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物理「初心者」が、最先端の研究施設へ

― 阪大「原子核実験施設バンデグラフ」見学 ― 
11月3日、1年生の男子生徒4人が大阪大学(豊中市待兼山町)の「原子核実験施設バンデグラフ」を見学しました。そこでは、最先端の研究を行っている研究者から直接、放射線や原子核についての説明や実験施設の見学を通じ、生徒らは高校では味わうことのできない「知的興奮」を感じていたようでした。

 この日は、大阪大学の大学祭「まちかね祭」の1日目。大学はサークル団体などがバザーを行うなど、普段とは異なり、大勢の学生らでにぎわっていました。それにあわせて、各研究室、施設は研究紹介、施設見学を実施しています。見学した男子生徒は、教室に掲示した案内を見て参加しました。

 施設内では、まず真っ暗な研究室に通され、シンチレータ(蛍光物質)の発光原理について説明を受けました。まだ物理の学習を始めたばかりの彼らにとって、飛び出す専門用語は難解なものばかり。しかし、彼らは”くいさがるように”質問をぶつけ、現象の「イメージ」はつかめたようでした。

 次の部屋では、放射線を検出する「ガイガーカウンター」で周囲にある放射線を測定。昆布など身近なものからも放射線が出ていることに驚きました。

 最後に、施設の中心「バンデグラフ加速器」の見学へ。「バンデグラフ」は500万ボルトの高電圧で加速した高エネルギーのイオンビームを用い、原子核の内部を探る実験施設。施設の外からは円筒状のコンクリートの塔がそびえたち、隠れた「阪大名物」(同施設ホームページ)となっています。そこでは、コンクリートブロックで固められた部屋に通され、実験概要の説明を受けました。

 高校では見ることのできない実験施設。そこで行われている研究のごく一部を垣間見て、生徒らは物理への興味が一層わいたようでした。現在、1年生では2年以降での文理選択指導を行っています。その際、高校での学習内容ばかり考えて、あるいは高校での成績ばかり考えて文理選択を行うのではなく、このような大学見学を通して将来進む道を考えてほしいものです。

「大阪大学大学院理学研究科物理学専攻核物質学グループ」のページ
http://vdg.phys.sci.osaka-u.ac.jp/index.html