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四当五落と睡眠時間

「四当五落」という言葉を知っていますか。実は私自身、昔々の高校生の頃、「君たちヨントウゴラクというのを知っているか。」と担任の先生に聞かれたことがあります。つまり、40年以上昔にすでに陳腐な言葉になっていたせいでしょう、私たちは誰も知りませんでした。どうやら、それ以前に、睡眠時間を5時間とるようでは、東大合格は無理で、4時間以下にきりつめないといけないというようなことが言われていたようなのです。これはナポレオンが3時間しか睡眠時間をとらなかったという伝説と抱き合わせになって、喧伝されたものらしい。たぶんその後、大脳生理学か何かで、ナポレオンのような大変な人はともかく、普通の人間にとって、1日4時間の睡眠では、脳は円滑に働かないということがいわれて、この「四当五落」ということは、あまり聞かれなくなったもののようです。
高校3年生諸君は(体育大会前後は別にして)普段どれくらい眠っていますか。今は春なので、まだまだ切迫感はないと思いますがどうでしょう。5時間?6時間?それとも7時間?ひょっとして8時間?9時間も寝ますか?揶揄しているのではありません。デカルトとかアインシュタインはよく眠ったことで有名です。彼らのように超弩級の知的で創造的な仕事をするには、たっぷり睡眠時間が必要なようで、9時間眠ろうが、10時間になろうが不思議なことでもなさそうです。上述のナポレオンとかエジソンがあまり眠らなかったといのも事実だったようです。結局、人によってさまざまということになりそうです。日中に思わずまぶたが閉じてしまうようなことがあれば、これは明らかに睡眠不足と判断すればよいのでしょう。
しかし、一応の原則のようなものはあるようです。従って、以下に述べることは一般論です。参考程度に聞いてください。
受験勉強の中でかなり重要な部分を占める記憶についてですが、睡眠不足は記憶に非常な影響があるようです。(半面、睡眠不足は判断力にはあまり関係がないようです。)睡眠時間を削ってしまうと記憶に必要なレム(Rapid Eye Movement) 睡眠を削ってしまうことになる。レム睡眠中に脳内部では情報が整理されて再構築されるらしい。だから睡眠時間を削ってしまうとレム睡眠が少なくなり、ノンレム睡眠ばかりとることになるらしいのです。
2000年にアメリカの精神医学者のスティックゴールド博士は認知神経学会誌に「何か新しい知識や技法を身につけるためには、覚えたその日に6時間以上睡眠をとる必要がある。」との研究発表をしました。やはり、これくらい眠ることは必要なようです。
以上は記憶をした後の睡眠時間のことですが、記憶の作業をするときも直前の睡眠時間が必要なようです。私の経験から考えても、睡眠の足りない頭では何かを覚えようとしても、覚えようとしている内容が脳の襞の間に潜り込まないような感じで、表面をツルリと滑ってしまう。「これじゃ今日はダメだ」と思ったものです。
入試が迫ってくると、あせって不眠になることが一番よくない。机の前に座って勉強らしいことをしていないと不安でしようがない。それで、ぐずぐずいつまでも起きている。
睡眠不足になる。
 こういう時はあきらめてさっさと寝るが一番です。「果報は寝て待て」というではありませんか。