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2007年08月31日

ちょっと耳障り

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最近,気になる言葉,「カタチ」(この前,新聞を読んでたら出てきたよ)。例えば,住宅ローンの返済について,銀行に相談に行った窓口で,
「この返済方法ではなくて,月々××万円,ボーナス月に○○万円に変えると,どういう風になるのでしょうか?」
「そうですね・・・・・・。そのカタチでしたら,最長35年としますと,年3.14%ですので,支払総額□□万円となり,このカタチより○○万円余分に支払っていただくというカタチになります。」

これは極端な使い方ですが,これに似た場面をよく耳にします。おそらく,「カタチ」は,「1000円からでよろしいでしょうか?」「~じゃぁないですかぁ」と同じように,ダイレクトに言うと相手の気持ちを傷つけることを避けて言う,婉曲的表現の一種で,代わる他の語彙を持たないときに使うのでしょう。でも,その言葉が耳に入った瞬間に,話し手との間に「枠組み」がイメージされてしまい,中で自分が動かされている場面を想像してしまいます。もう,相手の顔も消え,一人になって抵抗できずに流されている姿が浮かんできます。

 確かに便利な言葉ですが,反面,話し手の責任を放棄し,相手の取り方にすべての責任を委ねるずるい面を持っています。だから,もし,オシム監督が選手を励ます場面で使ったら,我々は多分,のけぞってしまいますよね。
「ワレワレハ ウシナウモノハ スベテウシナッタ。ジブンヲコワガラズニ トイウカタチデ プレーシヨウ」

オシム監督でなくっても,私達もこんな使い方は絶対しません。
「全然勉強しないで,ゲームばっかり,夢中になってしています。どうしたらいいんでしょう?」
「そうですねぇ・・・・・・・・,彼の直近の偏差値が53ですけれども,そういう状況でしたら,右肩上がりというカタチになっていくとは思えませんので,3月末には浪人というカタチになると思います。」

2007年08月30日

スルーしてもいいような物だけれど

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2日後に向けて,いたるところ,まだまだ


fig20070830_1.jpgfig20070830_2.jpgfig20070830_3.jpg

な状態ですが,そんな中で,こんなものが─────────────────

fig20070830_4.jpgこれ,1枚1枚,手書きの「石垣」。それぞれ,ビミョーに形が違い,それぞれにコケを描いています。

fig20070830_5.jpgその石垣の横に置いてありました。ペットボトルの底を切って黒く塗ってあります。「これ,何?」って傍で色付けしていた子に訊いたら,「さぁ?」「・・・・・」

fig20070830_6.jpg教室の廊下側の天窓いちめんに,ホントに歩いたみたいに上手に描いてありました。教室の展示と何か関係あるのでしょうが,いまのところ,わかりません。

fig20070830_7.jpg焼鳥屋さんのモニュメント。たくさんの新聞紙を丸めて球をつくり,外側を模造紙でくるんで描いています。なるほどね,チキンですね。

fig20070830_8.jpg上の親鳥のヒヨコなんだそうです。ココまでこだわるのは,さすが高3です。が,なぜか木の上にいる・・・・・。

fig20070830_9.jpgすべて段ボールです。お店のシンボルに使うのでしょう。出来合いのもので済ますこともできるのに,それでは満足しない。こだわりの逸品です。fig20070830_10.jpg






ハワイアン・ムードなお店にするそうな。そういわれると,そうか・・・・なぁ・・・・?ハワイ=ハネムーンなんでしょうね,きっと。


2007年08月29日

推薦・AO入試 定員過去最高

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fig20070829.jpg文部科学省が発表した、08年度国公立大学の入試概要によると,92%,142大学が推薦入試を,38%,59大学がAO入試を実施する。また,募集人数は国立15%、公立24%といずれも過去最高になった。朝日新聞は,『代々木ゼミナールの坂口幸世氏は「推薦やAOでの募集を増やすのは、地方国立大の工学部系が多い。欠員が出れば授業料収入が減るなど経営にかかわるので、早めに学生を確保する手段に使っている」と話している。』と伝えた。

これを具体的に示そう。
AO入試
新たに行う大学
岩手大─人文社会科学、山形大─工、お茶の水女子大、金沢大─理工学域、琉球大─法文・工、山口県立大─国際文化・社会福祉・看護栄養
実施学部を増やす-東北大‐教育・医(保健)・薬、富山大‐理、愛媛大‐農など
募集定員を増やす-三重大‐工(実施学科を1→5に)、神戸大‐医〈医〉(15人→25人)、長崎大(教育16人→26人、環境科学4人→8人、工29人→33人、医〈医〉10人→15人)、九州大‐芸術工(実施学科を2→5に)、群馬県立女子大‐文(13人→18人)など

国公立大の推薦条件は,ほとんどのところで4.0以上。医学系はセンター試験を課すところがほとんど。
工学系は学科毎に定員が振り分けられ,結果的に5名以下のところが目立つ。

AO入試も推薦入試も,どちらも,定員確保の色合いがないわけではないが,センター試験の点数で輪切りされた者だけが入学してくる実態を嫌ったことも実施を踏み切らせた要因の一つであろう。

2007年08月28日

こんなランキングあり・・・・きりがないのでこの辺で。

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fig20070828.jpg 06年1~12月号の「CanCam」「JJ」「ViVi」「Ray」の4誌に読者モデルとして登場した女子学生ののべ人数。

 1位は,渋谷,表参道すぐそばにある。青学生が多いのは当たり前。3~6位は2誌の出版社から車ですぐ。取材しやすい。JJは神戸特集で。

 これについて,大阪大学生協「HandaiWalker」のコメントが面白い。笑ってしまいます。さすが,おおさかの大学,こういう気風がうれしいです。
http://www.coop.osaka-u.ac.jp/GI/walker/0605/14-15.pdf
(上記アドレスをコピーして,アドレスバーにはってください。)

2007年08月27日

こんなランキングあり? その2

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 河合塾が今年4月から5月にかけて進路指導の先生を対象にアンケート調査を実施し,先生が「生徒の評判を聞いて」「よいと感じる」大学についてまとめたもの。

────なんですが,全然厳密性がないですよね。それに,オープンキャンパス参加者は地元が多い。まして,総数に比べ,回答数が少ない! ばらつきが多いのでしょうか。こんな状況で,全国の大学に順番をつけますぅ?
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同様に────「英語教育がしっかりしているという印象がある大学」
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これも,回答者の情報源がばらばらで,それもどこまで信憑性があるかわかりません。回答者の地域性が出やすいでしょうし。何よりも,「英語教育」っていわれると,あたかも順位に正当性があるかのような印象を与えるので,このランキングの方がちょっと罪深いのではないかと思いますが,如何でしょう。

2007年08月25日

こんなランキングあり? その1

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fig20070825_1.jpg朝日新聞社発行の「大学ランキング」の編集部が、キャンパス情報誌「キャレンハウス」の学生スタッフによる06年11~12月の調査を集計。環境と朝食、カレーとラーメンの味と値段について30点満点で得点化したもの──── なんですが,こんな点差で順番つけるのでしょうか。ほとんど差がないと思いますが・・・・・・・・・・・・・・・・・。

”1位"になった青山学院大のホームページでは,早速そのコメントが書いてありました。写真を見る限り,確かにオシャレで羨ましい環境です。
http://www.aoyamagakuin.jp/news/2007/daigaku/0413/0413.html

2007年08月24日

全然違いますよね。

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昨日のブログに関連して。

川西阪急交差点~池田呉服橋間の電柱埋設工事が完了し,分断されていた空が360度見渡せるようになりました。以前の景色と全然違うみたい。でも,こういった整備は今のところ幹線道路に限っているようで,ちょっと住宅街にはいると,いたる所に電柱がそびえ立ち,電線で空が蜘蛛の糸状態です。
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2007年08月23日

まずは,我々自身が楽しめる国であること。

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今日の朝刊によると,冬柴国交相が来年度にも観光政策を専門に担当する「観光庁」を新設する方針を固めたそうだ。業界団体からの二度にわたる強い要望により「観光庁」創設へ動いたのだろうと推測します。

fig20070823.jpg さて,今年1月1日から施行された「観光立国推進基本法」に基づき,政府は6月に観光立国に関する施策のマスタープランである「観光立国推進基本計画」を作成しました。これにより,すべての国際空港と都心部間を30分台でむすぶことや,通訳案内士,ボランティアガイドの数を概ね5割増やすこと,無電柱化率を増やすこと等々,多方面にわたって種々の目標が策定されています。

 また,学校等を訪れ児童生徒と交流する外国人青少年の受入者数を倍増させるなど,国際交流を推進することも盛り込まれています。これには,これまでの,型にはまった交流から,普段着の交流へ,いわゆる「ホスピタリティ」をもってかかわることが必要ではないかと思います。雲雀丘の生徒なら十分その素質があるからできるのではないかと思うのですが,如何でしょう?

 基本計画にも組み込まれているのですが,今後,観光に寄与する人材育成を目指す学部・学科が増えるだろうと思います。既に,立教大・平安女学院大・神戸夙川学院大等8つの私立大には「観光学部」があり,阪南大・京都嵯峨芸術大・東洋大等14の私立大には観光学科がつくられています。来年度新たに,大阪学院大・神戸海星女子学院大にも同様の学科新設が予定されています。

 また,国公立大においても,すでに奈良県立大・山口大・琉球大には観光学科が設けられ,来年度和歌山大に国公立大で初めて観光学部が新設されます。

 今後もこの流れはしばらく続くだろうと思います。海外に出なくても国内で外国人旅行客とふれあえるのですから,受験生もまた注目するでしょう。この流れ,昨日のブログと重ね合わせると,学生のこころはどんどん外に向かっているのかもしれません。

2007年08月22日

「風と太陽」?

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8月21日朝日新聞夕刊『窓』から  ──────────────────────────

「今春の大学入試は教員養成学部の人気低下が目立った。主力の国立大では志願者の合計が初めて5万人を割り、志願倍率も大きく下がった。

 予備校などの模擬試験結果をみると、来春は志願者がさらに減りそうだ。駿台予備学校が6月に行った模試では、教員養成学部の志望者数は、前年を100とした指数でみて、国立大が93、私立大が98にとどまった。6月のベネッセ進研模試でも、国立大教育学部の志望者指数は89だった。この模試では、教育学部で教職をめざさない「ゼロ免課程」志望者が119と大幅に増えている。教育学部をめざす受験生の中でも教職離れが進んでいるわけだ。
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 団塊世代の教員が退職して採用が増えるのを見込んで、数年前まで教育学部の人気は上昇していた。それが一転して敬遠されるようになったのは、なぜだろうか。予備校などの見方は一致している。
 景気が回復して、受験生の「資格志向」が弱まった。教員免許も資格の一つだが、10年ごとに白紙にする更新制によって資格としての魅力も薄らいだ。このところ続いた教育論議で、教師という仕事の難しさに目が向くようになった──────。

 教員免許更新制の導入に際して、中央教育審議会は「自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ていくという前向きな制度である」と答申した。
 高らかに掲げた理念だが、未来の教職を担う若者には届いていない。」

2007年08月13日

キャリア教育について考える final

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fig20070813.jpg 「東京大学大学院教育学研究科教授の市川伸一さんは、「学習意欲説」という面白い話をしています。子供の勉強の要因を充実志向、訓練志向、実用志向、関係志向、自尊志向、報酬志向の6つに分けて考えていて、外発的で学習の効率が高いもの、学習の効率が高くて学習内容の重要性が低いもの、つまり勉強そのものが目的ではなく、勉強を手段として考えれば考えるほど学習の意欲は継続しにくいと指摘しています。学習そのものが面白くならないと意欲は継続しない。学習が目的や手段だと、逆に意欲が続かないというわけです。この勉強をやれば将来役に立つとか、こんな仕事に就けるとかでは持続しない。報酬を得るための手段ではないということです。(一番いいのは充実志向で、学習自体が楽しい。訓練志向は知力を鍛えることで、続けると試験で点が上がる。鍛えるともっと上がっていくということ。実用志向は日々の仕事や生活に生かせるということ。関係志向はみんなが勉強してるから一緒に私も勉強しようとつられるタイプ。自尊志向はプライドとか競争心から負けられないと勉強するタイプ。報酬志向は報酬を得るための手段として勉強する、非常に合理性、功利性が強いものです。)

 最後に、キャリアという言葉の語源が馬車の轍(わだち)であることを付け加えておきます。つまり、キャリアは「来し方」や「足跡」であって「行く末」ではない。キャリアというのは「展望する」ものではなく、結果として「振り返るもの」であるわけです。日々自分なりのポリシーを持ち、主体的に仕事をし、豊かな人間関係を保ち、みずから人のためになることをするといった、価値観の問題が重要になる。人のために何かやって、何かが返ってくると考えずに、黙々と活動しいる人は、思わぬ所で思わぬ人たちから、チャンスを与えられたりする。それは逆算でできるものではありません。振り返った時にあなたの足跡ができている。それがキャリアということです。」(駿台アセントvol.2『始めに職種ありき』のキャリア教育は大間違い」から)

 こどもの学習意欲減退解消のために,将来の夢をもって引っ張ろうとするのは,大人の考えたリニアなモデルでしょう。そのモデルに,残念ながら,子どもはそれにのってきませんし,逆に益々学習が手段化してしまいます。家で勉強をまったくしない子がいたら,「そんなんで将来どうすんの!」「欠点とってもしらんでぇ」と言っても彼等は素直に勉強を始めはしないでしょう。

 最後に。繰り返しますが,キャリア教育は,社会的自立を支援する合科的な教育です。本来はすべての教科・科目にその使命が含まれています。ですから,素直な目で,「面白いなぁ~」「ふ~ん」「へぇ~」って思ったそこが,キャリア教育の始点です。教育の原点は変わっていません。

2007年08月12日

キャリア教育について考える(2)

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昨日の続きです。

 「多くの人が携わるホワイトカラー系の仕事には、自分で裁量できる分野が結構あって、それぞれが一番ドライブ (やる気)を感じるやり方でやればいいというのが多い。その意味で、自分のドライブ(注:パソコンの駆動装置のように,「関心の的,動機」と捉えてください)を上手く使って、主体的にその仕事を自分の天職に変えられる余地というのは、昔に比べれば増えてきている。今のような知識社会の中では、ジョブ・マッチングはやってみなければわからないという問題ではなく、そもそも職種名でゴールを考えることが不自然だということです。

 大学受験の時に自分のドライブがどこにあるかと考えるとき、高校でどんな学科目が好きになれたかというのは結構重要です。この勉強に興味があると思ったら、この勉強ができるようなところに行けばいい。大学に行って勉強して、卒業近くになった時に次に何をしたいかを考えれば十分です。その頃はどんどん世の中が変わり、見えない職業もたくさん見えてくる。

 最近は、「就職」であって「就社」ではないと言いますが、これも大きな間違いです。やはり就社の要素が極めて大きい。逆に昔は100%就社だったというのは錯覚で、就職の部分も50%はあったことは忘れないで欲しい。だから、会社の選択というのは、職種の選択以上に重要です。むしろ会社に一度入って試行錯誤していくうちに、その人自身の職種の是非が見えてくる。同じ仕事であっても、会社の営業方針、人の育て方などカルチャー(社風)が違います。しかし、そんなことは、高校生には全くわからない。したがって、職業名まで想定して考えさせるキャリア教育にはもともと無理があるんです。

3. 3番目の間違いは、夢・目標があるからこそ、頑張るモチベーションが湧くという人がいることです。つまり目的合理性というのは、モチベーションを上げるための方法だというわけです。もしそうだとしたら、目標はより近い方がいいはずです。

 人間のドライブというのは大きく分けて三つのタイプがあります。その一つは、コミットメント型動機。目標があり、それに向かって頑張る。頑張るのは手段だというタイプで達成動機が非常に強い。
 次に人間関係系(リレーションシップ系)の動機。この人は何を考えているのか、相手を理解したい、相手に自分の気持ちを伝えたいというコミュニケーション型動機です。
 もう一つが、エンゲージメント系(いわゆるのめり込み系)です。細部まで詰めて完璧なものにしたい、プロセスそのものにのめり込む、どんどん前倒しで、物事を済ませていくのが好きという人がいるわけです。

 もちろん、目標がなければやる気が起きないという人もいますが、それは全部ではありません。目標があって必達だと言われれば、重荷になり、憂鬱になる人たちもたくさんいることを考えて欲しい。

 元来キャリアに勝ち負けはないわけで、自分で「充足感」を持てればいいわけです。ところが、明確な目標を持って、モチベーションが高くなければ、落ちこぼれのごとく言われ、自信を失い、定職に就かずフリーターを繰り返す。目標が見えていないフリーターは「ダメ人間」といったメッセージを、政府や一握りの成功者が発信しすぎているのです。」fig20070812.jpg
(駿台アセントvol.2『始めに職種ありき』のキャリア教育は大間違い」から)

2007年08月11日

キャリア教育について考える

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以前にも書いたことなのですが───大学を選択する際に,どちらかというと,就職から逆算して最も有利な学部・学科を見つけている生徒が多いような気がします。これも大学の選び方の一つかもしれませんが,それが最上の選択基準だと思い込んでいることに疑問を感じます。どう見ても,あまりにも固定化しすぎている。もっと柔軟に考えられないものかと思います。もちろん,医師や薬剤師といった,資格取得と職業が直結する場合はそれでも良いですが,多くの職業や資格には学部を指定したものはありません。資格を取るために学部を選ぶというのは本末転倒ではないか? 職業選択の最短コースを歩くのではなく,むしろ,本来の,「学ぶ」意欲にたったスタンスから見てはと思うのです。

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 どうして子供たちはそういう考えに傾いていったのでしょう? どうも,キャリア教育の捉え方に問題があるのではないかと,私は思います。本来は社会的自立を促すためのものであったはずのキャリア教育が,いつしか「職業観・勤労観及び職業に関する知識や技能を身につけさせる」ことに比重がかかり,「適切な職業選択のため」と思われてしまっているのではないか──────

 では,なぜ,それがいけないのか。その理由について,慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科教授 高橋俊介教授が誌上講演で,以下のように説明されています。

fig20070811.jpg「理由は大きく分けて三つあると思います。
1.そもそもキャリアは計画的に管理可能なものではない、思った通りに作れないということです。日々の仕事に主体的な意見、自分の見解、ポリシーを発揮し、自分が一番力を発揮しやすいやり方で取組んでいるかどうかが重要で、その結果として振り返ると自分らしいキャリアが出来ている。米国スタンフォード大学のクランボルツ教授らの調査では、キャリアの80%は自分の偶然の出来事によって左右されている、だからキャリアは計画的に作れないという結果が出ています。

2. 2番目の理由は、5年先10年先はコントロールできないと同時に、目的合理的な狭い考え方(職種名を5年、10年先の目標に想定してそこから今後の行動を逆算していくやり方)をすると、その仕事がいいかどうかの「ジョブ・マッチング」という考え方自体が成立しなくなってきます。

 つまり、天職に就くことがキャリアにとって最も幸せなことですが、キャリアとはそう単純ではなく、長期のものなのです。しかも職種とのマッチングだけで決まるものでもなく、その職種が自分に向いてるかどうかさえもやってみなければ分からないのが実情ですから、高校生に職種名で将来のキャリアを考えさせることは極めて非現実的なのです。

 中学生や高校生がイメージできる職種というのは、とくにホワイトカラー系は極めて少なくて、8割方の仕事はイメージさえできないと思います。こんな仕事があったのかと、その職場に行って初めて知ることがほとんどです。比較的イメージしやすいパイロットでさえ、いまや操縦の技能や動体視力などの適性とほとんど関係ない。ボーイング747や737の400シリーズ以降は、操縦士というよりコンピューターのインプットを行うオペレーターに変容している現実を多くの人は知らないと思う。ですから、何の仕事に就くかよりも、その仕事に就いた後に主体的にその仕事を天職に変えるという想いが重要です。日々の仕事の中で主体性を持ち続けてきたか否かが、いいキャリアを作る。

 合う仕事などはせいぜい3分の1程度です。主体的に取組まなければ、どんな仕事でも上手くいかない。100%合う仕事というのは、逆にありえない。ある部分が好きでも、ある部分は辛いというのが仕事だと認識することが重要なのです。(つづく)」
(駿台アセントvol.2『始めに職種ありき』のキャリア教育は大間違い」から)

2007年08月10日

帰省による

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シリーズ物は三日連続が限度。それ以上だと飽きちゃう。そこで,勝手に休憩。───────────────────────────────────────────────────────── 
 涼を誘う金魚はいかがっすか~ぁ?進路の部屋で飼っている,本場大和郡山の金魚です(1匹は病気療養のため,ただいま里帰り中)。その上,画面では聞こえませんが,実際は循環している水音でより一層涼しげに感じます。
え~っ,金魚はいかがっすかぁ~~(~o~)
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2007年08月09日

渋滞も

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◆ 南山大学(名古屋市昭和区)
 「なんざん」と読む。昭和24年開学した文系・理系の7学部をもつミッションスクール。外国語学部は同志社・文学部レベル。人文学部も,関学より難しい。今まで,AO入試や推薦入試など一切行っていなかったが,来年度,人文学部心理人間学科で初めてAO入試を行う。ところが,募集枠は「若干名」。これって,いいのがおればとりましょうって言ってるようなもん。かなり慎重。まだまだ様子見,と言うところかな。
 【AO入試】 人文学部心理人間学科のみ。
 第1次審査:書類選考。「自己推薦書」「志望理由書」
 第2次審査:テーマ「いじめ」について,A4用紙5枚以内にまとめ,それを元に面接でプレゼン。 また,新たな小論文が課される。

 なかなか,どうしてどうして。簡単には通してくれません。
 願書受付:第1次 8月27日~31日   第2次 10月1日~5日
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◆ 豊田工業大学(名古屋市)
 1981年,トヨタ自動車(株)により設立。①授業料は国立大学と同じ。私立大平均の約半分。②学生約8人に教員1人(国公立大の場合,約10人に1人)。③1年・3年次にインターンシップを実施。④アメリカ・シカゴに大学院がある。⑤就職率100%。トヨタはもちろん,ホンダ,日産などにも。
第1次選考:センター試験のみ。 第2次選考:面接
A方式
数 学 … 「数学Ⅰ・数学A」、「数学Ⅱ・数学B」
理 科 … 「物理Ⅰ」、「化学I」、「生物I」」、「地学I」の中から2科目
外国語 … 「英語」
国 語 … 「国語」
地 歴・公民 … 「地歴(6科目)」、 「公民(3科目)」の計9科目の中から1科目
以上5教科7科目による。
B方式
数 学 … 「数学Ⅰ・数学A」、「数学Ⅱ・数学B」
理 科 … 「物理Ⅰ」または「化学Ⅰ」
外国語 … 「英語」
以上3教科4科目による。
センター得点率82%以上。これは,東京工大か,東京理科大・工・機械工,同志社・工・エネルギー機械工と同じ。

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◆ 成安造形芸術大学(滋賀県大津市)
 JR雄琴駅からバスで3分。大阪駅から46分。従来のイラスト・写真・CGなどのデザインクラス以外に,日本文化を深く学び,次世代にコーディネートする人材を育てる「芸術文化デザインクラス」を設置。グラフィックソフトはもちろん,エクセルやワードを習得する。
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◆ 京都嵯峨芸術大学(京都市右京区)
 京福嵐山線「車折神社」徒歩5分。嵯峨野の地に真言宗大覚寺さんが経営する1学年175名のこぢんまりとした芸術大学(短期大学は200名)。観光デザイン学科では,京都市との共同事業として,嵯峨・嵐山をテーマに自由な企画立案・プレゼンを行っている。花灯籠によるライトアップもその一環らしい。
【AO入試】 エントリー:7/2~8/7 体験授業:8/25・26 課題提出:9/30
 出願期間:10/9~10/15

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◆ 京都精華大学(京都市左京区)
 市営地下鉄烏丸線「国際会館」からスクールバスで5分。芸術学部・デザイン学部・マンガ学部・人文学部をおき,2000年,今ほどマンガの地位が高くなかった頃に日本で初めてのマンガ学科(現在はマンガ学部)を設置した大学として知られている。初代学長・岡本清一は,同志社大学法学部教授から請われて学長になった人。「自由自治」の理念を掲げ,学長の選挙権被選挙権を全教職員がもち,学生には拒否権をあたえる学長公選制等によってその理念を具現化した。主著に『ブルジョア・デモクラシーの論理』,『自由の問題』,『企業革命論』がある。特に,『自由の問題』は戦後労働組合活動に関わる者の間で永く読み継がれ,バイブル的存在となった。
「精華」と言えば「芸術・デザイン」と連想するが,人文学部の方に軸がある。入学者のうち,7割近くはAOまたは推薦による。狙うなら,推薦,AOで。AO入試のエントリーは,早い学科で7月2日から。何回かの面接と授業,プレゼンがある。
 【AO入試】
 エントリー:デザイン学部ビジュアルデザイン学科のみ7月2日~7月20日(予定)。
 その他は7月25日から。
 提出書類:エントリー用紙 志望理由書など。
 ワークショップ・プレゼン:8月中に2~3日間。   出願可否通知:9月4日  
 出願期間:9月7日~14日

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◆ 京都橘大学(京都市山科区)
 JR・京阪・地下鉄「山科」からバス15分。来年4月,「現代ビジネス学部」設置。救急救命士を目指す「救急救命コース」と,一級建築士を目指す「建築・インテリアコース」,はやりの「観光・都市デザインコース」,「文化プロデュースコース」を設置予定。

2007年08月08日

夏の花火大会も

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◆ 北里大学水産学部(岩手県大船渡市) 1年次は神奈川県相模原キャンパスだが,2年時以降は岩手県大船渡にうつる。学部のカリキュラムはJABEE認定を受けている,いわば保証付き。しかも,大学ランキング「学部就職力第1位」(海洋・水産系学部において)。製薬・食品・水族館等々幅広い。来年から「海洋生命科学部」に変更する予定。
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◆ 東京文化短期大学(東京都中野区) 有島武郎,吉野作造らと「文化生活運動」を起こした森本厚吉が女子教育のために創設した女子文化高等学院を発祥とする。初代校長は新渡戸稲造。えっ?東京女子大初代学長だけじゃないの・・・・・・・・・?確かに,彼は,大正7年学長に就任し,2年後,国際連盟事務次長になった。6年後,辞任して昭和3年に高等学院校長になっている。その割にはあまり知られてないなぁ・・・・。食物栄養・生活福祉・児童生活各専攻がある。
 【AO入試】 エントリー:6月1日~  面談後,内定通知。 これは・・・・・・・AOじゃない!

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◆ 立教大学文学部(東京都豊島区) 文学部出身者には,小説家に村山由佳 新井素子 伊集院静,その他,なかにし礼(作詞家) 周防正行(映 画監督) 等。キリスト教学科・文学科・史学科・教育学科からなる。特に文学科英米文学専修・ドイツ文学専修・フランス文学専修などは同志社・文学部と同等に難しい。今年100周年を迎える。なお,「AO入試」と唱うものはないが,「自由選抜入試」がこれに該当する。ただし,ハンパじゃない。「自分がこれまでに経験したことの中で,とくに取り上げたいものについて,4000字以上5000字以内で,その内容を簡単に説明し,思うところを論じてください。」な~んていう課題が与えられる。よっぽど中身のある人でなければ書けないよね。
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◆ 国士舘大学(東京都世田谷区,東京都町田市・多摩市) 6学部(政経・体育・理工・法・文・21世紀アジア学部)がある。政経学部は夜9時まで開講している"昼間学部",しかも,入試では高得点科目1科目で合否を判定する「トップワン入試」なんてのもある。ほかに,体育学部に「こどもスポーツ教育学科」が誕生する。小学校教員免許の他,中学・高校保健体育の免許も取得できる。ふ~ん。
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◆ 多摩大学(東京都多摩市,神奈川県藤沢市) 経営情報学部とグローバルスタディーズ学部の2学部のみ。1学年わずか400名足らず。「グローバルスタディーズ学部」の授業は原則英語。卒業時の目標英語力が決められていて,TOEFL600点,TOEIC800点。受験は必須。パソコンは無償で貸与される。入学より,卒業することの方が厳しい。アメリカンスタイルだね。全く関係ないことだけれど,校章が面白い。経営母体である田村家の家紋なんだそうです。
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◆ 桐蔭横浜大学(横浜市青葉区) 1988年桐蔭学園横浜大学から名称変更。法学部、工学部および医用工学部(2005年度4月開設)がある。来年度,スポーツ健康政策学部を新設。「スポーツでしなやかな社会をデザインする」んだそうな。しなやか???・・・・・・・よくわかりません。

2007年08月07日

恒例・・・・・かな?

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◆ 秋田県立大学(秋田県秋田市,由利本荘市) 秋田県って凄いよねぇ。公立ながら独自路線を貫く国際教養大学とは別に,理系学部だけの県立大学をつくっちゃった(平成11年開学)。しかも3つのキャンパスに分かれて。学部は「システム科学技術学部」と「生物資源科学部」だけだけど,地元密着型で,秋田県の将来を支える人づくりを狙っていることがよく見える。しかし,意外に,静岡・愛知出身者が多い。青森・宮城より多いんだよ。なぜか兵庫県も多い。個別試験の科目数が少ないせいかなぁ。
【個別試験】
前期
システム科学技術学部=数学(ⅠⅡⅢABC)300点・理科(物理ⅠⅡまたは化学ⅠⅡ)300点
生物資源学部=英語ⅠⅡ200点・理科(化学ⅠⅡまたは生物ⅠⅡ)200点
後期
両学部とも=小論文のみ。

◆ 宇都宮大学(栃木県宇都宮市) 栃木県で唯一の国立大学。国際・教育・工・農4学部を持つ。難易度は,教育で滋賀大・教育並み,工学部は京都工芸繊維大,農学部は鳥取・農学部と同じぐらい。結構レベルを維持している。東京近県で農学部があるのは珍しい。というよりも,元々は宇都宮農林学校(大正11年設立)と栃木師範学校(明治7年創立)から始まった大学。農学には歴史と伝統がある。なかでも,農学部農業経済学科は,農学部で唯一の文系学科として、国内外の食料・農業・農村について社会科学の視点から教育・研究を行う。食糧危機回避のために是非必要かと。

◆ 筑波大学(茨城県つくば市) 国立大学。秋葉原からつくばエクスプレスで45分で行けるようになった。それでも,広大な学研都市には街の賑わいはない。以前からそうであるが,大学改革のモデルであったためか,筑波には「学部」がなく,「学群・学類」という体系になっている。「AO入試」といわずに「AC入試」と言うのもまたその現れか。
 【AC入試】
 いわゆる自己推薦入試。志望理由書・自己推薦書その根拠となる資料・調査書が必要。第2次選考は面接と口述試験。昨年度合格車の自己推薦内容(テーマ」は,「遠方の星の見え方に対する宇宙のチリの影響」「サーチエンジンサイトの作成」「フィンランド留学から得られた比較教育学への視座」「高校生活全体を通したプロダクトデザインなどの活動」「iPodソフト開発;生徒会のIT化」等,かなり本格的。相当の実績が必要。それでも平均倍率7.8倍。9月中旬から出願が始まる。センター試験は課さないけれど,これでも受けますか?

◆ 愛媛大学(愛媛県松山市) 愛媛県下の国立大学。四国4県の国公立大学の中で最も大きい。法文・教育・医・ 理・工・農の6学部からなる。ユニークなのは,これらとは別に用意された大学院までの一貫コース「スーパーサイエンス特別コース」。理・工・農・教育各学部の枠を超えた関連授業科目が選択でき,1年次から専用科目をとっていく。一定の基準を満たせば3年で学部を卒業でき,大学院に進学する。このコースの入試はAO入試のみ。
 【スーパーサイエンス特別コース】
 AO-Ⅰ期 募集人数11名。センター試験を課さない。書類選考・講義レポート・実験・面接
 AO-Ⅱ期 募集人数6名。 センター試験を課す。面接のみ。

◆ 航空大学校(宮崎市) 日本で唯一の国立パイロット養成機関。高卒では入学できない。四年制大学2年修了または短大・高等専門学校卒業以上でないと入学資格はない。また,身体基準があり,裸眼視力0.7以上,身長163cm以上,その他血圧・聴力等々,基準を満たさない者は入学できない。試験は,「英語・総合筆記・適性検査」。
 なお,東海大学工学部に航空宇宙学科航空操縦学専攻ができ,操縦士免許が取れるようになったが,ここは,留学期間にアメリカ合衆国操縦士免許(FAA事業用免許)を取得し,その後日本の操縦士免許(JCAB事業用免許)へ書き換えるしくみ(そのための訓練調整期間を設定している)。

2007年08月06日

中学3年生 職業人インタビュー

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 中学3年生では進路学習の一環として、夏休みを利用して「職業人インタビュー」に出かけています。
インタビュー先の職業は
市議会議員  弁護士  税理士  幼稚園教師  小学校教師  中学校教師  ケーキ屋  劇団演出家  CGデザイナー  医師  看護師  薬剤師  栄養士  獣医  ホテルマン  アナウンサー  インターネットビジネス  美容師  テニスコーチ  空港関係
などです。
3~5人のグループで、直接、職場へうかがってお話しを聞いています。インタビュー内容は、9月の文化祭で掲示する予定でいます。
「アナウンサー」のインタビュー先のご厚意で、写真が送付されてきました。9月にどんな発表をしてくれるか楽しみです。
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