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学校経営~戦略の構築は少人数で行なう

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  最近の世の中を見ているとあらゆる部門で二極化という現象が生じてきています。相次いで発表される企業の決算発表を見ても過去最高の利益を達成するところがある一方で、大幅な赤字を計上するところもあります。これは学校経営についても同じで、従来以上に学校間の格差は拡大してきていますが、この原因は激しく変化する環境への対応のスピードの差です。
  世の中の変化が小さく、すべての物事が安定的に流れている場合には部分的な修正を加えていくだけで大きな問題は生じません。そのためこういう状況が永年続いてきた分野では環境が変化してもこれまでと同じやり方を踏襲しようとします。「生徒数が激減する」「情報化やグローバル化が進展する」「企業の求める人材が変わってきている」といったことがわかっているにも関わらず、これまで思い切った手を打たず安易な方向に流れているところが目に付きます。そして、何か新しいことをやろうとしても〝金がない〟〝人がいない〟〝時間がない〟〝情報がない〟といった理由でなかなか前に進まないことが多いのです。この状態ではいつまで経っても学校改革は進みません。これを打破するためにはまず経営トップの〝自分達の学校は自らつくる〟という強い思いと他校にない独自の戦略が必要です。
  『戦略の失敗は戦術では補えない』という有名な言葉がありますが、今ほど戦略の重要性が問われる時代はないと思います。また、他校の良い点を学ぶという姿勢は大切ですが、他校のやり方をそっくり真似てもうまくいきません。他校にない特色を打ち出すという差別化戦略が必要なのです。そして、留意しなければならないのは、戦略構築は必ず経営のトップである校長と教頭を含めた少数のブレーンで行なうということです。衆知を集めなければと考えて、全員の意見を聴くとまとまりがつかなくなります。ビジョンと戦略はトップダウンで、経営計画と具体的な施策はボトムアップを中心に進めていくというのが基本です。