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後藤健二さんの事

 数日前、「イスラム国」によって二人の日本人の方が拘束され、以降緊迫した状況が続いているのは、ニュースで取り上げられているので知っていますよね。
 その一人がジャーナリストの後藤健二さん。本も出版されていて、図書室でも2冊の蔵書がありました。
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 ルワンダの祈り/後藤健二(汐文社)
今から20年前、アフリカ中部の国・ルワンダで起こった内戦は、民族が違うというだけで昨日まで仲良くしていた隣人同士が争いあうという想像を絶する悲惨な戦いでした。絶望と悲しみしかない中、家族がバラバラになってもお互いを信じて、内戦を生き延びた一家を追った物語です。

 北欧・エストニア、ロシアとの国境にある住民の90%がエイズウィルス(HIV)感染者と言われる町を取材した エイズの村に生まれて/後藤健二(汐文社)
 完治させる薬はないけれど感染原因もその予防法もわかっているエイズは、他の伝染病に比べてふせぐ事のできる病気です。でも、日本を含め現在もその発症を止めることが出来ない。
 後藤さんが町で出会ったのは、出産間もない16歳のナターシャと彼女の娘です。ナターシャは、この国でエイズウィルスに感染しながらも子どもを産んだ初めてのケース。まだ、検査は出来ませんが、十分、母子感染が疑われます。これから乗り越えていかなければならないものがたくさんある二人、そしてこの町で感じた絶望感と孤独感を忘れることができないそうです。

 現在、ルワンダは内戦を終え新政権が樹立し新しい国として生まれ変わっています。エストニアでも、エイズに対する取り組みが進み、感染者も減って来たそうです。

 報道で紹介されているように、後藤さんは戦争や難民に関わる問題や苦しみのなかで暮らす子どもたち、弱い立場の人達にカメラを向け、世界各地を取材しています。そして、感じたこと体験してきたことを、帰国後、各地の小中高校などで若い世代に向けて発信もしています。
 すごく遠く離れているように感じるけれど、世界は案外、狭い。遠くのどこかの国の話ではないことを知ってほしいと活動されています。 無事に解放されることを願います。