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社会人基礎力5  ~チームで働く力②~

  これまで5回にわたって紹介してきた「社会人基礎力」の話しも今回が最後になります。
  「柔軟性」“意見や立場の違いを理解する力”
  「状況把握力」“自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力”
この2つは自分やそれに関わる周囲の状況を把握する能力です。自分なりのしっかりとした考えを持つということは必要ですが、自分の決めたルールややり方にこだわり、自分の利益だけを優先するという姿勢では、相手に受け入れてもらえません。相手の立場に立って物事を考えることによって、お互いの意見や立場を理解し尊重し、柔軟に対応していく必要があります。特にグローバル化が進展する中では、異なる国の人達とチームやプロジェクトを組んで仕事を進めていくことも増えてきます。チームとしての成果をあげるために自分は何ができるのか、チーム内での自分の役割や能力は何か、どのメンバーと協力していくべきなのかを理解し行動していくことが何よりも大切になってきます。
  
  最後は「ストレスコントロール力」“ストレスの発生源に対応する力”
日常の生活においては、常に自分の思い通りに物事が運ぶということはなく、期待通りの成果にならないことが往々にしてあります。上手くいかず失敗が続くと当然のことながら気持ちも落ち込みます。また、やりたくない、面倒だ、嫌いだ、というように困難から逃れようとしがちですが、避けて通ることはできません。このように世の中は自分中心に回っているわけではないので、誰しも社会生活の中では実に様々なことでストレスを感じることになります。そして、ストレスが徐々に蓄積されてくると悪い考えに陥ったり、時には体調を崩すことも出てきます。
  ストレスの発生要因を調べると、その発生源つまり問題点を解決するための行動を起こさずに、将来のことを心配しているといったことが多いようです。志望の大学受験に失敗したらどうしようとか、大切な試合に負けたらどうしようといったものです。心配している暇があれば行動すれば良いのです。「困難は逃げれば二倍になって追いかけてくる。しかし、立ち向かっていけば半分になる」という言葉がありますが、まさに正面突破することによって気分も晴れるものです。良い意味での開き直りが大切であり、チャレンジし達成した際には大きな成長につながります。
  
  どれほど優れていようと人ひとりでできる仕事には限界があります。そして大きな仕事になればなる程、多くの人が互いに協力することが不可欠となります。「チームで働く力」とは、自分と仲間達だけという狭義の意味だけではなく、広く社会に関わってゆく能力だといえます。勉学ももちろん大切ですが、それだけでは社会で役立つ人間になれません。常に多くの情報を取り入れ、色々な人と話をし、様々な活動に参加し、その中で自分や社会について考え行動していくという姿勢が是非とも必要であると思います。