雲雀丘学園の歴史を紐解く~模範を示す
前述の本校初代校長の板倉操平氏は更に『わが心の自叙伝』の中で、先生が模範を示すことの大切さを次のように語っておられます。
〝模範を示すということは、吾々凡庸にはおこがましいが、あれかしと思うことはつとめて躬行(きゅうこう・身を持って実行すること)する。それが生徒に感染すること、伝染病の伝播よりも疾(はや)し。これは訓育ばかりではない。勉強も同様。先生が研究もせずして、生徒に勉強せよ、勉強せよと言っても生徒が勉強するようにはならぬ。教師自らたえず研究に従事している。机の上にはいつも専門書が開かれている。寸暇を見つけて、それを読んでいると、それが自然に生徒達にも及ぶものである。・・・・≪以下 略≫〟
よく「後姿を大切にせよ」ということが言われますが、生徒達は家庭では親の背中、学校では先生の背中を見て育っていきます。従って、まず親や先生が自らの姿勢を正していくことが何よりも大切です。そのためには、挨拶の励行、キッチリした服装、時間厳守、規則・ルールの遵守、整理整頓、正しい生活・学習の習慣づくり等を実践していかなければなりません。
私自身も最近、世の中の政治・経済のトレンドや企業・新技術の動向、教育問題、環境問題等さまざまなことについて勉強するようにしていますが、あまりにも知らないことが多く、更に努力の必要性を感じています。特に現在のように変化が大きい時代にあっては、絶えず自己研鑽していかなければ、知識や技術、ノウハウ等あらゆるものが陳腐化してしまうことになりかねません。
今一度、原点に立ち返って、本校の教育方針である〝家庭と学校の連携による『共育』〟と〝生徒・保護者・親が共に学ぶ『共学』〟について考えていきたいものです。