春分の日
きょうは彼岸の中日、春分の日です。七十二候の第十候「雀始巣(すずめはじめてすくう)」、雀が巣を作り始める頃でもあります。本格的な春、寒さから解放され気分も一番うかれてくる頃です。
ところが今から18年前のきょう、日本中を震撼させた事件が起こりました。1995年3月20日、この年は21日が春分の日で祭日でした。通勤時間帯の地下鉄車内で、化学兵器として使用される神経ガスサリンが散布され、乗客や駅員13人の方が亡くなり、負傷者された方が約6,300人とされる大事件が起きたのでした。1月に阪神淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件と日本中が騒然とした年でした。この事件や前年の松本サリン事件で使用された毒ガスがサリンであることを調べる方法を日本に教示されたアンソニー・トゥ コロラド州立大学名誉教授の講演会をこの1月に実施したところです。当時の様子を鮮明に思い出したところでもありますので、今年の3月20日は感慨ひとしおです。
優れた能力を持った若者が、その能力を人の幸せや社会のためではなく、人を苦しめ殺害する兵器を作成する方向に使ってしまった事例です。悲しい出来事では済まされません。学んだ知識や知恵をどう生かすか、誰のために使うのか、「人間力の伴わない学力」は本当の学力ではないことを改めて思い知らされた出来事でした。
土筆(つくし)が川の土手にひょろりと生えています。何とも言えないほっこりする日本の春の風物詩です。いつまでも大切にしたいものです。