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中学生に読ませておきたい本 4

 森鷗外,志賀直哉,芥川龍之介と日本の作家を紹介してきました。これら3冊はすべて今回の課題図書です。今日は4冊目の課題図書であるオー・ヘンリーの「最後の一葉 The Last Leaf」を紹介します。
 肺病にかかった貧しい画家は窓辺から見えるツタの葉がすべて散ると自分の命もつきると思っていたが壁に描かれた決して落ちない葉に救われるというストーリーは、「善意の嘘」をテーマにしています。子どもの時には嘘は良くないと教えられてきたお子さまたちが中学生になって、相手のことを思いやる気持ちが嘘をつかせることもあると分かってくれるでしょうか。素直さや正直さを失わないことは大切ですが、人生はそれだけで判断できなくて、少しだけ複雑だと気付いてくれるといいなと思います。
 オー・ヘンリーはこれ以外にも「賢者の贈り物 The Gift of the Magi」「警官と讃美歌 The Cop and The Anthem」「よみがえった改心 A Retrieved Reformation」など秀逸な短編を数多く書いています。中学1年生では難しいかもしれませんが、英文の原作を読むことをお薦めします。A.M.