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2015年05月29日

ひばりの図書室 5月号配布しました

  本日、ひばりの図書室 5月号配布しました。
中間考査の終了を待っての、すべりこみギリギリ5月号になってしまいました。

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 自分を損なっている自分自身の「思い込み」を断捨離したい。思い込みって自分では気づかすに「思い込んでいる」からちょっと厄介。でもそんな思い込みは使う言葉に表れているはず。じゃあ言葉の断捨離をすればいい!
   「めんどくさい」をやめました/やましだひでこ(祥伝社)

 見てみたいのに見られない。英国王女の寝室、バイエルンの地下迷宮都市、チンギスハーンのお墓、モスクワの秘密の地下鉄、etc,etc。250点の写真と地図で立ち入り禁止エリアに潜入!
 絶対に行けない世界の非公開区域99/ダニエル・スミス(日経ナショナルジオグラフィック社)
 
 などなど、試験中にも写真集や小説、新書、たくさん到着しています。

2015年05月26日

貸出はされないけれど・・・

 図書室にある本で、貸出しはされないけれど、ふらっと手が伸びるのが絵本。
授業で教材として利用されることもありますが、通りがかりに手に取りぱらぱらとめくっている姿がよく見られます。
 子どもの頃に読んで懐かしいもの、初めて見るもの。勉強の合間の息抜きに。

世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ/くさはよしみ編 (汐文社)
 2012年にブラジルで開かれたリオ会議(環境の未来を決める会議)で、南米・ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領の行ったスピーチをまとめたもの。
 彼は給料の大半を貧しい人のために寄付し、大統領の公邸には住まず、町からはなれた農場で花や野菜を作り暮らしています。運転手つきの立派な車ではなく古びた愛車を自分で運転して仕事に向かいます。世界でいちばん貧しいけれど、ウルグアイの人びとから愛された大統領のスピーチとは?

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ぼくのニセモノをつくるには/ヨシタケシンスケ (ブロンズ新社)
 宿題、部屋の掃除、家の手伝い、やりたくないことだらけでゲンナリしているけんたくんが、ある日思いついた。「ぼくのニセモノを作ればいい!」 早速、おてつだいロボを買います。完璧なニセモノになるために、ロボはけんたくんのことをあれこれ知りたがります。
 「自分らしさって?」「できる事って?できない事って?」
 「人からどう思われてる?」
 ロボのする質問に答えてみてください。実は自分はどんな人間か客観的に観察でき、自己分析出来るかも。
 さて、ロボは完璧なニセモノになれ、けんたくんはゲンナリをぬけだせたのか?

2015年05月22日

『聞き書き』する

 先日、農山漁村文化出版協会(農文協)という出版社の方が、おすすめ本の箱を抱えて図書室にやって来られました。農文協では、農と食・健康・教育を中心とした書籍を出版していて、図書室では主に家庭科や環境教育に関係した本を購入しています。

 こちらの出版社、入社後、間もなく日本各地の農家を訪ね歩き、直接お話を聴いたり、実際に作業を経験したりするのだそうです。 この日、来られた担当者の方も、九州各地(種子島まで!)を渡り歩き、色々な体験をされたそうです。

 そんな職員の方たちが出会った農家の魅力や農業のおもしろさを写真と共に紹介したのが、農家になろうシリーズ です。ポップも作ってきてくれました。
 水田・野菜農家、酪農家、養蜂家。普段私たちが食べているものって、どんな人たちが育てているのでしょう?四季折々、その時々の写真もたっぷりです。

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 左: バイクで農家を訪ね歩き現場の声を集めているそうです。
 右: 『聞き書き甲子園』 Mさんのレポート「命ある限り、続けていく」が掲載された冊子も展示しています。

 ところで、同じような活動を高校生たちが行っていることを知っていますか?
ずばり 『聞き書き甲子園』 毎年日本全国から選ばれた100人の高校生が、森や海、川の名手・名人を訪ね、智恵や技術、人生そのものを「聞き書き」し記録する活動です。
 今年で14回目を迎えますが、昨年、環境大使の一員で高2のMさんが、見事100人の1人に選ばれました(農業高校などの専門的な事を学ぶ人が多い中、大健闘!) 選ばれた後、名人に直接アポイントメントを取り、現地へ取材、写真撮影、レポート作成、すべて一人で行ったそうです。
 詳しくは→環境大使
 
 やってみたいなと興味をもった人は環境大使・岡本先生まで。今年のエントリーにまだ間に合いますよ。

2015年05月16日

ピカソとマティス

 20世紀美術の巨匠と言われるスペインの画家パブロ・ピカソ。彼の描いた「アルジェの女たち」の連作の一つが、先日、ニューヨークで開かれたオークションに出品され、芸術作品としては史上最高の1億7936万5000ドル(約215億円)で落札、話題になりました。

 ピカソ本人や彼の描いた絵は美術の教科書などに取り上げられています。でも「何を描いているのかわからない・・・」と言う人も多いですよね。
 ピカソの生み出した代表的なスタイルの一つ、キュピスム(立体主義)は、上、横、正面と多数の視点から見えるものを1つの画面の中に描く技法です。「アルジェの女たち」もその手法で描かれた作品です。

 ピカソが友人でライバルでもあったフランスの印象派画家アンリ・マティスの追悼のために描いた作品だそうです。
 マティスとビカソは、同時代を生きた宿命のライバルにして唯一無二の友人同士。憎まれ口をたたきあっていても、同じ方向を見つめながら、でもあくまでも違うものを描き続けていたそうです。
 そんな2人の巨匠の展覧会開催に関わった学芸員同士の友情と別れを描いた物語が新しい出口/原田マハ

 米国のニューヨーク近代美術館(通称:「MoMA」)は、20世紀以降の美術の発展と普及に多大な貢献をしてきたモダンアートの殿堂。その美術館を舞台に、そこにたずさわる人々に起きる5つの出来事を描いた短編集 The Modern モダン(文藝春秋) のなかの一つです。

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  左:表紙の絵は、ピカソの『鏡の前の少女』 この作品も「MoMA」所蔵です。
  右:ピカソの伝記もあります。ボーダーTシャツがトレードマークでした。 

 美術館のキュレーターだった頃、「MoMA」に半年間ほど派遣された経験を持つ原田さん。その時、得た知識をもりこみ、芸術の面白さと「MoMA」の歴史や所蔵作品の魅力あふれる「美術館」小説です。読んでいると、作中に出てくる絵画がどんなものなのか確かめたくなります。

2015年05月14日

震災20年シンポジウム冊子

 阪神淡路大震災から20年を迎えて、宝塚市と兵庫県阪神北県民局が作成した震災20年シンポジウム冊子『明日へ伝えたい』が届きました。

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 当時、宝塚市では、死亡者118人、負傷者2201人、家屋の全半壊1万棟以上という被害が出ました。
 犠牲者の追悼と震災の教訓を伝えるために作られた冊子には、皆さんにもなじみのある市内6カ所(宝塚大劇場へ向かう花のみちや、80%以上の世帯が被害を受けた売布神社駅前、中山寺付近など)の当時の写真と現在の写真とを並べたもの、市民の体験談、消防隊員、看護師さんらへのインタビュー、が掲載されています。巻末には防災ガイドもついていて、あらためて日頃の備えと災害時における1人ひとりの的確な判断と冷静な行動が大切だと感じられます。

 現在、市内には梅雨や台風期の集中豪雨で土砂災害や浸水被害のおそれのある危険個所があるそうです。
 60ホール前には近隣市町村のハザードマップも展示してあります。自分の暮らす街のこと、知っておかないと。
 

2015年05月08日

原作本、あります

 毎回人気のドラマの原作本。現在放送中のものも次々貸出され、なかには予約待ちも。

天皇の料理番/杉森 久英 (集英社)

 実在の人物・秋山徳蔵さんをモデルにした伝記小説です。実際「天皇の料理番」と呼ばれていた秋山さんの正式の肩書きは宮内庁大膳職主厨長。コック長です。

 主人公・秋沢篤蔵は、小僧のスタイルがカッコイイから禅寺の小坊主になりたい(実際になったのですがその悪ガキぶりがすぎて追い出されてしまう) といいだすなどちょっとユニークでやんちゃな少年でした。
 そんな秋沢は養子先の料理屋で出会った西洋料理が忘れられず、生まれ育った福井を家出同然に飛び出し上京。「人は本当に好きなことをして一生を過ごすのが正しいのではないか?」 と料理人への道を志ざします。思い立ったら努力を惜しまず、東京の名店を渡り歩き、ついには21歳の時に本場・フランスへ。当時料理のために留学することはとても珍しかったそうです。
 修業につぐ修業を重ね腕一本で世界の料理界から認められるまでになった秋沢に「天皇のために料理をつくってみないか」と大使館から声がかかります。
 帰国後、新しく設けられた宮内庁で初代総料理長となり、以来、大正~昭和と半世紀以上にわたって挑戦と冒険を続け、皇室のために腕をふるった秋沢の生涯を描いた長編作品です。

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 他にも、書店ガール1~3/碧野圭(PHP研究所)、三匹のおっさん、ふたたび/有川浩(文藝春秋)、 64/横山秀夫(文藝春秋)、アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス(早川書房) などがあります。

2015年05月01日

「花燃ゆ」と吉田松陰

 今さらですが、今年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」は、吉田松陰の妹・文がヒロイン。兄である吉田松陰と松下村塾を支えた女性です。文さんが歴史に名を残す事をやり遂げてはいないので(失礼!)ドラマのキーマンは、やはり吉田松陰でしょうか。(残念ながら先週放送分で亡くなりました)

 教育者であり、思想家であった吉田松陰が、生まれ育った長州・萩(山口県萩市)で、物置小屋を改装して作った松下村塾。そこには当時の封建社会では考えられない、身分の違いを超えた様々な若者が集いました。ここで松陰が指導したのはたった2年足らずでしたが、高杉晋作、久坂玄端、伊藤博文、山県有朋など、たくさんの幕末の志士たちが影響を受け、育っていきます。

 吉田松陰と久坂玄端/河合敦(幻冬舎) では松下村塾と彼らのエピソードを中心に紹介しています。 
 松陰は大変な読書家で、1日平均2冊、年間600冊を読破するほどの本好きだった、とか。その書物で知ったことを誰かに伝えたくてしょうがない教え好きだった、とか。
 そういえば、ドラマでも 『本は文字ではなく、人だ。本を開けば遠くにいる人にも、亡くなった人にも出会うことが出来る。同じように悩んで、答えを見つけようとした誰かがいて、生き迷っているのは自分だけじゃないと思える』 というようなセリフがあり印象深かったです。

 又、松陰が残した言葉は現在も語りつがれていて、よく知られているのは、『至誠にして動かざる者は未だこれあらざるなり』 自分が誠心誠意相手につくせば人は必ず動く、というような意味。松陰の信念だったそうです。
 それら松陰の言葉は、吉田松陰・留魂録/古川薫(講談社)や 吉田松陰「人を動かす天才の言葉」/楠戸義昭(三笠書房) で読むことが出来ます。

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 他にも、ドラマと同時刊行されている 花燃ゆ/大島里美(NHK出版) 現在2巻まで出版されています。
 又、この時代、江戸から明治の変革期を物語で読んでみたい人は、世に棲む日日/司馬遼太郎 (文藝春秋)はどうでしょう。倒幕への主導力となった吉田松陰や高杉晋作を中心にして書かれた群像劇です。