« 東大推薦入試実施 | メイン | 春一番 »

彼岸の入り

 きょう17日は彼岸の入りです。例年彼岸の入り前後はまだ寒い日もあったりするものですが、今年は暖かい日が続いています。このまま暖かくなるのか、桜の開花も例年より早まりそうだとの予報もあります。
 太陽が真東から上がって、真西に沈み昼と夜の長さが同じになる春分の日と秋分の日をはさんだ前後3日の計7日間を「彼岸」と呼んでいます。煩悩と迷いの世界である「此岸(しがん)」にある者が、「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の修行をする事で、悟りの世界である「彼岸」(ひがん)」の境地へ到達することが出来るという仏教の教えです。六波羅蜜は個人の悟りだけでなく、他の人をも救う修行だといわれています。
 一切の見返りを求めず施す「布施」、身を慎む「持戒」、他に対して寛容であり、どんな困難をも耐え忍ぶ「忍辱」、たゆまず純粋に努力する「精進」、動揺したりせず、常に真理に心が定まっている「禅定」、真理を見極め、真理によって判断、処理できる「智慧」の六つが、「六波羅蜜」だとされています。
 損得勘定で行動したり、人からの働きかけを待ったり、他責にしたりといったことが私たちの日常の生活の中でよく起こっています。このような時に示唆を与えてくれる考え方です。修行といえば心身を鍛錬する厳しいものを想像しますが、チョットした気配りや心の持ちようで良いのだと思います。「無償の愛」、「見返りを求めない施し」などボランティア活動などの中に生かされているように思いますが、今の世の中では失われがちな概念です。周りや人が変わるのを期待するというよりも、自らが変わりそのことに依って他人や周りが変わる生き方に「六波羅蜜」を重ねてみたいと思います。