« アイソン彗星が接近 | メイン | 「第二の誕生」 »

「金盞香(きんせんか さく)」

 きょうは「立冬」の末候、七十二候第五十七候「金盞香(きんせんかさく)」です。「きんせんか」とありますが、春に円い花をつけるキク科の金盞花(きんせんか)ではありません。冬の花でも香り高いことで人気のある水仙をさしています。この辺りでは、水仙の咲くのはもう少し後になります。淡路島の立川水仙郷では、12月下旬から2月下旬にかけて畑一面に咲き乱れる景色を見ることができます。ここは、越前海岸(福井県)、鋸南町(千葉県)とともに、日本三大水仙群生地として有名なところです。
 「立冬」は、初候「山茶始開(つばき はじめて ひらく)」、次候「地始凍(ち はじめて こおる)」、末候「金盞香(きんせんか さく)」となっています。「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」と「暦便覧」は説明しています。地面の土が固く凍てつくといった、寒く、暗い冬の到来ですが、そこに山茶花や水仙の花が咲くといった対照的なものを持ってきて冬をイメージする。厳しさの中にも、次に向けての明るさや希望を見いだすという捉え方が、私は好きです。
 有毒植物とされる水仙ですが、日本ではお正月の花としても喜ばれるています。おめでたい気分が感じられます。海外では「希望」の象徴ともされているようです。これから本格的な冬の到来と同時に受験シーズンを迎えます。辛さや厳しさの側面だけでなく、目標を実現した時の喜びをイメージして乗り越えたいものです。