力を遺憾なく発揮するしかないでしょう。「発揮するしかないでしょう」などと簡単に書きましたが、このことは前回「鳥人」ブブカを例にとって説明しましたが、そう簡単ではありません。受験の場合、学力さえあれば何とかなりそうなものですが、実際は思うようにはいきません。学力以外の気力と体力が伴わなければ好結果を得ることは出来ないでしょう。そこでこの気力と体力ですが、これに関して云えば前日でもなすべきことはありそうです。
 気分とか気力というものは案外フラフラしているものです。特に大学受験のようなここ一番というときにはこの「気」の在り方で結果はまるで違ってしまうものです。受験戦争とよばれるこの戦場においては大いに「神経戦」の様相を帯びています。この戦争は自分との戦いでもあります。戦場である受験会場では「敵」の顔はどれも自分より賢そうに見えるものです。むしろ、そういうものだと思っていて差し支えありません。実は「敵さん」も君の顔を見て、気後れがしているかもしれないのです。それやこれやで「気が散って」しまって集中できなくなれば、いくら知識を蓄え知力があってもそれを表現することはできません。
先ほど「腹を括るしかないでしょう」と書きました。考えてみれば、この「腹を括る」とは変なことばです。理屈をいえば、元来腹は括れるものなのか、となります。更に云えば日頃使っている「腹を立てる」という表現からして変です。寝ていれば腹は立たないのかとなればこれはもう落語の世界です。思いつくだけでも、「腹を決める」、「腹を割る」、「腹が据わる」、「腹ができている」と際限がありません。試みに国語辞典を引いてみると「腹」の慣用句の項目にはじつにたくさんの句が挙げてあります。つまり、事ほど左様に我々は昔からお腹の部分に注意が行っていたという事になります。そこに注意が集中しなければこんなに沢山の成句が生まれ、分化するわけがありません。
そこでこの腹ですが、気分を落ち着かせるには深呼吸をすると良いとよくいわれます。昔から「臍下丹田」とよくいわれます。子供のころ、「寒い、寒い」といって騒いでいると、大人たちは「へそ下三寸に力を入れると寒くない」などと言いました。それで言われたとおりにやってみると、確かに少し温かくなったような気がしたものです。

 最近でも健康法、脳科学、長寿法等々の色々な観点からお腹が注目されているようです。座禅の流行は相当以前から世界的なものになっています。最近では特に健康呼吸法として、斎藤孝さんも流行させたようですが、これは元々お釈迦様が2500年も前に正しい呼吸法として説かれたものです。普段やっている胸部中心の呼吸、すなわち肺を肋骨の間の筋肉で横に拡げる胸式呼吸をやめて、横隔膜を上下させることによって空気を吸い込むといういわゆる腹式呼吸をすることにより心身を整える。副交感神経というものは人間の意志ではどうにもならないものですが、この副交感神経の働きに幾分でも意志の力が介入することができるのはこの腹式呼吸というすきまだけだということを、2500年も前にお釈迦様は直観で知っておられた。このことだけでもお釈迦様は大変な人です。
「気」を落ち着かせるのはやはりこの呼吸法が一番だと思います。色々な流儀があるようですが、大雑把にいうと、吸気よりは呼気に重点をおいて、吸気の時間を吸気の時間の2倍くらいにするのが良いというのが一般的のようです。つまり、息を吸っている時間を1とすると、息を吐いているを時間を2にするというものです。こうすることによって平生の気持ちに立ち返ることができます。お釈迦様の推薦だけではない、現代の最先端の脳科学の立証するところです。間違っても、精神安定剤を飲むようなことはやめてください。安定しすぎて鈍くなり、果ては眠ってしまうというようなことになりかねません。

 お腹のことばかり言ってきましたが、お腹の上部には心臓があります。心臓は heart です。そしてハートは「心」でもあります。ところで、「心」といった場合、一方に mind という言葉もありますが、これはどちらかといえば「精神」といった意味合いが強く、mind のありかは心臓ではなく頭です。(もっとも最近では「心」は心臓ではなく頭脳に宿り、頭脳も内蔵といわれるようになってきました)「気」が滅入って「考え」が暗い方、暗い方へと向いていってしまう場合があります。深呼吸をしても色々な考えがよぎって不安になり、どうにもならないことになるかもしれません。こんな場合は、やはり、「考え」に対しては「考え」で対抗する他は無いのかも知れません。この点に関しては、最近よく言われている「プラス思考」で対処するのが一番だと思います。つまり、ものごとには必ず両面があり、光の部分と影の部分があるものならば、光の部分を見つめることによって影の部分を追っ払ったほうが得策といえます。古い話で笑われるかもしれませんが、昔はこういうときよく山中鹿之助という武将のエピソードを年寄りたちは持ち出したものです。この山中鹿之助という悲運の武将は三日月に向かって「願わくば、我に七難八苦を与え給え」と祈ったといわれています。こうして彼はいかなる苦境にも対処出来る心構えを練ったものでしょう。また、年寄りたちはよく「艱難汝を玉にする」とも言い、我々を鼓舞したものでした。こういう風に考えれば、受験戦争という境遇はむしろ自分を鍛えて、強くたくましく育ててくれる絶好の舞台だといえます。そうだとすれば、むしろ得難いチャンスだと考えることができます。ものは考え方次第です。兎に角、強気でいってください。
ところで、さきほどふれた mind には動詞の用法もあります。 Don’t mind! Don’t mind!
と暗示をかけるのも一法でしょう。キニシナイ! キニシナイ!

 次に体力です。睡眠不足では気力は充実しないでしょう。ハイテンションになるばかりで、上滑りしてしまいます。前日は今までの学習の成果のまとめなどのある程度の勉強はして、適度に頭を疲労させておいたほうが安眠には効果的です。明日の試験の時間割に沿って、該当科目のまとめあげたポイントをおさらいするのもいいでしょう。しかし間違っても解けそうもない難問に取り組むのはやめてください。解けないと気持ちが高ぶり不安を増幅させるだけです。
緊張の余り眠れないことはあり得ますが、受験を明日に控えた受験生ならば誰でも多かれ少なかれ起こることで心配する必要はありません。君だけではありません。普段通りの時刻に就寝することです。いつもより早めに床に就くとかえって眠れなくなります。しかし、どうしても眠れないこともあります。こういうとき眠ろうとすればするほど余計眠れなくなるものです。こうなれば覚悟を決めて、目をつむる以外に方法はありません。寝床で目をつむっているだけでも頭は結構休まるものです。

 食事が大切なのは言うまでもありません。「腹が減っては戦は出来」ませんが栄養素にも気を配るべきです。脳を円滑に活動させるにはブドウ糖が必要ですから炭水化物や糖分をしっかり取る必要があります。そのほかにビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEも頭には良いようです。イライラを防ぐにはカルシウムが良く効くといわれます。こういうビタミン剤は錠剤で簡単に摂取できます。もちろん食事は消化のよいもの、胃に負担をかけないものを摂るようにしてください。

明日に備えて:
受験票、筆記用具は言うまでもありません。
弁当は持参する必要があります。不慣れな試験会場で昼食を求めて徘徊するなどということ避けるべきです。
試験会場のエアコンの状態は入室してみなければ分かりません。温度調節の出来る服装が望ましい。脱着できるジャンパーやカーディガンなどを用意しておいた方がいいでしょう。
小銭を含めてお金は多めに持っていたほうがいいでしょう。何が起きるか分かりません。場合によってはタクシーを利用しなければならないことになるかもしれません。
朝は早く起きて朝食はしっかり摂りましょう。試験開始の4時間前くらいには起きて、試験会場には30分前には到着すべきで、余裕をもって試験に臨んでください。

 先程、表に出てみると月は照り映え、小雪が舞っていました。午前零時です。二十日の卒業式には寒気が緩んで温かい一日でしたが、昨日から急に冷え込んできました。厳しい寒さです。しかしこの寒さも身も心も引き締める良い刺激になると考えれば却って好都合なことかもしれません。ものは考えようです。

 それでは明日の奮闘と幸運を祈ります。

 文責: 山本正彦

2008年02月22日

 進路の部屋

  現在進路指導室はこの二月から高校二年生が昼休み月曜日~金曜日まで
 12時50分~1時10分まで当番を決めて解放しております。
 また放課後は進路の教師が3時30分~4時30分まで但し水曜日は会議の為
 開室しておりません。
 進路室にはもう来年度の資料も入ってきております。
 是非、興味を持って進路室に足を運んでください。
 センター試験までもう一年ありません、時間を大切に自分の目標をしっかり
 見つけて計画を立て努力していきましょう!

2008年02月20日

第50回卒業式

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 今日は久々に暖かい日差しに恵まれ、また沢山の関係者に見守られ、落ち着いた素晴らしい式となりました。

2008年02月18日

久々の登校日!

  本日高校三年生は20日に行われる卒業式の練習のため登校!
 やはり学校はすべての教室が生徒で一杯が基本ですね。
 活気があります。
 受験が終わった人、これからの人、今日本番の試験会場へ行っている人
 それそれだと思いますが20日の卒業式には全員一緒にと思います。
 人との出会い、そして別れ、節目、節目の大切さをもう一度考えて下さい。
 そして素敵な卒業式良い思い出をつくってください!  

2008年02月15日

数学の雑学4

 今日は、高校入試の日です。私の学校では、1月19日の中学前期A日程入試から今日の高校B日程入試まで5回の入試を行ってきました。問題作成から採点まで大変でしたが、今日で入試も終わります。受験生にも「お疲れ様」と言いたいですね。

 単位の話をずっとしてきましたが、今日が最後です。今日は、「SI接頭語」についてです。「SI接頭語」は、単位につけて10の一定倍を表します。「SI接頭語」には、大きい数を表す方として、10倍の「デカ(da)」、10の2乗(100)倍の「ヘクト(h)」、10の3乗(1000)倍の「キロ(k)」、10の6乗倍の「メガ(M)」、10の9乗倍の「ギガ(G)」、10の12乗倍の「テラ(T)」、10の15乗倍の「ペタ(P)」、10の18乗倍の「エクサ(E)」、10の21乗倍の「ゼタ(Z)」、10の24乗倍の「ヨタ(Y)」があります。
  また、小さい数を表す方として、10の-1乗(1/10)倍の「デシ(d)」、10の-2乗(1/100)倍の「センチ(c)」、10の-3乗(1/1000)倍の「ミリ(m)」、10の-6乗倍の「マイクロ(μ)」、10の-9乗倍の「ナノ(n)」、10の-12乗倍の「ピコ(p)」、10の-15乗倍の「フェムト(f)」、10の-18乗倍の「アト(a)」、10の-21乗倍の「ゼプト(z)」、10の-24乗倍の「ヨクト(y)」があります。
 「SI接頭語」としての最大数は、10の24乗倍の「ヨタ」ですが、日本では、「塵却記」に、それより大きい数を表す単位があります。日本の単位では、10の28乗倍が「穣(じょう)」、10の32乗倍が「溝(こう)」、10の36乗倍が「潤(かん)」、10の40乗倍が「正(せい)」、10の44乗倍が「載(さい)」、10の48乗倍が「極(ごく)」、10の52乗倍が「恒河沙(こうがしゃ)」、10の56乗倍が「阿僧ギ(あそうぎ)」、10の64乗倍の「不可思議(ふかしぎ)」、10の68乗倍の「無量大数(むりょうたいすう)があります。
 また、欧米では、10の100乗が「グーガル(googol)」、10の300乗または600乗が「センティリオン(centilion)」があります。すごい大きな数の単位ですね。あまりぴんときませんね。

2008年02月14日

数学雑学3

 今日は、バレンタインデーですね。女の子は、意中の男の子にチョコレートをあげたのでしょうか。受験生には、考えている暇がないかも知れませんが、自分の志望校に受かるように頑張ってください。

 昨日の続きです。今日は、「組立単位」についてです。「組立単位」には、まず、面積を表す「平方メートル(mの2乗)」、体積を表す「立方メートル(mの3乗)」、速度を表す「メートル毎秒(m/s)」、加速度を表す「メートル毎秒毎秒(m/sの2乗)」があります。
 この4つを基本としますが、これ以外にも現在は、固有の名称と記号を持つ組立単位があります。平面角を表す「ラジアン(rad)」、立体角を表す「ステラジアン(sr)」、周波数を表す「ヘルツ(Hz)」、力を表す「ニュートン(N)」、圧力・応力を表す「パスカル(Pa)」、エネルギー・仕事・熱量を表す「ジュール(J)」、仕事率・工率・電力を表す「ワット(W)」、電荷・電気量を表す「クーロン(C)」、電位・電圧を表す「ボルト(V)」、静電容量を表す「ファラド(F)」、電気抵抗を表す「オーム(Ω)」、コンダクタンスを表す「ジーメンス(S)」、磁束を表す「ウェーバ(Wb)」、磁束密度を表す「テスラ(T)」、インダクタンスを表す「ヘンリー(H)」、温度を表す「セルシウス度(℃)」、光束を表す「ルーメン(lm)」、照度を表す「ルクス(lx)」があります。高校生なら、これらの単位、物理で習っていませんか。私も遠い昔、全部ではないですが、ほとんど習ったことがあります。そして、それらの単位は、別の単位の組合せによってできています。奥が深いですね。
 次回は、「SI接頭語」などについてお話しします。

2008年02月13日

数学雑学2

 高校3年生の諸君、あと1週間で卒業式ですね。風邪に気をつけて受験頑張ってください。
 
 昨日に引き続き、今日は細かい「単位」の話をしましょう。国際単位系(SI)は、基本単位7個と、基本単位を組み合わせて作る組立単位、そして、10の倍量・分量を表すSI接頭語からできています。
 基本単位は、①長さを表す「メートル(m)」、②質量を表す「キログラム(kg)」、③時間を表す「秒(s)」、④電流を表す「アンペア(A)」、⑤熱力学的温度を表す「ケルビン(K)」、⑥物質量を表す「モル(mol)」、⑦光度を表す「カンデラ(cd)」の7個です。
 それぞれの定義は難しい(訳分からないものもあります)ですが、①の「メートル」は、1/299,792,458秒の時間に光が真空中に伝わる行程の長さです。②の「キログラム」は、重量でもない力でもない質量の単位であって、国際キログラム原器の質量に等しい。グラムではなくキログラムなのは、グラムの原器が小さすぎて、キログラムの原器の方が大きさ的にちょうど良かったようです。③の「秒」は、セシウム133の原子の基底状態の二つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の9,192,631,770周期の継続時間です。④の「アンペア」は、真空中に1メートルの間隔で平行に置いた無限に小さい円形断面積を有する無限に長い2本の直線状導体のそれぞれの流れ、これらの導体の長さ1メートルごとに2×10の-7乗ニュートンの力を及ぼし合う不変の電流です。⑤の「ケルビン」は、水の三重点(液相の水と固相の水(氷)と気相の水(水蒸気)とが平衡状態を保って共存する点)の熱力学的温度(つまり0℃)の1/273.16です。⑥の「モル」は、0.012キログラムの炭素12の中に存在する原子の数と等しい数の要素粒子または要素粒子の集合体(組成が明確にされたものに限る)で構成された系の物質量とし、要素粒子または要素粒子の集合体を特定して使用する、とされています。⑦の「カンデラ」は、周波数540×10の12乗ヘルツの単位放射を放出し、所定の方向におけるその放射強度が1/683ワット毎ステラジアンである光源の、その方向における光度です。
 難しいですね。次回は「組立単位」についてです。

2008年02月12日

数学雑学1

 関関同立など、だいたいの私立大学の入試が済み、結果が受験生に送られていることだと思いますが、どうだったのでしょうか。合格した者も残念ながら不合格だった者も学校に連絡してほしいと思います。担任の先生は待っていますよ。また、東京の私立大学を受験する者は今から本格的に始まり、そして、国公立大学が第1志望の者は、前期入試まであと2週間と少しになりました。今、自分の受験する大学の過去問題などに取り組み、最後の追い込みをしていると思いますが、最後までしっかり頑張ってほしいと思います。良い結果が出るように祈っています。

 久しぶりに帰ってきました。この1週間は数学雑学について書きたいと思っています。今回のテーマは「単位」です。数学というより、理科の分野に近いと思います。
 「単位」は、現在、国際単位系(SI)によって定められています。国際単位系とは、基本的にはメートル法による単位系です。1790年、フランスの外交官、タレーランの提案により、地球の子午線の長さをもとに1メートルの長さを決め、すべて10進法で表現するメートル法が制定されました。その後、1875年、メートル外交官会議でメートル条約が成立しました。そして、メートル法は、長さ・質量・面積だけでなく、時間・電気・光・熱などの量も含むようになりました。その後、1960年、第11回国際度量衡総会(CGPM)で、国際単位系(SI:システム・インターナショナル・ヂュニテス)が制定されました。日本では、平成5年(1993年)から、改正された新計量法によって、SIではない単位が一定の期間を定め廃止され、現在は全面的にSIに移行しています。従って、今現在ではほとんど全ての単位が全世界的に統一されているといえます。
 では、次回からは細かい話をしていきましょう。

2008年02月08日

がんばってる受験生に聴かせたい曲 final

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1993年にリリースした6枚目のシングル。初のミリオンセラーとなった・・・・・これ以上のコメントを挟むのはよそう。

負けないで/ZARD                 作詞 坂井泉水  作曲 織田哲郎

ふとした瞬間に 視線がぶつかる
幸運のときめき覚えているでしょ
パステルカラーの季節に恋した
あの日のように輝いている あなたでいてね

負けないで もう少し最後まで走り抜けて
どんなに離れてても 心はそばにいるわ
追いかけて 遥かな夢を

何が起きたって ヘッチャラな顔して
どうにかなるサと おどけてみせるの
今宵は私と一緒に踊りましょ
今もそんなあなたが好きよ 忘れないで

負けないで ほらそこに ゴールは近づいてる
どんなに離れてても 心はそばにいるわ
感じてね 見つめる瞳

youtubeには1994年のライブがアップされている。下のURLをコピーして,アドレスバーに貼り付けてください。
http://jp.youtube.com/watch?v=oZTFGRbrl1Q&feature=related


2008年02月07日

がんばってる20年前受験生だった方にも聴かせたい曲3

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1987(S.62)年,当初は予備校CMソングとして,のちには中学校の音楽教科書(「中学音楽 音楽のおくりもの 2・3 上」教育出版刊)にも採用された,岡村孝子さんの代表曲。本来は失恋ソングですが,応援歌として卒業式などでよく流れます。もちろん詞もいいんですが,アレンジが上手で,元気が出るようにうまく雰囲気を造っています。ですので,この曲を聴くなら,やはり当時の歌声のままで。それで,youtubeの数ある中から,当時のものを見つけてきました。下のURLをコピーして,アドレスバーに貼り付けてください。

http://www.youtube.com/watch?v=PW_kP5uwp7A&feature=related

夢をあきらめないで  作詞・作曲 岡村孝子

乾いた空に 続く坂道
後姿が 小さくなる
やさしい言葉 さがせないまま
冷えたその手を 振り続けた
いつかは 皆旅立つ
それぞれの道を 歩いて行く

あなたの夢を あきらめないで
熱く生きる 瞳が好きだわあ
負けないように 悔やまぬように
あなたらしく 輝いてね

2008年02月06日

がんばってる受験生に聴かせたい曲2

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ご存じ,TVドラマ「ショムニ」の挿入歌。B'zっぽい男2人の音楽ユニット,SURFACEが2000年4月に発売したシングル。彼らのPV(プロモーションビデオ)を見たら,「なんだこりゃ?」って,必ず引いてしまいますが,本当の姿はかなりかっこいい
(公式ページで確認あれ。http://www.surface.net/index2.html)。


ゴーイングmy上へ   作詞 椎名慶治  作曲椎名慶治/永谷喬夫

自身がなくなっちゃって(なんちゃって)
本当はやりたいくせに
"無理”なんて言っちゃって(言っちゃって)
後悔するぐらいなら
going my way

自身がなくなっちゃって(なんちゃって)
本当はやりたいくせに
"無理”なんて言っちゃって(言っちゃって)
後悔ばかりしてる

弱音やグチなんて吐きたいだけ吐けばいい(吐けばいい)
失敗もいいじゃん!!(いいじゃん)
次につながっていくなら そうでしょう?(going my way)

ゴーイングmy上へってな具合に(具合に)
悩みなんか三角コーナーにポイッ!!(ポイポイッ!!)
びびって小っちゃくなってる自分に(ちょいと)
ワンツーパンチ! くらわせちゃえばいいんじゃない?

ヘマばっかやっちゃって (やっちゃって)
そのたんび落ちこんじゃってる
まっ白になっちゃって (なっちゃって)
なんも手につかない

逃げ出しちゃう事なんて簡単に出来ちゃうけど (そうだけど)
それでいいの? (いいの?)
それじゃ中途半端リタイヤじゃん!! そうでしょう? (going my way !!)


*youtubeでみたい方は下記のURLをコピーして,URLバーに貼り付けてください。
http://jp.youtube.com/watch?v=-5xJCNmqlEw

2008年02月04日

がんばってる受験生に聴かせたい曲

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コブクロのシングルデビュー曲。2001年,サッカー・ワールドカップオフィシャルスポンサーだった東京海上火災のCMソングに使われ,一躍オリコンチャート4位のヒット曲となりました。
少しアップテンポなところが凹んだ気持ちを慰めてくれます。ただし,聴くならスタジオ録音よりLIVE盤を薦めます。
*youtubeでみたい方は,下のアドレスをコピーして,アドレスバーに貼ってください。

http://jp.youtube.com/watch?v=1NJV0dZ218M

♪YELL~エール(一部紹介) 作詞・作曲 小渕健太郎

 どんなに小さなつぼみでも 凍える冬を越えればほら
 春が来るたびに 鮮やかな花が咲くのだから
 あなたが今日まで歩いてた この道まちがいはないから
 春には大きな 君が花になれ

 見送る友の顔に目を伏せ 走り出す窓に
 もう戻れない その不安を
 希望だけじゃ断ち切れないでいるけど

 今 君は門出に立っているんだ 遥かなる道をゆくんだ
 誇り高き勇者のよう 風立ちぬその道のどこかで
 君を探してるんだ 誰かが君を待ってるんだ
 思い描く夢のもよう いつの日かその目に映せ


 どんなに大きなつぼみでも 凍えて冬に負ければほら
 春の風さえも浴びぬまま 枯れてゆくのだから
 寒さに負けないで あなたの足跡 誰かがたどるよ
 いつの日にか 春の風になれ

 現実と夢が今 遠くかけはなれていても
 そう 無駄じゃない(無駄じゃない)
 その姿を 遠い場所で 誰かが見てるのさ

2008年02月01日

我が受験の頃(3)

 中学受験から始まって職員採用試験まで数々の受験をしてきたが、わたしは中学入試を除いてはいつも周囲の予想を裏切って、ラッキーだと言われる。というのも、例えば模試の判定で言えば、第一志望はいつもCかDのレベルでしかなかったのだ。
 中学入試は失敗した。前日まで自信をを持っていたのに、問題が配られたとたん頭が真っ白になった。頭蓋骨の中に上質な脳みそが詰まっている実感が消えて、ただ沸騰した愚鈍な液体がぼこぼこと湯気を噴き上げてる感じ。冷静であればできるはずの、算数の文章題の答が確かめをするたびにちがってしまう。国語の長文も、読んでも読んでも頭にはいらない。結局、周囲の期待を見事に裏切って、不合格。
 ショックだった。いったい自分はどうしてしまったのだ。でも、そのショックを人に知られるのはかっこわるいと思った。で、合格発表をみた帰りに母親と寿司屋に入って、実は味もわからない状態で、それでも平静を装って巻きずしを食べていたら、「悔しくないのか」と言われた。わたしは生まれて初めて殺意のようなものを感じた。そして落ちた自分を呪った。
 あの中学受験の時の精神状態を「上がっている」とか「緊張しすぎ」というのだろう。大切なのは集中することであって、緊張することではない。緊張しすぎることは集中を妨げ、普段の力を封じ込めてしまう。高校受験を経た頃になってわたしはそのことを実感としてわかるようになった。
 もう十年以上前になるだろうか、わたしはミュージカル「ラ・マンチャの騎士」の楽屋へ、今は亡き上月晃さんを訪ねたことがある。楽屋へ通じる通路でテノールの、故友竹正則さんが舌をぺろぺろ出しながら「ア、エ、ア、エ、アー」と歩き回っている。開演15分前のことである。体の力を抜いているのだ。最高の喉の状態で歌えるように本番前に緊張を解き集中を高めていく儀式のようなものである。 舞台でも、またスポーツでも、優れた人々はみな集中を最高度に高める方法を身につけていると聞く。
 入試でも集中することは大切だ。そしてミスや錯覚をゼロにすれば、普段同等の実力を持つ相手には勝てる。また、それまでの模試ではC判定であってもB判定の相手に最後の最後で勝つことも集中の仕方しだいで可能なのだ。
 だから本番はおもしろい。
(田畑保行)