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2013年10月31日

頑張れ受験生

 きょうで10月も終わりです。今年も残すところ後2ヶ月となりました。11月からは大学の公募制推薦入試が解禁となります。高校3年生は、補習や講習とともに、面接や小論文指導などの個別指導も熱心に受けています。大学・高校・中学と、いよいよ受験の本番を迎えることになります。
 私たちは、大学受験は送り出す方になりますが、高校や中学は受け入れる立場になります。どちらの立場にも共通することは、その学校の特徴や方針を良く理解する(してもらう)ことになります。その為にはオープンスクール(キャンパス)や説明会などが重要な役割を果たします。本校もオープンスクールは中学・高校とも各2回、説明会は各3回実施しますが、今年は説明会を各1回残すのみとなり、中学は今週末の11月3日(日)が最後の説明会となります。関心はあるが参加はまだといわれる方は、是非本校の施設・設備など学校見学とともに教育方針や本校の目指すものなどに耳を傾けに来ていただきたい、と思っています。ご来校いただければ、教職員や生徒とも出会う場面があります。学校の雰囲気や様子を肌で感じ取っていただけることになると思います。
 「こうしたい」、「こうなりたい」という思いが強ければ、それを実現させるための努力を惜しまないし、成果も上げられるものです。目標を成就した時の喜びやそのことによって得る新しい生活をイメージして、それを力に目の前の辛さや苦しさを乗り越えてほしい、と願っています。すべての受験生に心よりエールを送ります。

2013年10月30日

「本物の学び」に注力

H25.10.30%20-%20%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BC.jpg 学園に在籍する幼稚園、小学校、中高等学校の園児・児童・生徒の家庭に配布される学園情報誌「ひばり」の巻頭言に「本物の学び」を書きました。受験を考えておられる方に参考になればと思い、その一部を紹介します。

 「今、中高等学校は『本物の学び』に注力しています。単なる知識の習得だけを目指すものではありません。生き方と結びついた『学び』です。『学ぶ』は、教わる通りに本を読んだり、物事を考えたり、技芸を覚えたりする『まねぶ』の変化といわれます。『まねる』ことにより、今まで出来なかったことが出来るようになり、更に新しいものに挑戦しようと意欲をもって課題に挑むようになるものです。授業の受け方も、必ず予習をして臨み『出来た』という成功体験とともに新たな発見に出会い、『よっし、次は』と意欲的に取り組む『正のスパイラル』へと進めるようにしたいと考えています。
 日常の授業を基本にしながら、授業で学習する範囲を超え興味・関心のあることを追究させることも大切だと考えています。その具体例が、鳥取大学・徳島大学・名古屋大学で実施しています『サイエンスキャンプ』やサントリー生物有機科学研究所での『最先端科学実験教室』や『研究者体験』などです。中学生や高校生が大学の先生や研究者の方に直接指導をしていただき、深い『学び』を行っています。これらの参加者の中から、日本生物学オリンピックも昨年の敢闘賞から今年は銅賞へとステップアップしています。大学との連携は、昨年一大学、今年は念願の医学部を含め三大学へと広がっています。来年は更に大学や分野も広げていく計画を立てています。『本物の学び』を通して『学び』のモチベーションをアップさせる、それをテコに受験勉強にも対応する力をつけさせる、これが中高等学校の目指す方向です。」(第289号 平成25年9月26日発行)

2013年10月29日

なぜ私立中学受験か

 きょうの新聞に兵庫県の私立高校・中学募集要項概要が掲載されています。県全体では高校・中学とも前年度より募集人数が減になっています。
 少子化や経済状況などから私立中学を受験する人数が減少し、私立中学校にとっては厳しい状況が続いています。高校と違い中学は義務教育ですから、あえて私立を選択しなくても公立へ進学することは出来ます。公立中学校は、長年積み上げられてきた経験から規格化・標準化された教科指導・学級指導と受験指導法をもっておられます。毎年本校の高校にもたくさんの優秀な生徒が進学してきていることを見てもわかります。ならば、なぜ私立中学受験をするのか。公立が大多数の人に対応する指導法に対し、私立は独自の教育方針、男子校・女子校・宗教教育など旗幟鮮明な教育方針を持っています。それが各校の創立・建学の精神です。共感できるものを選択することができます。と同時に、高校受験に追われることなく中高6年間を見据えて、本当の学ぶ楽しさや可能性を引き出す教育ができるところにあります。
 本校では、興味・関心のあることには中学の学習範囲を超えるものにも挑戦させています。中学1・2年生をメインにしたSPPメンバーは近畿大学水産研究所で、3年生は鳥取大学や名古屋大学のサイエンスキャンプ等がそれに該当します。環境教育も然りです。環境問題は理系・文系の枠に留まらず、いろんな分野の知識や力が必要になります。これらを通して将来の自分の進む道を模索させ、それを「学び」のモチベーションアップに反映させることを考えて取り組んでいます。

2013年10月28日

来年度中学入試の特徴

 平成26年度雲雀丘学園中学の入試における最大の特徴は、一貫選抜(一貫)・発展の2つのコースで募集する最後の年になるということが上げられます。平成27年度入試、現在の小学校5年生からは、一貫のみの募集になるからです。雲雀丘学園の学校改革が第三ステージに入ることになります。
 来年度は、第二ステージ最後の学年、第三ステージへの橋渡しになる学年を迎えることになりますから、従来のコース制とは少し違った位置づけになるように考えています。従来は、中学3年間はコース間の移動は行いませんでした。なぜなら、高校進学時に発展から、特進と一貫と同じ進路目標を持つ選抜特進(選特)に分かれることになります。授業進度の違いを気にすることなく高校から新たなスタートを切ることが出来るようになっています。これが雲雀丘学園のコース制の特徴でした。これを、来年度入学する生徒は、第三ステージを展望し一貫と発展の両コースの授業進度、進む速さにあえて違いを出さず、深度、学びの深さにおいて一貫は深い学びを追究し、発展は授業展開によっては一貫と同じ深さを求めるものの、基礎・基本をシッカリ学ぶことに重点を置いた学習を行います。進む速さはほぼ同じになりますので、来年度入学生は、入学時点では一貫か発展に分かれますが、入学後の頑張りによって学年進行と共に発展から一貫へのコース変更が可能になります。
 3年後、高校進学時に発展がすべて一貫か選特になるようであれば第三ステージと同じ姿になります。これを目指す取り組みこそ、第三ステージの内容なのです。

2013年10月27日

学校説明会の活用

 今年度予定されています入試説明会は中学・高校とも各3回です。その内2回が終了しました。中学は11月3日(日)、高校は12月7日(土)を残すのみとなりました。
 お蔭さまで、2回の説明会をトータルしますと、中学・高校とも昨年の同時期より多くの方に参加していただいていることになります。参加者の内訳を見ますと、初参加の方の割合が一番多く、次は2回目となり、3回目、4回目という方もおられます。説明会は2回終了したところですから、3・4回目の方は外部での説明会にも参加していただいている方ということになります。そのうちの初参加の方の占める割合が例年より多くなっているのが、今年度の参加者増の要因と考えています。
 受験を検討されている方にとって受験校を訪れるということは、その学校のことを良く知るということだけに留まらず、受験に対するモチベーションをアップさせることにも繋がります。また、2度、3度と訪れると初めての時とは違ったものが見えてきたりします。説明を実施する側の立場からしますと、3回行うとすれば、基本的に3回とも同じ内容をお話しすることになりますが、実施する時期にあわせた特徴的な内容を含めたりする工夫をしています。最終回ともなれば、受験に向けてより具体的な内容などをお話しすることを考えたりします。
 中学受験まで3ヶ月足らずになりました。しかし、まだまだこれから力を伸ばすことが可能ですし、力を伸ばさなければいけない追い込みの時期でもあります。その取り組みを加速させる役割に学校説明会を活用することが出来ると思います。

2013年10月26日

沖縄研修旅行によせて

 中学3年生は、中学生活の最後を締めくくる宿泊行事となる「沖縄研修旅行」を11月に控え事前の取り組みを行っています。昨日は皆で千羽鶴を折っていたようです。
 この研修旅行の学習の柱は環境学習と平和学習になります。美ら海水族館、大度海岸でのイノー観察、琉球大学での環境学習、平和祈念資料館、「ガマ」の見学などが計画されています。事前の学習がシッカリしたものであれば、現地での学びがより深いものに変わります。また、目の前を通りすぎる景色の見方も変わってきます。事前学習は研修旅行の心構えや行程表、持ち物の確認をするだけのもではなく、重要な役割を持っています。
 研修旅行は3泊4日で実施されますが、その内の2泊は伊江島での民泊です。この島での生活が研修旅行の大半を占めることになります。伊江島は沖縄本島の本部半島から北西に位置する周囲22kmの島で、島のほぼ中央部に標高172mの城山(ぐすくやま)が特徴的な景観を見せています。島には伊江中学校がありますが高校はありません。伊江中学の生徒は卒業すると、親元を離れて本島の高校に進学することから「一番早く自立する中学生」と言われているそうです。その島の民家にお世話になることになります。思春期の課題を持つ中学3年生です。2泊3日という短い間ですが、そこでの生活を通して「家族とは」、「親とは」、「親が子を思う気持ちとは」等について考えたり、学ぶ機会になると思います。1年生での自然学舎、2年生での林間学舎とは違った「自立」へ向けての「学び」が課題になる宿泊行事でもあります。

2013年10月25日

大賞に最優秀賞を受賞

 嬉しい話題が二つあります。一つは、「日本ジュニア数学コンクール」で、中学3年生が「大賞」を受賞したというものです。昨年度は優良賞でしたので、優秀賞を飛び越しての受賞になります。「日本ジュニア数学コンクール」は主に全国の中学生を対象として、高校生対象の「日本数学コンクール」「論文賞」とあわせ、名古屋大学の支援のもと優れた数学的思考力、探求心、創造性を備えた人材を育成することを目的として行われているものです。
 二つ目は、二松學舍大学主催「全国学生・生徒漢詩コンクール」の「生徒鑑賞文部門」において「最優秀賞」と「佳作」を受賞したことです。どちらも高校1年生です。358作品の中から選ばれて受賞したとのことです。学校としても団体奨励賞をいただきました。この漢詩コンクールは、中学生・高校生・大学生が日常の中で漢詩に親しみ、自身の教養を深める機会をつくることを目的として平成18年度から始まったものです。本校は初参加です。
 二学期早々に日本生物学オリンピックで高校3年生が銅賞を受賞しました。これも、昨年初めて本選に出場して敢闘賞をいただいたものが、今年は銅賞とステップアップしています。先輩が未知の分野を開拓して築き上げた到達点を後輩が追い越していくという循環になっています。
 学校での学びを基に、いろんなことにトライさせ、中学生には成功体験を多く、高校生には高い目標にチャレンジさせ挫折や試練を乗り越えて目標を実現させる強さを身に付けさせたいと考えています。

2013年10月24日

あすの校外学習は延期

 2つの熱帯低気圧が接近した場合、それらが干渉して通常とは異なる進路をとる現象のことを「藤原の効果」と言うそうです。1921年に当時の中央気象台所長だった藤原咲平氏が、このような相互作用の存在を提唱したところからこの名がついたと言われています。台風27号と28号の間に「藤原の効果」があらわれているのかどうかは定かではありません。ただ、27号の動きは非常にゆっくりしていますが、これから日本列島の南海上を通過し大雨を降らせることには間違いなさそうです。2週続けての台風です。一層の警戒が必要とされています。
 本来ならあすは、研修旅行のため当初から予定されていなかった中学3年生以外の5学年が校外学習の予定でした。計画では雨天の場合も想定したプログラムを用意していましたが、今回は台風が接近するというものですから、昨日延期の連絡をさせていただきました。高校3年生は、日程の都合で残念ながら延期ではなく中止となってしまいました。気持ちを切り替え、受験準備や進路実現に向けた取り組みに、より一層の努力をしてくれることと期待しています。
 台風の上陸はないにしても大雨や強風の影響は予断を許さない状況です。あすは授業になりますが、警報発令の有無など、安全を確認のうえ登校して下さい。

2013年10月23日

チョットいい話

 学園事務局に女性から電話がありました。内容は、19日土曜日の夕方6時頃、雨が降っていたのですが、阪急雲雀丘花屋敷の駅前を歩いている時その女性が転ばれたそうです。そこへ中学生と思われる女子生徒4人が駆けつけ、助けてくれたというのです。また、それを見ていた男子生徒も駆けつけ、転んだ拍子に壊れた傘を見て、自分の持っていた傘を使って下さいと声を掛けてくれたというのです。その方は、嬉しくて是非お礼を言いたいとして電話をかけてこられたという次第です。
 朝の職員朝礼でこの内容を話し、中高全クラスホームルームでこの話を紹介して欲しい旨訴えました。その後、担任からの報告によりますと、女子生徒は中学2年生と3年生、男子生徒は中学1年生と判明しました。この生徒たちは、本校の体育館で宝塚市中体連剣道大会があり、試合後の会場の後片付けを終えて帰宅する途中での出来事だったようです。苦情の電話をいただくときもありますが、このような「チョットいい話」もいただきます。悪い話は、事実関係を確認して指導しますが、今回のように良い話も生徒に投げかけ、考えさせる様にしています。
 利己的な行動が目に付く世の中ですが、自分のことを省みず他者のことを考え行動する利他的行動は、集団生活をする人間の本来持っている力の筈です。見返りを求めない他者への働きかけこそが人の心を打つものであり、他者のために力を発揮できる人こそが自分にも厳しく、本当に力のある人だと思います。

2013年10月22日

二学期も後半戦へ

 台風の進路が気になる今週ですが、二学期も後半に差し掛かりました。
 高校3年生はAO入試など合格の嬉しい知らせも入ってきています。推薦入試などが続きますが、センター試験に向けての取り組みや対策を強化する時期でもあります。高校1・2年生は後期のパワーアップ(PU)・ブラッシュアップ(BU)ゼミが始まっています。いずれも英語と数学の2科目、時間は90分で週2回となっています。授業との関連を考慮しながら、授業とは違った位置づけで内容は考えられています。一貫・選特全員を対象に本校教員が行うものがPU、特進の希望者を対象に外部講師が行うものがBUとなっています。7限後に行われ終了が午後6時になっていますが、疲れもみせず意欲的に取り組んでいるとの報告が入ってきています。滑り出し上々といったところでしょうか。
 中学生は学力推移調査を間近に控え、何が足らないかどこを伸ばせば良いのかなど今の自分の力を分析し対策を行っているところだと思います。併せて、中間考査の結果を受けて、学力サポートや指名補習も計画されているところです。中学3年生は高校進学の重要な時期に入っています。選特・特進どちらのコースを目指すのかも大切なところですが、自分の進むべき進路、生き方について模索・追求することを忘れてはいけません。
 栗、梨、柿や黒豆など旬な食材、秋の味覚が出回っています。「実りの秋」、立派な果実を実らせるとともに、来春に力強い新芽を出し大輪の花を咲かせる準備をするのが「今」です。

2013年10月21日

気になる台風

 毎週のように台風がやってきています。先週の26号は、伊豆大島(東京都大島町)に土石流被害をもたらしました。今週は27号が週末に接近するかも知れないとして気象庁は注意を呼びかけています。27号に続いて28号も発生し、何と今日現在で10月に5つの台風が発生しています。気象庁の調査によりますと、この20年間では、1994年に10月時点で34個、年間36個というのが最多記録として残っています。今年はそれに次ぐハイペースということになります。反対に、10月時点の最少記録は1998年の11個が記録されています。
 台風が多く発生している原因として気象庁は、9月は南シナ海からフィリピンの東の海上で、台風の発生に重要な海面水温が、平年より1度程度高い状態が続いたことなどで積乱雲の活動が活発になり、さらにフィリピンの東海上に向けて西からのモンスーンが平年より強く吹き込み、台風ができやすい状況だったことをあげています。
 海水温の上昇が台風発生に大きくかかわっていることになります。同じく海水温の上昇はサンゴの白化現象にも影響を与えていると指摘されています。地球温暖化がもたらす異常気象と生態系の変化ということになるのでしょうか。
 今週末は中学の学力推移調査や校外学習が予定されています。26号の傷跡が各地にまだ残された状態です。台風直撃がないことを祈りつつ、動向をよくみて早めの対応を検討したいと考えています。

2013年10月20日

第2回高校OS&説明会

H25.10.20.jpg 朝から雨が降っています。前回の高校OSと説明会は警報が出る雨模様の中で実施されました。これで今年のOSは終了ですが、2回とも雨となりました。
 生憎の空模様にもかかわらず、体験授業とクラブ見学は沢山の方に参加していただきました。説明会の方は、今までにも900席の講堂が満員になり急遽パイプ椅子を出したという経験がありますが、きょうはそれをも上回る過去最高の参加者でした。
 OSはこれで中学・高校とも今年度は終了しました。それにあわせて行っている説明会も各2回終了し、予定されているものは中学が11月3日、高校が12月7日の各1回となりました。
 中学受験は景気の動向もあり厳しいとの予測がある中、説明会や相談会には今のところ昨年を上回る方が来られています。多くの方が本校に関心を持っていただいていると感謝しています。
 高校受験の方は、大阪府が来年度から学区を撤廃、兵庫県は再来年度から学区を再編と公立の動きに注目が集まっているようですが、それらの影響もあってか動きが早く関心が高いように感じます。今まで講堂が満員になった説明会は最終回、12月の説明会でした。今回のように10月に超満員になったのは今年が初めてです。
 「今までから雲雀丘を存じ上げていましたが、イメージが変わりました」との感想を、説明会後の個別相談で何人もの方からいただきました。良き伝統を継承し、「創立の精神」を具現化する学校改革が結実しつつあると意を強くした次第です。

2013年10月19日

あすは第2回高校OSと説明会

 あすは高校OSと入試説明会が行われます。本校受験を検討している中学3年生にとっては、学校を知る絶好の機会になります。是非、保護者の方々とともに多くの受験生が参加されることを期待しています。
 さて、中学の3年間は、あっという間に過ぎ去ろうとしていると感じていると思います。しかし、高校の3年間はもっと早く感じることになると思います。時間の経過の感じ方に反し、中味の方はより充実したものになるはずですし、ならなければいけません。将来の自分の進路やどのような人間に成長していくのかなど多くの友人や先生・親と語り合い、影響を互いに与え合いながら自分の考えを確立していくことになります。学習する内容は、量も増え質も高くなってきます。部活動はより専門的になってきます。技術や技能の向上だけではありません。人間関係においても沢山のことを学ぶことになります。併行して、どの学部・大学を選ぶのかも考えなければいけません。中味を良く知らないと、大学の名前で選んでしまうことになってしまいます。
 高校の3年間は、将来の進むべき方向や人間としての土台を築く大切な時期です。多くの人との出会いや事象に遭遇することになります。その時の姿勢として「受け身」ではなく、「なぜ、どうして」、「自分ならこう考え、こうする」というように「能動的」に対処する姿勢を身につけてほしいと考えています。進むべき方向や遂行すべき課題を完璧に用意し、それに向かってただひたすら進ませるというのも良いかもしれませんが、「試行錯誤」、疑問や懐疑で時として立ち止まることも大切にし、自立を促す姿勢が重要だと考えています。
 この学校なら、この学校でこそと思えるところを受験校として位置づけ、合格に向け全力を傾けられることを願っています。

2013年10月18日

高大連携講座

 9月末に、大阪大学から高大連携講座を受講した本校生13名に修了証が送られてきました。今年の連携講座は、「生命機能研究科」「人間科学研究科」「免疫学フロンティア研究センター」「工学研究科」「全学教育推進機構」「医学系研究科」「行動経済学研究センター」「理学研究科」「保健センター」「情報科学研究科」「生命機能研究科」といった多岐にわたる分野で行われました。修了証をいただいた生徒には、「連携講座」として本校で単位認定をしています。毎年、10数名、多いときには20名ほどの高校2・3生が単位を取得しています。大阪大学以外に、関西大学、関西学院大学などで高大連携講座を実施しています。
 本校の高大連携の取り組みは、今から約10年前、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパスから、総合政策学部長、環境情報学部長を本校にお招きして生徒たちに講義をしていただいたのが始まりになります。その後、大学のキャンパスへ出かけての連携講座を模索し、大阪外国語大学(現在は大阪大学)の講義を高校2年生が受講できるという連携講座を実現しました。大学で講義を受けるということは、生徒のモチベーションアップには大変効果を発揮するものになりました。これが現在の高大連携講座へとつながっていると言えます。
 大学を持たない学園として、早くから大学との連携を目指してきた取り組みです。これらは希望者対象の取り組みになりますが、全高校生を対象にした「One Day College」では、毎年30大学から先生をお招きしての「出張講義」を実施しています。これらは「本物の学び」の重要な構成要素になっています。

2013年10月17日

最先端科学実験教室

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 中学3年生や高校1年生を対象にしたものが「サイエンスキャンプ」であれば、高校2・3年生を対象にしたものにサントリー生物有機科学研究所で行われる「最先端科学実験教室」があります。この実験教室は、「1日科学実験教室」と「研究者体験」の二つが行われています。
 「1日科学実験教室」は「PCRによる遺伝子の増幅と電気泳動による確認」、「増幅したPCR産物のDNA配列解読」、「共焦点蛍光レーザー顕微鏡による遺伝子産物から翻訳されるタンパクの細胞における存在の確認」の3種類の実習に分かれて行いました。
 また、「研究者体験」は①受容体遺伝子のPCRによる同定とその配列の決定(遺伝子配列を自動配列解析装置で解読)、②ホルモンが結合する受容体の決定と活性の強さの算出(自動細胞内シグナル解析装置を使用)の何れかを月曜日から金曜日までの5日間かけて実験を行いました。
 何れも高校生が学ぶ内容を遥かに超えた高度なものですが、同研究所の研究員の方が生徒たちに一生懸命指導して下さいました。これらの参加者の中から、昨年度は国立大学の推薦入試に合格した生徒、日本生物学オリンピックで敢闘賞を受賞した生徒が出ました。今年は同オリンピックで銅賞の受賞者が出ています。
 教室の中だけの学びではありません。本校は大学や研究機関とも連携して「本物の学び」を追求しています。単なる受験学力をつけることを目的としていません。「本物の学び」を通して受験にも対応する学力もつけることを目指しています。

2013年10月16日

サイエンスキャンプ

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 今年の夏に実施されたものです。1〜5までは鳥取キャンパス、6〜10までが米子キャンパスで実施されたました。( )内はご指導いただいた先生です。
1.「毛髪と食品中Hgレベルの分析」(寳來佐和子准教授)
2.「第3の液体,イオン液体の化学『磁性イオン液体をつくる』」(伊藤敏幸教授)
3.「風車工学入門-風車を作って実験してみよう!」 (原豊准教授,田川公太朗准教授)
4.「血液を調べる」(岡本芳晴教授)
5.「ガリガリ君を科学する!」(渡邉文雄教授)
6.「食事による胆嚢の形態学的変化に関する超音波学的検討」(広岡保明教授)
7.「見えない生物の世界」(釜洞俊雄准教授)
8.「神経活動を見てみよう」(木場智史講師)
9.「細胞から染色体までのミクロの世界を覗いてみよう!」(久郷裕之准教授)
10.「遺伝子実験を体験しよう」(難波栄二教授)

 詳細は「進路のへや」で報告されています。中学3年生と高校1年生を対象とした取り組みとして位置付けています。生徒たちにとって「学ぶ楽しさ」や進路意識の醸成に大きな影響を与える取り組みになっています。

2013年10月15日

20日は第2回高校OSと説明会

 今週末の20日は第2回高校オープンスクール(OS)と高校入試説明会を行います。説明会は申し込み不要になっていますが、OSの方は多くの申し込みをいただき先週末に締め切らせていただきました。
 二学期最初の実力考査や中間考査も終わり、中学3年生は志望校検討の作業も終盤に差し掛かっている頃だと思います。早くから志望校を決定している人もあるでしょうが、第一志望をどこにするのか、それが公立か私立かなどまだ決めかねている人も多いのではないでしょうか。さらに、高校受験の場合、2〜3校受験される方が多いですから、第二、第三志望校も決めなければなりません。いずれも進学する意志のある学校を選ぶ事が大切になってきます。決して「すべりどめ」といった安易な気持ちで受験校を決めてはいけません。高校進学後、不本意入学ということで進路変更をする生徒が少なくないのも現実です。受験に際して自分にあった学校、是非入学したいと思える学校を見つけ出すことが大切です。その為には、必ず自分で足を運んで調べてみることがポイントになります。
 雲雀丘学園は「人間力」と「学力」を備えた「社会で活躍するリーダー」を育成すべく、「本物の学び」を軸に学校改革を進めています。改革も今春卒業した第一ステージの生徒から第二ステージへと移行し、更に第三ステージへ向けて改革を行っているところです。改革の到達点を理解し、次のステージへ向けての改革の担い手として活躍してくれる生徒の入学を期待しているところです。

2013年10月14日

体育の日

 きょうは、雲一つない澄み切った青空の形容がピッタリの「体育の日」です。「体育の日」は、もともと1964年に開催された東京オリンピックの開会日(10月10日)を記念して設置されたものです。2000年(平成12年)からは「ハッピーマンデー制度」の適用により、10月の第2月曜日となり、今年は14日になっています。
 文科省は、体育の日に合わせて2012年度の体力・運動能力調査を公表しました。それによりますと、小中高校生の体力は全体的に回復傾向にあるようですが、1985年頃のピーク時の水準には達していないようです。回復傾向にあるなかで、小中高男子の握力が低下しているというデータがあります。「日常生活の変化で、蛇口などをひねるなどの握力を培う機会が失われていることが要因ではないか」とみている研究者もあるようです。また、70代の体力は若返っている反面、35〜39歳は男女とも体力・運動能力が低下しています。仕事や子育てで忙しく、運動する時間を取りにくいのが影響していると考えられています。
 生活スタイルと体力・運動能力は大いに関係しています。機械化などで生活が便利になってくると、それと引き替えに失われるものもあるということになります。それを補う役割を果たすものが、運動やスポーツです。その機会を作る上で、時間や場所といった困難や制約がありますが、何とか工夫したいものです。それを再認識し、決意を新たにするのが「体育の日」の役割になりそうです。

2013年10月13日

「大人版PISA」二分野で日本1位

 日本の子どもたちの学力低下が論じられています。そのときのデータとして、OECD(経済協力開発機構)が行った国際学力調査(各国の15歳対象)が取り上げられます。この調査(PISA)は、子どもの「知識量」をはかるのではなく、「実生活で役立つ能力」をどれだけそなえているかを 調べる目的で行われ、読解力・数学的応用力・科学的応用力の3項目が調査されます。2000年、03年、06年、09年、12年と5回調査は行われ(12年の結果はまだ)、読解力(8→14→15→8位)、数学的応用力(1→6→10→9位)、 科学的応用力(2→2→6→5位)と全体的に下降傾向になっているところから問題視されています。
 一方、つい先日OECDは、2011〜2012年に初めて実施した国際成人力調査(16〜65歳を対象)の結果を発表しました。「大人版PISA」と呼ばれるものです。これによりますと日本は、3分野のうち読解力・数的思考力の2分野で1位と好成績でした。なお、ITを活用した問題解決能力は10位です。ただ、16〜24歳に限った結果をみると、読解力は1位、数的思考力は3位、IT能力は14位と少し下がります。ここにもPISAの2000年以降の下降傾向が反映していると言えるかも知れません。反面、25歳以上の成績は非常に良いことになります。
 日本人の学力の高さを、学生時代の知識の「詰め込み」の賜物だと紹介している海外メディアもあるようですが、義務教育の長さや高い高校進学率と高校での幅広い必修科目、日本独特の教育システムの反映の結果だということは間違いありません。古いもののなかに、引き継がなければいけない大切なものがあることを教えていると思います。

2013年10月12日

「流れに棹差す」

 明治8年の統計開始以来、最も遅い真夏日の記録を更新するなど日中は暑い日が続いています。とは言え、朝晩は秋らしくなり季節は進んでいるようです。
 中間考査が終わり、ホッとする間もなく行事が目白押しです。きょうは、中学1年生学年懇談会、中1・2の有志が取り組むSPP(サイエンスパートナーシッププロジェクト)に筑波大学の林 久喜教授をお招きして『世界の食糧問題を考える』をテーマとした講義、学園PTA協議会(幼・小・中高のPTA役員会)が行われました。週明け、高校の選抜特進・一貫コースは駿台模試が控えています。高校1年生は文理選択の一次調査も行われます。翌週は中学の学力推移テストです。中3は高校進級時のコース分けの重要な資料になります。
 一方、来年度入試の準備も大詰めです。多くの申し込みをいただき締め切らせていただきました高校のオープンスクールは、この20日が最終になります。あわせて、第2回目の高校入試説明会を実施します。今まで実施してきました中学や高校の説明会は、昨年と比べますと初めて参加される方の割合が多いのが今年の特徴です。今まで本校に関心を持っていただけていなかった方が参加されていると考えています。
 秋の日は釣瓶落とし、日の暮れが早く一日が短く、季節の進行が早く感じられます。来年度に向けての準備も季節と同様に進んでいます。この進行に遅れることなく、自らの意志と取り組みでこの流れをリードしていきたいものです。

2013年10月11日

考査は終了したが・・・

 中間考査が終わりました。しかし、これで終わりではありません。この後、答案が返ってきてます。これからが重要です。何が理解できていて、何が理解できていないか、また理解していたつもりが間違った理解をしていたところなどが明確になるからです。
 試験勉強の成果があらわれ満足のいく答案ができた人もあるでしょう。反対に、一生懸命学習して取り組んだつもりが全く歯が立たず悔しい思いをしたり、ケアレスミスで出来る問題を間違ったりとさまざまなケースもあったことでしょう。この熱い思いがある間に、もう一度学習し直すことは非常に有効な学習になります。間違ったところは二度と同じ間違いを繰り返さないようにシッカリ記憶として定着することになるでしょう。答案返却後の学習は有効で大切な学習です。この学習を大切にする人が力をつけることになります。単に正誤を確認し、点数に一喜一憂しているだけではダメです。喜びを継続した学習をする原動力に、悔しさを次の飛躍のバネに変えることが出来るはずです。
 考査が終わりホット一息という気持ちはよくわかります。しかし、今までの努力を真に実らせ、より有効なものに変えることが出来るかどうかは、この後の学習にかかっています。
 事前と事後、この二つがあって初めて全ての取り組みは完結します。気持ちを切り替え、事後の対応を大切にしましょう。

2013年10月10日

センター対策

 中間考査も最終日を迎えるだけになりました。しかし、これからは、一つ終わったとといってもゆっくりしている間はありません。模擬テスト、学力推移テストなど、中学、高校を問わずテストが目白押しです。高3は大学入試もあります。
 大学入試といえば、「センター試験」の出願も無事終わり、試験まで100日を切ったと「進路のへや」にも書かれています。年々入試に採用する私立大学も増え、国公立大学のためだけの試験ではなくなっています。「センター試験」を制する者が大学入試を制することにもなるといえます。本校でも、「センター試験」を重視し、その対策に力を入れているところです。
 入学試験は言うまでもなく選抜試験です。ある得点分布に受験者が集中していては選抜できなくなります。ですから、多くの受験者がある中で受験者間に差をつけるような問題作成が行われます。易しい問題と難しい問題をバランスよく配置するとか、それほどの難問ではないが、問題量を多くして時間と競わせるなどの工夫が行われます。ましてや、多くの大学が採用する「センター試験」では、得点分布が高得点から広く分布するように工夫されています。8割、9割以上得点しないとダメな大学もでてきます。一定の学力層が受験する個別試験(二次試験)とはこの点が違ってきます。当然、記述式のテストではなくマーク式ですから、問題の選択ミスやマークミスといった独自の課題もあります。大量の問題文を早く的確に読みこなし、後からの見直しもスムーズに出来るような解答の仕方など普段からの対応が重要になってきます。分かっていたのに間違うという取りこぼしが「命取り」になります。
 学力アップの取り組みと同時に、「センター試験」独自の対策が重要になってきます。

2013年10月09日

中間考査後半戦に向けて

 台風24号による風と雨の被害、警報発令による臨時休業による考査への影響など心配していましたが、大きな混乱もなく考査2日目を終えることができました。
 さて、今までの出来はどうだったでしょうか。思い通りの結果を出せたものもあれば、ミスによる取りこぼしもあったかもしれません。前半戦の反省を生かし、後半戦に臨んでほしいところです。
 「よし、やった!」という達成感が、次も頑張ろうとする気持ちを生み出す原動力です。しかし、だからといって簡単に次も上手くいくとは限らないのが現実です。それというのも、脳科学からみると、脳は達成感を感じると働きが低下するといわれています。だから、時として、うまく行った後にミスをすることがあるそうです。スポーツ、勉強共にあてはまるようです。難問に挑戦していて、解法の糸口が見つかり出来ると思ったところが、簡単な計算を間違ってしまったりとか、私自身は体験からこのことはよくわかります。
 では、どうすれば良いのでしょうか。うまく行った後のミスを防ぐ方法としては、具体的な目標を立てて臨めば良いといわれています。「よし、出来た。この調子で次も頑張ろう」ではだめなようです。どこかに落とし穴はないか、引っかけは無いかなど、次にチャレンジするプロセスを意識することが大切だといわれています。さらに、脳は環境が変わることを嫌うクセもあるようです。試験だ、と過度に意識したり、入試など違う環境になると脳の働きが鈍くなり、思わぬミスを犯すそうです。普段通りの行動や初めての所は下見などして見慣れた景色にしておくことが効果的なようです。
 シッカリ学習することを基本に、その成果をシッカリ出せるように気持ちの持ち方や「脳のクセ」を理解した対処法も大切です。

2013年10月08日

「鴻雁来(こうがんきたる)」

 「秋は、夕暮。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず」。枕草子です。ここに出てくる「雁などの連ねたる」の雁(がん・かり)は渡り鳥として有名です。V字型に隊列を組んで北から飛来してきます。きょうは、第四十九候「鴻雁来(こうがんきたる)」です。
 私たちの小さい頃は、雁といえば枕草子より「赤城の山も今宵限り、・・・あゝ、雁(かり)が鳴いて南の空へ飛んで往(い)かあ」という国定忠治にでてくるセリフで覚えています。いずれにしても、越冬するために北から南へ渡り鳥が飛来してくる頃をあらわしています。
 越冬する準備といえば、新しい年を迎える準備ということになります。渡り鳥は餌も豊富な暖かい南の地に移動して準備をしますが、私たちは、場所を変えるというよりも成長するための準備ということになります。高校3年生は進路を切り拓くための準備、その他の学年は人間的成長を含めた進級の準備です。季節の移り変わりは、私たちの成長の進捗状況をはかる尺度になっています。これに後れをとることなく、取り組みや準備を行う必要があります。
 冬を南で過ごした雁は、新年度を迎え春には「鴻雁北(こうがんかえる)」と飛び立っていきます。どのような力を付け、成長して飛び立つかはこの時期の努力にかかっています。

2013年10月07日

あすから中間考査

 台風24号の進路が気になるところですが、あすから中間考査が始まります。
 小テスト、実力考査、定期考査に模擬テストなどたくさんの種類のいわゆる「試験」というものがあります。これらの「試験」は内容や質の違いはあっても、その実施時の知識の獲得状況や理解度を「診断」するという点においては同じ役割を果たします。ならば、「試験」前に集中して学習せずに平常の延長で臨むことが、本当の自分の力を「診断」することになるのでしょうか。日常の生活習慣がデータとして蓄積され、それを測定する健康診断ならいざ知らず、学習した時点では理解できていたとしても、後になると問題解法のための基礎的要素や事項を忘れてしまうことがある学習にはあてはまりません。必要事項をシッカリ復習し、暗記すべきことは暗記して問題解法にあたり出来るのか出来ないのかを問わなければいけません。
 「彼を知り己を知れば百戦殆からず」。よく知られている孫子の兵法です。相手の力の分析と同時に自分の力の分析が大切で、過小評価や過大評価は敗戦の元になります。「試験」は戦ではありませんが、正しい自己分析が大切だと言うことは同じです。本来力があるのに点数だけをみて、自分はこんなもんだと意欲をなくして努力を継続しなかったり、反対に一夜漬けの丸暗記で高得点を取ることができたとして、それが自分の力だと過大評価してはいけないということになります。
 十分な事前準備、考査前の学習と考査後の正確な分析の上に課題を見つけ出し、対策を立てることが力を伸ばしていく道です。まずは、十分な事前準備学習をして臨むところから始まります。

2013年10月06日

忘却曲線

 中間考査前の休日はきょうで終わりです。あすは午前中授業で、火曜日から考査になります。二学期の中間考査は、考査から考査までの期間が一番長い考査です。学習した内容も多く、試験範囲も多くなっています。
 「10個覚えた単語は、4時間後には5個しか覚えていない、1日たつと3個、2日では2個、というように忘れていく」、忘却曲線によるとこのようになるそうです。このペースは、誰も同じだといわれています。しかし忘れた後、再び繰り返して学習すると忘却曲線も穏やかな下降になり、3回目の復習をすると、4時間後にも8個覚えているようになるそうです。つまり、「復習すれば忘れる速さが遅くなる」、ということになります。忘れるといっても、忘れた単語は脳から完全に消去されたのではなく、ただ思い出せなくなっているだけで、無意識の世界には保存されているといわれています。ですから、学習を繰り返すことが暗記を助けることになるわけです。
 「なかなか覚えられない」とか、「覚えてもすぐ忘れてしまう」と嘆いている人がいるかもしれません。しかし、これは誰にでもあてはまることで、物覚えが良いという人は、「繰り返し学習する努力をしている人」ということにほかなりません。
 考査まで残された時間は僅かなようですが、考査は午前中で終わります。時間はまだまだあります。学習は暗記することだけではないのは勿論のことですが、忘却曲線から考えると試験範囲を少なくとも3回以上学習して考査に臨む必要があるといえます。

2013年10月05日

第60回兵庫県人権教育研究大会

 朝から生憎小雨が降っていました。駅前から車が行き交う真っすぐな道路を挟んでアーケードがある商店街が道の両側に続いています。シャッターが下りている店も多く、通行人もまばらです。橋を渡って右折すると、一転して大勢の人が会館に向かっています。第60回兵庫県人権教育研究大会中央大会兼但馬地区大会が開催される豊岡市民会館です。私は、兵庫県私学人権教育委員会の代表としてこの大会に参加しました。
 5日・6日と2日間にわたって全体会・分科会が行われます。分科会は4つの分野に分かれ14の分科会と特別分科会になっています。県私学からは「小林聖心女子中学校・高等学校における人権教育の取り組み」が発表されます。
 初日のきょうは、開会行事として多くの来賓からの挨拶と基調提案、特別報告が市民会館で、午後からの分科会は豊岡市立豊岡南中学校で行われました。特別報告は、たじま聴覚障害者センターの小林泉所長が自身の体験を踏まえた、手話による講演でした。「豊かな人生をめざして」と題する講演で、「かつて社会が障害者に求めたものは障害を克服する努力」であった、今は「社会の仕組みを障害者にあったものにする」ことが課題にされている、と小林さんは指摘されていました。「一人ひとりを大切に、共に生きる」(特別報告サブテーマ)職場・学校や地域づくりは皆が願うところです。

2013年10月04日

「ヒッグス粒子発見」正式報告

 重い物体は動かしづらく、軽い物体はすぐに動かすことができます。この「物の動きにくさ」を示す指標が質量です。この質量、宇宙の始まりと共に存在したのではなかったようです。
 宇宙の初期の頃、すべての粒子の質量はゼロで、光の速度で飛び回っていました。宇宙が膨張して冷えてくると、ある物質が真空を満たし粒子と相互作用するようになり、光速では飛び回れなくなったと考えられています。この物質が「ヒッグス粒子」で、この動きにくさが質量を持ったということを意味し、この動きにくさの具合で質量の大きさが決まることになります。「ヒッグス粒子」は「万物に質量を与えた」と考えられる粒子です。
 半世紀前、英国の物理学者ピーター・ヒッグス博士が提唱し、東京大などが参加する実験チームが、昨年7月に99.9999%以上の確かさで発見したと発表、そして、データを積み重ね今年3月に「ヒッグス粒子だ」と判断し、今回、そのデータを論文にまとめ発表することになったというのです。折しも、今年のノーベル物理学賞の発表を間近にひかえています。ヒッグス博士が受賞の有力候補とみられていますが、その追い風になると注目されています。
 「物の動きにくさ」を表すのが質量、質量が大きいということは動きにくいが、一旦動き出すと止まりにくいということになります。「志」も同様、高い「志」はチョットしたことで揺らいではいけません。好不調の波が押し寄せても揺るがないのが「高志」です。

2013年10月03日

「水始涸(みずはじめてかるる)」

 きょうは、七十二候の第四十八候「水始涸(みずはじめてかるる)」です。二十四節季「秋分」の末候にあたります。色づいた稲穂が頭を垂れ、水田に張られていた水を落とし刈り入れの準備にかかる頃をあらわしています。米という字は八十八と書きます。昔から「米作りには八十八の手間がかかる」といわれています。農家の人たちが丹誠込めて作り上げた素晴らしい「作品」です。そう言えば小さい頃、お茶碗や弁当箱に一粒でも米粒がついていたら、「お百姓さんが、どれだけ苦労して作られたものか分かってるのか」とよく叱られたものでした。
 機械化や生産技術の向上により、昔に比べるとそれほど手間暇かけずに沢山の物が生産できるようになりました。大量生産、大量消費の時代を迎え、その考え方の見直しも検討されて久しくなります。寸分違わぬ規格化された均質・均一の物を大量に作る事は機械化の時代にあって必要不可欠なことです。しかし、こうした時代であっても個性豊かな唯一無二のものを作ることを否定する訳にはいきません。いやむしろ、こういう時代だからこそ、その重要性が強調されるのだと思います。何事も愛情を込め、それこそ、手間暇をかけて作り上げる姿勢はいつの時代にも忘れてはならないことです。
 「ものを粗末に扱わない」、「人に迷惑をかけない」、「世のため、人のためになる人間になれ」など親から言われてきたことが頭に残っています。ふと、我が身を振り返ったとき、愛情を込めた「八十八の手間」と、我が子の心に残るような言動をしてきたか、反省すること多しです。

2013年10月02日

生徒会

 汗ばむ陽気のなか、全校生徒集会を行いました。先週に続いての開催となります。
 「きょうは全校集会です。早く校庭に並んで下さい」。生徒会役員の声でしょうか。登校してくる生徒に呼びかけている声が職員室まで聞こえてきました。8時30分のチャイムが鳴った時には1400名を超える全校生徒が校庭に集合していました。高校生よりも早く、中学生は整列完了していました。聞くところによりますと、きょうの集会に、時間までに集合できるようにしようと、各学年のC組の学級委員が他のクラスに呼びかけていたそうです。なぜC組なのかというと、各学年5クラスの真ん中のクラスだからだそうです。なるほどと感心した次第です。
 後期の生徒会役員と各種委員長が決まり、体制が整いました。後期は体育大会や文化祭といった全校的な行事はありませんが、クラスを基礎にした活動を展開する重要な役割があります。クラスで生起する諸問題を話し合い、解決していくなどの活動を展開していくことになります。学校は言うまでもありませんが、「学びの場」です。授業を中心とする教科の学習、クラスやクラブでの集団生活を通しての人間的成長を目指す学びなど様々な学びがあります。また、生徒のなかにある様々な意見を「生徒を代表する意見」としてまとめあげていく組織的な活動を体験し学んでいくこともあります。これらの活動を通じて、生徒自らの手で学校の文化や規律を作っていくことになります。
 生徒集団の自治、これを高める役割は生徒会が担っています。今朝の生徒集会に向けての中学生の学級委員や生徒会役員の活動はその第一歩と言えます。

2013年10月01日

「神無月」

 全国の神様が出雲の国の出雲大社に集まって、一年のことを話し合うために神様がいなくなる月という意味で旧暦10月のことを「神無月」(出雲の国は「神在月」)と呼ばれていました。それが現在では新暦10月に用いられるようになっています。きょうから10月です。
 きょうの日の入りは、神戸地区で午後5時44分となっています。すっかり日暮れが早くなりました。6時を過ぎると校内もすっかり暗く、教室の明かりが目立つようになってきました。きょうから中間考査一週間前になります。基本的に部活動が停止になります。早く家に帰って試験勉強をする者、学校に残って勉強をする者と様々です。家での様子は分かりませんが、学校では交流スペースで先生に質問している姿、学習スペースや教室で勉強している姿など一生懸命取り組んでいる姿は良く分かります。静かに自分一人で集中して取り組むのも良いですが、友達の真剣に取り組む姿に刺激を受けて頑張るのも良いと思います。週末の土曜日の午後は、卒業生が学習支援に来てくれます。先生に質問したり、教えてもらったりするのとは違った味があると思います。これらも積極的に活用してほしいものです。いずれにしても、自分でシッカリ学習する、「独習」が基本になります。先ず、自分で学習してみて何が分からないかなど課題を明確にすることです。
 「灯火親しむ候」、読書の秋です。日が早く沈み、辺りが暗く涼しくなるので、学習や読書に最適な頃といわれます。神様ではありませんが、生徒が集まっている学校で、放課後残って勉強するのも良いものです。