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ロンサム・ジョージの住んでいた島

南アメリカの西に位置し、長らく人の手が入ることのなかった楽園・ガラパゴス諸島は火山活動によってできた群島です
1835年、26歳のイギリス人博物学者・チャールズ・ダーウィンは、測量船ビーグル号に乗ってここを訪れ、約1か月間の滞在中、見聞きしたことで進化論のもとになる考えを得ました

諸島の名前の由来にもなったゾウガメ(スペイン語でガラパゴ)が何種も生息しています。そのなかでもピンタ島亜種で1頭しかいないジョージ・『ロンサム・ジョージ』が死んでしまいました。新聞にも取り上げられていましたね。世界一有名なゾウガメですもの

ゾウガメは昔、食糧として乱獲され絶滅したといわれていたのですが、偶然発見された1頭がその孤独な身の上と世捨て人を思わせる風情からロンサム・ジョージ(ひとりぼっちのジョージ)と呼ばれるようになったのだそうです。ジョージを中心に島の生態系や環境問題を取り上げた1冊
ひとりぼっちのジョージ/ヘンリー・ニコルズ (早川書房)

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全長が最大150㎝、250㎏にもなる世界最大のリクガメ・ガラパゴスゾウガメを筆頭に、爬虫類なのに1時間も海に潜ることができるガラパゴスウミイグアナ等、世界のどこにも存在しないような風変わりな動物や不思議な植物の宝庫であるこの島は世界自然遺産第1号に登録され、多くの観光客が訪れています

ユニークな生態系がどんなふうに誕生し進化していったのか、ダーウィンの足取りとともに伝えるのが
ガラパゴスのふしぎ/日本ガラパゴスの会 (ソフトバンククリエイティブ)

一方、たくさんの人々が訪れることによって、外来種(大陸の植物や昆虫)や病原菌がものすごいスピードで侵入してきました。ホテルやレストランが立ち並び、たくさんのゴミも出されます。その上、エルニーニョ現象の影響でまざまな生態系に影響が出て、ガラパゴス諸島は2007年に危機遺産にも指定されました

深刻な問題を抱える現在の島の様子を見つめた
ガラパゴスがこわれる/藤原幸一 (ポプラ社)
鳥たちはゴミ捨て場から、アスベストの繊維をくわえ巣の材料に持ち帰ります。ガラパゴスペンギンたちはエサを取りにいくため車道を横切ります
人のアイデアと技術によって壊されつつある自然を、今度はそのアイデアと技術で再び人によって元に戻していかなければならないという思いの込められた写真集です