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社会で活躍するリーダー ~良き協力者を持つ

  過去、一代で事業を立ち上げた人、莫大な富を築きあげた人、色々な分野で世間から注目されるような大きな事を成し遂げてきた人等を調べてみると、意識するかしないにかかわらず、必ず素晴らしい協力者の存在が浮かんできます。
  この校長通信で何回も紹介しているホンダの創業者、本田宗一郎氏についてもそうです。本田氏は技術者としては非常に優れた能力を有していましたが、会社経営については得意ではありませんでした。自分の欠点を知っていた本田氏は、財務経理のプロである藤沢武夫氏という人物を見出し、すべてを任せました。この結果、本田氏自身は得意分野である技術の開発に集中することができた、というわけです。
  のちに本田氏は「藤沢がいなかったら会社はとっくのとうに潰れていた」と語っており、当の藤沢氏も「本田がいなければ会社はここまで大きくなれなかった」と言ったそうです。お互いを理解し合い、役割を分担し、尊重しあい、信頼しあえるパートナーであったのでしょう。本田氏の強い理念と技術力、藤沢氏の経営力が両立し世界のホンダを作り上げた、いわば二人三脚で会社経営に取り組んだのです。藤沢氏の死後、本田氏はアメリカで日本人初の自動車殿堂入りを果たしました。帰国後、空港からすぐに藤沢氏の自宅へ向かい、受賞メダルを位牌に向けて見せ「お前と二人でもらったんだ」と語りかけたというエピソードが残っています。

  また、松下電器の創業者である松下幸之助氏も高橋荒太郎氏を良きパートナーとして人事や経理、事業部制といったマネジメントのシステムを作り上げたのです。ソニーを創業した井深大(いぶかまさる)氏と森田昭夫氏も絶妙なコンビで世界に冠たる技術のソニーを作り上げました。
彼らがいなければ現在のホンダや松下電器やソニーはなかったでしょう。良き協力者を見つけ出す力の大切さを教えてくれているようです。