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2012年09月30日

創立記念日に向けて・・・その3

 「孝道を人間の根本義と考え 社会のために尽くす精神を最も尊重し よりよい社会 国家を生み出すべく 心を素直にもち すべてに感謝の念を捧げ 健康な体力とたくましい実践力をもつ 強い人間を創ることを念願としています」。この創立の精神は、「鳥井理事長から親孝行、田岡理事から社会奉仕、堀新理事から素直な心、等が出て」長時間の理事会での論議の末、決まったと「30周年記念誌」にあります。
 土井学園長も自叙伝「雲雀丘に芽が出たよ」のなかで、「父兄にとって、一番の関心事は学力のようである。次に、躾の問題がよく取り上げられる。そうした要望にこたえる教育を押し進めると、上品で勉強の良くできる子供となる。これだけでは、得てして頭デッカチの青白い子供となる。逆境に弱い子供となる。・・・金銭に不自由がないから、おうようである。しかし物を大切にしない。働くことが苦手である。大切にされ、他人から奉仕されることが多いので感謝の気持ちが薄い。これでは実社会に出てからが心配である。」「健康な体力と、たくましい実践力をもつ、強い人間をつくる」これが私の得た結論だった、と当時のことを書かれています。
 「親孝行というものは人間最高の道だと強く信じて居ります。孝行ということは、その人が人間として立派でなくてはできないものです。即ち、徳が身についていなければ出来ないことであります。徳のある人は、世の中に出ても認められ、必ず立派な仕事をして行くことが出来るものです。この学校は親孝行な人間を育てるという教育方針をもった学校」(昭和29年中学校校舎落成での鳥井信治郎理事長挨拶より抜粋)ができあがったのです。

2012年09月29日

創立記念日に向けて・・・その2

 昭和24年4月15日、川辺郡西谷村立西谷小学校雲雀丘分教場として入学式が行われました。これが始まりです。「有る物は木造の一教室、土井、石黒の先生2人に36人の生徒だけだった」(創立30年記念誌)ようです。小学校の教育は公立か私立か検討中だったそうですが、「本小学校は西谷小学校分教場として発足し『独立校』として独自の教育方針で発足する。本村の一方的教育方針の強要はしない。但、儀礼的、形式的な管理下にあることを了承する」などが雲雀丘小学校創立委員会と西谷村との申し合わせ事項の中に盛り込まれていました。創立当初から「独自の教育方針」を持つ「独立校」をめざしておられたことが伺えます。
 涙ぐましい募金活動などを経て、翌、昭和25年8月24日学校法人雲雀丘学園設立が認可され、雲雀丘学園小学校・雲雀丘学園幼稚園がスタートました。同年9月30日開園式が行われ、翌日の10月1日を開園記念日と定められました。
 その後、昭和28年雲雀丘学園中学校の設置が認可されました。入学者は男女各1組(男子29名・女子21名)でした。卒業生が出る昭和31年に高等学校設置認可と続き、現在にいたっています。高校の1期生は男女各1組(男子55名・女子24名)79名でした。
 創立記念日を入学式の行われた4月15日に定めていましたが、平成13年に開園記念日である10月1日に変更されて現在に至っています。公立の分教場としてスタートした小さな学校でしたが、設立関係者が大きな目標や夢を持ち、それを実現して来た歴史がこの学園にはあります。

2012年09月28日

創立記念日に向けて・・・その1

 創立記念日は10月1日です。今年は30日が日曜日ですから、連休になります。雲雀丘学園の誕生の頃を「学校創設趣意書」からみたいと思います。
 「行政区割の関係によりその地区自体の義務教育機関たる小・中学校なく子供の教育に困難を感じて参りました。而も此の宝塚沿線地区には教育に理解を持ち子供の教育を熱愛する家庭多く従来その子弟の教育を慎重にして学校をあれこれと選択し、公立学校以外の私立学校に交通機関の難渋をおかして遠く通学せしめて来た実情にありました。・・・そしてこの地区の普通の家庭は止むなく関係地区の他村の学校に教育を委託する状況にあります。而も当該町村にはその経済的見地から今日学校建設を之に委ねることは殆ど望まれざるところであります。ここに於いて只管児童教育愛護の立場からかかる社会問題を何とか解決し此の地区にふさわしい我々の学校を建設したいとの念願が凝ってここに同志獲得を発起した次第であります。・・・さしづめ川辺郡西谷村立小学校雲雀丘分教場として認可をとって居りますが完成の暁にはかの委託生等をも広く吸収し独立の小学校とし更に接続の中学校をも作り一大総合雲雀丘学園にして行きたいとの高遠なる希望を持って居ります。・・・昭和24年5月、学校創設委員会委員長鳥井信治郎、副委員長木本勇二、副委員長田岡佐平」ほかに委員26名、顧問3名の方が名前を連ねておられます。(創立30周年記念誌)
 村立の分教場としてスタートした学校を独立させ、私立の総合学園をめざしていく運動でした。学校改革のDNAの起源はここにあるといえます。

2012年09月27日

高校1年生JICA国際交流授業

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         書道実習                     調理実習
 JICA(独立行政法人国際協力機構)は、外務省所管の独立行政法人で、開発途上地域等の経済及び社会の発展に寄与し、国際協力の促進に資することを目的としています。きょう、JICA職員2名とブータン、インドネシア、エジプトなど9カ国から橋の建設について学びに来られている17名の研修員の方が来校されました。高校1年生と国際交流授業を行うためです。
 本校生は、書道実習や一緒におにぎりを作る調理実習では先生役を務めました。午後からのワークショップでは、本校生は折り紙を研修員の方はそれぞれのお国の文化や風習などを相互に教え合いました。もちろん会話は英語で行っています。どこまで細かく説明できたか理解したかは様々ですが、気持ちは通じ合い交流はできたと思います。
 学びの方法はいろいろな形があります。普段の授業のように先生が主導ですすめていく形式もあれば、今回のワークショップのような形式もあります。いずれの場合も学びの主体である生徒がどのように活動しているかが大切なところです。教えてもらうという受け身の姿勢から、教えるという能動的な対場を取り入れることによって、自分の理解の不十分さに気付いたり、考えていることを相手に伝えることの難しさを実感したりします。このことは自らが学ぶ立場に立った時、貴重な経験として生きてくる筈です。
 「具体から抽象へ」、いろいろな体験・経験を通して学びを深めていく、高校1年生にふさわしい国際交流授業だと思います。研修員の方の帰り際の笑顔がきょうの内容の充実ぶりを物語っていました。

2012年09月26日

全校朝礼

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 青空の澄み渡る秋空のもと全校朝礼を行いました。久しぶりの朝礼です。県高体連阪神支部1部リーグで優勝した高校女子テニス部、県高体連阪神支部秋季リーグ優勝高校男子バレー部、県高体連阪神地区新人柔道大会男子個人3位、市中体連準優勝軟式野球部、県中学総体テニス競技女子団体準優勝・ダブルス3位・シングルス3位の女子テニス部の賞状伝達を行いました。
 クラブではありませんが、歴史能力検定で日本史2級に合格した中学生を表彰しました。中学生の部で全国最高得点で合格したという優秀な成績でした。2級といえば、高等学校卒業認定試験の受験科目「日本史B」が免除になったり、大学入試の際の評価対象になるようなものです。中学生が合格、しかも全国最高得点だったということは立派なものです。
 その後、後期の生徒会役員選挙を行いました。前期は体育大会や文化祭といった大きな学校行事がありました。後期は、大きな学校行事がありません。だからといって、生徒会が取り組むことは何もない、といったことにはなりません。生徒会の活動は、学校行事に対する取り組みだけでないことは当然のことです。
 生徒の自治を確立していく上で生徒会の役割は大きなものがあります。生徒間の中で意見が対立しているように感じることがあるとします。しかし、よく掘り下げてみると実は同じことを考えていたということに気付くことがあったりします。そういった過程が大切だと思います。学校生活について、いろんな問題提起をし、話し合う風土を確立してほしいと考えています。
 前期生徒会役員の皆さん、ご苦労様でした。

2012年09月25日

きょうの授業風景

 教室で、先生が何やら銀色の綿のようなものをピンセットで摘んで生徒に見せています。火をつけると赤く燃え上がり、次第に黒くなっていきます。黒くなった綿のようなものの目方を生徒が測っています。そうです。スチールウールの燃焼実験をしている中学校での理科の授業です。黒くなったものの方が、最初の銀色のものより重くなっている測定結果から考えさせるという内容です。
 教室の黒板に透明のビニールが張ってあります。黒板には二次関数の曲線が書いてあります。xの領域(定義域)が変化するとyの値(値域)がどう変わるか、そのビニールを曲線の上に張り、カーテンのように動かしていきyの値を確認していくという中学校での数学の授業です。先生の工夫を凝らしたアイデアで授業が行われています。
 図書室では、エジプトやモンゴル等世界の国々を生徒たちが調べています。JICAの海外研究員の方に来ていただいて行う高1のJICA国際交流授業、社会の授業です。
 私たちの頃は理科の実験といえば、黒板実験ばかりです。だから、必ず成功します。失敗はありません。数学や社会の授業も然りです。しかし、今の学校はそのような授業を行ってはいません。実物を見せ、触れさせそこから考えさせる、「具体から抽象へ」の流れを大切にしています。社会の学習もそうです。教科書やDVDを見て進めるだけでなく、可能であればそこで生活している方と話ができればより理解ができると考え取り組んでいます。授業は生徒だけでなく先生も「自分を成長させる場」だと位置づけて取り組んでいます。
 ふと立ち寄った教室と図書室での授業風景でした。

2012年09月24日

スーパーコンピュータ「京」が本格稼働

 一、十、百、千、万、億、兆、京(けい)、・・・大きな数の数え方です。京は10の16乗、1の次に0(ゼロ)が16個つきます。スーパーコンピュータ(スパコン)「京」は、毎秒1京回、1兆の1万倍以上の計算能力を持つ、理化学研究所(神戸市)と富士通が共同開発したコンピュータです。計算速度世界ランキングのトップになったことがあります。このコンピュータが28日から本格稼働するそうです。
 スパコンを使えば膨大な量のデータを瞬時に解析することができます。自動車の開発には、衝突実験用の実車を製作し、何十回も衝突実験を繰り返さないと安全な設計ができないといわれています。自動車衝突解析シミュレーションを使うことによって開発コストと時間の大幅な低減が期待されています。天気予報が正確になってきたのもスパコンのお蔭です。天気を解析するための膨大な量のデータを処理するのは普通のパソコンでは不可能です。創薬の分野でも期待されているといわれています。「生活習慣病やがんなどの薬の標的となるタンパク質350種類と、薬の候補物質3000万種で計105億通りの組み合わせを計算。この中から結合するペアを探し出し、さらに組み合わせを絞り込んで結合の強さを調べる」(読売新聞24日付朝刊)計画だそうです。
 実際に実験を行うことが極めて困難であったり不可能、または危険である場合にシミュレーション(模擬実験)が行われます。いろんな分野でスパコンが活躍することを期待しています。人類の平和と発展のために力を発揮してくれることを願います。

2012年09月23日

第2回中学OS&説明会

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     放送部による学校紹介DJ             体験授業(技術)
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          雨の為グランドが使用できず、校庭でのクラブ体験
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              学園記念講堂で説明会を行いました
 きょうは、2回目の中学オープンスクール(OS)を午前に、午後から中学入試説明会を実施しました。昨夜からの雨もOS開始の頃には上がりました。雨の影響でグランドが使用できませんでしたので、校庭でのクラブ体験に切り替えました。
 教科の体験授業は国・社・数・理・英・家・技・美の8教科で行いました。内容は「絵と言葉で遊ぶ」(国)、「図形と遊ぼう」(数)、「不思議な体験をしよう」(理)、「マドレーヌを作ろう」(家)など興味を引くようなものでした。
 クラブ体験は軟式野球・男女硬式テニス・ソフトテニス・サッカー・男女バスケット・女子バレー・男女剣道の10クラブ(運動部)、演劇・ギターマンドリン・鉄道研究・放送・囲碁・将棋・吹奏楽・写真・箏曲の9クラブ(文化部)と施設見学を行いました。
 OS参加者は249名と昨年を大幅に上回りました。アンケートからも、楽しんでいただけたと思っています。
 入試説明会では、本校の学校改革のめざしているもの、とりわけ、創立の精神である「孝道」をベースに改革を実施していることや現状を固定的に見ないで成長発展する過程の一段階として学校をみてほしいこと、第1回説明会のときには結果が出ていなかった生物学オリンピックの本選出場や大学と連携した「本物の学び」の新たな広がりなどを説明させていただきました。
 説明会は452名と昨年の2倍強の参加者でした。「生徒と先生の雰囲気が良かった」、「改革を進めておられる姿勢がよくわかった」、「未来のある学校だと思った」などの感想を、身の引き締まる思いで読ませていただきました。
 

2012年09月22日

秋分の日

 少し郊外に出ると、真っ赤な花が田んぼの畦に咲いています。田を荒らすネズミ等寄せつけないようにするために植えたとされる有毒植物のヒガンバナです。
 きょうは、二十四節気の第16番目、「白露」の次にあたる「秋分」です。「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨として、「秋分の日」という国民の祝日に指定されています。「彼岸の中日」ともいわれ「秋季彼岸会」が行われ、墓参りをする人が多くいます。
 「秋分の日」といえば、昼と夜の長さが同じ長さの日といわれています。厳密にいえば、太陽は点ではなく大きさを持った円形ですから、日の出、日の入りに要する太陽の大きさの分、昼の方が少し長くなります。この日以降、冬至まで日を追う毎に夜が長くなっていきます。「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」。釣瓶は「縄やさおの先につけて井戸水をくみあげる桶」のことです。井戸にストンと落ちていくように、あっという間に日が沈むことの形容で使われます。生活に密着した分かりやすい喩えですが、最近では、TVや映画の時代劇でしか見かけなくなってしまいました。
 ヒガンバナは未だしも、日の出、日の入りや釣瓶は実際の場面や実物を見られなくなっています。井戸水を汲み上げるときの綱を引く力加減、あと少しのところで掴み損ねて落としてしまった体験等があればこの言葉の理解の仕方も変わってきます。実体験や経験に基づくものは、認識も深まり知識として定着します。生活の場での経験や体験が乏しくなってきている現状を踏まえ、学びの仕組みや方法論を考えなけば、と思います。

2012年09月21日

第34回PTA研修バスツアー


 きょうは、中高等学校PTA文化教養委員会が企画しています第34回研修バスツアーです。徳島県鳴門市にあります大塚国際美術館へバスを3台連ねて行きました。
 大塚美術館は世界25ヶ国、190余の美術館が所蔵する現代絵画まで至宝の西洋名画1,000余点を大塚 オーミ陶業株式会社の特殊技術によってオリジナル作品と同じ大きさに複製しています。この技術によって複製されたものは2,000年以上色褪せないといわれています。門外不出のピカソの「ゲルニカ」をはじめ戦争で分散していたエル・ グレコの大祭壇 衝立の復元など画期的な試みもなされています。
 交通渋滞もなく、予定より早く着きました。バス毎に美術館のガイドさんの案内による見学です。私たち3号車は1Fにある「ゲルニカ」からスタートしました。とても1時間半で全てを観ることはできませんので、人気BEST10を中心に丁寧に説明をしていただきました。「キリストが自身の『妻』について言及したと記されている文献が見つかった」との新聞報道もあり、ダビンチの「最後の晩餐」を、私は特別な思いで鑑賞することができました。
 美術館での鑑賞後の昼食会は、日頃の子どもさんの様子や学校生活の話、その他の話もあったと思いますが、楽しいひとときになりました。私も多くの方とお話ができました。「校長通信毎日大変ですね。楽しみに読ませていただいています。」など励ましや「暖かい注文」をいただいたことは、シッカリ胸にキザミ込んでおきます。
 PTA活動の大事な役割として、保護者の親睦があると思います。子どものネットワークに負けない、大人のネットワークづくりです。今後とも積極的にPTA活動に参加していただければ幸いに存じます。

2012年09月20日

先施の心

 アメリカの元大統領ジョン・F・ケネディが、日本の政治家で尊敬する人物として名前を挙げたといわれる上杉鷹山。ケネディが知っていたかどうかの真贋はともかく、上杉鷹山は莫大な借金を抱えた米沢藩を立て直したとして有名な人物です。米沢藩といえば、川中島の合戦で武田信玄と戦った上杉謙信が上杉氏の祖といわれ、忠臣蔵に出てくる吉良上野介の長男が藩主になるなど、なじみの深い人物が登場してきます。
 藩の立て直しのためにいろいろな改革を行った上杉鷹山ですが、その中でも力を入れたのが教育といわれています。そのために招聘した人物が儒学者の細井平洲です。彼の教えの中に「先施の心」というものがあります。読んで字の通り、先(せん)は先(さきに)という言葉です。施(し)は施(ほどこす)です。「自ら進んで先に施す」、自分がして欲しいと思うことを先に相手にすることが大切だと説いています。藩主自らが模範を示すことの重要性を説いたといわれています。
 先行き不透明な政治や経済情勢の世の中です。不安や閉塞感が漂う中では、「して貰って当たり前」、いや、「当然して貰える」という風潮も一部には出てくると思います。だからこそ、この言葉は生きてくると思います。「こうなったら良いな」とか「こうして欲しい」と思うことを、先ず気のついたものが行動を起こす。みんながこのような気持ちで行動できれば、とつくづく思います。「先施の心」、行動の指針にしたいと私は考えています。

2012年09月19日

団体戦としても捉える

 本校には生徒専用通路があります。阪急雲雀丘花屋敷駅から公道を通らずに学園に入ることができます。そんなこともあってか、本を片手に登校する光景がすっかり登校風景として定着しています。車が行き交う道を通っての通学では見られない、安全が確保された校内ゆえの光景です。「おはようございます。」「おはようございます。」と挨拶を交しながら通り過ぎてゆく生徒の手には漢字の本があります。「あれ?」。いつもの風景とは少し違います。学年によって漢字であったり英単語というように、それぞれの学年が行っている朝の小テストによって持つ本が違うのに、きょうは、級こそ違え漢字の本を持っています。そうです。伝統の秋の「漢字大テスト」、30分間100問テストの日です。合格点に達しなければ、達するまで行われる追試が待っています。
 学年毎に創意をこらして行われる単独の取り組みもあれば、「漢字大テスト」や「英単大テスト」などのように全校挙げて行う取り組みもあります。全員が共通の目標を持ちその実現のために力を発揮させる取り組みは、学校としての一体感を強める大切な役割を持っています。「何点以上で合格をめざす」とか「満点で合格をめざす」といった各自の目標を持って臨むことは勿論のこと、「全員が一回で合格点を突破しよう」といったクラスの目標を持って臨むという取り組みに進化させて欲しいと考えています。目の前の課題を個人戦としてだけでなく、団体戦としても捉えるということです。既に行われていると思いますが、全校に定着してくることを期待しています。

2012年09月18日

一期一会


 一期一会とは、「(茶の湯で)いついかなる時も、客を、一生に一度しか出会いの無いものとして、悔いの無いようにもてなせ、という教え」(新明解国語辞典)とあります。千利休の弟子、山上宗二が「山上宗二記」の中に「一期に一度の会」という書き下しの一文を残しています。その考えを幕末の大老井伊直弼が自身の著書「茶湯一会集」巻頭に「一期一会」という言葉にして世に広めたと言われています。
 入試説明会や入試相談会で多くの方と出会います。初めてお会いする人と、ほんの僅かな時間ですがお話しできる機会があります。その時に、次にもお話しする機会があるという心構えで接するのと、ここで十分理解していただかないと次にお会いすることは無いという気構えでお話しするのとでは大きな違いがでてきます。そこでの縁で入学されてくるということもよくあるのですから。
 初めて会う方との心構え、気構えは当然のことですが、日頃からよく顔を会わす人との接し方にも通じる大切な考え方だと思います。例えば、生徒との関係でも言えます。毎日顔を合わせますから、説明不足や言葉足らずでもいつでも補える、と考えて授業をしている先生はいません。授業は真剣勝負、先生も生徒も「自分を成長させる場」です。毎時間「一期一会」の気持ちで授業をしています。
 上の写真は中央棟の応接室に掛けてあるものです。来客など多くの方と話をする場所です。今できる最高のおもてなし、二度と会えないかもしれないという覚悟で接しなさい、といつも私たちに語りかけています。

2012年09月17日

敬老の日

 きょうは、「敬老の日」です。国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人のことを高齢者としています。今年度、団塊の世代が65歳以上の仲間入りを始めましたので、日本の高齢者人口が3,000万人を超えました。人口比で言いますと24.1%、約4人に1人が高齢者ということになりました。今後、2年ほど急激に増えていくことになります。世界に誇る長寿国日本です。100歳以上の方も5万人を超えるそうです。明治・大正・昭和・平成と生きてこられた方がおられるということになります。
 「老いて智の若きにまされる事、若くしてかたちの老いたるにまされるが如し」(「徒然草」第172段)、と吉田兼好は説いています。老人が、若い人より智においてまさっていることは、若い人が、その容姿において老人にまさっているのと同じだということです。また、「亀の甲より年の功」という言葉もあります。年長者の経験にもとづく知恵や技術は学ぶべき貴重なものです。ましてや日本の高齢者は、戦前・戦中を生きぬき、戦後復興の土台を築いてこられた方たちです。学ぶべきもの、受け継ぐべきものが沢山あります。
 「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」として制定されたのが「敬老の日」です。少子高齢化という難しい課題があります。世界でもモデルがありません。でも、「老人」が大切にされない世の中は、若者も大切にされない世の中であることは間違いありません。老いも若きも全ての人が生き甲斐を持って生活できる世の中が求められています。本校の創立の精神である「孝道」も同じことを求めていると思います。

2012年09月16日

水と安全はタダの国?

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         サントリー 水育HPより
 地球上の水の約97.5%は海水等です。淡水は約2.5%しかありません。この大部分は氷や地下水等で実際に利用できるのは、0.01%〜0.02%のごくわずかだと言われています。水は貴重な資源なのです。
 「水と安全はタダ」という言葉は、日本にかかる枕詞や代名詞のように使われてきました。しかし、本当にそうでしょうか。安全が怪しくなってきていることは、昨今の状況から誰しも感じているところだと思います。実は水もそうなってきています。「瑞穂の国」は「『瑞穂を産する国の意』日本国の美称」(大辞林)となっていますが、それも危なくなってきています。
 国土交通省の資料によりますと、日本の年間降水総量は世界平均の約2倍と言われています。しかし、一人当たり年間降水総量でみるとサウジアラビアとほぼ同じで、世界平均の約3割しかありません。一人当たりの水資源量でみても世界平均の約4割強です。実は水資源の乏しい国なのです。
 日本の食料自給率はカロリーベースで約4割です。6割を輸入で賄っています。東京大学の沖教授らの研究グループによりますと、1kgのトウモロコシを生産するのに1,800リットルの水、牛はこうした穀物を消費しながら育つため牛肉1kgを生産するには、その約2万倍の水が必要とされています。ですから、食料を6割輸入しているということは、それを生産するための膨大な水(バーチャルウオーター)を輸入していることになります。
 減反政策で、休耕田や耕作放棄地があり、もはや「瑞穂の国」とは言えないかもしれません。国民一人当たりの水資源は決して余裕のあるものではありません。この現状を踏まえ、水との付き合い方を考える必要がありそうです。

2012年09月15日

啐啄同時

 中国の仏教書「碧巌録」に、「啐啄同時」(そったくどうじ)という言葉があります。「啐は驚く、叫ぶ、呼ぶ」、「啄はついばむ」という意味です。卵の中のヒナが殻をコツコツつつくことを「啐」、ちょうどその時、親鳥が外から卵の殻をコツコツつつくことを「啄」と言います。両者が一致してヒナが生まれることから「絶好の好機、またとない好機」を表す言葉として使われます。卵の中のヒナがつついている(啐)のを親鳥が気付かなかったり、つついていないのに親鳥が殻を破って(啄)もいけないのです。同時でなければなりません。
 子どもは成長の過程で親離れをしていきます。親もこのタイミングで子離れをする必要があります。まさに「啐啄同時」が、子どもの自立にとって大切です。ところが、子どもは学校で集団で生活しています。子ども同士のネットワークを持っています。ともすれば、子どもの親離れの方が早く、親の子離れが遅れたりする時があります。自立の大切な機会を逃してしまいます。子どものサインを逃さないようにするには、子どものネットワークに負けない大人のネットワークが必要だと思います。
 学習活動における生徒と先生の関係も同じことが言えます。生徒が知りたい、学ぼうとしているサインを先生が見逃してはいけないということになります。この場合は、生徒がサインを出していないのに、先生が殻をつつくことの方が多いようです。だからといって、ただその機会をじっと待つということではありません。内側からつつかせるような準備や刺激を与えることが必要です。「啐啄同時」含蓄のある言葉です。

2012年09月14日

塾長対象説明会を開催

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 彼岸間近とはいえ、暑い日が続いています。きょうは、学園講堂で塾長説明会を行いました。140塾から165名の方のご参加いただきました。参加塾数、人数とも昨年を上回る多数の方にご参加いただきました。ありがとうございました。
 昨年度は、中学・高校受験とも過去最高の受験者と入学者でした。それを受けての今年度の入試ですが、各種相談会や模試の様子を見ておりますと、今のところ昨年を上回る状況で推移しています。特に、今年度は、コースの募集人数など、中学・高校とも変更点がありますので、昨年度までとは少し様子が変わるかもしれません。
 高校改革の最後の学年が、高3になっています。次のステージへの橋渡し役として頑張ってくれています。今まで、お知らせしていますように、生物学オリンピックの本選出場、化学グランプリはあと少し、というところまで健闘してくれました。高2〜中1までは中学改革後の生徒です。コース制導入後の学校改革も第2ステージ完成の時期になりました。
 第2ステージで本校がめざしていますのが、「本物の学び」の追求です。研究機関や大学との連携など、広がりを見せてきています。やらされることから、自ら進んで「学びを追求する生徒集団」、自分の興味や関心のあることに積極的に取り組む「実践力旺盛な生徒集団」、生徒自らが問題意識を持ちお互いに高め合う「自治力の高い生徒集団」をめざし、生徒の育成に注力しています。
 今年度の入試が、第3ステージの展望を切り拓くものになると確信しています。「不易」である「創立の精神」を堅持し、「流行」である学校改革は留まることなく進めて参ります。改革に終わりはありません。

2012年09月13日

オープンスクールへのお誘い

 学校は2学期に入り、体育祭や文化祭が間近なところもあり、準備が大変だと思います。受験については、志望校の検討や決定の時期に差し掛かってきていると思います。私たちも、9月に入り各種説明会が多くなってきました。土日は勿論のこと、平日も各地で行われています。中学受験・高校受験とも相談に来られる方が多い、と担当者から報告を受けています。ありがたいことだと喜んでいます。
 本校で実施していますオープンスクール(OS)は中学・高校とも各1回ずつ終わりました。来週の23日の日曜日に第2回中学OSと説明会を行います。第1回中学OSは予想を超える参加者でした。お蔭さまで、昨年と比べましても参加者が増えています。来年度は中学・高校とも入試に変更点があります。ぜひ、本校のめざしている方向や考え方などご理解いただくとともに、学校を見学して頂きたいと考えています。
 進路指導の基本ですが、受験する学校、言い換えると進学する意思のある学校は、第1希望・第2希望を問わず足を運ぶことが大切です。OSともなれば、その学校の先生や生徒と直に触れ合うことになります。その学校を知る一番の方法だと思います。そういった場をぜひ生かして下さい。
 中学OSは次回が最後です。今週末、9月15日まで受け付けていますので、本校に関心のある方は申し込みをよろしくお願いします。高校のOSは10月21日(日)です。まだ受付を行っていませんが、9月18日〜10月13日まで受け付ける予定です。いずれも体験授業やクラブ体験ができます。詳細はHPの入試情報に掲載していますのでご覧ください。多くの方とお会いできるのを楽しみにしています。

2012年09月12日

実りの秋

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 朝晩はめっきり涼しくなってきました。きょうは、全校朝礼でした。日陰は涼しいですが、まだまだ太陽の日差しはきつく、暑い朝礼になりました。でも、心なしか校庭の芝生の色は変化して来ています。「暑さ寒さも彼岸まで」、季節は進んでいます。
 文化祭も終わり、腰を据えて学習に取り組む時期になりました。文字通り「実りの秋」にふさわしい学習を行う時期です。
 本来、「学び」というものは、新しい発見があり、今までとは違う新しい自分が創造されていくのですから楽しいものである筈です。プロ野球選手が、毎日、何回も何回も素振りをします。義務感だけで行っているとしたら長続きはしないし、身にもつきません。ただ単純にバットを振っているだけにみえますが、目標を持ってその動作を繰り返す、そこには何か新しい発見があったり、少しずつ変化が生じていくのを確認できるから続くのだと思います。「学び」も同じことです。「こうなりたい」、「こうしたい」という明確な目標を持ち、変化していく自分、新しい自分を確認できれば楽しくもなり続いていくと思います。
 高3は、きょうのHRでセンター試験説明会を行っています。10月になればいよいよ出願です。志望校合格を目指して、益々力をつけていかなければならない総仕上げの時期です。まだ、今の力だけで判断してはいけません。これからが勝負です。力も伸びていきます。今まで積み上げてきた努力を実らせ、質的に変化させる時期です。
 今年の夏は暑い夏でした。暑い夏は良いぶどうがとれ、良いワインが出来るそうです。「実りの秋」、どんな実をつけるか楽しみです。

2012年09月11日

パラリンピック閉幕

 史上最多の164カ国から約4300人の選手が参加したロンドンパラリンピックは9日の閉会式で閉幕となりました。1948年のロンドンオリンピック後に行われたのが始まりとされていますので、今回の大会が、発祥の地での開催と言われています。
 オリンピックと違って、日本ではTV放送もごく限られていましたが、現地では非常に盛り上がりをみせ、多くの人に感動を与えたとされています。日本選手は前回の北京大会よりメダル数は減ったとされていますが、全力を出し切り数々のドラマを生みだしています。
 競泳女子100m背泳ぎ(視覚障害S11)で金メダルを獲得した秋山里奈選手は先天性の全盲です。蛇行するので、コースロープにぶつかるから、スタートを磨いてきたそうです。努力を積み重ね獲得した金メダルは「きっと、この世で一番きれいな色」とのコメントに私は心を打たれました。
 アトランタ、シドニー、アテネ、北京と4大会連続出場し、合計15 個の金メダルを獲得した水泳選手の成田真由美さんは子どもの頃はプールが大嫌いだったそうです。金メダル獲得の秘訣を尋ねられたとき「簡単にあきらめないこと、あとは仲間を大切にすることですね。」と語っておられます。平凡なようですが、奥深い言葉です。
 私たちは、自分が出来ないことの言い訳として、「何々があったら」とか、逆に「何々がない」からとよく言います。これは、自分のおかれている現状のなかでベストを尽くすという視点が欠落した言葉だと思います。現状を100%受け入れ、そこからどう頑張るかということが大切だと教えられたパラリンピックでした。

2012年09月10日

徳島大学総合科学部訪問


 粟の生産地だったために「粟国(あわのくに)」、と呼ばれていたところから「阿波」になったいわれている徳島県、同地にある徳島大学の総合科学部を訪問しました。本校が実施しています「One Day College」の講師としてお招きしている徳島大学総合科学部中川秀幸教授とのご縁で、学部長石川榮作教授と副学部長横井川久己男教授とお話しをする機会が持てました。
 今回の訪問の目的として、本校が目指している「本物の学び」の一環として、大学と連携した取り組みを考えている旨のお話をさせていただきました。「何のために学ぶのか」、「何のために大学へ行くのか」、「大学での学びとは」ということをしっかり捉えさせて大学進学をさせたいとの考え方に共感していただきました。とくに、「本物の学び」ということについて話が盛り上がり、学校の抱えている課題や「学び」について、学部長や副学部長と認識が共通していることを確認でき心強く思いました。有意義な会議が持てたと喜んでいます。
 「徳島大学総合科学部は、社会の大きな変化に伴い『知の総合化』が求められる中、従来の人文・社会・自然科学の枠を超えて、新しく諸科学の総合・融合を目指した教育研究を行って」(石川榮作学部長)おられます。この学部の先生方と「本物の学び」を追求する本校が一緒になって、来年度から新しい取り組みを企画し成功させていきたいと考えています。
 お忙しい中貴重な時間を頂戴し、誠にありがとうございました。石川学部長、横井川副学部長、今回の労を執って下さった中川教授に感謝申し上げます。

2012年09月09日

文化祭成功裏に終わる

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きょうは、一般公開日です。講堂では、演劇部、箏曲部、合唱部、吹奏楽部やギター・マンドリン部などクラブと、昨日の合唱コンクールで金賞を受賞した高校2年G組・中学3年C組の発表です。午後からは高校2年生の舞台発表もありました。
 華道部が「生け花教室」、茶道部はお手前を披露するなど、昨日とは少し違う雰囲気の文化祭になりました。勿論、科学部、放送部、鉄道研究部、写真部、書道部、美術部、インターアクト部、クラスや教科などは2日間にわたって展示発表を行っています。高校2年生は修学旅行でお世話になった農家の方と協力して北海道物産展を開催しました。生徒たちが生き生きと輝いた2日間となりました。
 高校3年生と言えば、模擬店です。連日、熱い鉄板を前に大変だったと思いますが、多勢のお客さんに趣向を凝らした食べ物を提供してくれました。「公務員さんは来られていますか」との問いかけのもと、さりげなく行われている事務室などへの差し入れは、君たちの優しさが現れていました。「グッ」と胸にくるものがありました。あの優しさのこもった「焼き鳥」や「たこ焼き」、「チュロス」の味は大事に胸にしまっておきます。
 高3にとっては最後の文化祭になりました。クラスの仲間と力を合わせて取り組んだことは、卒業後にもきっと語り継がれる良い思い出になることでしょう。それこそ「絆」を深める取り組みになったことと思います。次は、各自の進路を切り拓く取り組みに全力であたる番です。個人がバラバラの戦いをするのではなく、団体戦として、仲間を信じ、共に歩んで欲しいと考えています。チャレンジ精神を搔き立てられる高い目標を打ち立ててくれることを後輩たちは期待しています。

2012年09月08日

文化祭1日目「合唱コンクール」

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 開会式前は小雨がパラついていましたので、放送による開会式を行いスタートしました。一日目は、在校生の保護者や卒業生対象の日でした。早くから多くの方がご来校されました。

 「上級生が全力を出して、下級生に見本や目標を示す。それを下級生が全力で乗り越えようとする。そういった団体や組織は伸びる。」、もう何年前になるでしょうか。かれこれ10年になるかもしれません。合唱コンクールの表彰式で言った感想です。今年も高校・中学とも上級生が金賞を受賞しました。決して、下級生が手を抜いていたり、はじめからダメだと思っていたのではないと思います。開会式寸前まで練習する歌声が聞こえていました。どのクラスも本気で金賞を狙いに来ている様子がよく伝わってきました。
 きょうのコンクールを迎えるまでの練習中のことでしょう。「クラスの仲間が激しくぶつかり合っているのを聞いて、仲が悪いのかと思っていたが、きょうの舞台での様子を見て、そうではないんだということがよくわかった」、と言われている保護者の方がありました。
 目標に向かって全力で立ち向かうとき、意見の対立があったりします。これは、一人ひとりが仲間を信じ、自分の意見をぶつけ合うから起こるのであって、他人まかせで、それについていくだけであったり、クラスがまとまっていなくてもどうでも良いと思っていては、こういったことは起こりません。本物になってきた証しだと思います。
 900席ある講堂が一杯で、立ち見の方が沢山出る盛況ぶりでした。空調も利かないほど熱気にあふれていました。鑑賞態度も立派でした。生徒たちのパワーと可能性を感じた感動の合唱コンクールでした。

 


 

2012年09月07日

二十四節気「白露」に思う

 きょうは、二十四節気の一つ、立春から数えて15番目の白露です。大気が冷えて来て、露が出来始める頃、とされています。
 昔の暦は、月の満ち欠けを使った太陰暦が使われていました。太陰暦の日付と実際の太陽の動きはズレがあります。農耕等には太陽の動きが大切なので、補正するために二十四節気が考えられたとされています。元より、中国から伝わって来たものですから、日本の気候とズレがあります。日本の気候にあった二十四節気をつくろうという動きが日本気象協会であったそうですが、必要ないとの意見もあったようです。二十四節気と実感のズレが日本の伝統的な文化を生みだしたという考え方からです。八月の熱い盛りに立秋があり、暑中見舞いから、残暑見舞いに、秋を見つけにいく季節の先取りをしていくところに日本人の繊細な季節感を養った、とする考えもあります。
 逆だったらどうでしょう。すっかり涼しくなり、コートが欲しくなりかけた頃に夏が終わりました、というような季節の後追いであれば風情がありませんし、それこそ変える必要があると思います。
 何事も、最盛期の時に衰退の、絶好調の時にスランプの要因があるように、今ある現象の先を見て対策を立てることが重要だと思います。最新鋭の機器を導入したとたんに、それは一番古くなっているのです。どん底やスランプ、問題が顕在化したときにも必ず解決の方向性や要因が潜んでいる、と私は考えています。
 日中はまだまだ暑いが続いています。でも、朝の登校指導のとき木陰に立っていると季節が変化していることを確かに感じます。豊かな感性、いつも先を観る目を身につけたいものです。

2012年09月06日

文化祭準備も大詰め


       文化祭のパンフレット 
 9月8日(土)・9日(日)は、「HIBARI FESTIVAL 47th」です。今年度のテーマは「絆〜みんなでつなげる大きな輪〜」としています。「まだまだ震災の爪あと生々しいニッポン。テレビのニュースも暗い物ばかり。そんな今だからこそ、僕たち私たち雲雀っ子の”絆”を深め、みんなに元気を届けよう!」と生徒会は呼びかけています。
 初日は高校1.2年生、中学全クラスによる音楽コンクールです。高校は各クラスで選んだ自由曲でのコンクールですが、中学には学年毎に決められた課題曲もあります。どのクラスも金賞目指して頑張っています。当日が楽しみです。高校・中学とも金賞を取ったクラスは一般公開日の9日(日)、皆さんに披露することができます。講堂では、音楽コンクールのあと中学3年生の全クラスがダンスの発表を行います。
 2日目の9日(日)は一般公開日となっておりますが、チケットご持参の方のみとなっています。なお、中学や高校受験を考えておられる方は入場していただけることになっています。講堂では演劇部、箏曲部、金賞クラスの合唱、合唱部、吹奏楽部、ギター・マンドリン部の発表が午前中を中心に行われます。その後、高校2年生の講堂発表があります。
 両日にわたって、全学年や教科・クラブの展示を行います。もちろん高校3年生は工夫を凝らして模擬店を開きます。2日間の全校生・教職員や来場者のお腹を満足させるため腕をふるってくれます。
 準備も明日一日になりました。生徒会役員で構成する文化祭企画・運営委員、各クラスから選出される文化祭実行委員、高校2年生各クラスから選ばれる文化祭特別作業班、パンフレット巻頭イラストを担当してくれた高校3年生有志、そして全校生徒が力を合わせ「雲雀っ子の”絆”を深め」る文化祭にしましょう。

2012年09月05日

匠の技「木殺し」

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           ほぞ                 ほぞ穴       
 木材の接合方法のなかに「ほぞ組」というものがあります。単に木材の接合部分に接着剤をつけて釘を打つより格段に丈夫な接合方法です。「ほぞ組」は「ほぞ」と呼ばれる凸部を「ほぞ穴」と呼ばれる凹部に差し込む接合方法です。釘や接着剤は必要ありません。「ほぞ」が「ほぞ穴」より小さいと抜けやすくダメですし、大きすぎると入らないことは分かると思います。正確な加工技術が要求されますが、同じ寸法につくれば良いというものではありません。ほんの少し「ほぞ穴」より大きい「ほぞ」をつくり、「木殺し」をすることが「匠の技」とされています。「ほぞ」を玄翁でたたいて凹ませることを「木殺し」といいます。玄翁の頭は、平らな面と丸みのある面がありますが、丸みのある面で木材の繊維を断ち切らない程度の力加減で叩くことが肝心です。そうすれば、「ほぞ穴」の中に差し込まれた後、元に戻りピッタリあって抜けなくなります。まさに「匠の技・匠の知恵」です。
 目標とするものより少し大きなものをつくり、「木殺し」という技を使って組み立てます。小さくても、大きすぎてもダメです。大きなものを無理やりたたいて繊維をつぶしてしまっては「木殺し」にはなりません。私たちが目標を立てる時と、どこか似ているような気がします。努力の必要もなく簡単にできそうな小さなもの、反対に実現しそうもない大きすぎるものは目標になりません。努力して頑張れば実現しそうなものが適切な目標になります。また、意欲も湧きます。その繰り返しが大きな目標・夢の実現へと繋がっていくのだと思います。「夢は叶う」と言われます。叶うまで追い続けるからです。大きな目標に「木殺し」という技を使って。
    
     ほぞ組で制作された学習スペースの椅子

2012年09月04日

漢字検定協会の取材

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                漢字能力検定 優秀団体賞
 本校が長年にわたって団体受験を行い成果を挙げてきているとして、漢字検定協会から取材にこられました。協会には、1995年から学校として漢字検定を受検しているとの記録が残っているとのことでした。
 漢字学習を暗記ではなく、漢字の持つ意味を捉えて自らが使える語彙を増やすことを目的にし、全学年で年間計画に定められた曜日に朝礼テストを、秋には30分100問テストを、本校では行っています。テストを実施して終わりではなく、合格点に達していなければ、達するまで追試も行います。一方で、成績優秀者の掲示も行います。これをベースに毎年秋に校内で漢字検定を全員が受検します。春と冬は再挑戦の機会として希望者を募ってこれも校内で実施しています。
 生徒の希望する級で受検させていた時期もありましたが、現在は学年毎に目標の級を決めて受検させています。中学1年生では5級、中学2年生4級、中学3年生3級、そして高校2年生で2級取得を目指しています。これも、合格すれば良いということではなく、中学生では校内で5・4級は190点、3級は180点というように目標点を設定し、それをクリアするようにさせています。校内での高得点目標を設定したことにより2級の合格率、合格者が増えてきています。
 昔から学習の基本は「読み書き・そろばん」と言われたりしています。漢字の学習は単に国語の学習の一部としてだけではなく、学習の目標や到達点が明確で、その成果をすぐに検証することができるといった点で学びの基本を内在しています。生徒を多面的に多くの評価軸で観ることが生徒を伸ばすことに繋がります。漢字検定は一つの立派な評価軸だ、と私は考えています。

2012年09月03日

9月3日はドラえもんの誕生日

 今日9月3日はドラえもんの誕生日だそうです。正しくは2112年9月3日生まれで、100年後の未来からやってきたそうです。こう書いていますと、漫画の世界から引用しているようですが、そうではなくて、大学入試等によく引用されると言われている朝日新聞の天声人語からです。20世紀の初頭に「20世紀の予言」とする報知新聞が載せた23項目がこの百年で次々実現されてきているということを紹介し、「それで幸せになったと言い切れないのがもどかしい。進歩が希望、便利が福音だった時代の歌は、もう心からは歌えない。人は身の丈を考えるときだろう。100年後に原発はどうなっている、人類は、地球は――。」との問題提起をしています。
 奇しくも、Googleは、ドラえもんの生誕「100年前」の今日を記念して、スマートフォン向け音声検索コンテンツを公開したようです。弱い者を助けるが、その道具に頼りすぎるところにはちょっとお灸をすえるバランスのとれた愛すべき存在のドラえもん。でも、新聞からネット社会の巨人にまで取り上げられるとはチョット驚きです。
 秘密の道具のなかでも、朝日新聞の読者の一番人気は「どこでもドア」だそうです。閉塞感が漂う厳しい経済情勢のなかで、自分の行きたいところへ瞬時に運んでくれる「どこでもドア」は誰しも手に入れたいものです。ただ、この厳しい現状から逃避するための道具にはしたくありません。見聞を広めたり、気分転換をはかり問題解決に意欲も持って取り組めるようになる道具としてぜひ手に入れたい、と私は思います。

2012年09月02日

最新機器とどう付き合うか

 コンピュータをはじめとして私たちの身の回りには沢山の電子機器があります。携帯電話、スマートフォン、電子辞書、電卓やTVはもちろん今ではあらゆる家電製品にマイコンが内蔵されています。生活が非常に便利になった反面、生活スタイルが変化してきています。ワープロが普及して文字を書くことが少なくなりました。入力も音声入力は勿論のこと外国語にも変換してくれます。車もカーナビのお蔭で地図が不要になり、道を間違うことも少なくなりました。最近ではブレーキを踏まなくても危険を察知して車が止まってくれるというところまできています。
 便利になった反面、ワープロの普及で、漢字を忘れるというか思い出せなくなっています。車にいたっては「渋滞情報が変わって違うルート」まで案内してくれます。道を覚えなくなりました。車庫入れや駐車する時に、ソナーが付いていれば音をたよりに擦ったりすることがなく安心してできます。しかし、それが当たり前になると、付いていない車に乗ったときは、非常に不安になります。明らかに機械に頼りすぎて、感覚が鈍っているのだと思います。エアコンの普及で体温調整能力が低下したとも言われています。
 電話番号は覚えられなくていいとしても、書けない漢字でも簡単に表示してくれるから覚えなくていいとか、日本語を英語に翻訳してくれるから英語を勉強しなくていいということにはなりません。車を運転する感覚や距離感というのは大切です。車間距離がどれぐらいになったらブレーキを踏みスピードを落とすかは大切な技能です。機械に任せるところと、人間が判断することや失ってはいけない感覚や技能を磨くこととを、キッチリ選別しなければなりません。結局、機械を使う人間がシッカリしないといけないというところに落ち着きそうです。

2012年09月01日

防災の日

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                  60ホール前の防災コーナー
 今日から9月です。1923年(大正12年)9月1日11時58分、マグニチュード7.9の地震が発生しました。10万人を超す死者、行方不明者をだしたとされる関東大震災です。この日にちなんで9月1日を「防災の日」と決められています。また、昔から二百十日といわれ台風襲来の多い頃でもあります。
 先日、南海トラフの巨大地震で、従来の予測を遥かに超える最悪32万人が死亡するとの想定も示されました。途方もない数です。巨大地震が起こらないことを祈るばかりですが、さけて通れないのも事実です。ならばどうするか、「最悪を想定して、最善を尽くす」危機管理の基本に徹するしかないと思います。
 最後の筆を加えた後に関東大震災が起こったとして有名な地球物理学者寺田寅彦の随筆「石油ランプ」があります。翌年に「流言蜚語」を書かれています。それによりますと、水素と酸素を適当な割合で混合させ、それに火花を飛ばすと爆発します。しかし、割合が適切でないと火花があっても爆発しない。流言蜚語もこれに似ているというのです。火花に相当する流言の「源」があっても、「市民自身が伝播の媒質とならなければ流言は決して有効に成立し得ないのだから。」としています。正しい知識を持つことの重要性を指摘しておられます。
 予測のなかで、建物の耐震策を極め、的確な避難訓練等により大幅に被害が食い止められることも報告されています。雲雀丘学園では、幼・小・中・高全ての校舎の耐震補強を行いました。当然のことながら毎年避難訓練を行っています。水や食料の備蓄もしています。1995年に阪神淡路大震災、昨年東日本大震災を経験してきています。ここから導きだされる教訓をしっかり生かしていきたいと考えています。