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2013年05月31日

山崎直子さんを迎えて

 来週末(6/8)に、学園講堂にて文化講演会が開かれます
今年は宇宙飛行士の山崎直子さんをお迎えして『宇宙・夢・人をつなぐ』をテーマに開催です。山崎さんは、東京大学工学部 航空学科卒業、同大学院へ進み、 航空宇宙工学を専攻。修士課程修了後、宇宙航空開発研究機構(JAXA)に勤務。そこで宇宙飛行士としての資格をとり、1999年に宇宙飛行士候補者に選ばれました。
 そして、2010年に2人目の日本人女性飛行士としてスペースシャトル『ディスカバリー』に搭乗し宇宙へ。国際宇宙ステーション組立ミッションに参加、10日間滞在しました。2011年にJAXAを退職後も、まだまだ宇宙への大きな夢をお持ちです。

 そんな山崎さんの著書を集めました。
夢をつなぐ~山崎直子の4088日 (角川書店)
 スペースシャトルの事故目撃した中3の時に、宇宙へ行く決意をした山崎さん。そこから夢を実現するためにした苦労と努力。家族の支えと応援への感謝。
 宇宙飛行士の試験に合格し、長い長い訓練をへて夢の宇宙へ。そして無事任務を終えて帰還するまでを綴った1冊

何とかなるさ!~ママは宇宙へ行ってきます (サンマーク出版)
 妻であり母でもある山崎さんが家庭とどのように両立させているのか、パーソナルな部分もかかれた1冊。
 宇宙飛行士候補になってから11年。夢に向かってつらい訓練。体力的なものはもちろん基礎工学や語学などを含めた訓練科目は230科目。なかでも、真冬のロシアでのサバイバル訓練の過酷さ!(これは着地失敗時に、救助隊到着までに生き残るための訓練) 山崎さんがこれらの訓練を乗り越えられてきたのは「何とかなるさ」という楽観的な性格のおかげだったそうです

瑠璃色の星 (世界文化社)
 宇宙から眺めた地球、ステーション内での仕事の様子等の写真とともに、山崎さんが世界中の子どもたちにつたえたかった大切な事

宇宙飛行士になる勉強法 (中央公論新社)
 未来の宇宙飛行士に伝えたい、宇宙へ行くための94の学び方

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2013年05月28日

新着図書紹介 12

 テレビでおなじみの黒柳徹子さんがトットちゃんとよばれているのを、今の中高生のみなさんは知っていますか。この黒柳さんの子どもの頃のニックネームは、ユニークな幼少時代を綴った自伝小説 窓ぎわのトットちゃん/黒柳徹子(講談社) で一躍有名になりました

トットちゃんと地球っ子たち/田沼武能 (新日本出版社)
 トットちゃんは1984年に国連児童基金(ユニセフ)の親善大使に任命されて以降、世界各地で様々な活動をしてきました。そこに同行取材を続ける写真家・田沼さんによる28年間の活動の記録です
 タンザニアから震災後の宮城県まで、訪れた国は28年間で30か国。干ばつや津波などの自然災害、食料不足や貧困。戦争などで飢えや手足を失った子。不衛生な環境で感染症により生死をさまよう子。大人の都合で何もわからず苦しみ傷つく子どたちの姿に、トットちゃんはしばしぼうぜんとしながらも、現実にしっかり向き合い子供たちを抱きしめます
 懸命に生き抜き、笑顔を見せてくれる。どんな子どもも幸せになってほしいという、2人の願いがあふれている写真と記録です。

脳がしびれる科学の時間/長沼毅 (河出書房新社)
 宇宙、地球、生物、テクノロジーの4つの分野での最新の科学知識をわかりやすくつたえようとする1冊。
 例えば現在、世界中で研究が進められている宇宙エレベーター。
 童話「ジャックと豆の木」の天空にある巨人の家まで続く豆のつるから由来し、別名『beanstalk=豆のつる』  しくみは?というと、24時間で地球1周する衛星を打ち上げる。すると地球の自転の速度と同じなので、止まっているように見える。そこから地上にケーブルを降ろし人を乗せた箱が上下する。うん、エレベーターです。
 そんな説明を聞くとなんだか実現できそうですよね。ただし時速200キロで運行、36000キロ上空のターミナル駅まで片道7.5日。さすが宇宙、週末にちょっと・・・というわけにはいきません

   
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2013年05月23日

新着図書紹介 11

 以前、山本美香さんのこと紹介した時、一人の先生に「どうしてジャーナリストは、危険とわかっている紛争地に行くんでしょう?」と尋ねたことがありました。「情報戦に惑わされず、そこで起こっている本当の事を世界に伝えるため」なんじゃないかと言われましたが、それでも「どうして?」と思ってしまいます

 あらためて、その質問の答えが書かれているのが

山本美香という生き方/山本美香・日本テレビ (日本テレビ放送)
 生前、山本さんが書いた『中継されなかったバグダッド(小学館・2003年)』を収録、公私ともに山本さんのパートナーだった佐藤和孝さんによって山本さんの様子も語られています
 バグダッドのホテルで起こった信じられない出来事。「外国人ジャーナリストがいることで、最悪の事態を防ぐことができる。抑止力になれる」という強い志。でもいつも慎重に慎重を期し「自分は死なない」と暗示をかけ、紛争地に向かいます。残されたノートには、「前を向いて歩きながら考える」という言葉が残されていたそうです。

 その佐藤さんが2人で取材を始めた頃の様子(主に食事の事)を書いたのが

戦場でメシを食う/佐藤和孝 (新潮社)
 どんな状況下でも「食」というのは、人間の活力であり、楽しみである。それは、兵士も住民もジャーナリストも同じ。
 イスラム圏で厳格に教えを守る人もいれば、(現地の人にすれば)得体のしれない日本食に興味津々「一口、食べたい!」という人もいたそうです。
 1日中歩いた雪山の月明かりの下で口にしたガチガチに凍ったナン(パン)、紛争地の最前線の即席カフェで飲んだチャイ、強盗に会い何もかも奪われ悲壮感に満ちていた時に手渡されたブドウ。
 映像では伝えることのできない「食感」を、伝えたかったそうです

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2013年05月22日

新着図書紹介 10

かなりや/穂高明 (ポプラ社)
 高校生の広海の家は代々続くお寺。祖父の大和尚から不思議な力を受け継いだ広海は、「裏の世界」に入り込むことができる。「裏の世界」とは、生死の境をさまよっている人がたたずむ世界。そこで広海は出会った人を「表の世界」へ連れ戻すことができる(助けられる人に色々条件はあるし、広海はまだ修行中だけど)
 子どもの頃に身についたこの不思議な力。思慮深い広海はむやみに行動せず、物理量子学の理論をもって自分なりに受け入れ、向かい合っていきます。
 「表の世界」でつまづき、「裏の世界」で広海に出会った人たちが、再び歩き始める様子をかいた連作小説


ローカル線でいこう!/真保裕一 (講談社)
 県下最大のお荷物、もりはら鉄道(通称:もり鉄)は、廃線の危機に直面する赤字ローカル線。起死回生をはかって、社長に就任されたのは新幹線のカリスマ・アテンダント篠宮亜佐美。
 「お金がないなら、知恵を出すのよ!」亜佐美のユニークなアイデアと行動力で、社員達、もり鉄や沿線の町が活気づいていきます。が、そんな時、もり鉄の前に数々の事件やトラブルが発生。社員一丸となり計画した「もり鉄フェスティバル」は成功するのでしょうか?!
 新しいものを作ればいいってわけじゃない、今あるものを再生する。もり鉄に明日はあるのか、元気の出るお仕事小説です


いよう!/山田宗樹 (ポプラ社)
 「いよう!」子どもの頃から、ふらっと現れてピンチを救ってくれていた哲彦のおじさん・清治郎。まじめで努力家の父親とは兄弟とは思えない。破天荒で周りの人達を振り回し、定職につかず自由に生きてる、でも強くてかっこいい大人。そんな生き方に哲彦があこがれるエピソードの数々。
 でも、哲彦も高校、大学、社会に出て結婚と、成長していくにつれ、ヒーローだったおじさんとの関係も変わってきます。それでも、そんなおじさんは哲彦にとって、家族の絆を深めてくれた「忘れられない人」なんです

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2013年05月20日

新着図書紹介 9

 図書だよりから、新着図書の紹介です

きじかくしの庭/桜井美奈 (アスキーメディアワークス)
 ちょっとした誤解で仲たがいしてしまった子、好きだった人に突然フラれてしまった子、自分の居場所が家にも学校にも見つけられない子。
 高校生の彼女たちと、あんまりやる気はないけれど彼女たちをほってはおけない田路先生が悩みを共有する場所は、学校の片隅の荒れ果てた花壇。一緒にキジカクシ(アスパラガス)を育てながら、それぞれの悩みを目の当たりにして、田路先生自身も自分の悩みに向き合っていく。ちょっと元気が出るハートウォーミングなお話です


王妃の帰還/柚木麻子 (実業之日本社)
 女子校に通う中2の範子。仲良しグループで地味ながらも楽しい学園生活を送っています。
 ある時「腕時計事件」をきっかけに、カリスマ性と美しさでクラスの女王的な存在だった姫グループの滝沢さんが、その地位から失脚、範子たちの地味グループに迎える事に・・・。それによってグループ内が混乱!滝沢さんを密かに「王妃」と呼んでいる範子は、何とかしてお城(姫グループ)へ帰還させ、穏やかだった日々を取り戻すため作戦をねり、奮闘します

2013年05月16日

憲法を知っておかなくちゃ

 国民が守るルールは法律です、そして国家が守るルールが憲法ですよね。その憲法を改正しようという議論がこのところ現実味を帯びています。まず憲法の改正手続についてかかれている第96条を見直そう(憲法が改正しやすいようにしよう)という動きです。先日の国会では、その件に関して各党が意見表明、これは初めての事です。
 憲法は、国家が暴走しないよう国民が国家をコントロールするために取り決められたルールですから、丁寧に検討していかなければなりません。もちろん他人ごとではないですよね。

 中高生のための憲法教室/伊藤真 (岩波書店)
では、中高生が憲法を学んでおく意味の1つに、将来、憲法改正の為の国民投票が行われる時に備え自ら判断できる力をつけるため、とあります。誰かが「もう古くなったから変えた方がいい」と言っているのをマネするのではなく、自分の頭で考えることが必要だからです

 なぜ憲法はあるのか、本当に必要なのか、これから憲法はどうなっていくのか、そんな疑問に応える 憲法はむずかしくない/池上彰 (筑摩書房)

 映画「それでもボクはやってない」やドラマ「救命病棟24時」などを具体例にあげ解説する 僕らの憲法学~「使い方」教えます/田村理 (筑摩書房)では、憲法はムシ食いで暗記するものではなく、私たち一人ひとりが「使う」ものだとあります

 また、憲法の大切さを子ども達に伝えたいと、作家・井上ひさしさんが小学生向けに行った授業をまとめた子どもにつたえる日本国憲法(講談社)
やさしいことばで日本国憲法/池田香代子・訳 (マガジンハウス)、
憲法なんて知らないよ/池澤夏樹(集英社)
 では、憲法全文がわかりやすくかかれています

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2013年05月15日

中間考査、せまる

 体育大会の余韻を楽しみつつ、すでに今日は中間考査1週間前を切りました。
テスト勉強にやってくる様々な学年の生徒達で、混み合っています。
ルールを守って、みんなが気持ちよく使える場所にしましょう。


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 18(土)の午後には図書室下の会議室にて、卒業生による学習支援(質問会)もあります。こちらも利用してみては?

2013年05月09日

中学1年生へのおすすめ本

 先日、中1生に配布した『おすすめ本リスト』のコーナーつくりました
リストは、ひばりの図書室で中学生に人気のある本を取り上げたものです。小学生の時に読んでいたシリーズの続きを見つけて喜んでいる人もいました。

 リストとは別に、中1生でも手に取りやすいタイプの日本の古典や文学作品も集めてみました。文庫本にはまだ少しなじみがない人も、イラスト入りやわかりやすい言葉で書かれたもの、マンガ等、手に取ってみませんか?もちろん、中1生以外の人もどうぞ。

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 この1か月、中1生と図書室で関わってきて思ったこと。今年は本の貸出の際「ありがとうございました」といえる人が多いですね。対応していてとても気持ちがいいです。きっと図書室以外でも、当たり前に言えているんだな、と思えます。

2013年05月07日

富士山が世界文化遺産に

 富士山とその周辺の神社や湖沼等を合わせた25のスポットが、ユネスコの世界文化遺産に登録される見通しになりました。
 20年前から世界自然遺産の登録を目指していましたが、特に富士山特有の固有種が多く見られたわけでもなく、山中のゴミ問題もあり落選し続けていました。
 そこで今度は、古くからの山岳信仰と芸術的な価値の面から、文化遺産としての登録に切り替えます。葛飾北斎「富嶽三十六景」や歌川広重「東海道五十三次」 江戸時代から富士山は多くの芸術家に描かれ、その作品はゴッホやモネらにも影響を与えてきました。それらを踏まえ、今回の登録になったようです。
 
 静岡と山梨にまたがる富士山ですが、関西からも眺める事が出来るって知っていましたか?(ただしそれなりの標高の山がポイント地点ですが)
「富士見」の謎 一番遠くから富士山が見えるのはどこか?/田代博(祥伝社)
登るのではなく「眺める」富士山にとことんこだわった一冊。富士山は20の都府県からその姿を望むことができるのだそうです。

 ところで、富士山を人間に例えると何歳ぐらいでしょう?火山の寿命はだいたい
100万年。富士山は誕生してからまだ10万年ですから、人間でいうと10歳。元気な育ちざかりの『活火山』、若い山なんです。

 もし富士山が噴火したら/鎌田浩毅・高世えり子 (東洋経済新報社)
京大で火山学の研究をする鎌田さんがイラストやクイズ形式で火山の災害について書いた1冊。もし東京出張中に富士山が噴火したら!(大阪のサラリーマン・コタケくんが様々な困難と状況を乗り越え、大阪に帰ることができるのか!?)
東日本大震災は、日本列島の地殻のバランスを大きく変化させてしまいました。今後起こる可能性として、知っているということは大事だといいます

 富士山にのぼる/石川直樹 (教育画劇)
10代の頃から世界を旅し、エベレストなどの七大陸、最高峰すべてに登頂を果たした冒険家・石川さん。原点となった山を言葉と写真でつづった絵本

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2013年05月01日

日本一速い高校生

 週末、広島で行われた陸上の第47回日本グランプリシリーズの100Mで、京都の高校3年生・桐生祥秀選手がジュニア世界記録に並ぶ10秒01という記録を出しました。国内では歴代1位の伊東浩司選手のもつ10秒00に次ぐ、2位というすごい記録です
 単純に考えると10メートルを1秒で走る!わけですが、もちろんスタートからそんなスピードが出るわけではありません。専門家の話を読むと、日本人は平均50~60メートルあたりでトップスピードが出るそうですが、桐生くんは40~50メートル地点でトップスピードが出る、素晴らしい加速力の持ち主なんだそうです
 こんなニュースを聞くと来週末の体育大会へ向けて、モチベーションが上がってきますね(こないですか・・、大縄跳びしか出ない・・という人も、あげていきましょう!)

 じゃあ、速く走るにはどうすれば?
日本人の足を速くする/為末大(新潮社)
 サムライ・ハードラーのニックネームを持つ、元400Mハードルの日本代表にもなった為末さん(2012年に引退)が走る極意をかいた1冊
 日本人はもともと足の速い民族なんだそうです。でも、身体的には外国人選手にはかないません。それならばと、為末さんは日本人の体型をいかすことを考えた筋力アップの方法や走る姿勢を見つけていきます
 名付けて「コケない走法」 自然に真っ直ぐ立って、ほうきが倒れる様に体全体を前に倒す、そうするとひとりでに足が前にでるので、それを繰り返す。世界のトップランナーは胸を反りかえすように走るスタイルがスタンダードですが、倒れこんでいく力を利用して走るのが日本人の体型には一番合った走法だと為末さんはいいます。 読んで試してみますか?

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