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中学生に読ませておきたい本 5

 今度の火曜日に4冊の課題図書を読み終わります。55期生にはこのほかに44冊の指定図書のリストを渡してありますので、図書室を利用して読んでもらおうと考えています。今回はその中から藤原正彦の「若き数学者のアメリカ」を取り上げます。新潮文庫の100冊にも含まれていますから、入手もしやすいでしょう。
 今年話題になった「国家の品格」の著者として知られる藤原正彦は、お茶の水女子大学理学部で教鞭をとる数学者です。その藤原正彦が1970年代にアメリカへ研究員として招かれたときの孤独や苦悩を描いた体験記が「若き数学者のアメリカ」です。この作品は第26回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した、彼のデビュー作といってもよい作品です。「遙かなるケンブリッジ-一数学者のイギリス-」とは異なり、「向上心」をもってひたむきに過ごした青春が描かれているので、中学1年生にも伝わりやすいと思います。父親の新田次郎から文章修行を励まされて独特の随筆スタイルを確立した著者の作品を1つは読んでおいて欲しいと思います。A.M.