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増大する日本の借金

    日本の借金とGDP
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  今、ギリシャをはじめとする先進諸国の借金が問題視され、財政を縮小する動きが出てきています。借金の額はそれぞれの国の経済規模が異なるため、通常GDPに比べてどれ位の割合になっているかを見ることになっています。これによると、日本の借金は年々増え続け、ついに800兆円を越える膨大な金額になり、世界各国の中でも突出した水準になっています。GDPは1990年までは順調に増加してきましたが、バブル崩壊後の20年間はほとんど増えず、これまで横ばいの状態が続いています。そのため、GDPとのギャップが年々拡大することになりました。失われた20年と言われる所以です。どうしてこういう膨大な借金になったのでしょうか。その理由は低迷する経済を立て直すために、日本各地で公共事業を起こしたこと、高齢化に伴い年金や医療費が増加するにもかかわらず抜本的な見直しを行なわなかったこと、消費税等の税金を上げなかったこと、国民が生活のレベルを下げることを怠たったこと等です。
  通常、これだけの借金を他の国からしていると、以前にアルゼンチンが経験したように、国が破綻するということになります。現在、ギリシャの危機が囁かれているのも、ギリシャ国債を外国が購入しているからです。しかし、日本があまり問題にされないのは、日本国民が1400兆を超える個人資産を有しており、国債のほとんどを購入しているからなのです。言い換えると国が国民から借金している、国民の貯金が国債に変身しているということになりますが、借りたものは返さなくてはいけません。従ってこれからは日本も歳出を抑え、財政を再建していく必要があります。国民一人ひとりがこの状況を正しく認識し、依存心をなくしていくことが大切ではないでしょうか。