ラグビーWCを教材にして
過日、中学2年生の教壇に立ちました。中学2年生は5クラスあり、2日間で4クラスは終えたのですが、1クラスが残ってしまいました。うれしいことに残った1クラスからもお声がかかり結果、中学生2年生全員に直接、授業で話ができたことを有難く思っています。
授業の内容は9月、10月にイングランドで開催されたラグビーのワールドカップについてです。ご承知のようにこのワールドカップで日本は初戦、南アフリカに奇跡的な勝利を挙げました。それもロスタイムに入り、相手のペナルティで日本はスクラムを選択、逆転で勝利をもぎ取ったのでした。ここではペナルティゴールを選ぶことで3点を獲得、同点にするという方法もありました。私は日本チームのおかれた状況とラグビーのルールを生徒に十分に説明し、君ならスクラム、ペナルティゴールのどちらを選択するかを問いました。
一人ひとり根拠を添えて答えていきます。どのクラスも回答がほぼ均等にうまく割れましたが、その時点で私は説明しました。結果的にはスクラムを選択した日本が勝ったわけだが、それはあくまで結果論。根拠がきちっと説明できた君たちは、どちらの選択もすべて正解とする。テストには正解があるが君たちが生活していく上では、正解のない道を歩まねばならないことが一杯あることを知っておいてほしい、と。
大切なことは「世界一ハードな練習」をしたことです。それもしっかりと科学的根拠に裏付けされたもの。ヘッドコーチのエディジョーンズは出発前の空港ロビーで、帰国時はこの10倍の出迎えの人が集まるだろうと言っています。またキャプテンのリーチは迷わずにスクラムを選択しました。二人には勝てるという秘かな自信があったのです。正解は「やるだけのことはやった。あとは神様が決めてくださる」ということなのだと思います。
あるクラスの全員が授業の感想を寄せてくれました。ほとんどの生徒がラグビーが好きになりました、と書いてくれました。また「ALL FOR ONE , ONE FOR ALL」の言葉も大切にしますと書かれていました。2019年には日本でワールドカップが開催されます。生徒がラグビーに興味を持ち、ワールドカップを待ち望んでくれればありがたいと思っています。