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伝わる気持ち

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 4月のいつ頃だっただろうか,上着の下に”それ”を隠し持って教室に行った。いつも通り,学級委員が前に出て終礼を始めていた。明日の日直や,掃除当番の確認をした後,
「先生,何かありますか?」と訊いてきた。
待ってましたとばかり,
「うん,あるよ。」と言って,“それ”が落ちないように後ろ手にし,ややオーバー気味にゆっくり教壇に向かって歩いた。すると,前の席の子が,背中の異様な”ふくらみ”に気がついた。
「先生!後ろに何か隠してるでしょう?」
それに連鎖して,後ろの席の子からも
「えっ?なに?」「あっ,なんか隠してる!」
「へへへ・・・・・,何だと思う?実は・・・・・・・」
後ろ手を解き,”それ”をゆっくり前に出した。
もう,すべての目は一点に集中している。
「えっ?」「何々?」
二重三重にくるんだプチプチをゆっくり外すと”それ”が現れ,「おおっ~」と言う声とともに教室の中に拍手が起こった。
「すげ~っ!」「黒板消し~?」「すご~い!」
2008_11_08_3.jpg 「掃除の時,黒板をきれいにするのは大変だよね。普通の黒板消しじゃぁ,何回も往復しないといけないよね。でも,こんな大きな黒板消しを使うと,少ない回数でいける!」
「おおっ~」パチパチパチ~。拍手。
「何でもそうなんだけど,工夫が大事だと言いますよね。勉強にしたって,そう!でもね,じゃぁ,どんな工夫をするかって考えても,そう簡単に良いアイデアは出てこないもんです。やっぱりね,普段から,ものをよく見て,観察して,やってみる,そういう癖がないとダメなんですよね。」
「例えばね,掃除って,しんどいじゃないですか。じゃぁ,どうしたらもっと簡単にきれいにできないか・・・・・・。そう考えて,試しに,この長い,超ロングの黒板消しを買ったんです。」

それ以来,エアコンのスイッチのところに,電球をかたどった「節電」プレートを貼り,日直の名前を書いたところには,「当番ご苦労様です」のプレートをつるしたり,半分遊び心でやっているところもあるが,お陰で,いろいろと「あ~したらいい」「こうしたらいい」とか言ってくれるようになった。

2008_11_08_1.jpg1.教室の後ろには,普通のゴミとプラスチックを分別するゴミ缶が置いてあるが,どちらもよく似ていて,なかなかきれいに分別できていなかった。最後はいつも,掃除に当たった班の子達で選り分けて処理をしていた。
「どうしたら,こんなことしなくても済むようになるだろう?」
「ラベルをもっと大きくしたらいいんじゃないですか?」
「誰が見ても,遠くから見てもすぐわかるような,でっかい文字で」

2.机をきれいに整列できないで困っていた女の子がいた。
「先生,机の脚んとこに,床にテープを貼って印をつけてください。」
早速,床に印をつけた。それ以来,この子は机の整頓監視役になった。
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【配布物】 ありません
【連 絡】 今日が「第1回文理選択調査票」提出締め切りだったのですが,未提出の場合は月曜日に。

*タイトルの意味は「小物の物もこの桃もこの者のもの」。もちろん創作ですよ。