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内田樹さんの本

 11月7日、学園で行われる内田樹さんの講演会を前に、本の紹介です(残念ながら講演会は保護者の方対象ですが・・・)
 
 内田さんの特技は『頭が理解できないことでも、身体が理解できること』だそうです。身体は頭より一億倍物知りなので、身体が「気持ちいい」と言ったら、おとなしくそれにしたがってごちゃごちゃ理屈は言わない
 そんな内田さんの著書は、フランス文学、哲学、武道、身体論と幅広く、「下流思考」(講談社)や「街場の〇〇論」のシリーズなど多数、図書室にも所蔵しています

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私の身体は頭がいい(文藝春秋)
 たとえば、人はみんないろいろな荷物(責任やいろんなもの)を抱えています。そこでちょっと「私の責任は皆の責任」と言って荷物をおろしてみる。そして逆に「皆の責任は私の責任」と切り替え人の荷物をかついでみる。自分の荷物は重く感じるけれど、他人の荷物は軽く、いくらかついでも重みを感じない。そして、自分の荷物の重みはその人が「他人の荷物をかわってかつぐ」という決断をした瞬間に消える

「やりたいこと」「好きなこと」が何かわからなくて、将来について悩んで知る人も多いですよね

子どもは判ってくれない(文藝春秋)
 職業選択というのは「好きなことをやる」のではなく、できないこと・やりたくないことを消去していった果て「残ったことをやる」ものだ。好きなことを仕事にしていいなあ」と見える人は、好きなことがはっきりしているのではなく、嫌いなことや出来ないことがはっきりしている人なのである

 自分に対して敬意をもつべきだ。それにはまず自分の身体を丁寧に扱うことが必要。自分自身がしたがっていることは何か、リラックス?緊張?休息?活動?欲している食べ物は?音楽は?それらを感じ取ること(身体感受性)がまずその第1歩
 身体感受性の働いている人は、他人の身体にも働かせられる。この人はどういう動作をしたがっているか、何をされたいのか、一緒にいる人について理解し自然に反応できる。そういったささやかな積み重ねが、人の気持ちがわかる人という社会的評価につながるのである

 2冊とも雑誌に寄稿した文章やエッセイを集めたものなので、どれも数ページずつのの文章。中高生にも読みやすいですよ