« こんな本を読んだ ⑨ | メイン | 大暑 »

「バベルの塔」展

 16世紀のネーデルランド絵画を代表する巨匠・ピーテル・ブリューゲル。聖書の物語や日常の人々の暮らしなど、素朴さの中におかしみや教訓などを盛り込んだ作品で知られる画家ですが、現在、真作の油彩画は40点ほどしか残されていないといわれています。
 そんなブリューゲル作品の中でも最高傑作と言われる『バベルの塔』が来日、現在、大阪の国立国際美術館で「バベルの塔」展 が開催中です。

 「バベルの塔」とは、旧約聖書 に出てくる伝説の塔です。ノアの洪水後、一部の人々が「天にも届くような高い塔を建て有名になろう」と不埒な計画を立てます。それを見た神が怒り、「彼らは一つ民で、皆が一つ言葉を話しているからこのような事になるのだ」と、人々の言葉を混乱させ意思疎通ができないようにし、世界に四散させ、建設を中止させたとされる寓話に登場します。

 地平線まで見渡す風景にそびえたつ巨大な塔と、その中に描きこまれた建築現場や米粒ほどの大きさの1400人もの人々。壮大なスケールと細部の緻密な描写。不可能の企ての例えとしても使われる「バベルの塔」を見られるチャンスです。

 併せて、ブリューゲルを始め多くの画家に影響を及ぼしたヒエロムニス・ボスの作品も来日展示されています。こちらはうってかわって奇想天外な怪物たちがはびこる空想世界を描いた作品。これってかわいい?不気味? 

            babel01.jpg   
 今回の展覧会に合わせて出版されたブリューゲルへの招待/朝日新聞出版(朝日新聞出版) 図説聖書物語(河出書房新社)と一緒に並べて展示した途端、早速併せてかりられていきました。夏休みに観に行くのかな?