桜の樹の下には
「桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!
これは信じていいことなんだよ。何故(なぜ)って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。」という衝撃的な冒頭の小説は、梶井基次郎の作品です。梶井といえば、その代表作として、『檸檬』を思い出す人も多いのではないでしょうか。私が、大学生時代に京都でアルバイトを始めたときに、まず足を向けたのは、河原町通りの書店「丸善」でした。ここの洋書の階で専門書をさがしていると何だか自分が大学生になったことを実感したような気がしました。『檸檬』の主人公は、果物屋で買った檸檬を、丸善の美術書売り場で爆弾に見立てて画集の上に置きます。その舞台であり、私の学生時代の思い出の地でもある「丸善」は、2005年に133年にも及ぶ歴史を閉じました。文化の中心地であるはずの京都でも書店が閉店することはショックでした。京都を訪れるたびに丸善に立ち寄っていた私にとっては、楽しみが一つ減ってしまいました。さらに、主人公が檸檬を買った果物店のモデルである寺町の果物店・パーラー「八百卯」も昨年にその歴史を130年で終えました。まさに「歳々年々 人同じからず」です。青春の憂鬱を描いたこの短編小説は、2年生の生徒諸君にも共感するところがあるでしょう。あっという間に読めてしまう長さですので、是非一度読んでみてください。
配布物:☆昨日予告しましたPTA総会と授業参観のご案内を配布しました。
総会ご欠席の方は、4/23(木)までに、委任状をご提出ください。
なお、PTAクラス役員をお引きいただいた保護者の方には、近日中にお子さんを通じて依頼状をお届けいたします。宜しくお願い申し上げます。
☆ニュージーランド比較文化研修のお知らせ(4/23提出締切)