ヒッグス粒子は複合粒子?
昨年の夏、「ヒッグス粒子発見か」と話題になりました。ヒッグス粒子は、「万物に質量を与えた」と考えられる粒子です。この粒子のお蔭で、星が誕生し生命の誕生へと繋がったのです。全ての物質は原子で構成されています。この原子を構成している、最も基本的な粒子が素粒子とされています。標準理論で予想された素粒子の種類が17種類、唯一発見されていないのがヒッグス粒子とされていました。それが、実験を600兆回実施して、存在を示唆する現象の検出が、物理学の世界で統計的に存在すると認められる99.9999%以上の確実性を越えたというものでした。
ところが、ノーベル物理学賞受賞者で名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構の益川敏英特別教授らの研究者グループが、ヒッグス粒子が複数の粒子で構成される「複合粒子」である可能性を、コンピュータを使った計算実験で突き止めたというのです。ヒッグス粒子が複合粒子ということになれば、素粒子ではなくなります。昨年発見されたとするものが、ヒッグス粒子ではないのか、それともヒッグス粒子を素粒子と捉える標準理論を見直すのか。標準理論は今の宇宙をとてもうまく表しているとされています。が、宇宙の物理現象をきちんと理解するためには、標準理論を超えた新しい理論を創らなければならないということになるかもしれません。
今起こっている事象や現象を、理解したり、うまく説明できる理論や考え方があったとしても、それは決して絶対的なもの普遍的なものではないということです。進化・発展していくものとして捉え、絶えず検証してい必要があるということを強く感じた次第です。